【現役ママ医師監修】首が座り始めるころ。生後2か月の赤ちゃんについて
【現役ママ医師監修】首が座り始めるころ。生後2か月の赤ちゃんについて
公開日 2020/06/04
更新日 2020/06/04

【現役ママ医師監修】首が座り始めるころ。生後2か月の赤ちゃんについて

産後まもないころの育児の時間は、あっという間に過ぎるもの。特に、一般的な「お宮参り」と「お食い初め」の間のタイミングである生後2か月ごろは、印象が薄い時期かもしれません。しかし、この間も赤ちゃんは急速に成長していき、ママも産後の体調に注意しなければならない時期です。ここでは、生後2か月の赤ちゃんの成長と生活上の注意点について解説していきます。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

生後2か月の赤ちゃんはどう成長する?

  • 慣れない育児に緊張の連続だったママやパパも、新生児期を終えて1か月健診をクリアすると少しずつ気持ちに余裕が出てくるはず。とはいえ、赤ちゃんは休まず成長を続け、できることも少しずつ増えていきます。貴重な瞬間を見逃さないためにも、生後2か月の赤ちゃんにはどのような成長がみられるのか知っておきましょう。また、この時期にありがちなママやパパの悩みについても解説します。

  • 身体の成長:体重は1日に平均30g増加

    生後2か月ごろの赤ちゃんの体重は、平均して1日に30g程度大きくなります。成長スピードは新生児期よりやや緩やかになりますが、毎日すくすくと成長していくのです。

  • 厚生労働省の「乳幼児身体発育調査(平成22年)」1)によれば、生後2~3か月の赤ちゃんの平均体重・平均身長は、男児が5.83kg・59.0cm、女児が5.42kg・57.8cmだということです。新生児期より抱っこに重みを感じるようになるでしょう。

  • また、生後2か月ごろは身体の成長に比べてまだまだ運動量が少ないため皮下脂肪が目立ち、ムチムチとした赤ちゃんらしい体型になることが一般的です。

  • <コラム>周りの子より大きい?小さい?

    赤ちゃんの成長には個人差が大きいものです。特に生後2~3か月ごろはムチムチした赤ちゃんらしい体型の子が増えてくるため、スリムで小さな赤ちゃんの保護者は「うちの子は成長が遅いのかな?」「母乳が足りていないのかな?」などと不安になってしまいます。

    しかし、前出の厚生労働省の調査1)では、男児は4.41~7.18kg、女児は4.19~6.67kgの範囲にあれば問題ないとしています。その上限・下限の幅は約2.5kgですが、赤ちゃんにとってこの差はとても大きいものです。4kgちょっとの赤ちゃんと7kg前後の赤ちゃんとは「一回りサイズが違う」と感じることでしょう。

    親としては、赤ちゃんの成長スピードはとても気になることだと思います。筆者も初めての育児では、毎日のようにレンタルしたスケールで体重を測り、成長に異常がないかチェックしていました。しかし、赤ちゃんの成長スピードは個性の一つ。母乳やミルクをしっかりと飲み、著しい体重減少や成長遅滞などがなければ、多少大きくても小さくても問題ないケースがほとんどです。

    生後2か月のタイミングでは乳児健診がありません。どうしても気になるときは、赤ちゃんの体重を測り(スケールのレンタルや購入をしなくても、赤ちゃんを抱っこして一緒に体重を測り、親の体重を引けば赤ちゃんのだいたいの体重が分かります)、母子手帳の発育曲線をチェックして、正常範囲にあるかどうか調べてみましょう。

  • 運動の発達:「首の座り」獲得に向けた準備

    生後2か月ごろはまだまだ運動機能が未熟とはいえ、新生児期に比べればかなり筋力が付いてきます。よく手足をバタバタさせ、ちょっと目を離したら掛け物をはいでいる……ということも増えてくるでしょう。

  • こうした生後2か月ごろの時期は、「首の座り」獲得に向けて重要なタイミングです。「首の座り」は、その後の寝返りやお座りにつながる重要な運動機能。平均的には生後3~4か月ごろに獲得するとされていますが、生後2か月ごろから「うつ伏せにすると顔を上げようとする」「首を左右に動かす」といった動作が出てきます。

  • <コラム>うつ伏せの練習はさせてもいいの?

    首が座るためには、首だけでなく背中や肩などの筋力も必要です。そのため、生後2か月ごろからは、これらの筋力を鍛えるような運動を促すといいでしょう。

    特にお勧めしたいのは「うつ伏せ練習」です。腹ばいにされた赤ちゃんは首や背中、腕など様々な部位の筋肉を使って頭を上げようと頑張ります。その結果、「首の座り」に必要な筋肉を効果的に鍛えることができるわけです。

    一方で、うつ伏せは乳幼児突然死症候群を引き起こすこともあるとされています。このリスクを恐れてうつ伏せをさせない人がいるのも事実です。しかし、次の5点を守れば危険なことはほとんどありません。赤ちゃんの様子をよく観察しながら、赤ちゃんのペースに合わせて「首の座り」に向けた練習を取り入れていきましょう。

    ・床など硬いベースの上で行う。

    ・周りにシーツやタオルケットなどを置かない。

    ・練習中は目を離さない。

    ・機嫌が悪いときや授乳後は避ける。

    ・そのまま寝かせない。

  • 視力の発達:ママやパパを視認できるように

    生まれたばかりの赤ちゃんの視力は非常に弱く、色を識別することもできません。しかし、視力や色の識別能力は驚くべきスピードで成長を遂げます。

  • 生後2か月ごろにはママやパパが顔を近付けると認識できるようになり、赤や黄色、緑などはっきりした色の区別も可能になります。そのため、メリーやおもちゃなどをじっと見て反応するようになります。また、目を見てあやすとニコッと反応するようになるのもこの時期です。

  • <コラム>赤ちゃんが笑うようになったら、どんな遊びをする?

    視力が発達し、少しずつママやパパとのコミュニケーションができるようになった赤ちゃんは、これまでと比べて遊びの幅がグンと広がります。

    視覚能力が格段に発達する生後2か月ごろは、色がはっきりしたおもちゃを目の前で動かしてあげたり、渦巻きや円形模様などが描かれた赤ちゃん用絵本を見せてあげたりすると喜びます。天気が良い日は、散歩に出かけることも刺激になるでしょう。

  • クーイングが現れる

    生後2か月ごろにはクーイングが現れます。クーイングとは、はっきりした意味を持たない「あー」「うー」といった母音を使った発声のこと。機嫌が良いときや何かをしてほしいときなどに、盛んに発するようになります。

  • クーイングは言葉の取得に向けての第一段階であり、声帯や横隔膜、唇など発声に必要な器官を鍛える効果があるとされています。

  • <コラム>クーイングにはどう反応したらいい?

    クーイング自体に意味はないものの、多くは機嫌が良いときに発せられるものですから、赤ちゃんがクーイングしたときはしっかりと反応してあげましょう。ママやパパが反応すると、さらにクーイングが増えることも少なくありません。

    クーイングにこたえ、さらに赤ちゃんがクーイングで返してくる……これは「言葉のキャッチボール」の第一歩。赤ちゃんとの信頼関係を築くことにもつながります。

    しかし、クーイングはすべての赤ちゃんが発するわけではありません。クーイングをしないまま、「ママ」や「マンマ」などの多音節からなる喃語(なんご)を発するようになる子もいます。クーイングがないからといって心配する必要はありませんが、赤ちゃんとのコミュニケーションを取るためにも、積極的に話しかけたり、本を読んであげたりすることを心がけたいものです。

産後2か月のママの身体はどうなる?

  • 1か月健診で「異常なし」とされても、ママの身体はまだ妊娠・出産によるダメージから完全には回復していません。育児や家事などで忙しい毎日を送っていると、ついつい自分のことは後回しになってしまいがちですが、産後の無理は後々まで響くことも少なくありません。産後2か月には次のような不調が目立ってくることもあるため注意してください。

  • 尿漏れ

    妊娠中は大きくなった子宮が骨盤を支える筋肉(骨盤底筋)に負担をかける上、出産により骨盤がゆがんでしまいます。そのため、産後はくしゃみをしたり赤ちゃんを抱っこしてお腹に力が入ったりすると尿漏れが起こりやすくなります。

  • 尿漏れを改善するためには、骨盤底筋を鍛え、骨盤のゆがみを正すことが大切です。骨盤底筋を鍛えるための体操はいろいろありますが、産後でも簡単にできるのは「肛門に力を入れて10秒間キープ→緩める→再び肛門に力を入れて……」を繰り返すもの。座ったままでも横になってもOKなので、ちょっとしたすきま時間にエクササイズできます。尿漏れに悩んでいる人は、ぜひ試してみてください。

  • 腰痛

    出産で大きくゆがんだ骨盤は徐々に元の状態に戻っていきますが、授乳や抱っこで不自然な姿勢ばかり取っていると腰痛を引き起こすことがあります。特に妊娠中から腰痛に悩まされていた人は要注意で、骨盤をサポートするガードルの使用をお勧めします。

  • ゆがんだ骨盤を妊娠前の状態に戻すためには、ストレッチをしたり、腹筋や腰回りの筋肉を鍛える体操をしたりするのがいいでしょう。

  • <コラム>マタニティーブルーが改善しないときは?

    気分の変調は、産後によくみられるトラブルの一つです。わけもなく気持ちが沈んだり、悲しくなったり、ささいなことでイライラしてしまったり……。これらの症状は産後のホルモンバランスの変化によるものであり、「マタニティーブルー」と呼ばれます。

    多くの場合、産後2~3週ごろまでには自然に改善していきますが、産後2か月を過ぎてもまだ気分の変調が起こりやすい人は「産後うつ」の可能性があります。産後うつでは、適切な治療を行わなければ育児や日常生活に支障をきたすことも少なくありません。長引くときは産婦人科や心療内科などで相談することをお勧めします。

  • 成田亜希子

    執筆者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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