離乳食を始めよう!現役ママ医師が離乳食に関する疑問に答えます
離乳食を始めよう!現役ママ医師が離乳食に関する疑問に答えます
公開日 2020/06/11
更新日 2020/06/11

離乳食を始めよう!現役ママ医師が離乳食に関する疑問に答えます

離乳食の開始は、赤ちゃんにとって大切な成長過程です。
これまで母乳やミルクなどしか口にしてこなかった赤ちゃんが、ついに「食べ物」を口にするように……。
うれしく微笑ましい成長の一つですね。

ただし、親にとっては離乳食の開始は「わが子に食事を用意する」という初めての経験であり、分からないこと、悩むこともたくさんあるはずです。

ここでは、離乳食を始めるタイミングや、始めてからの悩み事について、現役ママ医師目線で解説していきます。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

離乳食を始めるタイミングはいつ?

  • 離乳食を始めるタイミングはいつにすればいいのか、本当にそのタイミングでいいのか、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。筆者の経験を振り返っても、かなり悩んだ記憶があります。どのようにタイミングを計ればいいのでしょうか。

  • 離乳食の開始時期は遅くなっている

    厚生労働省の「乳幼児栄養調査(平成27年度)」1)によれば、現在の離乳食の開始時期は10年前(平成17年度)よりも遅くなっているとのこと。

  • 平成17年度には生後5か月で離乳食を始める家庭が最多(46.8%)だったのに対して、平成27年度には生後6か月が最多(44.9%)となっています。育児にまつわる常識は時代に応じて変化していくもの。離乳食の開始時期も例外ではありません。

  • 一方で、離乳食を完了させる時期も遅くなる傾向にあります。平成17年度には生後12か月で離乳食を終える家庭が最多(45.0%)だったのに対して、平成27年度には生後13~15か月が最多(33.3%)となっています。

  • かつては「早く離乳食を始めておっぱいやミルクを卒業させる」という考え方が大勢を占めていましたが、現在ではゆっくりと時間をかけて離乳食を進め、自然に卒乳させようという考え方が一般的になっているのです。

  • 赤ちゃんが発する「離乳食OK」のサイン

    前出の厚生労働省の調査1)によれば、離乳食開始のタイミングを計るにあたって「月齢」を目安にした家庭が最多(84.3%)とのこと。しかし、それが必ずしも赤ちゃんに適したタイミングとは限りません。

  • 月齢を参考にしつつも、次のような様子が見られたら、赤ちゃんが食べ物を口にする準備を始めたサインだと考えましょう。

  • ・食べ物に興味を引かれている

    ・スプーンなどを吐き出さずに口に入れることができる

    ・よだれが増えてきた

離乳食に関する疑問にお答えします!

  • 前出の厚生労働省の調査1)によれば、離乳食について何かしらの悩みを持っている家庭は74.1%だということ。一方で、離乳食の進め方について地域の保健所や保健センターなどで学ぶ機会があったと回答した家庭は83.5%にも上ります。

  • 実際に離乳食を始めてみたら、事前の知識が役に立たない場面も多いということでしょう。では、筆者の経験を踏まえつつ、離乳食に関する悩みとその対処法をみていきましょう。

  • 離乳食を作るのが苦手/負担になるときはどうする?

    離乳食は、咀嚼(そしゃく:かむこと)や嚥下(えんげ:飲み込むこと)の能力が十分に発達していない赤ちゃんが口にするもの。当然、大人が口にするものとは食材や形態が異なります。

  • 特に離乳食を始めたばかりのころは、おかゆを裏ごししたり、煮込んだ野菜をピューレ状にしたりと、作るまでに大変な手間がかかります。ただでさえ忙しい育児の中、離乳食の準備をするのは大きな負担になるでしょう。

  • そこでお勧めしたいのが、市販のベビーフードです。手作りしていないものを与えることに少なからず抵抗があるという人もいるようですが、「手作りこそが親の愛情(手作りでなければ愛情に欠けている)」というのは固定観念に過ぎないかもしれません。

  • どうしても離乳食を準備する余裕が持てないときは、ベビーフードをうまく活用するべきだと筆者は考えます。現在のベビーフードは無添加のもの、素材にこだわったものなど、手作りと遜色ないレベルの商品が多く販売されています。もちろん、栄養バランスにも配慮されています。

  • また、近ごろは食材の裏ごしなどが簡単にできる離乳食作りキットが販売されています。離乳食作りを研究し尽くして、親の手間を軽減できるような工夫が凝らされた商品です。長く使うものではありませんが、時短のためにも1セットはそろえておくといいでしょう。

  • 食べる量が少ない/食べるのを嫌がるときはどうする?

    離乳食の進み方には大きな個人差があります。初めからパクパクと何でも口にする子もいれば、嫌がって口に入れた離乳食をすべて吐き出してしまう子も……。食べる量が少なかったり、あまりにも食べるのを嫌がったりすると、親としては心配になってしまいます。

  • しかし、食べ物に対する興味の強さやモグモグ・ゴックンする能力の発達スピードは、赤ちゃんごとの個性でもあります。母乳が大好きで母乳以外は受け付けない子、おかゆの舌触りや味が嫌いな子など様々ですが、離乳食の進みが遅いからといって大きな問題が潜んでいることはまずありません。赤ちゃんのペースに合わせて、焦らず進めていけば大丈夫です。

  • 嫌がる赤ちゃんの口に無理やり離乳食を流し込む人もいるという話を聞きますが、そんなことは絶対にやめてください。離乳食は食事をする練習でもありますが、ママやパパとのコミュニケーションを通して「食の楽しさ」を知る場でもあります。

  • それなのに、嫌がる赤ちゃんに強制的に離乳食を繰り返し与えていたら、赤ちゃんが食事嫌いになってしまうおそれもあります。赤ちゃんが離乳食を強く拒絶するときは、離乳食を始めたタイミングが本人のタイミングに合っていなかった可能性があります。強い拒絶が離乳食を始めてから数日間も続くようであれば、いったん中止して仕切り直すのも一つの方法です。

  • なお、離乳食は少しずつ固形に近い形態へと段階的に進めていきます。離乳食の段階を進めた途端、拒絶するようになったり食べる量が少なくなったりした場合は、1つ前の段階に戻してみるといいでしょう。

  • 食材が偏ってしまうときはどうする?

    離乳食に関する悩みとして、「食材が偏ってしまう」ということをよく聞きます。しかし、離乳食を開始したばかりのころは仕方ないものと筆者は考えます。

  • というのも、基本的な離乳食の進め方は、1さじの10分粥から始まり、徐々に量を増やしながら1週間後にはすりつぶした野菜と、魚や豆腐などのタンパク質を追加していくというもの。

  • つまり、赤ちゃんでも口にできるアクの少ない野菜や淡白な魚などは種類が限られるため、バリエーションを豊富にするのは難しいのです。野菜は、ホウレンソウ、ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、トマトなどの緑黄色野菜、タンパク質は豆腐やシラス、タイなどの白身魚がよく使われます。これら以外で赤ちゃんに合った食材を、一般的なスーパーで探すことは難しいかもしれません。

  • 離乳食を開始したばかりのころは必要な栄養の多くを母乳やミルクから摂っているので、離乳食の栄養バランスについて神経質になる必要はありません。

  • 離乳食の段階が進んでいけば、食べられるようになる食材も自然と増えていくでしょう。まずは赤ちゃんが喜んで食べられるものを与えるようにしてください。

赤ちゃんのペースで、楽しく和やかな離乳食タイムを

  • 離乳食を始めたばかりのころは、赤ちゃんと同じくママもパパも悩みや不安がいっぱい。近ごろは、そうしたママやパパ、赤ちゃんをサポートしてくれる便利グッズやベビーフードがたくさん販売されています。それらをうまく利用しながら、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めていってください。

  • 何よりも大切なのは、和やかな離乳食タイムを演出し、「食事は楽しいものだ」と赤ちゃんに教えてあげることです。初めての離乳食が思い出深いものになるよう、心にゆとりを持って乗り越えていきましょう。

  • 成田亜希子

    執筆者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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