【FP解説】学童保育とは?民間と公立の料金や時間の違いなど
【FP解説】学童保育とは?民間と公立の料金や時間の違いなど
公開日 2020/03/04
更新日 2020/07/28

【FP解説】学童保育とは?民間と公立の料金や時間の違いなど

年々増え続ける共働き世帯。今、保育園の待機児童と同様に、小学生が放課後を過ごす場所の確保が社会問題になっています。その中の代表といえば、学童保育。学童保育の種類、利用する場合の料金や、メリット・デメリットなど、詳しくご説明します。

執筆:寺門美和子(ファイナンシャルプランナー)

学童保育とは

  • 共働き世帯は1980年当時、全世帯の35%ほどでしたが、1997年頃を境に、右肩上がりで上昇しています。また、第一子出産後の職場継続も5割を超えました。育児休業も取得しやすい環境が整ってきたのでしょう。とはいえ、今もなお、仕事と子育ての両立は簡単なものとはいえません。今回は、そんなママ達を応援する学童保育について、わかりやすくご説明します。

  • 学童保育とは、小学生の放課後のために用意された施設・制度です。仕事で家庭に親が不在の児童に対して、安心できる遊びや生活の場を提供し、健全な育成を図るためのものです。「学童クラブ」「放課後児童クラブ」とも呼ばれています。

    学童保育は、厚生労働省管轄の公的なものや、民間企業が運営する「キッズクラブ」等と呼ばれるものもあり、多様化しています。この学童保育は、近年、国が政策の柱としている「子育て支援事業」のひとつ。ですから、公営の施設は補助金もあり、家計の負担も少なく済んでいます。しかし自治体によっては、保育園と同じように、利用希望者が実際の入所可能枠をオーバーしてしまい、待機児童が発生しています。また学童に対して、塾など独自の教育の場としての役割を求める家庭も増えています。多様化の背景には、こんな事情があるのです。

  • 平成30年(2018年)12月に厚生労働省は、学童保育の実施状況を発表しました。学童保育への登録数は、123万4,000人で前年より6万3,000人増、過去最高の人数となったそうです。また、「学童保育施設」は、約2万5,000ヶ所となり、前年より755ヶ所増。それにもかかわらず、待機児童数は前年より109人増え、1万7,279人もいます。政府はその対策として、2023年までに受け皿を30万人分増やす方針です。では、それらの学童保育施設をもっと具体的に見ていきましょう。

学童保育の施設の種類と違い

  • 1. 運営方法

    学童保育には3つの運営方法があります。自治体が設置して運営する「公設公営」型、公設の施設を地域の団体やNPO、株式会社などが運営する「公設民営」型、民間が設置し運営している「民設民営」型です。

    「公設公営」「公設民営」は学校の空き教室を利用しているものや、学校の敷地内や隣に建てられたものが多く、一方で「民設民営」はNPO団体や父母会のほかに、学習塾など民間企業が運営しているものもあります。

  • 2. 料金

    自治体や運営施設、サービス内容によって料金が異なります。

  • 【料金徴収をしているクラブにおける利用料の月額】

    ・2,000円未満 1.7%

    ・2,000円~4,000円未満 17.5%

    ・4,000円~6,000円未満 27.1%

    ・6,000円~8,000円未満 21.1%

    ・8,000円~1万円未満 14.4%

    ・1万円~1万2,000円未満 7.4%

    ・1万2,000円以上 6.6%

    ・おやつ代等のみ徴収 4.2%

    平成30年(2018年) 厚生労働省 「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より抜粋

  • 上記は基本料金で、「4,000円から6,000円未満」の施設が一番多く27%を占めています。ただ、自治体により所得要件などをもとに利用料の減免を行っている場合があります。ひとり親家庭や生活保護受給世帯等に対しては減額を、一定以上の所得のある世帯には加算を行っている自治体もあります。条件は自治体毎にことなり、0円になる場合もあるようです。8割の自治体が利用料の減免を実施していますので、住居を決める際の参考にしてみてもいいでしょう。

  • 尚、民間の運営する学童保育は、サービスの内容や選べるオプションによって料金もそれぞれ大きくことなります。サービスは様々ありますので、一例をあげます。

  • <A社>

  • 月額基本利用料4万円~9万6,000円
    サービス内容理数系の学習塾併設の指導、算数・数学・国語・英語指導/学校の宿題/授業のレビュー/送迎 等
    オプション午後8時以降の延長料金30分700円(午後9時まで)/軽食実費/夕食実費 等

  • <B社>

  • 月額基本利用料1万290円~5万6,980円
    サービス内容学校の宿題/近所の公園へお遊び/送迎 等
    オプション学習講座月3回5,980円/午後7時以降の延長料金15分275円(午後10時まで)/おやつ238円/夕食598円 等

  • <C社>

  • 月額基本利用料1万2,000円~5万円
    サービス内容英語学童保育(40分×3レッスン)/宿題 等
    オプション午後18時30分以降の延長料30分500円/お迎え500円/自宅への送迎700円/おやつ200円/夕食750円 等

  • 各社の基本利用料に幅があるのは、各教室週に何回依頼するか選択ができるようになっているため。民間運営の場合はサービス内容やオプションが各社それぞれの強みの提案になっています。別途、入会金や施設管理料も必要なので、よく調べて比較してみて下さい。

  • 3. 時間

    共働き世帯や母子家庭では、「何時まで預かってもらえるか」ということが大きな課題になる家庭もあります。以下の数字は平日の学童保育の終了時刻別の施設数の割合です。

  • 【平日に開所しているクラブにおける学童保育終了時刻】

    ・17:00まで 0.7%

    ・17:01~18:00 21.9%

    ・18:01~18:30 22.2%

    ・18:31~19:00 47.8%

    ・19:00以降 7.4%

    平成30年(2018年) 厚生労働省 「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より抜粋

  • 18時以降は、学童によって閉所時間がまちまちです。例えばもし、学童の閉所時刻が18:30の場合、定時が17:30、通勤時間が1時間以内なら、お迎えに間に合いますね。調査結果では、「18:31~19:00に閉所する施設」が年々増えており、家庭の要望が反映されているようです。また、19時以降の施設も7%程度あります。

  • 夏休みなど長期休暇期間等についても、開所や閉所時間が施設ごとに異なるため、注意が必要です。

  • 4. 施設の支援人数

    東京都の方針をみると、40人を定員としていますが、経過処置として定員を超えることも許容しています。

    施設毎の支援人数は下記の様な状況です。

  • ・19人以下 9.5%(うち9人以下は2.5%)

    ・20人~35人34.6%

    ・36人~45人29.8%

    ・46人~55人13.0%

    ・56人~70人8.9%

    ・71人以上4.3%

    平成30年(2018年) 厚生労働省 「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」より

公的学童保育施設のメリット・デメリット

  • 公的学童保育施設のメリットは「料金」です。公的機関は民間運営に比べると料金設定は低く、自治体の免除や助成の対象となっています。また、公的機関でも自治体により料金体系がA・B 2種類の時間帯で分れていたり、19時まで預かってくれたりする施設もあり、その場合には施設の料金は高めに設定されています。

    公的施設のデメリット、1つ目は時間の制約です。預かり時間は延長傾向になっても、基本的には「お迎え」が必要となり、仕事と通勤の兼ね合いが問題となります。2つ目は人数です。先ほど述べた様に、20人以下の施設は、全体の10%以下。人口密集地域の公的施設では、定員超えを余儀なくされている場合もあります。「個人への目の行き届き」という点では手薄になる傾向があります。できるだけ大人の目の届く環境で過ごして欲しい方もいると思いますので、施設ごとの支援人数についても確認してみるとよいでしょう。学習面については、公立の学童では学習時間は設けられていても、基本的には指導員は学習指導を行いません。ですから宿題など、学習指導を注視したい家庭には向かないかもしれません。

民間学童保育施設のメリット・デメリット

  • 一方民間施設のメリットは、預かり時間の長さなど、手厚いサービスでしょう。ほぼ延長保育のサービスがあり、22時まで対応してくれる所や、都心部には24時間対応可能な施設もあります。また、送迎サービスも人気です。自宅と施設の送迎だけではなく、指定小学校へお迎えや、習い事への送迎を、施設を拠点に行ってくれるところもあります。また、学習カリキュラムの充実も民間施設の特徴です。勉強だけでなく英会話や、ダンスなどの運動も選択できる施設もあります。

    民間施設は公立施設よりも利用料が割高になります。利用回数や付帯サービスの内容、オプションサービスが選べるなど、料金体系もさまざまです。夕食を学童でとる子もいます。子どもの一日の生活を大きく左右する可能性もありますから、料金のみで比較するのではなく、様々な観点から比較検討することをおすすめします。

  • 小学校6年間は、人生の中で成長著しい時期。その時に親として、どんな環境を与えてあげられるのかは、とても大切なこと。仕事をしながらの子育てにおいては、メリハリをつけて親子の時間を過ごすことが大切です。「時間」と「お金」と「子どもの性格や状態」という家庭の要件と、現存する保育サービスを上手くマッチングさせてみて下さい。また、一度決めたことでも、子どもの成長に合わせて臨機応変に見直しを行うことも大切です。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年2月18日時点のものです

  • 寺門美和子

    執筆者プロフィール 寺門美和子
    『お金と暮らしと夫婦問題の専門家』として、ファイナンシャルプランナーと夫婦問題コンサルタントの二刀流で活動中。AFP/公的年金アドバイザー/相続診断士/終活カウンセラー/FP相談ねっと認定FP/岡野あつ子に師事(R)上級夫婦問題カウンセラー
    個人に寄り添うことをモットーとし、老後のお金の問題から終活・相続まで、ワンストップで対応。特に夫婦問題や複雑な相続などの案件が得意。日々コンサルティング業務を行っている。

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