「第一種奨学金」と「第二種奨学金」はどう違う?条件や金額の違いを解説
「第一種奨学金」と「第二種奨学金」はどう違う?条件や金額の違いを解説
公開日 2020/08/27
更新日 2020/08/27

「第一種奨学金」と「第二種奨学金」はどう違う?条件や金額の違いを解説

日本学生支援機構の奨学金には給付型と貸与型があります。給付型は経済的理由により進学が極めて困難な人を対象としており、奨学金の利用の多くは貸与型となっています。貸与型の奨学金には、無利息の「第一種奨学金」と利息付の「第二種奨学金」があり、採用条件や貸与金額などに違いがあります。どのような場合に第二種奨学金を選ぶのか、奨学金の選び方から奨学金の申請方法まで、分かりやすく解説します。

執筆:石倉博子(ファイナンシャルプランナー)

第一種奨学金と第二種奨学金の違い

  • 日本学生支援機構の貸与型の奨学金「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の違いを見ていきましょう。

  • 第一種奨学金第二種奨学金
    対象国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)の学生・生徒国内の大学院・大学・短期大学・高等専門学校(4・5年制)・専修学校(専門課程)の学生・生徒

    ※高等専門学校(1~3年制)は対象外

    利子無利息在学中は無利息、卒業後は上限3%の利息付
    選考特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人に貸与第一種奨学金よりゆるやかな基準によって選考された人に貸与
    貸与金額学校種別(大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校<専門課程>)、設置者(国立・公立・私立)、入学年度、通学形態(自宅通学・自宅外通学)によって定められた貸与月額のいずれかを選択大学院においては5種類の貸与月額から、大学・短期大学・高等専門学校(4・5年制)・専修学校(専門課程)においては11種類の貸与月額から、それぞれ自由に選択

    出典:奨学金の種類 – JASSOを元に筆者作成

  • 一番大きな違いは、無利子か有利子かの違いです。第一種奨学金は無利子であるため、選考も厳しくなっており、成績や経済状況による採用条件が設けられています。

  • 第二種奨学金はそれよりも緩やかな基準になっているため、利用者も2対3の割合で、第二種奨学金を利用している人の方が多くなっています。(※)また、貸与金額も第二種奨学金の方が大きな金額を借りることができます。

  • 奨学金事業への理解を深めていただくために

    (2019年2月)独立行政法人 日本学生支援機構

  • 選考と貸与金額については、もう少し詳しく見ていきましょう。

  • *第一種奨学金と第二種奨学金の採用条件

    次年度に大学等へ進学する希望を持っている高等学校を卒業予定の人、または卒業後 2 年以内の人は、予約採用という進学前の申し込みをします。

  • 奨学金は誰でも希望すれば借りられるわけではなく、学力と家計に基準が設けてあり、その基準をクリアしないと支給を受けられません。

  • 表1 <採用の基準(予約採用)>

    学力
    基準
    第一種次の(1)・(2)のいずれかに該当し、大学等へ進学後も優れた成績を修める見込みがある等
    (1)高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が5 段階評価で3.5以上
    (2)住民税非課税世帯の人、生活保護受給世帯の人
    又は社会的養護を必要とする人(児童養護施設在籍者等)であって、大学等における学修に意欲がある人

    第二種高等学校等における申込時までの全履修科目の学習成績が平均水準以上である等
    家計
    基準
    第一種次の(1)・(2)のいずれかに該当する
    (1)生計維持者(父母)の年収が第一種奨学金の収入基準額以下である(※表2参照)
    (2)住民税非課税世帯の人、生活保護受給世帯の人
    又は社会的養護を必要とする人(児童養護施設在籍者等)

    第二種生計維持者(父母)の年収が第二種奨学金の収入基準額以下である(※表2参照)
    併用
    貸与
    生計維持者(父母)の年収が第一種・第二種併用貸与の収入基準額以下である(※表2参照)

    ※ 「併用貸与」とは、第一種奨学金と第二種奨学金を併せて利用することです。

    出典:給付・貸与奨学金早わかりガイド(予約採用)|日本学生支援機構を元に筆者作成

  • 表2 <家計基準の収入・所得の上限額の目安>

    世帯人数給与所得の世帯(年間収入)給与所得以外の世帯(年間所得)
    第一種第二種併用貸与第一種第二種併用貸与
    3 人世帯657万円1,009万円599万円286万円601万円245万円
    4 人世帯747万円1,100万円686万円349万円692万円306万円
    5 人世帯922万円1,300万円884万円514万円892万円476万円

    ※表中の数字はあくまで目安です。上記の目安を上回っていても、特別控除等により基準を満たす可能性があります。

    出典:給付・貸与奨学金早わかりガイド(予約採用)|日本学生支援機構を元に筆者作成

  • 第二種の学力基準である「全履修科目の学習成績が平均水準以上である」を満たしていなくても、「学修に意欲があり学業を確実に修了できる見込みがあると認められること」という条件に当てはまっていれば、審査に落ちる可能性は低いようです。

  • *第一種奨学金と第二種奨学金の貸与金額

    第一種奨学金は進学先の学校の種別、設置者(国公立・私立)、通学形態(自宅通学・自宅外通学)によって定められている金額から選択します。

  • 第二種奨学金は、進学先や進学形態に関わらず、2万円~12万円までの金額を1万円単位で自由に選ぶことができます。

  • <貸与金額(予約採用)>

    進学先大学
    国公立私立
    自宅通学自宅外通学自宅通学自宅外通学
    第一種 奨学金最高月額4万5,000円5万1,000円5万4,000円6万4,000円
    最高月額
    以外の月額
    3万円
    2万円
    4万円
    3万円
    2万円
    4万円
    3万円
    2万円
    5万円
    4万円
    3万円
    2万円
    第二種奨学金2万円~12万円(1万円単位)
    進学先短期大学・専修学校(専門課程)
    国公立私立
    自宅通学自宅外通学自宅通学自宅外通学
    第一種 奨学金最高月額4万5,000円5万1,000円5万3,000円6万円
    最高月額
    以外の月額
    3万円
    2万円
    4万円
    3万円
    2万円
    4万円
    3万円
    2万円
    5万円
    4万円
    3万円
    2万円
    第二種奨学金2万円~12万円(1万円単位)

    出典:貸与奨学金案内|日本学生支援機構を元に筆者作成

どのような場合に第二種奨学金を選ぶのか

  • 貸与型の奨学金は、卒業後に返還をしなければならないため、無利子である第一種奨学金の方が負担が少なく済みます。

  • しかし、第一種奨学金は、学力基準、家計基準ともに、第二種奨学金よりも厳しくなっています。特に、家計基準で、第一種奨学金の収入基準額を明らかに超えているのであれば、第二種奨学金を選択するしかありません。

  • 第二種奨学金は利子が付きますが、より多くの人が奨学金を利用できるように基準を緩和しています。

  • 現在利率は、利率固定方式が0.157%、利率見直し方式が0.003%と極めて低水準で推移しています。(※)民間の教育ローンを利用することに比べると利息の負担は非常に小さいと言えるでしょう。

  • ※2020年度貸与利率一覧(年利%)- JASSO より、4月中に貸与終了した者の貸与利率

    ※利率固定方式は、貸与終了時に決定した利率が返還完了まで適用されます。利率見直し方式は、概ね5年ごとに見直された利率が適用されます。

  • また、最高で月額12万円まで支給される第二種奨学金は、貸与金額の最高金額が第一種奨学金よりも高いという特徴があります。奨学金を多く借りたい場合などに、第二種奨学金が選ぶ必要が出てくるかもしれません。

  • 収入基準を大きく超えていない、貸与金額もそれほど多くを求めていないならば、まずは第一種奨学金を希望してみるのもひとつの方法です。

  • 申し込みの時に、第一希望、第二希望と、希望する奨学金の種類を指定することができるので、第一種奨学金が不採用となった場合に、第二種奨学金を受けることができます。

奨学金の申請方法

  • 最後に、奨学金の申請方法を確認しておきましょう。

  • ここでは、高等学校在学中に申請をする予約採用の流れを紹介します。(※進学後に申し込める在学採用もあります)

  • 1.申し込みの準備をする

    高等学校等から申込関係書類を受け取ります。

    手続きの期限とスカラネット(インターネット)の入力に必要なID・パスワードを確認します。

  • 2.申込内容の確認をする

    申請する内容を「申込みのてびき」や学校から受け取った冊子などを読みながら確認し、記入します。スカラネットは時間制限があるため、ここでしっかり確認をしておくとスムーズです。

    申込みのてびき2020年度版 (PDF)|日本学生支援機構

  • 3.必要書類を用意する

    必要な書類は、希望する奨学金の種類や生計維持者の収入状況などによって異なります。

  • 4.スカラネット(インターネット)で申込情報を入力する

    1画面あたり 30 分以内の制限時間があるので注意しましょう。

  • 5.書類を提出する

    マイナンバー関係書類はスカラネット入力後1週間以内にJASSO(日本学生支援機構)に直接提出します。マイナンバー関係書類以外の書類は学校の定める期限までに学校に提出します。

  • 以上で申請の手続きは完了です。

  • 直前に慌てることのないように、早めに計画をたてて必要種類の準備などを進めておくようにしましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年7月24日時点のものです

  • 石倉 博子

    執筆者プロフィール 石倉 博子
    FPwoman Money Writer's Bank 所属ライター
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)
    “お金について無知であることはリスクとなる”という自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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