産休・育休の期間はどのくらい取れる? 手当の受給期間はいつまで?
産休・育休の期間はどのくらい取れる? 手当の受給期間はいつまで?
公開日 2018/12/28
更新日 2018/12/28

産休・育休の期間はどのくらい取れる? 手当の受給期間はいつまで?

産休・育休は妊娠・出産後も仕事を続けたいと思っている女性にとって欠かせない制度。
その取得条件や期間、手当の受給に関することなどは把握していますか?
何となくの知識でのんびり構えていると、直前になってから焦ることになりかねません。
産休・育休の取得を考えているのであれば制度の仕組みを前もって理解しておきましょう。

今回は産休・育休を取得する上で把握しておきたいことをご紹介しますので、取得予定の方は参考にしてください。

監修:あるみまっく FP1級 (CFP) 所持

産休・育休とは?

  • 「育児休業制度」と総称される産休・育休にはそれぞれ取得条件があります。

  • ・産休の取得条件と取得までの流れ

    産休は細かく分けると“産前休業”と“産後休業”があります。労働基準法により全ての働く女性に保障されている権利で、きちんと請求すれば無条件に取得することが可能です。なお産後休業については女性の意思に関わらず、出産の翌日から必ず取得しなければならないことになっています。ただし本人が希望し医師が認めた場合には期間の短縮は可能です。産休の届け出を出す申請時期については会社によって異なりますので、妊娠の報告をする際に確認しておきましょう。

  • ・育休の取得条件

    産後休業の後に取得できるのが”育児休業”で、1歳未満の子どもを養育していれば男性・女性ともに取得が可能です。契約社員や派遣社員でも取得できますが、同じ事業主に1年以上雇用されていることなど、いくつかの条件を満たしていることが必要です。労使協定で対象外と定められている人や日雇いで働いている人は取得できないことになっています。過去の記事(知っていると知らないとでは大違い!育休期間の正しい活用法)で詳細を紹介しているので参考にしてください。

産休・育休の期間はどれくらい?

  • 次は取得期間についてです。

  • ・法律で定められている産休・育休の期間

    産前休業は出産予定日までの6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後休業は出産の翌日から8週間と定められています。ただし産後は女性が就業を希望し、医師の許可が下りた場合に限り、6週間に短縮することも可能です。育児休業は産後休業の後、子どもが1歳になる誕生日の前日まで取得できます。両親ともに育児休業を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度によって期限を延長することができ、対象となる子どもが1歳2ヶ月になるまで取得可能です。ただしそれぞれの取得期間自体は1年間に変わりないので注意しましょう。また、期限到達時点で子どもが保育所に入所できない場合の特例などを使えば、最長で2歳まで期間を延長することも可能です。詳しい条件はこちらの記事(知っていると知らないとでは大違い!育休期間の正しい活用法)を参考にしてください。

  • ・産休の理想期間と平均期間

    母体保護の目的もある産休においては、特別な事情がない限り最大期間の取得が望ましいでしょう。産前休業の対象期間中はいつお産が始まってもおかしくありませんし、産後に向けて様々な準備も必要となります。また、産後はお産による疲労に加えて慣れない育児や夜中の授乳などで、想像以上に身体的な負担がかかるものです。実際に産休を取得した方を対象にした調査では、産前は6週間以上、産後は12週間以上取得したと回答した方が過半数を占めました。

  • ・育休の理想期間と平均期間

    育休明けは保育園などに入所させる方が多いこともあり、1歳になるタイミング次第では希望する期間の取得が叶わないこともあるようです。例えば子どもの誕生日が7月の場合、1歳になるのを待ってから保育園へ入所させようとしても定員が埋まっていることも考えられ、育休の期間を短縮もしくは延長する必要が出てきます。一般的に年齢が上がるにつれて保育園などへの入所は定員との兼ね合いで難しくなることが多く、期間の短縮をする方が安心ということも。また、保育園などによっては入所を1歳6ヶ月からと定めているところもあり、その場合は延長制度を利用することになるでしょう。厚生労働省が行った実態調査(平成29年度 仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書企業アンケート調査結果)によると、女性正社員が取得した育休は最も多いのが1歳6ヵ月までの34%。次いで10ヵ月以上~12ヵ月未満が32%でした。

  • 産休・育休の取得期間については、会社や担当業務の状況、育児環境を考慮する必要があるでしょう。自身が出産後どのように働きたいのかを踏まえて、会社や家族とよく相談してみてください。

産休・育休手当とは?受給期間はどのくらい?

  • 長期間の休業となる産休・育休に金銭的な不安を抱えている方もいるでしょう。しかし健康保険や雇用保険の給付制度が存在するので、きちんと申請すれば全くの無収入にはなりません。産休・育休の取得について会社に問い合わせる際、受給条件や必要な書類について一緒に確認しておきましょう。

  • ・産休中の給付制度

    勤務先で社会保険に加入している人が産休中に受給できるのは「出産手当金」。出産日の42(多胎妊娠の場合は98)日前から56日後までの期間で休業した人を対象に、標準報酬日額の3分の2が支給されます。ただし産休中に会社から給与が支払われている場合は、給与が支給額に満たない場合に限り差額を支給することとなっています。また、出産を機に退職する場合は退職日に出勤していないことに加えて、健康保険の加入期間が1年以上でなければ受給できませんので注意してください。

    国民健康保険に加入している人は上記の「出産手当金」を受給することはできませんが、「出産育児一時金」の受給が可能です。これは国民健康保険や社会保険の被保険者もしくは被扶養者が出産した際の給付制度。支給額は出産した子ども1人あたり42万円で、多胎児の場合には人数分が支給されます。

  • ・育休中の給付制度

    育休中に受給できる「育児休業給付金」は、育児休業6ヶ月目までは「休業直前の日給×67%×対象日数」、6ヶ月以降は「休業直前の日給×50%×対象日数」が支給されます。育児休業給付金を受け取るためには一定の要件を満たしている必要があるので注意が必要です。例えば育児休業を取得している期間中も会社から8割以上の給与が支払われる場合は、給付金を受け取ることはできません。また、産休後すぐに働き始める場合も支給対象外です。しかしこれらの場合、「次回支給対象指定期間届」の提出が求められます。育児休業の取得後に会社へ復帰せず退職するつもりの場合も、支給対象外となるので注意してください。

    育児休業給付金については基本的に会社を通じて申請することになっていて、原則として2ヶ月に1回「育児休業給付金支給申請書」の提出が必要です。ただし希望すれば1ヶ月ごとに受給することもできるので、会社へその旨を申し出ましょう。保育園などに入所できない、パパママ育休プラスを利用するといった理由で育児休業を延長する場合には、給付金の支給期間も延長できます。延長理由ごとに必要な書類が異なりますので、事前に確認して漏れのないように準備しましょう。

  • このように、産休・育休中には各種手当を受給することができます。しかし休業前に比べて収入が減ることは確かです。妊娠・出産時に受け取れる給付額をおおよそ把握しておくと、事前に生活費を見直したり貯蓄を増やしたりといった対策を取ることができますよ。これらの給付制度についても過去の記事で詳細に説明していますので、受給条件などはそちらを参考にしてください。(出産手当金は国保でももらえるの?支給条件や手続き手順を解説)(働くママ必見!知っておきたい制度とサポート・出産手当金とは)(働くママなら知っておきたい、育児休業給付金支給申請のこと

育休中、保育園に入れる?

  • 育児休業は子どもを養育するための制度なので、育休中に保育園への入所が決まればその時点で休業は終了とみなされます。保育園などの入所手続きでは会社から発行された就労証明書も必要となるので、育児休業を取得しながら保育園へ入所させることは不可能です。

    また、育休明けの保育園入所についてはタイミングが重要となってくるので注意しておきましょう。保育園の入園申込みは希望する月の前月上旬などが一般的です。しかし12月~4月に入園を希望する場合は10月~11月上旬が締切となることも。詳細な時期は各自治体へ問い合せてみてください。待機児童数が多い地域では年次途中の入園は難しく、1歳になる前の4月入園でなければなかなか保育園に入れないということもあります。保育園によって子どもを預けられる年齢(月齢)の下限も異なるので、保育園などの状況によって育児休業の取得期間を検討する必要があるでしょう。入園については早めにリサーチしておくことをオススメします。

    また、保育園へ入所させる際に確認しておきたいのが慣らし保育です。保育園などでは入所直後に短時間の保育を実施して、子どもが園生活に慣れるまで様子をみることがほとんど。この期間を育児休業として認めるかどうかは企業により異なりますし、期間も園によって様々です。子どもがあまりにも慣れない場合には期間を延長したり、正式な入所前に慣らし保育を実施したりすることも。希望する園や自治体にあらかじめ問合せたうえで会社と相談しておくと安心です。

男性の育休は?

  • 男性が育児休業を取得する場合であっても、条件は女性と同じです。子どもが生まれてから1歳になる誕生日の前日まで取得できますし、育児休業給付金も受給できます。取得中は厚生年金と健康保険の支払いが免除されるメリットも。また、男性の場合は産後8週間以内に一度育休を取得した場合、期間が終了するまでの間にもう一度育休の取得ができる「パパ休暇」という制度があります。両親が育休を取得する際は子どもが1歳2ヵ月になる誕生日の前日まで期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度も。取得できる期間自体は1年間に変わりありませんが、上手に使えばママの仕事復帰をサポートすることもできます。出産日から自動的に休業が始まる女性に比べて、男性は比較的自由に休業期間を調整できるので意外と取得しやすい一面も。男性の育児休業取得率は2014年度時点で2.4%と低く、まだまだハードルが高いと感じるかもしれません。しかし厚生労働省は「イクメンプロジェクト」を立ち上げて、働く男性が育児に積極的に参加することを促していますし、今後は男性の育児休業取得がより推進されていくでしょう。会社や家族とも相談して、ぜひ取得を検討してみてください。最近では独自で制度を作って男性の育休を応援している企業も増えてきました。パートナーの妊娠がわかったら、自社の制度を調べてみると良いでしょう。

    男性の育児休業についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。(意外に知らない産休&育休のコト)(知っていると知らないとでは大違い!育休期間の正しい活用法

  • 産休・育休の制度は、いざ自分が利用する立場にならないとわからないことも多いでしょう。直前になってバタバタしなくていいように事前にある程度の知識は身に付けておきたいものです。産休・育休の期間や、受給できる手当てのことをよく理解して、制度を活用しましょう。また、育休明けの保育園については、タイミング次第では入園のハードルが上がってしまうので早めのリサーチがオススメです。最近では男性が育休を取得するメリットも増えてきたので、両親での育休取得も検討してみてくださいね。

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