育児休業給付金や期間の延長など「男性の育休」にはメリットがいっぱい!
育児休業給付金や期間の延長など「男性の育休」にはメリットがいっぱい!
公開日 2018/12/28
更新日 2021/03/26

育児休業給付金や期間の延長など「男性の育休」にはメリットがいっぱい!

育児休業給付金は、男性が育児休業(育休)を取得した際にももらえることを知っていますか。育休制度は1歳に達するまでの子どもを養育する労働者のための制度で、男女ともに対象となります。むしろ、男性が育休を取得することは期間が延長されるなど、メリットも多くあります。本記事では、育休および育児休業給付金の権利について解説するとともに、男性が育休を取得することのメリットについて説明していきます。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

男性も取得可能!育児休業制度とは

  • 育児休業(育休)制度とは、原則として、1歳未満(一定の場合は、最長で2歳)の子どもを養育する労働者が育児と仕事を両立できるよう、一定期間、育児休業を取得できるという制度です。ここでいう労働者とは女性だけではなく、男性も含まれます。

  • 育休の取得は、法律上は、特別の事情がない限り1人の子どもにつき1回のみ。連続したひとまとまりの期間で、男女ともにそれぞれ原則1年間まで取得できます。

  • ただし、保育園に空きがないなど特別な事情があれば延長(最長2歳まで)することもできます。また、会社の制度が分割取得を認めていれば分割取得も可能です。

  • ところで、育休の1年間のカウントが男女では少し異なります。

  • 女性の場合、育休前に産休を取得しているのが通常ですが、1年間にはこの産休期間の一部が含まれています。

  • 女性が育休を取得する場合:1年間=出産日+産後休業期間(8週間)+育児休業期間

  • 対して、男性には出産や産後休業はありませんから、育休は子どもが生まれた日から子どもが1歳に達するまでの丸1年分取得することができます。

男性が育児休業を取るメリット

  • 1.「パパ・ママ育休プラス」制度が使える

    繰り返しになりますが、育休は「原則、子どもが1歳に達する日(誕生日の前日)」までというのが基本です。しかし、父親・母親ともに育休を取得する場合には、「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用できます。

  • これは、父親・母親の2人が育休を取る場合、取得可能期間が「1歳」から「1歳2カ月」に達する日までに延びる制度です。

  • 「父親・母親ともに」というのは、同時にでも良いですし、交代で取得しても構いません。ただし、次の3つの要件を満たすことが必要です。

  • ・育児休業の開始予定日が、子どもが1歳になる誕生日より前であること

    ・子どもが1歳になるまでに配偶者が育児休業を取得していること

    ・育児休業の開始予定日が、配偶者の育児休業の初日以降であること

  • 前述したように、育休取得は「連続したひとまとまりの期間で、男女ともにそれぞれ原則1年間まで」というのが基本です。

  • 子どもが1歳2カ月になるまで取得できるようになっても、それぞれ1年間(女性の場合は出産日・産後休養を含めて)であることは変わりません。それでも、子どもにとって2カ月分親と一緒に過ごせる時間が長くなるのはメリットでしょう。

  • 2.「パパ休暇」が取得できる

    男性の場合、1年間の育休に加え、「パパ休暇」という特例制度も利用できます。

  • これは、女性が8週間の産後休業を取得している期間の範囲内で、男性も休暇を取得できるというものです。

  • 女性の産後休業は出産で大きな負担がかかった母体を保護するのが目的ですから、男性がパパ休暇を取得できれば育児に関するサポートが可能になります。

  • 育休は、1人の子どもについて1回のみの取得に限られることは前述した通りですが、パパ休暇を取得した男性の場合、子どもが1歳(パパ・ママ育休プラスの場合は1歳2カ月)になる期間の範囲内でもう一度育児休業を取得することができます。

  • 一旦職場に戻り、再度育休を取得するなど、仕事の都合と調整しながら取得できて助かる人も多いのではないでしょうか。

  • 3.育児休業給付金を夫婦ともに受給できる

    ほとんどの会社では育休期間中は給与が支払われません。その替わりの経済支援として育児休業給付金が雇用保険から支給されます。

  • この育児休業給付金は男性が育休を取得する場合にも支給されますから、夫婦で育休を取得する場合にはそれぞれ受給することができます。

  • 4.育児休業中の社会保険料が免除になる

    育休中のもうひとつの経済支援として、健康保険および厚生年金の保険料支払いが免除されます。

  • 免除を受けても、健康保険の給付は通常どおり受けられます。また、免除された期間分も将来の年金額に反映されるので安心です。

  • 5.世帯収入の増加につながりやすい

    育児と仕事の両立は考えていた以上に大変という人も多いのが実情です。男性がその大変さを理解しているほど、女性の育児の負担や精神的な負担軽減につながったり、共働きを続ける励みになる傾向があります。

  • 共働きを続けることは、現役期間の収入はもちろん、将来の年金収入も増加します。育休期間中は収入が低減しますが、長い目で見ると男性が育休を取り、育児に参加することは世帯収入の増加につながりやすくなるといえるのではないでしょうか。

男性ももらえる「育児休業給付金」とは?

  • 育児休業給付金とは

    育児休業給付金とは、簡単に言うと、育休中に国から支給されるお金です。多くの会社では育休中には給料の支払いがなく、育休中に収入が低減する労働者への経済支援として雇用保険から支給されます。

  • ただし、雇用保険に加入していること、また育児休業に入る前の2年間に11日以上働いた月が12カ月以上あるなどの要件を満たしていることが必要です。

  • 育児休業給付金はいくらもらえる?

    育児休業給付金の額は育休を開始してから最初の6カ月間と、その後で支給される金額が変わります。

  • 支給額を算出するためにはいくつかの計算ステップを踏みますが、育休前の給料月額により大まかな目安はわかります。

  • ・育休期間開始~最初の6カ月間:給与の67%相当の金額

    ・6カ月経過後:給与の50%相当の金額

  • たとえば、育児休業前の月額給料が30万円の場合、次のようになります。

  • 最初の6カ月:30万円×67%=20万1,000円(1カ月当たり)

    6カ月経過後:30万円×50%=15万円(1カ月当たり)

  • 育児休業給付金の受給条件

    育児休業給付金を受給するためには、前述した雇用保険への加入等以外に、次の要件を満たしていることが必要です。

  • ・休業中に給与が支払われないか、支払われても通常の80%未満であること

    ・育児休業後、退職予定がないこと

  • 育児休業給付金の申請方法

    育児休業給付金は一般的には会社経由で事業所の所在地を管轄するハローワークに申請します。

  • 申請に必要な書類は会社が用意するものもありますが、母子健康手帳やマイナンバーカード(または通知書)など、従業員本人が準備しなければいけないものもあります。

  • スムーズに申請手続きしてもらえるよう、育休取得を検討する際は、前もって会社の担当者に確認しておきましょう。

  • 夫婦で育児休業給付金をもらうときの注意点

    育児休業給付金は手続きをしてから支給されるまでに数カ月かかります。また、支給開始後も基本的に、2カ月ごとに2カ月分ずつ口座に振り込まれる仕組みです。

  • つまり、夫婦で同時に育休を取得すると、数カ月間の無収入期間が発生することになります。

  • また、育児休業給付金は給与の7割~5割の金額ですから、5割の期間が重なると家計的に厳しくなる可能性もあります。

  • 夫婦でずらして育休を取得するなど、経済的な面も考えながら取得を検討しましょう。

  • 働くママなら知っておきたい、育児休業給付金支給申請のこと

まとめ

  • 男性が育休を取得する場合にポイントを置き、「パパ休暇」や「パパ・ママ育休プラス」などの仕組みや、育児休業給付金受給に関する注意点などについて説明しました。

  • 父親・母親ともに育休を取得するとたくさんのメリットがあります。産後の母親を心身ともにサポートでき、また、育児も仕事も夫婦で協力し合って行うといった意識も高まりそうです。

  • 何より、子どもの成長は早いため、生まれたばかりの愛くるしい姿は今しか見られません。家で子どもと過ごせる時間を少しでも多く取るためにも、育児休業制度について理解を深めて上手に活用すると良いでしょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2021年3月1日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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