子どもの教育費、どれだけ貯めなきゃいけないの?
子どもの教育費、どれだけ貯めなきゃいけないの?
公開日 2020/02/28
更新日 2020/02/28

子どもの教育費、どれだけ貯めなきゃいけないの?

子どもはできるだけ教養豊かになるよう育ててあげたい、でもお金はかかりそうだし……とジレンマを感じている保護者の方は多いと思います。「子どもひとりに1,000万円」「私立はさら教育費が必要」などと聞くと、どれだけ貯金をしなければいけないか不安になるものです。子どもが小さいうちから教育費用の目安を知り、計画的に準備をしていきたいですね。最近の教育費事情を一緒に見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

子どもの教育費、進路によってこれだけ違う!

  • 文部科学省が2年に1回公表している「子供の学習費調査」を見ると、自分の子どもが成長した時いくらぐらいの教育費がかかるのか、目安を知ることができます。

  • 公立私立
    幼稚園(3年)約67万1,000円約158万4,000円
    小学校(6年)約192万8,000円約959万2,000円
    中学校(3年)約146万5,000円約421万9,000円
    高校・全日制(3年)約137万2,000円約291万円

    出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」

  • 幼稚園から高校卒業までのすべてを公立校に通うと約544万円、すべて私立に通う約1,831万円かかる計算になります。公立と私立では1,200万円以上の差が出ることになりますね。

  • 大学費用は国公立と私立の別に加え、学部などによっても変わります。ざっくりとでも目安を知るために、日本政策金融公庫が毎年公表している「教育費負担の実態調査」を参考にしてみましょう。高校卒業後の入学先別に卒業までにかかる入在学費用の平均額は次のとおりです。

  • 国公立私立
    大学短大大学(文系)大学(理系)
    入学費用80万1,000円73万6,000円90万4,000円85万5,000円
    在学費用459万2,000円302万8,000円640万4,000円741万2,000円
    合計539万3,000円376万4,000円730万8,000円826万7,000円

    出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査(2019年3月20日発表)」

  • 幼稚園から大学卒業まで、オール国公立なら約1,083万円、オール私立(理系)の場合は約2,658万円になる計算です。「私立なんて行かせられないから、公立校に合格できるようちゃんと勉強しなさい」というフレーズは筆者自身が親から何度も言われていたことですが、皆さんの中にも言われたことがある人がいるかもしれません。できるだけ自分の子どもにはこのようなセリフを言わなくてもいいよう、早いうちから対策を取っていきたいですね。

教育費の無償化について知っておこう

  • 幼児教育や高校など、教育の無償化という言葉を聞いたことがある人もいると思います。無償化になると「教育費はかからなくなるの?」と考える人もいそうですが、何が無償になるのかを知っておくことは教育費計画を立てる上で大切です。

  • 現在実施されている教育費の無償化制度は、2010年に始まった「高校無償化制度(高等学校等就学支援金制度)」、2019年10月の消費増税とともに始まった「幼児教育・保育の無償化制度」の2つ。これに加えて2020年4月から「大学無償化(授業料・入学金の減免制度および給付型奨学金制度)」が予定されています。また、時期を同じくして、現在実施されている高校無償化制度が拡充され、私立高校の実質無償化が予定されています。

  • 無償化には所得制限がある場合も

    これらの無償化制度が利用できれば子ども達の進路に対する希望を叶えやすくしたり、親の負担も軽減されるかもしれません。

  • 一方で、これら制度のほとんどは、親の収入によって対象可否が決められています。まだ子どもが小さい家庭では、先々制度内容が変わる可能性は否めませんが、大体でも対象となる収入基準の目安は知っておくといいでしょう。それぞれ制度の細かな内容および規定はありますが、収入基準の目安を表にまとめましたので参考にしてください。

  • 幼児教育・保育高校(高等学校等就学支援金)大学(授業料・入学金の減免制度)
    対象者3~5歳児クラスの幼稚園、保育所、認定こども園等に通う子ども国公私立問わず、高等学校等に通う生徒国公立・私立問わず、四年制大学、短大、高等専門学校、専門学校等への進学者
    何が無料になる?施設の利用料授業料「授業料・入学金」が免除または1/3~2/3に減額
    収入基準保護者の収入条件なし(0~2歳児クラスの保育所等に通う子どもは、住民税非課税世帯)約910万円未満が目安(私立高校の実質無償化制度に対しては、2020年4月以降は約590万円未満へ下がる予定)住民税非課税世帯かそれに準ずる世帯(例:両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合の年収目安は約380万円まで)

    出典:内閣府「幼児教育・保育の無償化 特設ホームページ」、文部科学省「高校生等への修学支援」および文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」

  • 教育費の内訳を知っておこう

    表中にも記載しましたが、何が無償になるのかを知っておくことも大切です。基本的に無償になるのは学校教育費の中の「授業料」。ひとくちに学習費といっても「学校教育費」と「学校外活動費」に大別されますが、授業料は学校教育費に含まれます。

  • ・学校教育費:授業料や修学旅行、遠足費、教材費など金額は違ってもみんな同じようにかかるお金

    ・学校外活動費:学習塾代、家庭教師代、習いごと費など、人によってプラスαでかかるお金

  • 先に見た文部科学省の学習費平均額は「学校教育費」、「学校給食費」、「学校外活動費」の総額ですが、それぞれ1年間にかかる費用の内訳を見てみましょう。

  • 学校教育費学校教育費
    うち授業料
    学校給食費学校外活動費
    幼稚園公立約12万円約7万円約2万円約8万円
    私立約33万円約21万円約3万円約17万円
    小学校公立約6万円約4万円約21万円
    私立約90万円約49万円約5万円約65万円
    中学校公立約14万円約4万円約31万円
    私立約107万円約43万円約4千円約33万円
    高校(全日制)公立約28万円約3万円約18万円
    私立約72万円約23万円約25万円

    出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」

  • 無償化となるのは表で色づけした部分です。仮に幼稚園と高校の無償化の対象になるとしても、親の教育費負担はまだ多く残ることがわかりますね。

他の家庭と比べず、ムリをせず、我が家の教育費計画を!

  • 幼稚園から高校までのすべての段階で、公立・私立を問わず、学校外活動費の割合が大きくなっているのがおわかりでしょうか。オール国公立でも子ども1人につき1,000万円かかると言われますが、高校までにかかる教育費の約半分は習いごとや塾代にかかっているのです。

  • 子どもが小さいうちはさまざまな習いごとをさせたくなるものですが、無理なく教育費準備をするためには習い事の選択も必要でしょう。保護者が協力し、家庭で子どもの教養も育んでいくようにすれば、教育費の節約に繋がります。

  • それでも小学4年生頃になれば、同級生やまわりのみんなが行くからと、子ども自身が塾通いや中学受験を望むケースも考えられます。子どものためとはいえ、一旦スタートすると「こんなにお金をかけたのに」と、今度は親がやめたくなくなるかもしれません。他の家庭に流されず、教育費がどれだけかかるかは保護者次第と考え、我が家の教育費計画を立てるようにしてください。

  • それでもやっぱり進路の選択肢を広げておくことは親の務めかもしれません。塾代や受験費用の情報収集をしながら、小学校高学年、中学3年、大学入学前などのまとまったお金が必要になるタイミングに合わせ、小さいうちからしっかり教育費準備をしていくようにしていきましょう。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年2月25日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP®〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
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