産休中の社会保険料は免除になるの?免除額や申請方法について解説
産休中の社会保険料は免除になるの?免除額や申請方法について解説
公開日 2020/09/30
更新日 2020/09/30

産休中の社会保険料は免除になるの?免除額や申請方法について解説

産休(産前産後休業)中は出産手当金が支給されるものの、今までの給料の3分の2程度です。そのような状況で、社会保険料を負担するのは厳しいという人に、「産前産後休業保険料免除制度」をご紹介します。これは産休中の健康保険料と厚生年金保険料が免除される制度です。免除を受けるには申請が必要なので、ここで手続きの方法も確認しておきましょう。出産、育児は何かとお金がかかります。こうした制度を上手に利用して、産休、育休(育児休業)中の金銭面の不安を減らしていきましょう。

執筆:石倉博子

産前産後休業保険料免除制度について

  • 産前産後休業保険料免除制度は、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、出産のために会社を休んだ期間の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除される制度です。

  • 1.申請書の提出は事業主を通して行われます。

    2.被保険者分及び事業主分とも免除されます。

    3.産前産後休業期間中における給与が、有給・無給であるかは問いません。

    4.免除される期間は、産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の月の前月(産前産後休業終了日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)までです。

  • 4について分かりやすく説明すると、たとえば産前産後休業(以下、産休)が4月12日から7月20日までであった場合、4月分から6月分の3ヵ月分が免除されますが、4月24日から7月31日までであった場合は、4月分から7月分の4カ月分が免除されます。

  • また、産休後に、続けて育児休業を取得した場合に、育児休業の保険料免除制度を利用することができます。この場合、新たに育児休業の免除手続きが必要になります。

  • 免除期間中は被保険者資格に変更はなく、将来、年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われるので、年金額が減額される心配はありません。

手続きの方法と留意事項

  • 手続きは、産休の期間中に行わなければなりません。

  • 事業主に保険料免除制度を利用することを申し出て、「産前産後休業取得者申出書」を作成してもらいます。申出書は事業主が日本年金機構へ提出します。

  • 申出書は日本年金機構のHPからダウンロードできます。

    健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届 | 日本年金機構

  • 区分内容
    提出時期被保険者から申出を受けた時
    提出先事業所の所在地を管轄する年金事務所
    提出方法電子申請、郵送、窓口持参のいずれかを選択

    出典:産前産後休業保険料免除制度 | 日本年金機構を元に筆者作表

  • <留意事項>

    *出産とは、妊娠85日(4カ月)以後の出産(早産、死産、流産、人工妊娠中絶を含む)を言います。

  • *産前産後休業期間を変更、または終了予定日より早く終了したときは、「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出する必要があります。

  • *育児休業の保険料免除期間と産前産後休業の保険料免除期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。

こんなに節約できる!月収例で見る免除額

  • では、実際に社会保険料をどのくらい節約できるのか月収別に見てみましょう。

  • 2020年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

    月収健康保険料厚生年金保険料
    20万円9,870円1万8,300円
    30万円1万4,805円2万7,450円
    40万円2万234円3万7,515円

    出典:2020年度保険料額表[東京都](全国健康保険協会)を元に筆者作表

    ※30代の被保険者の自己負担分

  • 産休を3ヵ月、育児休業を1年間取得した場合の社会保険料の免除額の合計を出してみましょう。

  • 月収20万円の場合

    <産前産後休業>

    健康保険料 9,870円×3ヵ月=29,610円

    厚生年金保険料 18,300円×3ヵ月=54,900円

    社会保険料合計 84,510円

  • <育児休業>

    健康保険料 9,870円×12ヵ月=118,440円

    厚生年金保険料 18,300円×12ヵ月=219,600円

    社会保険料合計 338,040円

  • 月収30万円の場合

    <産前産後休業>

    健康保険料 14,805円×3ヵ月=44,415円

    厚生年金保険料 27,450円×3ヵ月=82,350円

    社会保険料合計 126,765円

  • <育児休業>

    健康保険料 14,805円×12ヵ月=177,660円

    厚生年金保険料 27,450円×12ヵ月=329,400円

    社会保険料合計 507,060円

  • 月収40万円の場合

    <産前産後休業>

    健康保険料 20,234円×3ヵ月=60,702円

    厚生年金保険料 37,515円×3ヵ月=112,545円

    社会保険料合計 173,247円

  • <育児休業>

    健康保険料 20,234円×12ヵ月=242,808円

    厚生年金保険料 37,515円×12ヵ月=450,180円

    社会保険料合計 692,988円

  • 月収20万、30万、40万の場合の社会保険料の免除額
    月収20万、30万、40万の場合の社会保険料の免除額

    出典:2020年度保険料額表[東京都](全国健康保険協会)を元に筆者作表

  • 月収20万円で40万円以上、月収40万円では80万円以上も社会保険料が節約できます。また、社会保険料の免除によって、年金額が減るなどの不利益もありません。

  • 産休が終わってからでは申請ができないので、産休に入るタイミングで、忘れずに申請をしましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年8月7日時点のものです

  • 石倉 博子

    執筆者プロフィール 石倉 博子
    FPwoman Money Writer's Bank 所属ライター
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士<国>、CFP(R)
    “お金について無知であることはリスクとなる”という自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事