「育児休業」いつからいつまで?延長はできる?
「育児休業」いつからいつまで?延長はできる?
公開日 2020/03/04
更新日 2020/03/04

「育児休業」いつからいつまで?延長はできる?

子どもができても育児と両立して働き続けたいと考える女性は増えているようです。社会的にも女性の活躍が求められているなか、働く母親をサポートする制度がさまざま設けられています。そのひとつに育児休業制度がありますが、なんとなくは知っていても、期間や申し出るタイミングなど具体的な内容は知らない人が多いかもしれません。

今回は、これから母親になる人、なりたい人は必見の育児休業制度について見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

育児休業制度と産休制度はどう違う?

  • 働く母親が出産した後に取得できる休業には、産休と育休があります。似ているようで両者には大きな違いがあります。まずはこれらの違いを知っておきましょう。

  • 産休制度

    産休制度は正式には「産前・産後休業」といいます。と基本的には出産予定日をはさみ、出産予定日の6週前(双子などの多胎妊娠の場合は14週前から)の「産前休業」と出産日の翌日から原則8週間の「産後休業」に分かれています。

  • 産前・産後休業は労働基準法に基づく休業制度ですが、産前休業は母親が請求すれば取得できるものであるのに対し、産後休業は原則として8週間は取得しなければならない休業とされています。中には早く職場復帰したいという女性もいますが、産後6週間は強制的な休業ですので就業することはできません。ただし、産後6週間を経過した後は、人が就業を請求し、医師が支障ないと認めれば仕事に復帰することが可能です。

  • これは、妊娠・出産で大きな負担がかかった母体の体力を、回復させるのが主目的とされています。

  • 育休制度

    対して育児休業制度は名前どおり、産まれた子どもを育児するのが主目的の制度で育児・介護休業法に基づきます。1歳に満たない子どもを持つ場合に申し出により取得できる休業ですが、取得に際しては要件を満たすことが必要です。

育児休業取得の要件は?

  • 育児休業を取れる人は?

    1歳に満たない子を養育する男女労働者が育児休業を取得できるのは前述しましたが、正社員だけではなく、契約社員やパートなどの期間の定めのある労働者も取得可能です。ただし、取得に当たっては次の要件に該当することが必要です。

  • 申し出時点で同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること

    子が1歳6カ月になる日(2歳までの育児休業の場合は、子が2歳に達する日)までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

  • これらの要件を満たしていれば、事業主は育児休業取得の申し出を拒否することはできないことになっています。

  • 育児休業の期間は?

    育児休業は連続した1回の取得が原則で、子どもが出生した日から最長子どもが1歳に達する日(誕生日の前日)までの範囲内で取得が可能です。

  • つまり、原則として母親・父親ともにそれぞれ1年間を上限に育児休業を取得できることになりますが、母親の場合は出産後にはまず8週間の産後休業を取得するのが通常です。そのため母親は産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間を上限とされています。

  • ところが両親ともに育児休業を取得する場合、取得期間に関して特例が設けられています。この特例を「パパ・ママ育休プラス」といいます。イメージしやすいように図で見てみましょう。

  • 図1:パパ・ママ育休プラスのイメージ

    育休プラス

    出典:厚生労働省「育MENプロジェクト」育児休業制度とは

  • 父親・母親が同時あるいは交代で育児休業を取得する場合、子どもが1歳2カ月になるまでに延長することができます。ただし、父親・母親それぞれ1年間を上限とするルールは変わりません。

  • なお、連続した1回の取得が原則ですが、母親が産後休業を取得している8週間のうちに父親が育児休業を取得した場合には、特例として父親は育児休業を再度取得することができます。

  • 育MENプロジェクト

    出典:厚生労働省「育MENプロジェクト」育児休業制度とは

  • 出産後は慣れない育児で思いがけないこともあるかもしれません。夫婦で協力しあって上手に育児休業が取れるといいですね。

  • 育児休業期間は延長できる?

    育児休業制度はそもそも父親・母親が職場復帰をすることが目的です。しかし子どもが1歳になって育児休暇期間が終わるまでに保育所等に入れないケースもあり得ます。このような一定の要件を満たす場合には、子どもが1歳6カ月になる日まで育児休業を延長することができます。

  • 地域によってはまだまだ待機児童の問題がある場合もありますが、子どもが1歳6カ月に達した時点でも保育所に入れない等の場合には、再度勤め先に申し出することにより、育児休業期間を最長2歳まで再延長することが可能です。

  • 1回目も2回目も、育児休業を延長できるのは次のいずれかの事情がある場合です。きちんと知っておきましょう。

  • 1.保育所等の入所申込みを行っているが、入所できない場合

    2.子の養育を行っている配偶者であって、1歳(または1歳6カ月)以降子を養育する予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

育児休業取得に際して知っておきたい大切なこと

  • 育児休業の手続き

    育児休業は会社に規定がなくても育児・介護休業法を根拠に請求ができますが、遅くとも休業開始1カ月前までに会社に申請することが必要です。なお、会社に育児休業規定がある場合には、会社の規定に従ってください。

  • また、育児休業の延長は自動的には行われません。延長開始希望日の2週間前までに会社へ申請することが必要です。

  • 育児休業を取得すると育児休業給付金といった経済的補助があります。スムーズに休業に入れることはもちろん、給付金をスムーズに受けられるためにも育児休業の申請に際して必要となる書類や提出のタイミングを事前に会社の担当者に確認しておきましょう。

  • 育児休業修了後のキャリアプランを考えておく

    育児休業制度は出産後にも働き続けることを希望する人が、育児に向かう期間を取り、安心して職場復帰できるための制度です。

  • とはいえ、まだ子どもが幼いうちは、職場復帰後も子どもの病気や突発的な事情で休みがちになることもあり、それまでとは働き方が変わってしまうこともあるものです。しかし、会社も変化に応じなければならないということを知っておきましょう。

  • ここで言う「変化に応じなければならない」というのは、従業員の育休取得の権利に応じるという意味合いもありますが、休んだ従業員の戦力分を補わなくてはならないという意味もあります。労使関係にもさまざまなものがありますから個々のケースで異なりますが、この戦力を補う行為が、世間では「マタハラ」とか「育休切り」などと問題化されてしまう話も聞きます。

  • このような問題発生を防ぐためには会社の理解も大切ですが、働きつづけるつもりの母親が、モチベーションをしっかり維持しておくことも大切でしょう。働くモチベーションは人それぞれに異なりますが、単にお金を稼ぐというだけよりも、もっと長い視点でキャリアアップ・自己の成長を目指すことのほうが、その職場でのやり甲斐をより感じられるのではないか?と筆者は考えます。

  • 今や母親が家計を支える形の夫婦も増えてきています。一昔前のように家事・育児は母親の役割、収入を得るのは父親の役割と思わず、二人で協力して上手に育児休業取得していくようにできるといいですね。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年2月28日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
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