【FP解説】シングルマザーの味方、児童扶養手当。そのポイントをチェック
【FP解説】シングルマザーの味方、児童扶養手当。そのポイントをチェック
公開日 2020/03/23
更新日 2020/03/23

【FP解説】シングルマザーの味方、児童扶養手当。そのポイントをチェック

シングルマザーの強い味方、児童扶養手当とはどんな手当でしょうか?そしてどれくらいの金額を受け取ることができるのでしょうか?まずはその内容や注意点をチェックしましょう。あわせて、児童手当や特別児童扶養手当との違いも理解しておきましょう。
また、ほかにも、シングルマザーの生活を支える制度は色々あります。
自分から申請しないと受け取ることができない場合もありますから、モレはないかどうか、確認してみましょう。

執筆:岡田 のりか(ファイナンシャルプランナー)

児童扶養手当って何?児童手当の違いは?

  • 児童扶養手当を受け取ることができる人と金額

    児童扶養手当は、母子(父子)家庭をサポートするために支給されるお金です。児童扶養手当をいくら受け取ることができるかは、子どもの人数や収入(所得)などによって変わります。

  • 参考1:児童扶養手当の金額(2019年度)

    全部支給一部支給
    1人目42,910円42,900円~10,120円
    2人目10,140円10,130円~5,070円
    3人目以降6,080円6,070円~3,040円

    出典:ひとり親家庭の支援について(厚生労働省)を元に筆者作表

  • 参考2:児童扶養手当額の例(子ども1人の場合)(2019年度)

    年間収入手当の金額(月額)
    60万円42,910円
    200万円36,710円
    250万円28,690円
    300万円20,660円
    365万円10,120円

    出典:ひとり親家庭の支援について(厚生労働省)を元に筆者作表

  • 児童扶養手当には所得制限があり、収入が多いと手当が減ったり、支給されなかったりします。所得は、収入から給与所得控除(自営業の場合は経費)と社会保険料相当額(一律8万円)を引いて計算します。収入には養育費の8割が含まれることに気をつけましょう。

  • 参考3:児童扶養手当の所得制限(この金額を超えると手当は支給されません)(2019年度)

    扶養親族等の数全部支給の場合(万円)一部支給の場合(万円)
    1人87230
    2人125268
    3人163306
    4人201344
    5人239382

    出典:ひとり親家庭の支援について(厚生労働省)を元に筆者作表

  • また、受け取る金額は基本的に「前年度」の所得を基準にして計算されますので、例えば離婚をした場合に、離婚直後から支給されるわけではありません。また、世帯収入で算定されるため、実家へ引越す場合などは支給対象から外れてしまう可能性がありますので注意が必要です。

  • 児童扶養手当を受け取ることができるのは子どもが高校3年生の3月までというのも知っておくべきポイントです。

  • 児童扶養手当を受給するための手続き

    児童扶養手当を受け取るためには、申請が必要です。

    申請時には住民票や戸籍謄本などを添付する必要がありますが、自治体によっては発行手数料が免除されることがあります。

  • 遺族年金や障害年金などの公的年金を受け取っていると、手当の金額がカットされる場合がありますが、年金より手当の方が多ければ差額を受け取ることができます。

    また、一度認定を受けたらずっと受け取れるということではなく、毎年手続きが必要です。継続して受ける場合は「現況届」を提出することになります。

  • 児童扶養手当と児童手当は両方受け取ることができる!

    児童扶養手当と似たものに「児童手当」があります。児童手当はひとり親に限らず、すべての子育て家庭が、中学3年生の3月まで対象となります。児童扶養手当とダブルで受け取ることができますが、所得制限があります。

  • 参考4:児童手当の支給額(2019年度)

    手当の金額(月額)
    0~3歳未満一律15,000円
    3歳~小学校修了前10,000円
    (第3子以降は15,000円)
    中学生一律10,000円

    ※所得制限を超えている場合は月額一律5,000円です

    出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

  • 参考5:児童手当の所得制限(2019年度)

    扶養親族等の数所得限度額
    (万円)
    収入の目安
    (万円)
    0人622833.3
    1人660875.6
    2人698917.8
    3人736960.0
    4人7741,002.1
    5人8121,042.1

    出典:児童手当制度のご案内(内閣府)

  • 障害児の場合は特別児童扶養手当もあります

    20歳未満で精神や身体に障害を持つ子どもがいる場合は、「特別児童扶養手当」を受給できます。金額は一律で1級52,200円、2級34,770円ですが、所得制限があります。また、重度の障害の場合、障害児福祉手当(一律14,790円)も受けられる可能性があります。

    こちらも児童扶養手当とは別に受け取ることができるので、該当する場合は手続きを忘れないようにしましょう。

  • 児童扶養手当・児童手当以外の独自の手当

    上にあげたもののほかに、地方自治体独自の手当がある可能性があります。たとえば東京都では、18歳の年度末まで「児童育成手当」が月額13,500円支給されます(所得制限あり)。お住まいの地域はどうなのか、ホームページや窓口への問い合わせなどで調べてみましょう。

  • シングルマザーの家計のやりくりのポイント

    児童扶養手当は高校生まで、児童手当は中学生までと、手当の受給期間は決まっています。日々の生活費のやりくりを手当に大きく頼ってしまうと、支給されなくなったときのダメージが大きく感じられるでしょう。

    できれば、こういった手当は生活費としては使わずに、子どもの将来の教育費のために、銀行口座を分けて貯金しておけるように考えましょう。手当以外の収入で生活していくことができれば、将来、子どもが独立したあとのやりくりにも自信が持てるようになるでしょう。

他にもこんなにある!シングルマザーを支える制度

  • どうしてもお金を借りたいときはまずこれ!

    お金のやりくりがどうしてもうまくいかず、お金を借りたい!……という場合は、公的な制度で金利などを低く借入ができる場合があります。民間からの借入をする前に、まず検討してみてください。

  • 【母子父子寡婦福祉資金貸付金】

    お住まいの自治体の福祉担当窓口で受け付けている融資です。 20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等に貸し付けられます。

    金額に上限がありますが、無利子や低金利(保証人が無い場合)で借りることができ、返済期間は条件によって3年~20年となっています。

    母子父子寡婦福祉資金貸付金の種類は以下の12種類です。

  • (1)事業開始資金(2)事業継承資金

    (3)修学資金(4)技能習得資金

    (5)修行資金(6)就職支度資金

    (7)医療介護資金(8)生活資金

    (9)住宅資金(10)転宅資金

    (11)就学支度資金(12)結婚資金

  • なかでもニーズが高いのは、修学資金と就学支度資金。高校や大学の授業料や交通費などの修学に必要な資金と、入学準備のための被服などの準備資金の貸付です。返済開始までに据え置き期間が6ヶ月あるというのもありがたい内容です。

  • 資格取得でキャリアアップ!教育給付制度

    シングルマザーのキャリアプランは、大きな悩みのひとつですね。資格の取得などでキャリアアップしたいときに利用できる制度をご紹介します。いずれもお住まいの自治体が窓口となります。給付を受けるには条件がありますが、資格取得を希望する場合は利用を検討してみてください。

  • 参考6:キャリアアップを支援する制度(2019年度)

    自立支援教育訓練給付金母子家庭の母(及び父子家庭の父)が、指定の教育訓練講座などを受講すると、受講料の60%を受給できる(下限は12,001円、上限は修学年数×200,000円、最大800,000円)。
    高等職業訓練促進給付金母子家庭の母(又は父子家庭の父)が、看護師や介護福祉士などの資格取得のため、1年以上修業する場合に支給される。

    市町村民税非課税世帯:月額100,000円(最後の12ヶ月は140,000円)

    市町村民税課税世帯:月額 70,500円(同110,500円)

    出典:ひとり親家庭の支援について(厚生労働省)を元に筆者作表

  • 子どもの進学をあきらめないための制度

    子どもの教育費は予想が難しいですが、経済的な理由で進学をあきらめないようサポートしてくれる制度があります。代表的なものが「奨学金」です。

    奨学金には給付型(返済が免除されるもの)と貸与型(利子があるものとないものがある)があり、年収や子どもの成績などの条件があります。海外留学のための奨学金もあります。手続きなどについては在学する学校などへ問い合わせをしてみましょう。

    ただし、審査に通って利用できることになっても、お金の振込みは入学後なので、入学金などの入学前に必要なお金のやりくりは別の方法で考えておく必要があります。

  • 高校の奨学金制度と無償化

    【FPが解説】新しい奨学金制度

シングルマザーのサポート活用、最大のポイント

  • シングルマザーを支える制度はたくさんありますので、組み合わせてフル活用できるように最新の情報を入手するように心がけ、行動しましょう。情報収集はネットや書籍などのほか、自治体の窓口担当者とのコミュニケーションや支援団体のサポートを積極的に利用することもおススメです。

    何かをあきらめる前に、自分で調べること、でも自分ひとりで悩み過ぎずに誰かに相談したり頼ったりできるマインド・環境を整えておくことが大切ですね。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年3月4日時点のものです

  • 岡田のりか(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 岡田のりか(ファイナンシャルプランナー)
    妊活・出産・育児中の女性向けのマネープラン相談やコラム執筆、セミナー講師を中心に活動中。米国公認会計士の資格も持つ。FPオフィス ナチュール代表 (東京都小金井市)

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