高校生の保護者なら知っておきたい!高校の奨学金制度と無償化
高校生の保護者なら知っておきたい!高校の奨学金制度と無償化
公開日 2020/02/18
更新日 2020/02/18

高校生の保護者なら知っておきたい!高校の奨学金制度と無償化

公立高校の授業料が2010年に無償化になり、10年が経つのをご存知でしょうか。
そしていよいよ2020年4月には、私学の授業料無償化が始まります。

現在授業料無償化と奨学金制度とありますが、それぞれ現行の制度について、そしてどのように変わるのかを解説します。

執筆:高野 具子(ファイナンシャルプランナー)

現行の制度は2つ

  • 1. 高等学校等就学支援金

    いわゆる高校の授業料無償化で、国が行う授業料支援のしくみです。年収910万円未満の世帯が対象となります。あくまでも授業料のみとなり、授業料以外の教育費(教科書代・教材費など)はここに含まれません。

  • 2. 高校生等奨学給付金

    教科書代・教材費など、授業料以外の教育費が給付されます。生活保護世帯、住民税所得割非課税の世帯が対象となります。

  • いずれも返済不要の給付金です。

  • 次に導入の始まりについて振り返ってみましょう。

高校授業料無償化の導入について

  • 導入された時期

    2010年(平成22年4月1日)より始まりました(当時は「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」として制定)。

  • 導入目的はこの2点です。

    公立高校の授業料は徴収しないこと

    私立高校の授業料は、公立の高等学校の授業料と同等の金額を支援金として補助する

  • その目的は、高等学校等教育に係る経済的負担の軽減を図り、「教育の機会均等に寄与すること」と法律に記載されています。

  • 2014年(平成26年)に所得制限

    年収910万円以上の高所得世帯に支給されなくなりました。両親共働きの場合はその合計額となります。

    所得要件は以下の人(いずれもモデル世帯で年収約910万円未満世帯の生徒)が対象です。

  • 【2018年6月支給分まで】

    保護者等の市町村民税(つまり住民税)の所得割額が30万4,200円未満の人

  • 【2018年7月支給分以降】

    保護者等の市町村民税所得割額と道府県民税(つまり住民税)の所得割額の合算額が50万7,000円未満の人

  • 住民税の所得割額の細かい計算は難しいのですが、大まかな目安として年収約910万円以上になると制限されます。実際全体の約8割がこの制度を利用しており、制限されているのは約2割です。

  • 制限されるかどうか確認したい場合、毎年6月に発行される県民税・市民税等の特別徴収税額の決定・変更通知書・納税通知書で確認できます。また、企業に勤めており勤務先からのみ収入がある方は、毎年5~6月に勤務先から配付される住民税の決定通知書で確認できます。また市町村の窓口で発行される課税証明書でも確認が可能です。

支給額と申請方法について

  • 1. 高等学校等就学支援金の支給額

    公立高校では、全日制は月額9,900円。定時制は月額2,700円。通信制は月額520円です。私立高校では、全日制・定時制・通信制ともに月額9,900円です。単位制の場合は支給額が異なります。支払い期間の上限は36月です。

    実際に支給されるのは、各家庭の銀行口座等ではなく、学校が生徒本人に代わって受け取ります。生徒や保護者が直接受け取るものではありませんので、気を付けてください。

  • 【加算支給】

    私立高等学校、私立中等教育学校の後期課程、私立特別支援学校の高等部、国立・公立・私立高等専門学校、公立・私立専修学校、私立各種学校については、加算支給があります。世帯の収入に応じて、月額9,900円を1.5~2倍した額が支給されます。

    世帯年収支給金額/年

    250万円未満程度
    (市町村民税所得割 非課税)
    23万7,600円(2倍)
    250~350万円未満程度17万8,200円(1.5倍)

  • 2. 申請方法について

    入学時等に、学校から案内があります。必ず申請が必要です。原則、入学年度の4月に下記の書類を学校等に提出します。(所得基準の判断方法や具体的な期限については各学校、都道府県によって異なる。)

  • 所得要件確認を行う方法(2通り)により、提出書類が変わります。

    1. マイナンバー(個人番号)で所得要件を確認する場合

  • 受給資格認定申請書(学校より配布)

    マイナンバーカードの写し等(マイナンバー通知カードの写し、マイナンバーが記載された住民票等)

  • ※マイナンバーで所得要件を確認する場合は、一度書類を提出すれば、原則、追加の書類提出は必要ありません。

  • 2. 課税証明書等で所得要件を確認する場合

  • 受給資格認定申請書(学校より配布)

    市町村民税所得割額・道府県民税所得割額が確認できるもの(市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等)

    ※課税証明書等で所得要件を確認し、受給資格の認定を受けた場合は追加の書類提出があります。

    収入状況届出書(学校より配布)

    市町村民税所得割額・道府県民税所得割額が確認できるもの(市町村民税税額決定通知、納税通知書、課税証明書等)

  • 上記書類を原則、毎年6~7月に学校等に提出します。

  • 【加算支給を受ける場合の書類提出】

    原則、入学年度は4月及び7月の2回、その後は毎年7月に提出します。(具体的な期限については各学校、都道府県において設定)

  • 加算届出書(学校より配布)

    課税証明書(市区町村の窓口で発行される)等の所得証明書類(市町村民税所得割額が確認できるもの)

    16歳以上19歳未満の扶養親族分の健康保険証の写し※1.5倍加算の場合

2020年4月からの変更点

  • 私立高校に通う生徒の「高等学校等就学支援金」が変わります。今までの給付額が公立高校と同額でしたが、2020年4月より上限額が引き上がります。現状、私立高校の支給額は年間11万8,800円(月額9,900円)でしたが、私立高校の授業料を鑑み、引き上げられることとなりました。

    今までは世帯年収により加算支給がありましたが、これからは年収590万円未満世帯の上限額が一律となります。この支給額は在校生にも適用されます。

  • 分かりやすい図が文部科学省のHPに記載されています。合わせてご参照ください。

    https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/__icsFiles/afieldfile/2019/06/24/1418201_1_2.pdf

  • 【各私立高校の学費状況との比較】

    東京都内私立高等学校・初年度納付金の平均額と、支給額の比較をしてみましょう。

  • 【東京都内の全日制私立高校・初年度納付金平均額(2017年度)】

    授業料44万8,862円
    入学金25万26円
    施設費4万5,822円
    その他16万7,447円
    総額(初年度)91万2,157円
    受験料2万2,417円

  • 【東京都の私立高等学校支援金について】

    一方で、都道府県ごとに独自の給付型奨学金も施行されているのをご存知でしょうか。

    たとえば東京都の例を挙げてみましょう。

    2017年4月より、東京都ではすでに私立高等学校の無償化が始まっていました。年収760万円未満の世帯に対し、国の高等学校等就学支援金の不足分を補う形で、年間44万9,000円まで支援しており、授業料が賄える金額となっています。

  • ただし上記の金額は平均額であり、各私立高校により授業料や施設費、入学金等は異なります。また無償化とはいえ、私立の場合、授業料以外に入学金・施設費・修学旅行代等、年間約50万円程度を家計から用意する必要があるのです。

  • 各都道府県別・私立高校生への授業料支援は、こちらの文部科学省のHPを見てみてください。

    https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/10/30/1343868_06_1_1_1.pdf

  • ここまで「高校の奨学金制度と無償化」について、今までとこれからについて説明いたしました。

    子どもの進学希望先によって、家計が大きく変化するため、家計やライフスタイルの見直しが必要になるケースも出てくるかもしれませんよね。今の制度をしっかり理解し、活用できる体制を整えておきましょう。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年1月9日時点のものです

  • 高野 具子(たかの ともこ)

    執筆者プロフィール 高野 具子(たかの ともこ)
    My Money Coach代表 保険や特定の金融商品を販売しないファイナンシャルプランナー
    岡山県生まれ。横浜市青葉区育ち。
    ウェディングから保険、そしてファイナンシャルプランナー(FP)へと人生の節目と保険、お金のプランニングに従事。保険ショップ時代は1,000件の顧客をコンサルティング。優秀コンサルティング賞後、店長に抜擢。しかし入社以来、保険第一と思い購入した貯蓄商品が今の時代貯蓄効果が薄れ、塩漬け状態になる。保険のプロである私でも塩漬け。ほとんどの人が貯蓄としては保険だけでは不十分ということに気付き、保険ショップを退職。独立開業。『週刊朝日』などの雑誌に取材される人気FPとして、特にアラフォー世代の働く女性を支援している。特に、iDeCoの導入・保険の見直しを得意としており、もっと早く教えてほしかったとの声が多数。「出会った働く女性をより幸せに!お金の面から幸福度UP!」をモットーに日々活動中。

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