教育ローンとは?奨学金との違いや申請時の注意点をおさえておこう
教育ローンとは?奨学金との違いや申請時の注意点をおさえておこう
公開日 2020/08/24
更新日 2020/08/24

教育ローンとは?奨学金との違いや申請時の注意点をおさえておこう

子どもの大学や専門学校の進学に向けて、教育資金をどう工面しようか考えをめぐらせている人は多いのではないでしょうか。預貯金などの自己資金が不十分という場合、「借りる」という手段もあります。代表的なのが教育ローンですが、実は教育ローンにもいくつか種類があります。そこで今回は、教育ローンの基本知識とともに、奨学金との違いや教育ローンを利用する際に注意するべきポイントについて見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

教育ローンとは?

  • 教育ローンとは、使いみちが入学金や授業料のほか、教育関連費用に限定されているローンです。金融機関によっては「学資ローン」という名前で提供しているところもありますが、基本的には教育ローンも学資ローンも同じものです。

  • 限定されているとはいえ、その範囲は広め。受験前から、入学~在学中までの幅広い費用に利用でき、例えば、次のようなものがあります。

    ・学習塾・予備校費用

    ・受験費用

    ・入学金

    ・授業料

    ・教科書代、参考書代

    ・自宅外から通学する場合の住居費

    ・定期券代

    ・仕送り費用

    ・海外留学費用など

  • ところで、借りたお金の使いみちは大学進学前後の費用にしか使えないと思っている人もいるかもしれません。例えば、大学受験のための予備校費用、大学受験の費用など……。

  • 実はどの進学過程で教育ローンを利用できるかは、どこの教育ローンを利用するかによって異なります。

  • 例えば国(日本政策金融公庫)の教育ローンでは高校以上の教育資金とされていますが、民間金融機関では、保育園や幼稚園からかかる教育資金もOKとするところも多くあります。

  • ・どこで借りられる?

    教育ローンは銀行、信用金庫、労働金庫、JAなどのさまざまな民間金融機関で借入れできます。また、国(日本政策金融公庫)も取り扱っています。

  • 具体的な使途、借入れ条件、借入利率、返済方法などは金融機関ごとに差があります。普段利用している銀行ほかいくつかの金融機関で、自分のニーズや利便性に合うローンを探してみましょう。

  • ・民間金融機関は2タイプの教育ローンから選べるところも

    多くの民間金融機関は、「一括借入型(証書貸付型)」と「カードローン型」の2つのタイプの教育ローンを提供しています。ニーズに合わせて選べます。

  • 一括借入型:借入金を一括で受け取れるタイプ

    入学費用や授業料など、まとめて支払う必要がある費用の支払いに適しています。

  • カードローン型:借入枠を設定し、枠の範囲内で必要な時にその都度借入れできるタイプ

    毎月の仕送りをはじめ、都度必要となる費用の支払いに適しています。

  • ・金利や返済は?

    教育ローンは借入れの目的が教育関連資金に制限されている分、借りたお金を自由に使えるカードローンなどに比べ、一般的に借入利率は低めです。

  • 国の教育ローンの場合、借入利率は一律で、2020年7月現在では年1.7%。借入れ時に設定された金利が返済完了するまでずっと変わらない固定金利です。

  • 民間の教育ローンでは、金融機関や教育ローンのタイプによって異なります。一般的に●%~●%と幅のある金利表示をしており、借入れ額や審査結果に応じて決められます。「固定金利」と「変動金利」の2タイプがあり、一般的には変動金利の方が金利が低めです。

  • なお、借入利率は申込時点ではなく、借入時点の金利が適用されます。原則としてローン契約をした翌月(あるいは翌々月)から返済が始まるため、奨学金に比べると申込み時の金利情勢を見ながら返済計画を立てやすいのはメリットでしょう。

教育ローンと奨学金の違い

  • 教育ローンと奨学金とでは違いが多々あります。それぞれの特徴を知り、ニーズに応じた利用を検討しましょう。

  • 奨学金にもさまざまなものがあります。教育ローンと比較するため、返済が必要で、利息が付くタイプである日本学生支援機構(JASSO)の「貸与型(第二種)」奨学金について記載します。

  • 項目教育ローン奨学金
    返済する人保護者子ども
    借り方一括借入れ、都度借入れ毎月定額
    最大の借入額金融機関によるが、1,000万円~3,000万円とするところも
    (国の教育ローンは350万円)

    月12万円
    最長の返済期間金融機関によるが、最長10年とするところが多い最長20年
    (借入額によって異なる)

    金利金融機関による
    (国の教育ローンは1.7%※の固定金利)

    貸与終了時に決定
    (2020年3月貸与終了の場合、0.07%)

    利息の発生時期借入の翌月(あるいは翌々月)卒業後から

    ※2020年7月現在

国と民間の教育ローンの違い

  • 国(日本政策金融公庫)と民間金融機関の教育ローンの違いについても確認しておきましょう。

  • 項目日本政策金融公庫民間の教育ローン
    申込み条件世帯所得が一定以下であること
    (子どもが2人の場合、世帯年収890万円まで)

    金融機関・借入金額によるが、通常は世帯所得が一定以上であること
    他にも、年齢条件や勤続年数条件などあり

    貸付利率1.7%(※)金融機関によるが、店頭表示金利は2%~3%台のところが多い(※)
    申込上限350万円金融機関によるが、1,000万円~3,000万円とするところも
    借り方一括借入れ一括借入れ、都度借入れ
    必要書類・本人確認書類
    ・住民票(家族全員記載のもの)
    ・収入確認書類(源泉徴収票、確定申告書など)
    ・使途確認書類(合格証明書、入学許可証、在学証明書など)
    ・住宅ローン(または家賃)と公共料金の両方の支払い状況を確認できるもの

    ・本人確認書類
    ・住民票(家族全員記載のもの)
    ・収入確認書類(源泉徴収票、確定申告書など)
    ・使途確認書類(合格証明書、入学許可証、在学証明書など)

    融資までの期間申込時期や使途によるが、2~3ヵ月が目安金融機関によるが、申し込みから2週間程度のところが多い

    ※2020年7月現在

教育ローン申請時の注意点

  • 国および民間金融機関の教育ローンともに、1年中のいつでも申し込むことが可能です。

  • 上の表で違いを紹介したように、申し込みから融資までにかかる期間は金融機関によって異なります。入学金など支払期限が決まっている費用にあてたい場合には、早めに申し込むことが必要です。

  • なお、使途証明書類が必要になることも前述しましたが、例えば入学時の費用に充てる場合は合格証明書や入学証明書などを提出しなければなりません。

  • だからといって、これらの書類を入手するのを待っていて融資が支払期限に間に合わなくなるのでは意味がありません。国の教育ローンをはじめ、金融機関によっては合格前から申し込みを受け付けているところもあるので、その点もきちんと確認しておきましょう。

  • 最近では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、通常よりも融資までに期間を要することもあります。余裕も持って申し込むことが大切です。

  • なお、余裕を持たせて前倒しで申し込むのは良いですが、審査結果には2ヵ月~4ヵ月程度の有効期限が設けられています。せっかく審査に通過しても、実際にローンを契約するまでに期限切れとなってしまえば再度申込みが必要になります。この点にも注意してください。

  • 教育ローンは借入金の使途や金額、借り方など高い利便性があります。また、借入時点の金利が適用され、返済計画が立てやすい利点もあります。

  • しかし、借入れ後すぐに返済が始まるということは、下の子がいればまだまだお金がかかり、親自身の老後資金の準備時期とも重なるケースもあると思います。

  • 無理な借入れで家計を圧迫しないよう、利用は慎重に行いましょう。教育ローン選びなど、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのもおすすめです。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年7月16日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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