【2020年最新】私立も無償化。高校の授業料で実際に貯めるべき金額は
【2020年最新】私立も無償化。高校の授業料で実際に貯めるべき金額は
公開日 2020/01/22
更新日 2020/01/22

【2020年最新】私立も無償化。高校の授業料で実際に貯めるべき金額は

子どもが中学へ進学すると、ほどなくして「公立高校に進学するか、私立高校にするか」などの問題に親子で向き合うことになります。親にとっては、いよいよ教育費の支出が増えてくることを意味しますが、2020年4月から新たな高等学校等の授業料を支援する制度がはじまることで、負担がかなり軽減される世帯もあります。私立高校の授業料実質無償化の内容を確認した上で、今後の教育費計画を再確認してみましょう。

執筆者名:山本美紀(ファイナンシャルプランナー、家計整理アドバイザー認定トレーナー)

選ぶ学校により大きく異なる、高校進学にかかる費用

  • 子どもの成長はとても嬉しいものですが、年齢が高くなるにつれ、気になってくるのが教育費。子どもが中学生になると、いよいよ迫りくる教育費の重さを切実に感じることになります。

  • 教育費については、子どもが誕生したときから、コツコツと準備されているご家庭も多いでしょう。平均的な教育費データを参考に、その時にできる範囲での先取貯金や、学資保険などで貯めておられることと思います。中学生になると、生活に慣れたかなとホッとする間もなく、子どもの次の進路と向き合うことになります。子ども自身の意向などから、徐々に具体的な進路が決まり、それに合わせて必要な金額も見えてきます。

  • 子どもの進みたい道を、気持ちよく応援してあげるためにも、候補となる学校が決まったら、早めにその学校に進学するのに必要な金額をチェックしてみましょう。

  • インターネットや、高等学校等の情報をまとめた冊子から、個々の学校の費用に関する情報を収集できますので、候補となる学校をいくつかチェックしてみてください。

  • 調べてみると、特に私立の場合は、受験料・入学金をはじめ、授業料、寄附金など学校により、金額の幅が大きいことに驚かれるかもしれません。実際、志望する学校によって、年間の学費の総額が数十万円から100万円超と、必要となる金額は大きく変わってきます。

  • あくまでも参考までではありますが、「文部科学省発表の平成30年度の子供の学習費調査」によると、

    公立高等学校(全日制)の1年間の学習費総額は45万7,380円、そのうち学校教育費が28万487円、

    私立高等学校(全日制)の1年間の学習費総額は96万9,911円、そのうち学校教育費は71万9,051円となっています。

    (図1参照)

  • 図1.高校生一人あたり1年間にかかる教育費

    (単位:円)

    教育費の種類区分高等学校(全日制)
    公立私立
    学校にかかる教育費学校教育費280,487719,051

    学校外でかかる教育費補助学習費147,875 193,945
    その他の学校外活動費29,018 56,915
    総額176,893 250,860
    1年間の学習費総額457,380 969,911

    出典:子供の学習費調査 2018年(文部科学書)を基に筆者作成

  • 学校教育費には、授業料の他に遠足や修学旅行費、教科書などの教材費、制服代などが含まれます。

  • 詳しい学習費の内訳、また学校外にかかる教育費等の参考データは、下記に掲載されております。

  • 平成30年度子供の学習費調査の結果について

  • こうしてデータをみると、特に私立の学校は負担額が大きいことがわかりますし、金額だけを見ると、

    「うちの子を私立高校へ行かせるのは無理だ」・・・・・・と思うかもしれません。

2020年4月より国の支援制度が拡充

  • しかし、現在はこうした経済的な負担を軽減する国の制度があります。

  • 「高校無償化」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、支援制度の正式名称は、「高等学校等就学支援制度」といいます。

  • この制度自体は2010年から始まり、途中、年収制限などの変更を経て、再び2020年4月より制度改正が行われることになりました。年収約590万円未満世帯の上限額を私立高校の平均授業料を勘案した水準に引き上げられるようになったのです。

  • 対象となる世帯の年収制限がありますが、私立の高校に通う生徒のいる多くの家庭で負担が軽減されることになります。私立の高校を視野に入れている家庭にとっては、とても頼りになる制度となりますので、この機会に確認しておきましょう。

高等学校等就学支援金制度~現行制度と変更点~

  • まずは現行制度をおさらいします。

    年収(※1)が約910万円未満の世帯に対して、公立高校(全日制)、私立高校(全日制)ともに一律月額9,900円(年間11万8,800円)が支給されます。

  • (※1)両親・高校生・中学生の4人家族で両親の一方が働いているケースを想定、実際の対象となる年収は、家族構成などにより異なります。

  • これにより、公立高校に通っている場合、授業料に該当する金額が支援されるということになりますので、実質「授業料無償化」ということになります。

  • 私立高校の授業料は、公立高校に比べて高額なケースが多いので、差額を支払う必要がありますから、「無償化」という訳にはいきませんが、私立高校へ通う生徒がいる世帯に対しては、さきほどの支援に加えて、年収に応じて支援金が加算されます。

  • この制度は、入学する(通学している)学校より案内があり、学校を通じて申し込みをすることになっており、支援金は、国から学校へ直接支払われるという仕組みになっています。

  • 図2.高等学校等就学支援金制度 就学支援金一覧 (現行制度)

    (単位:円)

    年収目安0~270万~350万~590万~910万
    支給額公立高校授業料額11万8,80011万8,80011万8,80011万8,800
    私立高校加算額(現行)17万8,20011万8,8005万9,400なし
    合計29万7,00023万7,60017万8,20011万8,800

    参考:文部科学省「2020年4月からの「私立高等学校の授業料の実質無償化」リーフレット

  • 今説明した現行制度を図に示したのが、図2となります。例えば、年収270万円未満の家庭の子どもが私立高校に通っている場合、公立授業料分の11万8,800円に17万8,200円が加算された29万7,800円が就学支援金となりますので、通っている私立高校の学費の総額から29万7,800円を引いた残りの金額が、支払う必要のある学費ということになります。

  • 一方、今回の2020年4月の改正では、年収が590万円未満世帯の私立高校生徒を対象に、支援額の上限が39万6,000円まで引き上げられることになりました。

    (図3参照)

  • 図3.高等学校等就学支援金制度 就学支援金一覧 (2020年4月より)

    (単位:円)

    年収目安0~590万~910万
    支給額公立高校授業料額11万8,80011万8,800
    私立高校加算額(現行)27万7,200なし
    合計39万6,00011万8,800

    参考:文部科学省「2020年4月からの「私立高等学校の授業料の実質無償化」リーフレット

    参考:財務省 令和2年度文教科学技術予算のポイント(概要)

  • 今回の改正で、国の就学支援金が引き上げられる家庭にとっては、私立高校へ進学するにあたっての金銭的なハードルがかなり下がったといえますね。

都道府県ごとに実施の学費補助政策もチェック

  • さらに、都道府県によっては、私立高等学校等に通学する生徒の家庭の経済的負担を軽くするための支援制度もあります。

  • この制度は、先の「高等学校等就学支援金制度」に上乗せして受けることができる制度です。2020年4月より、国による支援が拡充されることで、都道府県の制度も変更されると考えられますが、現時点での各都道府県による支援制度は、以下に記載されております。ご自身のお住まいの都道府県の制度も合わせて確認するようにしておきましょう。

  • 「都道府県別私立高校生への授業料等支援制度」

高校生等奨学給付金もチェック

  • 先ほど「子供の学習費調査の結果について」のデータを紹介した際、「学校教育費には、授業料の他に遠足や修学旅行費、教科書などの教材費、制服代などが含まれます」と説明したように、高等学校では、上記以外にも、PTA会費、学用品費、制服代、通学費などの費用がかかります。

    そこで、授業料以外の費用を支援する制度として、「高校生等奨学給付金」という制度もあります。この制度の対象は、生活保護世帯、住民税非課税世帯です。

  • この制度は毎年7月ごろに申し込みの手続きが必要で、通学している学校またはお住いの都道府県への申し込みとなります。

  • 支給額は、学校の種類や世帯の状況によって変わりますが、年額約3万円~14万円です。「高等学校等就学支援金制度」と合わせて利用することができ、この給付金は、給付額が振り込まれます。

  • 2019年には、幼児教育費の無償化が話題となりましたが、高等学校等への支援制度も拡充されてきています。また、私立の高等学校等によっては、学校独自の給付金制度、特待生制度などの支援の仕組みがあります。これらの制度を予めしっかりチェックして、教育費の準備を進めていきましょう。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2019年12月19日時点のものです

  • 山本美紀(ファイナンシャルプランナー「CFP®」、家計整理アドバイザー認定トレーナー)

    執筆者プロフィール 山本美紀(ファイナンシャルプランナー「CFP®」、家計整理アドバイザー認定トレーナー)
    家計相談やライフプランシミュレーションの作成を中心とした個人相談や、家計整理アドバイザー講座の講師、女性向けマネーセミナー、執筆活動を行っている。ご相談者の大半が30代~40代の子育て世代であり、同じ母親として気軽に相談できるママFPとして活動中。

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