

【現役ママ医師監修】生後3か月の赤ちゃんの体重や遊びなど成長や発育を紹介
生後3か月を迎えて、少しずつ生活リズムが整ってきた赤ちゃん。個人差もありますが、そろそろ昼夜を問わない授乳やオムツ替えが落ち着いてくるころかもしれません。あやすとよく笑う様子に癒されることも増えてくるでしょう。しかし、いくら落ち着く時期とはいえ、それなりの悩みは尽きないもの。ここでは、生後3か月の赤ちゃんの成長や生活上の注意点について解説していきます。
執筆・監修 成田亜希子(内科医)生後3か月の赤ちゃんの成長
赤ちゃんは毎日驚くべきスピードで成長していきます。特に生まれてから3か月の間は、身体が大きくなるだけでなく運動能力や心の発達も目覚ましく、まさに「劇的な変化」を遂げるでしょう。そんな生後3か月の赤ちゃんの具体的な成長について、詳しくみていきましょう。
生後3か月の赤ちゃんの発育の特徴
「首が座る」とは、他者の支えなしで首の位置を固定したり、首を持ち上げたりすることができるようになる状態を指します。生まれたばかりの赤ちゃんの首はふにゃふにゃです。それを支えて抱っこしないと、首が前や後ろにガクッと倒れてしまいます。そうした状態から、赤ちゃんは少しずつ身体を動かして筋力をアップさせていき、やがて首や背中、肩など頭を支える筋力がしっかり付くと首が座るのです。
首が座ることは、これから赤ちゃんが習得する寝返りやお座りなどにも欠かせません。そのため、首が座り始める生後3か月ごろは、運動機能発達に向けた第一ポイントと言っていいでしょう。
首が座った赤ちゃんは、うつ伏せをしながら頭を上げられるようになるため、これまでよりも目に入る世界が広がります。また、縦抱きができるようになり、両腕に包み込むように細心の注意を払って抱っこしていた時期に比べて、ママやパパはうんと楽になるでしょう。ただし、このころはまだ完全に首が座った状態ではないので、抱き上げるときなどはしっかりと首を支えてあげる必要があります。
生後3か月の赤ちゃんの授乳間隔
生後3か月ごろには、赤ちゃんの消化管や満腹中枢の機能もある程度発達します。そのため、お腹が空いたときは一度にたくさんの母乳やミルクを飲むことができるようになり、授乳の間隔が少しずつ長くなっていきます。
授乳回数が減ると不安を感じるかもしれませんが、生後3か月ごろの赤ちゃんは「お腹が空いた/お腹がいっぱい」という感覚をしっかりと感じ取れるようになっています。母乳やミルクを欲しがらないのは十分に足りているからだと考えましょう。
また、この時期に哺乳量が減る子もいますが、たいていは一度に飲む量が増えることで授乳回数が減っているにすぎません。「体重が増えない」「だらだらと長時間飲んでいる」「機嫌が悪い」といった様子が見られない限り、「授乳回数が減った=母乳・ミルク不足」ではないので安心してください。
生後3か月の赤ちゃんの生活リズム
生まれたばかりの赤ちゃんは昼夜の区別が付かず、1~4時間ほどの周期で眠ったり起きたりを繰り返します。
しかし、生後3か月ごろになると徐々に体内時計の機能が発達し、昼夜の区別が付くようになります。その結果、夜にまとめて眠る子や、夜になると自然と眠たくなる子が増えていきます。一方で、昼夜の区別が付き始める時期には個人差があるため、新生児期とほとんど変わらない生活リズムの子もいるでしょう。
この時期に生活リズムが乱れると、昼夜逆転の生活をするようになってしまうことも少なくありません。昼夜逆転は体内時計の乱れによるもの。赤ちゃんに規則正しい生活をさせてあげるためには、朝起きたらカーテンを開けて陽の光を浴びせ、毎日決まった時間に寝かしつけるようにしましょう。寝かしつけるときは、できるだけ暗く静かで落ち着いた環境を整えてあげてください。
生後3か月の赤ちゃんは表情が豊かになる
生後3か月ごろの赤ちゃんは、しっかりとママやパパを認識するようになります。視力も大きく発達して、顔を近付けたりあやしたりすると声を出して笑います。可愛らしい反応にメロメロになってしまう人も多いでしょう。筆者にとっても、生後3か月ごろのにっこり笑うわが子の様子は、今思い出しても心が温かくなるような気がします。
また、「お腹が空いた」「眠い」「寒い」「オムツが気持ち悪い」といった生理的な要求だけでなく、ママやパパにかまってほしくて声を出すようになるのもこの時期。これまでとは違った泣き方や声の調子に、多くの人が気づくのではないでしょうか。赤ちゃんの変化や笑顔を楽しみながらコミュニケーションを図っていきましょう。
生後3か月の赤ちゃんとの遊び方
生後3か月ごろの赤ちゃんは運動機能が飛躍的に発達するため、遊び方にも変化が出てきます。これまではママやパパとのスキンシップが中心でしたが、自分で興味を持ったものに対して手を伸ばしたり、蹴ったりと、様々な動きを伴う遊びをするようになります。赤ちゃんの心身の成長を促すためには、おもちゃで一人遊びの時間を作ってあげることも大切です。
一方で、生後3か月ごろは心の発達も著しい時期であるため、このときにコミュニケーションが不足すると、将来的にわが子との信頼関係を順調に築くことができなくなる可能性も指摘されています。そのため、一人遊びをさせるだけでなく、一緒に遊んであげることももちろん大切です。ここでは、生後3か月ごろの赤ちゃんに適した遊び方をいくつかご紹介します。
いないいないばあ
言わずと知れた「いないないばあ」。特に生後3か月ごろの赤ちゃんに、とてもお勧めの遊びです。赤ちゃんはママやパパの楽しそうな表情を見るのが大好き。笑顔で思いきりおかしな顔をしてあげましょう。
プレイジム
視力が発達し、色の識別ができるようになるこの時期には、プレイジムもお勧め。色とりどりで様々な仕かけのあるプレイジムは、赤ちゃんの視覚を刺激するだけでなく、触覚や聴覚を刺激して好奇心を高めてくれる効果が期待できます。また、手でつかんだり、足で蹴ったりする仕かけがあるタイプのものは、赤ちゃんの運動機能の発達にも一役買ってくれることでしょう。
ただし、どんな遊びでもすべての赤ちゃんが興味を持つとは限りません。「せっかく購入したのに一度も遊んでくれなかった」という話もよく聞きます。大型のおもちゃ屋さんの店頭ではたくさんのプレイジムが並んでいるので、赤ちゃんと試しながら一番反応が良かったものを選ぶといいでしょう。
歌や読み聞かせ
赤ちゃんはママやパパの声が大好き。言葉の意味はまだ分からないものの、声のトーンなどからママやパパが伝えようとしていることを一生懸命に理解しようとします。また、赤ちゃんはお腹の中にいるときからママとパパの声を聞いているので、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせる効果もあるといわれています。赤ちゃんの機嫌が良くなるような明るい歌を口ずさみながらほっぺやお腹をツンツンしてスキンシップを図ったり、赤ちゃんが興味を持ちそうな絵が描かれた本を読み聞かせてあげたりしましょう。
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執筆者プロフィール 成田亜希子
2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。