現役ママ医師が解説!赤ちゃんの「首の座り」不安・疑問にこたえます
現役ママ医師が解説!赤ちゃんの「首の座り」不安・疑問にこたえます
公開日 2020/06/08
更新日 2020/06/08

現役ママ医師が解説!赤ちゃんの「首の座り」不安・疑問にこたえます

生まれたときは筋力が弱かった赤ちゃんも日々成長し、生後3~4か月ごろには首が座るようになります。その後の寝返りやお座りなどの運動発達にもつながる大切な成長過程の一つです。しかし、初めて育児をするママやパパは「首が座るってどんな状態のこと?」と疑問に思うかもしれません。ここでは、赤ちゃんの首の座りについて解説します。首の座りをサポートする遊びも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

「首が座る」ってどんな状態?どうやって判断する?

  • 一般的によく言われる「首が座る」という赤ちゃんの成長段階を、医学的には「定頚」(ていけい)と呼びます。文字通り、「頚(くび)が定まる」ことです。具体的には、これまで重たい頭を支えることができずグラグラと不安定だった首が、中に1本の柱が通ったようにしっかりと安定し、自由に動かせるようになることを指します。

  • 首はどのように座っていくの?

    首は、重い頭を支えるためにも重要な部位です。特に赤ちゃんは身体の大きさに対して頭が大きいため、頭を支える首には大きな負担がかかっています。首には7つの脊椎がありますが、頭を支えるためには筋力が必要です。

  • しかし、生まれたばかりの赤ちゃんは筋力が発達していないため、頭をしっかりと支えることができません。そのため、支えなしで縦抱きしようとすると首がグラグラして、前後左右にガクッと崩れ落ちるようになるのです。

  • 生まれてからの赤ちゃんは、目まぐるしいスピードで成長していきます。生後2~3か月ごろには、ただ眠っているだけだった新生児期に比べると手足の動きが活発になっているでしょう。遊んでいるだけのように見えるこのような動きは、実は赤ちゃんの筋力を発達させるための重要な過程なのです。

  • こうして全身の筋肉を使って遊びを繰り返すことで、生後3~4か月ごろには首や背中、肩などの筋力が付いてきて、ついには支えなしでも首がグラグラしないようになります。

  • 首が座ったかどうか判断する方法は?

    お座りやハイハイなどと違い、首が座わったかどうかは赤ちゃんの様子を見るだけで明確に判断することは難しいものです。国立成育医療研究センターの「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」1)では、首の座りを次のような方法で確認することを推奨しています。

  • うつ伏せにすると肘で支えて上半身を起こし、首が肩より高い位置にくる。

    仰向けに寝かせた状態で両腕を引っ張って身体を起こしても首が後ろに倒れない(引き起こし反応)。

    仰向けやうつ伏せにした状態で首を自由に動かすことができる。

  • 引き起こし反応については、しっかりと首が座ってからでないと、自宅で確認するのは抵抗があるかもしれません。3か月健診や予防接種などの際に、医師や助産師に確認してもらうことをお勧めします。うつ伏せになったときの首の位置や動きなどは、自宅でも簡単に確認できます。生後3か月を迎えたら、定期的に首の座りを確認してあげましょう。

  • <コラム>もし、首の座りが遅かったら?

    厚生労働省の「乳幼児身体発育調査(平成22年)」2)によれば、首の座りは生後3~4か月で6割強の赤ちゃんがマスターするとされています。首の座りは、3か月健診で必ずチェックされる運動発達項目です。そのため、生後3か月を過ぎても首がしっかりしないと不安になる人も多いでしょう。しかし、赤ちゃんの成長には個人差があるもの。周りに比べて首の座りが遅い赤ちゃんだっているのです。

    なお、生後4~5か月にもなると、9割以上の赤ちゃんが首の座りをマスターするとされています。生後4か月後半を過ぎても首が座らない場合は、神経や筋肉などに何らかの異常が起こっている可能性も考えられます。専門の医療機関を紹介されることもありますが、まずは身近なかかりつけ医に相談することも一つの方法です。首の座りの遅れが気になるときは、健診だけでなく予防接種を受けるときなどの機会をとらえて、医師にチェックしてもらってください。

首の座りをサポートする遊びやトレーニングとは?

  • 首の座りは、運動発達の第1関門でもあります。ママやパパがサポートしなくても赤ちゃんは自然に首の座りをマスターしていきますが、親も協力して赤ちゃんの第1関門を一緒に乗り越えてあげるのはいいことだと思います。具体的には次のような遊びやトレーニングがお勧めです。

  • うつ伏せ遊び

    近年、うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクであることがママやパパたちにも広く浸透しています。そのため、うつ伏せにさせることを極端に避ける人も少なくありません。しかし、うつ伏せは首や背中、腕などの筋肉を鍛えることに寄与します。特に首の座りに向けたトレーニングとして最適と言っていいでしょう。大人が見守りながら10~15分間ほどうつ伏せ遊びをする分にはリスクはまずないので、過度に心配する必要はないと思います。

  • うつ伏せ遊びをさせるときのポイントは「目線」です。生後3か月を迎えた赤ちゃんははっきりした色の識別ができるようになり、様々なものに好奇心を持ちます。赤ちゃんの首が肩より高くなる位置でおもちゃを使ってあやしてあげてください。赤ちゃんは一生懸命に上半身と首を起こして、おもちゃに目を向けようとするはずです。

  • 上半身を起こしてもすぐに崩れてしまう場合は、身体を支える腕を身体に近付けてあげるといいでしょう。

  • 「右向け左向け」トレーニング

    うつ伏せが苦手な赤ちゃんには、仰向けに寝たままで行える「右向け左向け」トレーニングはいかがでしょうか。やり方は、赤ちゃんが興味を持つおもちゃを右に置いたり左に置いたりを繰り返すだけ。

  • このころの赤ちゃんは、興味を持ったものを目で追う「追視」ができるようになっています。おもちゃを目で追いながら、首を動かしておもちゃのほうを向くはずです。横になった状態で首を動かすだけでも、首や背中の筋力はアップしていきます。赤ちゃんをあやすときは、首を左右に動かす運動を促すよう工夫してみましょう。

  • <コラム>縦抱きするのはいつからOK?

    首が座ると縦抱きができるようになります。しかし、実際のところ、多くの人は首がしっかりと座る前から縦抱きをしているのではないでしょうか。

    筆者の子は新生児期から縦抱きしなければ泣きやまなかったので、グラグラする首を支えながら、おそるおそる縦抱きをした記憶があります。新生児期から縦抱きするのはやや極端な例ですが、生後2か月ごろになってある程度首の筋力が付いてくると、少しの時間なら縦抱きができるようになる子もいるでしょう。

    しかし、基本的には縦抱きをするのは首が座ってからです。首が座る前に縦抱きをする場合は、首をしっかりと支えてあげましょう。また、赤ちゃんの身体に負担をかけることもあるため、長時間の縦抱きはNG。近ごろでは首が座る前から使える抱っこひもも販売されています。とても便利なものですが、外出時など長時間使用しなければならない場合は、横抱きできる抱っこひもやベビーカーを用意することをお勧めします。

  • 成田亜希子

    執筆者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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