行動範囲が広がり目が離せない生後9か月との過ごし方【現役ママ医師監修】
行動範囲が広がり目が離せない生後9か月との過ごし方【現役ママ医師監修】
公開日 2020/06/23
更新日 2020/06/23

行動範囲が広がり目が離せない生後9か月との過ごし方【現役ママ医師監修】

ハイハイやつかまり立ちをする子も増えてくる生後9か月。運動機能の目覚ましい発達と同時に後追いが始まるケースも少なくありません。赤ちゃんの成長過程の一つとはいえ、活動範囲が広がって片時も離れられない状況に困っているママやパパも多いのではないでしょうか。

ここでは、生後9か月の赤ちゃんの成長と生活上の注意点について解説していきます。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

生後9か月の赤ちゃんはどう成長する?

  • 1歳のバースデーを控えた生後9か月は、一人歩きや言葉の習得に向けた最終準備を始める時期です。首の座りから始まって、寝返り、ずりばい、お座り……と続いてきた運動能力の発達はますます加速。情緒面でも大きな成長がみられます。

  • 生後9か月の赤ちゃんは具体的にどんなことができるようになるのか、以下にみていきましょう。

  • ハイハイができるように

    厚生労働省の「乳幼児身体発育調査(平成22年)」1)によれば、生後9~10か月の間に約9割の子がハイハイをしながら移動できるようになるとのこと。

  • 脚、腰、背中、腕など全身の筋肉と神経が発達するとハイハイできるようになりますが、これを繰り返すことでさらに運動機能がアップ。つかまり立ちや一人歩きへとつながっていきます。

  • さらなる運動発達を促すためにも、赤ちゃんがハイハイできるようになったら、自由に動き回れる広いスペースを確保してあげてください。

  • そして、少しハイハイに慣れてきたら、寝具やクッションで段差やお山を作って「上り下り」の練習をさせてあげると、身体のバランス感覚を育むことができます。

  • 様々な遊びを取り入れながら、より多くの筋肉と神経が鍛えられるよう、バリエーション豊かなハイハイを促していきましょう。

  • つかまり立ちを始める

    前出の厚生労働省の調査1)によれば、つかまり立ちは生後9~10か月の間に約8割の子がマスターするとのことです。

  • つかまり立ちは、足腰を鍛え、一人歩きを始めるための第一歩ともいえる運動発達です。また、つかまり立ちができるようになると目線が大きく変わるため、好奇心を刺激して情緒の発達を促す効果もあります。

  • つかまり立ちを始めたころは、つま先立ちでふらふらと危なっかしい様子がみられますが、慣れてくるとしっかりと足で地を踏み締め、伝い歩きや立ったままの一人遊びもできるようになります。

  • 寝ているばかりだった新生児期からの目覚ましい成長に、親としても大きな感慨を覚えることでしょう。

  • 喃語(なんご)が出てくる

    生後9か月を迎えると、「ママ」「パパ」「マンマ」などの言葉が出てくる子が徐々に増えてきます。はっきりした単語が出てこなくても、「バアバア」「ブーブー」など複数の音を組みわせた喃語(なんご)を盛んに発するようになります。

  • 前出の厚生労働省の調査(平成22年)1)によれば、生後9~10か月の間に意味のある単語を発する子は約1割。この割合は平成12年より低く、言葉の発達は全体的に以前より遅くなっているそうです。

  • 赤ちゃんが言葉を習得するスピードには大きな個人差があるものの、いろいろな言葉を耳で聞きながら覚えていきます。

  • 核家族化が進んだ現代では、日中はママと赤ちゃんが二人きりというケースも珍しくなく、赤ちゃんが会話を聞く機会が減っています。言葉の発達を促すためにも赤ちゃんへの声かけを大切にし、ご機嫌で喃語を連発しているときは、しっかりこたえてあげるようにしましょう。

育児9か月目もママとパパの悩みは尽きない

  • 生後9か月の赤ちゃんはできることがグンと増えるため、周りの子との違いや「後追い」など新たに始まった行動に悩んでいる人も少なくないでしょう。多くのママやパパが抱える悩みや疑問に対して、現役ママ医師としてアドバイスします。

  • ハイハイを始めないけれど、大丈夫?

    身体の発達や成長には大きな個人差があり、生後9か月を過ぎてハイハイができない子も少なくありません。ハイハイやハイハイと似たような運動をしないまま、つかまり立ちから一人歩きを始める子も思いのほか多いようです。

  • しかし、ハイハイは手足の筋肉や神経を発達させ、身体のバランス感覚を養うために大切な運動です。一説によれば、ハイハイを十分にしないままつかまり立ちや一人歩きを始めると転びやすい上、転んだときにとっさに手が出ずケガをしやすくなるといわれています。

  • できるだけ長期間ハイハイを行わせてから一人歩きにつなげたほうがいい、というのが一般的な考え方です。

  • ハイハイを始めない原因としては、十分なスペースがないこと、衣類のサイズが合わず手足を自由に動かせないこと、早期から歩行器を使用していることなどが挙げられます。

  • もちろん、ハイハイを始める時期は赤ちゃんのペースにもよります。しかし、生後9か月を過ぎてもハイハイを始めなかったり、先につかまり立ちを始めたりした場合は、「ハイハイができない環境」になっていないかチェックしてください。

  • 赤ちゃんから離れると大泣き……これって後追い?

    赤ちゃんは生後半年ごろになると、普段から自分の世話をして守ってくれるママやパパなど身近な人をしっかりと認識するようになります。そして、人見知りをするようにもなります。

  • 生後9か月ごろになると、さらにその傾向が強くなり、ママやパパが視界から消えると不安になって大泣きする、ハイハイで追いかけてくるといった行動がみられるようになってきます。

  • このような現象を「後追い」と呼びますが、トイレへ行くにも家事をするにも大泣きしながら追いかけてくる赤ちゃんに困ってしまう人も多いでしょう。どうしても手が離せないタイミングで後追いが始まると、うんざりしてしまうこともあります。

  • しかし、後追いは赤ちゃんがママやパパに強い愛着を持っている証でもあります。赤ちゃんとの絆をさらに深めて情緒の発達を促すためにも、できるだけ早く赤ちゃんのところへ戻って抱っこしてあげましょう。

  • 長い育児生活の中で、後追いが見られるのはわずかな期間でしかありません。筆者の経験を振り返ってみると、わが子が後追い真っ最中のときは、イライラしてしまうことも多かったように思います。しかし、子どもが成長して抱っこを求めなくなると、後追いの時期が懐かしくなりました。

  • あんなにも必死にママやパパを求めてくれる時期はほかにありませんから、できるだけ赤ちゃんの求めにこたえてあげてください。

生後9か月の生活、どんなことに注意すればいい?

  • ハイハイやつかまり立ちを始める生後9か月は、これまで以上に誤飲や転倒のリスクが高くなります。

  • ハイハイのコツをマスターすれば、赤ちゃんの活動範囲は思った以上に広がります。赤ちゃんの手が届く範囲に誤飲の可能性があるものを置かないのはもちろんのこと、キッチンや階段などには赤ちゃんの進入を予防するガードを設置しましょう。

  • また、つかまり立ちを始めたら、グラグラと不安定な椅子やローテーブルは置かないことも大切です。つかまり立ちを始めたばかりの赤ちゃんは不安定。重心がしっかりしたものにつかまらないと家具ごと倒れて思わぬケガをするリスクがあるので注意してください。

  • 成田亜希子

    執筆者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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