【2021年】「大学入学共通テスト」受験料はどうなる?家計の負担と大学受験
【2021年】「大学入学共通テスト」受験料はどうなる?家計の負担と大学受験
公開日 2020/03/10
更新日 2020/03/10

【2021年】「大学入学共通テスト」受験料はどうなる?家計の負担と大学受験

2020年1月をもって大学入試センター試験が終了しました。そして、2021年1月より「大学入学共通テスト」が始まります。国公立大学の入試をはじめ、私立大学でも新方式の入試を利用することになりますが、気になるのが受験料。試験が変わることで、受験料も変わってしまうのでしょうか?

そこで、ここでは大学入学共通テストの受験料と、大学受験にかかる費用、そして大学受験の費用を準備する際に知っておきたいことをご紹介します。

執筆:前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)

新しく始まる大学入学共通テストとその動向

  • 1990年1月に始まったセンター試験(大学入試センター試験)は2020年1月に幕を閉じました。センター試験では知識を問う問題をマークシートで解答していく形でした。しかし、日本は少子高齢化、グローバル化、情報化社会が急速に進み、このように変化する社会に対応できる人材を育成するために、大学入試改革が行われることになったのです。出題方式も、これまでの知識のみを問う問題から、思考力・判断力・表現力もあわせて問われる問題へと変わることになりました。この新しい大学受験が、2021年1月から始まる「大学入学共通テスト」です。

  • 大学入学共通テストで新たに導入されることになったのが、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を評価するための「民間英語資格・検定試験」と「数学と国語の記述式問題」でした。しかし、この導入には多くの問題がありました。民間英語資格・検定試験の多くは都市部で実施されるため、地方在住の受験生には不利になります。また、民間英語資格・検定試験は受験料が高く(高いものは25,000円超)、家庭の経済状況によっては負担が重くなります。さらに、数学と国語の記述式問題では、採点体制が明確にできないこと、採点ミスをゼロにすることは期待できないこと、受験生の自己採点と採点結果の不一致を改善することは難しいこと、という問題が浮上し、これらの問題を早急に改善するのは困難だということがわかったのです。

  • ただでさえ受験体制が変わることで大きな不安を抱える受験生が、安心して受験できる体制を築くことは難しいとの判断が下されました。その結果、2019年11月1日に民間英語資格・検定試験の導入を見送ることが決まり、2019年12月17日には数学と国語の記述式問題の導入も見送ることが発表されたのです。

  • 結局、大学入学共通テストではセンター試験と同じマークシート方式で実施されることになり、試験科目も変わりません。けれども、知識だけでなく思考力・判断力・表現力を活用した問題が出題されます。また英語に関して、センター試験での配点は筆記200点・リスニング50点だったのが、大学入学共通テストではリーディング100点・リスニング100点に変わります。受験生はセンター試験とは異なる対策が必要になってくるため、正しい情報収集が必要になるでしょう。

大学入試の受験料はどれくらいなの?

  • センター試験が大学入学共通テストに変わりますが、受験料はどうなるのでしょうか。この件は、すでに文部科学省から2019年8月29日に発表されています。その内容は「大学入試センター試験と同額に据え置く方針」とのことでした。

  • ではここで、どれくらいの受験料がかかるのか確認しておきましょう。

  • 大学入学共通テストの受験料はどうなる?

  • 大学入学共通テストの受験料は、これまでの大学入試センター試験と同じく、科目数によってかかる費用が変わります。

  • 受験料
    3教科以上18,000 円
    2教科以下12,000 円

  • 成績を通知してほしい場合は、成績通知手数料として出願時に800円を受験料とともに払い込みます。

  • 国公立大学の受験料は?

  • 国公立大学を受験する場合、大学入学共通テストを受験し、後日、各大学が実施する二次試験を受験します。また、総合型選抜入試、学校推薦型選抜入試を実施する大学もあります。

  • 受験料
    二次試験約17,000円
    総合型選抜入試・学校推薦型選抜入試約17,000円

  • 私立大学の受験料は?

  • 私立大学の入試は、これまではセンター試験利用入試、一般入試、AO入試、推薦入試をはじめ、大学ごとに複数の受験方法が実施されていました。2021年度以降の入試については、まだ詳細が発表されていません。(2020年2月現在)。2020年4月以降に各大学のwebサイトにて入試方法の詳細や受験料が順次発表されますので、志望大学のwebサイトで確認しましょう。

受験料のほかにどんな費用が必要なの?

  • 大学受験では、受験料以外にもかかる費用があります。では、どんな費用が必要になるのか見ていきましょう。

  • ○入学願書の入手にかかる費用:300~1,500円

    多くの大学の願書は無料です。大学のwebサイトにある申し込みフォームから請求すると自宅に送られてきます。また、書店で購入する方法、大学の窓口で直接入手する方法、オープンキャンパスや入試説明会で入手することもできます。ただし一部の大学では有料で、同封された振込用紙でその費用を支払います。

  • ○願書に貼る写真代:2,000円~(依頼する写真店等による)

    願書には証明写真を貼ります。大学によっては、仕様の指定がある場合、あるいは、入学後の学生証の写真に使用する場合もありますので、多めに撮影しておくと良いですね。

  • ○出願書類の郵送:簡易書留320円+速達290円(250グラムまでの場合)

    最近はインターネット出願を実施する大学が増えていますが、その場合でも願書は高校の調査書などとともに郵送します。簡易書留や速達は、より確実に届ける方法として、使用されています。

  • ○受験時の交通費・宿泊費

    受験当日、大学への交通費や、遠方の大学を受験する場合は宿泊が必要になることもあります。ただし、大学によっては地方都市で受験できる場合もあり、宿泊代をかけずに受験できます。お子さんの志望校の受験会場を確認してみましょう。

大学受験にかかる費用の準備は余裕を持って

  • 多くの受験生は複数回の受験をします。1つの大学でも受験方法はさまざまで、国公立大学は日程から3校まで受験可能ですし、私立大学の場合も日程が異なれば何校でも受験することができます。また、1つの大学の中でも異なる学部を併願することも可能です。

    大学入試ではお金をかければ複数の大学を受験することができるため、単純な「合格」の数だけで言えば裕福な家庭が有利など、家庭の経済状況に左右される部分もあります。

  • 大学受験の割引制度を利用しよう

  • うれしいことに私立大学では、出願の割引制度を実施するところが増えています。まずは、インターネット割引。インターネット出願ができる大学では、受験料を割引してくれるところが多いです(3,000円~5,000円程度)。また、同じ大学で複数の学科を受験する場合、2つ目以降の学科では受験料が割引になる併願割引を実施するところもあります。さらに、1つの大学で複数の入試日程が設定されますが、いくつかの日程を併願する場合に、追加受験する日程の受験料が割引になる場合もあるのです。受験する大学の割引制度はwebサイトに掲載されているので、確認してじっくり検討しましょう。

  • 入学手続きの費用は余裕を持って準備して

  • 下記は2018年度入試で大学に払い込んだ初年度納入金(平均額)を表にしたものです。

    大学の初年度納入金(2018年度)

    入学金授業料施設設備費合計
    私大文科系学部229,997円785,581円151,344円1,166,922円
    私大理科系学部254,309円1,105,616円185,038円1,544,962円
    私大医歯系学部1,073,083円2,867,802円881,509円4,822,395円
    国立大学282,000円535,800円817,800円
    公立大学393,618円538,633円932,251円

    出典:「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」

    「平成30年度学生納付金調査結果 大学昼間部」

    ※公立大学の入学金は「地域外」(大学の地元以外の出身者の平均額)を掲載、

    「地域内」(地元出身者の平均額)は230,347円

  • 大学に合格したら、1週間から2週間後までに入学手続きとして入学金と初年度納付金を払い込まなければなりません。仮に第二志望の大学が先に合格となり、第一志望の合格発表が2週間以上後になる場合は注意が必要です。とりあえず第二志望の入学手続きをしておかないと合格が無効になってしまいます。後日、第一志望の大学に無事合格して、第二志望の大学を辞退した場合、初年度納付金は返金してもらえますが、入学金は戻ってきません。つまり、場合によっては第二希望にも入学の可能性を残すためのお金が必要になることもあるのです。このような事態を避けるには、受験日程と合格発表の日程、そして入学手続きの期限をよく確認したうえで、受験スケジュールを立てることです。

  • また、教育費でもっとも重要になるのが、大学合格後、入学手続きの期限内に払い込む入学金と初年度納付金です。幼い頃から児童手当を使わずに貯金していたり、学資保険に加入していたりするのであれば、必要額の多くを確保できるでしょう。しかし、まとまった貯金ができていない場合は、必要額を準備することが難しくなるかもしれません。その場合は、日本学生支援機構の奨学金を利用する、あるいは、国の教育ローンを利用することでまかなえます。また、大学が独自の給付型奨学金制度を実施しているところもあるので、チェックしてみるとよいでしょう。

  • いざというときに教育資金を奨学金などで準備することはできますが、できれば家計の中から初年度納入金に当たる額は準備しておきたいものです。そのためには、大学受験までに余裕を持って教育費を貯めておいたほうがよいでしょう。それには家計の収支を見直し無駄な部分を省き、確実に貯金のできる家計にしておきたいですね。特に、毎月定期的に支払っているものを見直せば、貯金できる家計に変えることができます。また、高校の授業料は所得制限があるものの、公立も私立も助成制度があります。助成された分を貯金に回すこともできるでしょう。貯金の基本は、長くコツコツと貯めていくことです。早いうちから家計の無駄を省いて、教育費を確保していきましょう。

  • 2021年から始まる大学入学共通テストの受験料は、これまでのセンター試験と同額で実施されます。また、受験料のほかにどのような費用がかかるのかもわかりましたね。大学受験でもっとも大事な費用は、入学手続きの期限内に払い込む入学金と初年度納付金です。合格のタイミングで必要額を支払えるよう、定期的に家計をチェックして、早いうちから貯金のできる家計にしておきましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年3月5日時点のものです

  • 前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 前佛朋子(ファイナンシャルプランナー)
    10年超ライターとして活躍。節約に関する執筆を行うなか、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。お金と暮らしの整え方を伝授して不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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