育児休業期間は最長2年!延長はできる?給付金制度までわかりやすく解説
育児休業期間は最長2年!延長はできる?給付金制度までわかりやすく解説
公開日 2018/12/28
更新日 2021/02/22

育児休業期間は最長2年!延長はできる?給付金制度までわかりやすく解説

育児休業(育休)がとれる期間は子どもが1歳になるまでと思っていませんか。要件を満たせば延長して取得することも可能です。これから出産や育児をする親にとって、育休取得や延長の要件を知っておくことは大切です。

本記事では、育休の仕組みや期間、産前産後休業(産休)との違いについて説明します。あわせて、育児休業期間中に受給できる給付金についても説明します。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

育児休業制度と産休制度はどう違う?

  • 出産や育児のために仕事を休業できる制度に、産休育休があります。働く女性のなかには産休に続けて育休を取得している人も多く、育休を産休の延長上で考えている人もいるかもしれません。しかし、これらはまったく異なる休業制度です。

  • 両者の違いは多々ありますが、なかでも大きな違いが「取得できる人」「取得に関する要件」「期間」「目的」「規準とする法律」の5つ。それぞれの違いをまとめてみました。

  • 産休と育休の主な違い

    産休(産前・産後休業)育休(育児休業制度)
    取得できる人出産予定(出産後)の女性労働者原則、1歳に満たない子どもを養育する男女労働者
    取得要件出産予定であること以外は特になしあり
    期間・産前:出産予定日の6週(42日)前から
    (多胎妊娠の場合は14週(98日)前から)

    ・産後:出産日の翌日から原則8週間(56日)
    (産後6週間は強制的な休業)
    原則(※)、子どもが1歳に達する日(誕生日の前日)まで
    (※)要件を満たせば最長2歳まで
    目的母体の保護育児
    規準とする法律労働基準法育児・介護休業法

    筆者作成

  • これらの違いを見てわかるように、産休は子どもを産む(産んだ)母親だけが取得できるのに対し、育休は母親・父親のそれぞれが取得可能です。ただし、産休の場合は出産予定であれば、すべての働く女性が取得できるのに対し、育休では定められた要件を満たすことが必要です。

  • また、産休、育休ともに基本的には本人の希望にもとづき取得できる制度ですが、産休のうち産後6週間は「働いてはいけない」という強制休業期間が設けられています。育休にはこのような強制期間はありません。

  • 意外に知らない産休&育休のコト

育児休業取得の要件は?

  • 育児休業は正社員に限らず、契約社員や派遣社員、パート社員など、有期雇用労働者も取得可能です。ただし、申出時点において、次の要件を満たしていなければなりません。

  • 1.同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

    2.子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる

    3.子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間の満了、および契約が更新されないことが明らかでない

  • 申し出の段階で契約期間にはっきりと定めがなく、1年後や2年後にどうなっているか分からない場合もあるかもしれません。このような場合でも、労働契約の満了や更新されないことがはっきり決まっていない場合は申請することができます。

  • なお、育児休業取得の申し出は、休業開始予定日の「1カ月前までに会社へ申請しなければいけない」と法律で決められています。産後休業に続けて育児休業をする場合には、産休中に申し出を行うことになりますので気を付けてください。

育児休業期間の最長は2年

  • 育児休業は、原則として、子どもが出生した日から最長子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの申請した期間分、休業することができます。

  • 母親の場合、子どもが出生した後8週間(最低6週間)は産休中ですから、実際には育休期間は1年より少し短くなります。

  • 父親の場合は、子どもが出生した日から、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで申請できるため、原則1年間を上限に休業できることになります。

  • 父親・母親が同時あるいは交代で育児休業を取得する場合、子どもが1歳2カ月になるまで取得できる「パパ・ママ育休プラス」という特例もあります。その場合でも、父親・母親それぞれ最長1年間(母親は産後休暇を合わせて1年)というルールは変わりません。

  • 新型コロナウイルスで保育園に預けられない。育児休業は延長できる?

    育児休業明けに職場復帰を予定していても、保育所等の空きがなく入園の目処が立たないなどで職場に戻ることが難しい場合もあります。このような場合には、次の要件を満たしていれば、子どもが1歳6カ月になる日まで育児休業を延長することができます。

  • 1.保育所等の入所申込みを行っているにもかかわらず、入所できない場合

    2.子どもの育児をする予定だった配偶者が死亡や病気・ケガ、離婚などの事情によって育児をすることが難しくなった場合

  • ただし、延長を希望する場合には子どもが1歳になる前に勤務先に申し出なければなりません。

  • なお、子どもが1歳6カ月になっても同様の事情で職場復帰が難しい場合には、あらためて勤務先に申し出ることで、最長子どもが2歳になる日まで再延長できます。この再延長を含めると、育児休業期間は最長で2年取得できることになります。

  • 新型コロナウイルスの影響で入園できない場合も同様です。たとえば、感染リスク防止のために保育園が休園したり、市区町村から登園自粛の要請を受けた場合などは上記の1の要件に該当します。

  • 一方、保育園での感染リスクが心配で自主的に子どもを園に預けたくなく、職場復帰ができない場合は延長の申し出はできません。

  • 現在育休中の人で、たとえば元々の育休期間が1歳に満たない期間(10カ月など)である場合には、最長1歳までの育休終了予定日の変更を申し出ることは可能です。

  • なお、子どもが1歳未満であっても育休期間が終わって一旦職場復帰している人は、再度の育休を取得することはできません。

  • 知っていると知らないとでは大違い!育休期間の正しい活用法

育児休業期間に受け取れる給付金

  • 育休期間中に受給できる給付金についても知っておきましょう。

  • 出産手当金

    産休中に給料が支払われない場合に、加入している健康保険から出産手当金が支給されます。パートなど非正規雇用の人でも健康保険に加入していれば対象となります。

  • 金額は給与の2/3相当、産休期間(産前42日、産後56日)中の給与支払がなかった日数分となります。

  • 出産育児一時金

    子どもを出産した場合に、加入している健康保険(自営等の人は国民健康保険)から出産育児一時金が42万円(一児につき)支給されます。

  • 育児休業給付金

    育児休業中に給与が支払われない、または通常の80%未満に下がった場合に、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

  • 金額は、最初の6カ月間は給与の67%相当、以後は50%相当。原則30日ごとに、職場復帰日の前日まで支給されます。

  • ただし、育児休業給付金の支給を受けるには、育児休業に入る前の2年間に11日以上働いた月が12カ月以上あるなど、一定の要件を満たしていることが必要です。

育児休業取得に際して知っておきたい大切なこと

  • 育児休業取得の申し出は、遅くとも休業開始予定日の1カ月前、育児休業の延長は延長開始希望日の2週間前までという決まりがあります。しかし、会社に育児休業規定がある場合には、会社の規定に従うことが必要です。

  • 産休中に育休申請を行うケースが多いので、産休に入る前に会社に規定があるかどうか確認しておきましょう。

  • 要件を満たせば、母親・父親ともに、最長で子どもが2歳になるまで育休を取得できますが、育休中の給与支給に関しては法律での定めはありません。そのため育児休業給付金や社会保険料免除などの制度が設けられてはいるものの、育休期間中は収入が約30~50%減ることになります。

  • 家計のことも考えながら母親・父親のどちらが取得するか、どれだけの期間取得するかについて検討することも大切です。

  • なお、給付金や保険料免除の申請は会社経由で行います。育児休業を申し出る際に、必要となる書類や提出のタイミングを会社の担当者に確認しておきましょう。

  • 育児休業は大切な子どもとの時間。夫婦で協力しあって上手に制度を活用していけるといいですね。

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  • ※本ページに記載されている情報は2021年1月27日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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