【FP解説】子どもに保険は必要?子ども向け保険を考えるときのポイント
【FP解説】子どもに保険は必要?子ども向け保険を考えるときのポイント
公開日 2020/03/17
更新日 2020/03/17

【FP解説】子どもに保険は必要?子ども向け保険を考えるときのポイント

子どもの病気やケガ、教育資金等を準備するために加入する子ども保険。子どもの医療費助成制度など、子育てを支援する社会保障等があるだけに、本当に必要なのかどうか判断しにくいものです。
また、民間保険だけでなく、学校や生協(コープ)を通じて加入する共済などの選択肢も多く、迷ってしまいがち。

そこで、子どもに保険をかけるべきかどうかを考える際のヒントとして、子ども向けの保険と加入を考えるときのポイントについて解説します。

執筆:前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)

教育費のため学資保険に加入したほうがいい?

  • 学資保険とは、子どもの教育費を準備するための貯蓄型保険のこと。加入すると満期保険金が受け取れるほか、保険によっては学校へ入学するタイミングで祝い金を受け取れるものもあります。

    さらに大きな特徴は、契約者が万が一亡くなった、もしくは高度障害状態になった場合、それ以後の保険料が免除になるほか、満期保険金も受け取ることができる点です。また、育英年金の特約を付けると、満期になるまでの間、年金が受け取れるものもあります。

  • 子どもにかかる学習費の目安

    子どもの教育費を準備する際、どれくらいのお金が必要になるかという目安は知っておきたいですね。また、公立と私立によってもかかる教育費は大きく異なります。

    ではここで、幼稚園から高校までの学習費総額と、大学での学費の目安を確認しておきましょう。

  • 幼稚園から高等学校までの学習費総額(平成30年度)
    公立私立
    幼稚園223,647円527,916円
    小学校321,281円1,598,691円
    中学校488,397円1,406,433円
    高等学校(全日制)457,380円969,911円

    出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」

  • 大学の初年度納入金(平成30年度)
    入学金授業料施設設備費
    私大文科系学部229,997円785,581円151,344円
    私大理科系学部254,309円1,105,616円185,038円
    私大医歯系学部1,073,083円2,867,802円881,509円
    国立大学282,000円535,800円
    公立大学393,618円538,633円

    出典:「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」「平成30年度学生納付金調査結果 大学昼間部」

    ※公立大学の入学金は「地域外」(大学の地元以外の出身者の平均額)を掲載、

    「地域内」(地元出身者の 平均額)は230,347円

  • 上記の表から、おおよその教育費の目安がわかったと思います。小学校や中学校から私立を選ぶか、それともできるだけ公立を選ぶかで、必要となる教育費に大きな差が出てくる点は考えておきたいところです。

  • 学資保険以外に教育費を貯める方法

    もし学資保険に加入しない場合、教育費を準備する方法はあるのでしょうか。できる方法として考えられるのが、まずは貯金です。

    その際、活用できるのは「児童手当」です。児童手当は、0歳から2歳までは月々15,000円、3歳から12歳(小学校卒業時)までは月々10,000円、13歳から15歳(中学卒業時)までは10,000円(※いずれも所得制限があり、一定所得以上の家庭は月々5,000円)を受け取ることができます。所得制限内の場合、子どもが生まれた時から児童手当をすべて貯金に回せば約200万円になるので、これを高校や大学での学費の一部として活用できます。

  • もう1つ考えられるのが、祖父母からの援助です。通常、110万円以上のお金を受け取れば贈与税がかかりますが、学費を必要とするタイミングで、必要な分のみを援助するのは「都度贈与」となり、非課税になります。(※都度贈与とは、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの。出典:国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」より引用)

  • 学資保険は本当に必要?

    祖父母からの援助を得られそう、あるいは、貯金で教育費を確保できそうであればいいのですが、もしも学費の確保が心配なら、学資保険を考えてもよいでしょう。児童手当を全額貯金に回し、足りない分を学資保険で確保するのもいいかもしれません。多くの人は学資保険の満期を大学受験に合わせて18歳に設定しています。ただし、子どもの誕生月には注意が必要です。大学は合格発表後、1週間~2週間後に入学金と初年度納入金を支払う必要があります。つまり、合格が決まった時点でまとまった費用を支払えるようにしておかなければならないのです。そのため、たとえば3月生まれだとしたら、入学金等を支払うタイミングに間に合いません。また、学校選抜型推薦を利用した場合は年内に入学金等を納めることになります。そこで、満期日をよく確認したうえで、子どもの誕生月によっては17歳満期を選択しましょう。

子どもに医療保険をかける必要はある?

  • 現在、子どもに対してはすべての都道府県・市区町村で何らかの医療費助成制度が実施されています。そのため、民間の医療保険は必要ないと考える人も少なくありません。本当にそれで大丈夫なのか、日本の子ども医療費助成制度と、医療費助成で保障されないものを確認しておきましょう。

  • 子どもの医療費助成制度とは?

    医療費助成制度とは、病院で病気やケガの治療を受けた際、窓口で支払う自己負担分の医療費や薬代を自治体が代わりに支払ってくれる制度のこと。自治体から交付される医療証と健康保険証を提示して利用します。都道府県や市区町村により異なりますが、0歳から小学校入学前、もしくは、小学校や中学校を卒業するまで、自治体によっては高校を卒業するまで、子どもにかかる医療費が助成されます。助成方法は、窓口で一切支払いをしなくてもいいパターンと、いったん窓口で支払い、後から申請して医療費を指定口座へ振り込んでもらうパターンがあります。また、自治体によっては、入院・通院の一部(数百円程度)が自己負担になる場合や、保護者の所得制限付きの場合もあるので、お住まいの自治体がどうなのか確認しておきましょう。

  • ただ、子どもの医療費助成制度では、病院に支払うすべての費用が保障されるわけではありません。差額ベッド代、食事代、薬の容器代、おむつ代、文書料、予防接種代、健康診断などの費用は対象外となります。また、子どもが入院した際にかかる親の付き添いベッド代も保障されません。

  • 子どもの医療保険をどう考える?

    子どもの医療費助成制度では、助成の対象外になるものがありました。その点、民間の子ども医療保険では、医療費助成で対象外になっている費用も補てんされます。入院日数に応じた入院給付金や、手術をしたときに手術給付金が受け取れるため、たとえば親が子どもの看病で仕事を休まなければならなくなったときに、収入が減るリスクをカバーすることにも利用できます。

  • ただ、十分に貯金を確保できるなら医療保険の加入は必要ないかもしれません。医療保険の保険料として負担する分を貯金しておくのも1つの考え方です。また、医療費助成制度が終了した年齢から民間の医療保険に加入する方法もあります。保険に加入すると保険料の負担が増えることになるので、家計の状況を確認したうえで、負担のない方法を選ぶようにしましょう。

子どもの保険を検討する際のポイントを教えて

  • ここまでは、子どものための学資保険と医療保険について見てきました。ほかにも検討できそうな子どもの保険はあるでしょうか?また、子ども向けの保険を検討する際のポイントもお伝えします。

  • 加入しておくと安心な保険はある?

    子どもの病気も気になりますが、このほかにも心配なことがあります。それは、「思わぬ事故に遭ってしまった場合」「他の子どもにケガをさせてしまった場合」「他の人の持ち物を壊してしまった場合」という3つの“もしも”です。これら3つをカバーできる保険が「子どもの傷害保険」になります。傷害保険は思わぬ事故やケガに備えた保険。この保険に加入すると、他の人にケガをさせたり、人の持ち物を壊してしまったりした場合も補償が受けられます。

  • ただ、ここで確認しておきたいことがあります。他の子どもにケガをさせてしまった場合や他の人の持ち物を壊してしまった場合、個人賠償責任保険でも補償されます。個人賠償責任保険といえば、ご家庭で加入している火災保険や自動車保険に付いてくる補償。ご加入の火災保険や自動車保険で個人賠償責任特約を付けているのであれば、個人賠償責任保険(特約)は家族全員をカバーできるので、改めて子どものために加入する必要はありません。

  • 共済に加入するという選択肢も

    子どもはいずれ独立していくもの。そのため、できるだけ保険にコストをかけたくないと考える人も少なくありません。その際、選択肢の1つとなるのが「共済」です。主なものでは、こくみん共済、県民共済、コープ共済などが有名です。共済は掛け捨て型ですが非営利団体のため、余剰金が発生した場合は掛金の一部が割戻金として戻ってきます。掛金は高額でなく、18歳になるまで子どもの病気やケガの保障が受けられます。家計に負担をかけない選択肢として検討してみるのもいいですね。

  • 子どもの保険を考える際のポイントとは?

    子どもを保険に加入させるべきか迷ったときは、子どもの教育費やいざというときの医療費を貯金で賄えるかどうか考えてみましょう。もし、貯金で賄うことに不安を覚えるのなら、学資保険や医療保険、傷害保険などを検討してもいいですね。なかでも学資保険は貯蓄型の保険です。そのため、必要な学費を準備するには、子どもが小さいうちに加入したほうがいいでしょう。

  • さらに必ずチェックしておきたいのは公的な助成です。医療費なら子ども医療費助成制度がありました。それに教育費では、現在は高校の授業料(公立、私立)にも助成があります。このような公的助成があることを頭に入れて、不足分を学資保険で賄う形でもいいでしょう。

  • いずれにせよ、子どもにかかるお金について、心配になっていることをご夫婦でよく話し合い、貯金で賄えるかどうかを検討のうえ、子どもにかける保険を決めるといいのではないでしょうか。

  • 子どものための保険として、学資保険、医療保険、傷害保険、共済について、その内容と加入の考え方をおわかりいただけたでしょうか。そもそも保険はもしものリスクに備えるもので、貯金ができる家庭であれば無理に加入する必要はありません。しかし、貯金があまりできない場合は、無理のない範囲で保険によるリスクヘッジを考えてもいいでしょう。家庭のライフプランと照らし合わせたうえで、本当に必要な保険かどうか、または、無理なく保険料を支払うことができるのかを確認して、保険の加入を検討することをおすすめします。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年3月4日時点のものです

  • 前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)
    10年超ライターとして活躍。節約に関する執筆を行うなか、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。お金と暮らしの整え方を伝授して不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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