「うちの子、発達遅れてる…?」1歳半育児の悩みに現役ママ医師が回答!
「うちの子、発達遅れてる…?」1歳半育児の悩みに現役ママ医師が回答!
公開日 2020/06/24
更新日 2020/06/24

「うちの子、発達遅れてる…?」1歳半育児の悩みに現役ママ医師が回答!

1歳を過ぎてもグングン成長していく赤ちゃんとの慌ただしい生活の中で、さらなる半年はあっという間に過ぎ去るものかもしれません。しかし、この時期の赤ちゃんは運動や言葉、情緒の発達が目覚ましく、幼児期へ向けてできることが大きく増えていきます。

一方で、周りの子に比べて「できないこと」があると気になってしまう時期でもあります。育児歴1年半が経過しても、親の心配や悩みは尽きないものです。ここでは、1歳半の育児において特に多い悩みを取り上げ、現役ママ医師目線で解説していきます。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

1歳半ではどんなことができるようになる?

  • 「1歳半」という時期は、赤ちゃんの成長の中で比較的印象が薄いかもしれません。しかし、1歳半前後には多くの自治体で久しぶりの健診があり、運動や言葉の発達などをチェックされます。

  • 1歳半という中途半端な時期に健診が行われるのは、これまで「様子を見ましょう」と言われてきた発達の遅れなどがはっきりしやすくなるからです。発達の差が目立ち始めるこの時期、赤ちゃんはどんなことができるようになるのでしょうか。

  • 簡単な指示が理解できるようになる

    国立成育医療研究センターの「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」1)によれば、1歳半健診で意味のある言葉を3語以上話すことができれば、言葉の発達は正常だと判断できるということです。基準となる単語数が思いのほか少なく、驚く人もいるでしょう。

  • しかし、この時期の赤ちゃんは言葉が出てこなくても、ママやパパの言葉をある程度は理解できるようになっています。

  • 例えば、「ワンワン」という単語を口にすることができなくても、「ワンワンはどれ?」と聞けば指差しができます。また、「ブーブー(のおもちゃ)を取ってきて」といった指示に従うこともできます。

  • 少し前の時期とは比べものにならないほどコミュニケーションが取れるようになるのです。

  • 離乳食が完了する

    1歳半ごろには多くの赤ちゃんが離乳食を完了し、幼児食へ移行します。大人のメニューから取り分けできるものも増えてくるため、食事の準備はだいぶ楽になるでしょう。

  • 食事回数は1日3回。消化機能も発達し、これまでより多くの量を食べられるようになります。食後に授乳する必要がなくなり、自然と卒乳できる子が増えてくる時期でもあります。

  • とはいえ、卒乳ペースには個人差も小さくありません。しっかりと食事を摂るようになってからも、おっぱいを欲しがる子はいます。

  • 卒乳に関する考え方は様々ですが、ママに余裕があるようなら慌てて卒乳を目指す必要はないでしょう。

  • また、この時期の食生活の乱れは後々の生活にまで影響することがあります。毎日できるだけ規則正しい時間に、栄養バランスの取れた食事を用意してあげてください。

  • ごっこ遊びができるようになる

    1歳半ごろになると、記憶力と想像力がこれまでよりはるかにアップ。様々なことに興味を持ち、記憶の中にある見聞きしたことに想像力をプラスして「ごっこ遊び」をするようになります。

  • ごっこ遊びとは、ぬいぐるみなどを別の何かに見立てて行う遊びのこと。単なる遊びの一つに思えるかもしれませんが、記憶力と想像力が養われていないと成り立たない高度な遊びです。ごっこ遊びを繰り返すことで、さらに記憶力や想像力が高まり、社会性も磨かれていきます。

発達の遅れが気になったときはどうする?

  • 1歳半ごろになると、運動や言葉の発達だけでなく、人間が生きていく上で必要な社会性も少しずつ身に付いてきます。

  • 心身ともに大きな成長を見せる時期だからこそ、周りの子よりできることが少ないと不安になってしまうものです。そうしたことが気になったときは、どう対処すればいいのでしょうか。

  • Case1:言葉の発達が遅れている

    厚生労働省の「乳幼児身体発育調査(平成22年)」2)によれば、1歳半ごろには約95%の子が意味のある単語を1語以上話すということです。

  • 個人差が大きいものの、早ければ1歳半には「ママ、抱っこ」などの2語文を話すようになる子もいます。言葉の発達は知能を反映する部分も大きいため、周りの子より遅れていると親としては気をもんでしまいます。

  • 言葉が遅れる原因として考えられるのは、聴力の異常、精神発達遅滞、自閉スペクトラムなどが挙げられますが、普段の語りかけの少なさが原因となることもあります。

  • ただし、心身にまったく問題がなくても周りの子より言葉が遅れるのはよくあることです。3歳ごろまでには爆発的な言葉の発達が起こるので、あまり思い悩まず見守ってあげましょう。

  • 赤ちゃんの脳は、スポンジのように様々なことを吸収しながら日々成長しています。

  • 近年の研究では、言葉の発達は、大脳の音を聞き取る部分と、ものを考える部分の神経が強くつながることで引き起こされることが分かりつつあります。このことからも、言葉の発達を促すためには、好奇心を刺激するような話しかけを積極的に行うようにしましょう。

  • 一方で、言葉が出てこないだけでなく、「指差しができない」「簡単な指示にも従わない」といった遅れも伴う場合や、運動機能などにも遅れがみられる場合は、発達の異常が疑われます。1歳半健診でも指摘されると思いますが、できるだけ早めに乳幼児の発達障害を専門的に診る医療機関を受診してください。

  • Case2:食が細くてやせている

    離乳食が完了する時期になっても食べる量が少なく、周りの子より身体が小さい……。こうした食に関する悩みを持つ親御さんも珍しくありません。

  • もちろん、食べる量や離乳食の進み方には個人差があります。パクパクと何でも食べる子もいれば、好き嫌いがあって食が細い子もいるのです。

  • しかし、前述のように、この時期に偏食や不規則な食生活が当たり前になると、後々まで悪影響を及ぼすことが指摘されています。特に体重増加が思わしくないときは要注意!

  • 食事の形態や食器を変えたり、リラックスして食事に集中できるような環境を整えたりするなど、食が細くなる原因を改善していく必要があります。

  • また、「食べられる食材が極端に少ない」という特徴は、自閉症などの発達障害の子によくみられるとされています。食事中に癇癪(かんしゃく)を起こしたり、落ち着かない様子であったりする場合は、1歳半健診で医師や保健師に相談してみましょう。

  • Case3:コミュニケーションが取れない

    1歳半ごろの子は、言葉をすらすらと口にすることはできなくても、ママやパパの言葉を理解し、表情やジェスチャーで一生懸命にコミュニケーションを取ろうとします。

  • しかし、「なかなか目が合わない」「簡単な指示にも従わない」「ママやパパに興味を持たない」といった様子が頻繁に見受けられる場合は、自閉スペクトラムなどの発達障害が疑われることも。

  • 1歳半健診でも社会性の評価は行われますが、いつもと違った環境で健診を受けると緊張して固まってしまう子もいます。逆に、健診のときに特徴が目立ちにくく見逃されることもあります。

  • 日ごろからわが子とコミュニケーションを取りにくいと感じている人は、かかりつけの小児科医などに相談してみるといいでしょう。

  • 成田亜希子

    執筆者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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