【FPが解説】新しい奨学金制度に注目!返済不要の給付型や無利子の貸与型
【FPが解説】新しい奨学金制度に注目!返済不要の給付型や無利子の貸与型
公開日 2020/02/21
更新日 2020/07/29

【FPが解説】新しい奨学金制度に注目!返済不要の給付型や無利子の貸与型

経済的な理由で、我が子が進学をあきらめるのは保護者としても辛いことですよね。
学校生活に必要な、学費や生活費を支援してくれる奨学金制度(貸与型・給付型)があるのをご存知でしょうか。2020年4月からは新しい奨学金制度がスタートします。今からチェックしておきましょう。

執筆:野原亮(ファイナンシャルプランナー)

奨学金制度の給付型と貸与型

  • 経済的な理由で進学が難しい方のために、必要な学費や生活費などを援助してくれる制度が奨学金制度です。成績を問われる場合もありますが、学ぶ意欲さえあれば利用できる制度もあります。奨学金には、公的なものや民間が運営するものなど、様々な種類があります。

  • ・様々な奨学金の種類

  • 1. 公的組織(国や地方公共団体)と民間組織(学校独自のものや団体組織)

  • 国や地方公共団体による公的な奨学金と、そうではない民間の奨学金とがあります。公的な奨学金といえば、国の独立行政法人「日本学生支援機構」(JASSO、旧:日本育英会)が実施するものが有名でしょう。地方公共団体の奨学金は、都道府県ごと、市区町村ごとに実施していますが、一部自治体では実施していないところもあります。民間では、学校ごとに独自のものと、企業や個人、民間育英団体などのものがあります。

  • 2. 返済不要の給付型と返済が必要な貸与型

  • 受け取った奨学金は、給付型(返さなくて良い、もらえるもの)と、貸与型(卒業後に返さなくてはいけないもの)があります。給付型のもらえる金額は授業料相当額であったり、その半額、または年にいくらの固定金額であったりなど、様々なパターンがあります。貸与型は、一時的に借りることになり卒業後に返す必要があります。JASSOの奨学金は以前は貸与型のみでしたが、現在は給付型のものもあります。

  • 3. 無利子タイプ(利子がつかない)と有利子タイプ(利子がつく)

  • 返済が必要な貸与型には、借りた金額だけを返せばいい「無利子タイプ」と、借りた金額に利息をつけて返さなくてはならない「有利子タイプ」があります。どちらも学校を卒業して半年後くらいから返済を始めますが、返済額に応じて、数年~10数年以上かけて少しずつ分割で返していきますし、まとまった金額を途中で繰上げ返済することも可能です。この返済が必要な貸与型は、卒業生の返すお金が、次世代の学生への奨学金の一部になりますので、ちゃんと返済していきましょう。

  • 4. 独自制度で利用できるものとできないもの

  • 例えば、学校独自の奨学金は、その学校への新入生や在校生が対象になります。民間の育英団体などが行う奨学金も、対象となる大学や専門学校が指定されていたり、学部や学年が指定されているものがあったりします。また、都道府県や市区町村などの地方自治体で実施している奨学金は、保護者がその地域に一定期間以上、居住していることが条件の場合もありますので、住んでいる自治体ごとに奨学金制度があるかどうか調べてみましょう。なかには、その地域に居住している学生本人に対する奨学金もあります。

2020年4月から始まる「修学支援新制度」

  • そしていよいよ2020年4月から、大学や短大、高等専門学校(4年・5年)や専門学校等に進学する人、在学中の人を対象とした、新しい修学支援制度がスタートします。この制度は従来の給付型奨学金よりも対象範囲が広くなっています。

  • ・修学支援新制度の対象校

  • この新制度、JASSOの「給付型奨学金」と進学先の大学等における「入学金や授業料の免除・減額」がセットになったお得な制度です。給付型奨学金を受けられる人は、制度対象の進学先に申し込めば、授業料等の減免の支援対象となります。進学先の大学等が制度の対象かどうかは、文部科学省WEBサイト「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」にて確認できます。2019年12月20日現在で、一部私立大学と専門学校を除き、ほとんどの学校が対象校となっています。

  • 高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト(文部科学省):

    https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1421838.htm

  • ・支援金額

  • 支援額は、世帯収入、国公立・私立、自宅通学・自宅外通学かで異なってきます。また、給付型奨学金は、JASSOの貸与型奨学金と一緒に申し込むこともできます。

  • 例えば、住民税非課税世帯の学生が私立大学に進学し、自宅外から通学する場合、

    給付型奨学金部分約91万円/年
    授業料上限 約70万円/年
    入学金上限 約26万円

    という支援を受けることができます。

  • 高等教育の修学支援新制度について(文部科学省):

    https://www.mext.go.jp/content/20200110-mxt_gakushi01-100001062_1.pdf

  • ・制度利用可能な対象者

  • 「住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯」「学ぶ意欲のある学生」が新制度の利用対象者となります。世帯収入が一定以下(住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯)とされており、それに応じて3段階の基準があり、支援額が決まります。住民税非課税世帯でなくとも、その3分の2または3分の1の支援を受けられます。実際には家族形態は様々かと思いますが、どれくらい支援を受けられるかはJASSOの「進学資金シミュレーター」で大まかに調べることもできます。

  • 進学資金シミュレーター:

    https://shogakukin-simulator.jasso.go.jp/

  • また、「進学先で学ぶ意欲のある学生であること」というのは、高校等の成績だけで判断されるのではなく、レポートなどで学修意欲を評価するとされています。さらにいわゆる浪人生でも、高校等を卒業後2年の間に入学が認められ進学する予定の人・申し込み時点で卒業後2年以内の人であるなら、給付型奨学金に申し込むことが可能です。

  • 高等教育の修学支援新制度に係る質問と回答(Q&A):

    https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1409388.htm

奨学金制度の申請方法とスケジュール

  • 申請手続きにまず必要なのは、本人と保護者(生計を維持している人)のマイナンバーの提出です。マイナンバーカードを持っていない人は、通知カードがあるか確認してください。まずは保護者用の給付奨学金チラシなどを見て、2020年度に備えて本制度の対象かもしれないと思ったら、申請書類をもらいましょう。

  • ・高校3年生の申請スケジュール

    7月頃JASSOに予約採用のインターネット申請。学校から申請書類をもらい、必要書類を提出。
    夏以降進学予定校が修学支援新制度の対象と認定されたか確認。
    12月頃JASSOから審査結果通知(予約採用の候補者決定通知)が届く。
    4月~入学後にJASSOへ進学届を提出。授業料等の減免は、進学時に進学先の学校へ手続き。

    支援開始 ※奨学金の最初の振込みは4月または5月です

  • ・大学等の在学生の申請スケジュール

    11月頃学校に必要書類を提出、インターネット申込み。JASSOにマイナンバー提出。
    3月~学年末に学業成績を確認、JASSOに提出。
    4月~選考結果通知。支給開始。

奨学金制度の留意点

  • ・入学金の減免

  • すでに支払った入学金は減免の対象とはなりません。過去に入学金減免の支援を受けている場合も、2度目の支援は受けられません。また、進学先の入学金のみが1回分だけ減免されます。複数校に合格した場合でも、実際に進学した大学等の入学金が対象です。

  • ・学業不振等による支援打切り

  • 「学ぶ意欲」があるかどうかは厳しく確認されます。学業成績によっては支援打切りや警告となる場合もあります。国の予算を使って支援されているという意識をちゃんと持っておくと良いでしょう。 また、世帯の経済状況によっては、支援停止や支援額が変更されることもあります。

  • ・問い合せ先

  • 貸与・給付、及び返還に関する疑問点やご相談などは「奨学金相談センター」をご活用ください。

    電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)

    海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からは03‐6743‐6100

    月曜~金曜:9時~20時(土日祝日・年末年始を除く)

  • ※本ページに記載されている情報は2020年2月21日時点のものです

  • 確定拠出年金創造機構 代表 :野原亮(のはらりょう)

    執筆者プロフィール 確定拠出年金創造機構 代表 :野原亮(のはらりょう)
    ファイナンシャル・プランナー/公的保険アドバイザー/証券外務員1種
    明治大学政治経済学部経済学科卒業。現東証1部上場の証券営業、株式ディーラー・営業コンサル会社を経てFP(ファイナンシャル・プランナー)として独立。確定拠出年金やつみたてNISAなど老後の資産形成を通じて、お金に関する知識を生きる知恵として活用していく場をデザインしている。元手ゼロ円から始める「0円投資」に精通し、投資初心者を中心に学校では教えられないお金の授業を展開中。

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