【現役ママの医師監修】子どもにイライラした時の「6秒ルール」とは?
【現役ママの医師監修】子どもにイライラした時の「6秒ルール」とは?
公開日 2019/08/30
更新日 2019/08/30

【現役ママの医師監修】子どもにイライラした時の「6秒ルール」とは?

子育てをしている中で、子どもにイライラする場面は数えきれないほどあるはずです。「つい、カッとしてしまう」「夫にまでイライラするのはなぜ?」「暴言を吐いてしまった…」そんな悩みをお持ちではありませんか。どうすれば少しでもイライラを緩和することができるのでしょうか。

ここでは、イライラのメカニズムを解明するとともに、今すぐに実践できる5つの簡単な対処法をご紹介します。

執筆・監修 成田亜希子(内科医)

私は「ママになって変わってしまった」の?

  • 独身時代には「優しいママになろう」と思っていたのに、いざ出産してみたらイライラして子どもをしかってばかり……。ちょっとしたことでカッとなったり、以前は使わなかったようなきつい言葉遣いになったりして、「こんなの自分じゃないみたい」と落ち込んでいるママは決して少なくありません。パパや親戚に「少しくらいのことで目くじら立てなくても」「そんな言い方で怒鳴らないで」などと指摘され、さらなるショックを受けるということもありがちです。しかし、出産したからといって人間性がまったく変わってしまうようなことはありません。そうではなくて、子育て中には「イライラしがちな条件」がそろってしまうことが多いのです。

子どもにイライラしてしまう原因は?

  • 産後すぐはホルモンの変化が大きく影響

    それでは、どうして子育て中のママがイライラしてしまいがちなのか、その理由を探っていきましょう。原因の一つと考えられているのが、出産によるホルモン分泌の変化です。出産中に増加していたエストロゲン(女性ホルモンの一種)は、出産後に激減します。そのことで不安感や孤独感を覚えやすく、精神的に不安定になりやすいのです。また、出産や授乳の際に多く分泌されるオキシトシンは、他者への愛情を強める一方で、他者への攻撃性を高めてしまう働きがあります。特に育児に協力的でないパパに対してイライラするといった場合は、オキシトシンの影響であることが考えられます。

  • 産後数か月以降のイライラは育児ストレスが原因

    産後のホルモン分泌の変化による影響は、数か月程度は続くと考えられています。それ以降のイライラは、基本的に育児ストレスによるものだといえるでしょう。育児中は子どものペースに合わせて生活を変えなければならず、「寝たいときに寝られない」「思い通りに仕事や趣味の活動ができない」といったことで大きなストレスがかかります。その上、自我が芽生えつつも気持ちのコントロールが未発達な幼児への対応には親も苦慮することが多いもの。小学生になっても成績や友達付き合いなどをめぐって心配事が増えていき、素直に言うことを聞かない子どもに怒りを覚えることもあるでしょう。

  • そもそも、昔ほど家事が重労働でなくなった現代では、ママが子どもと向き合う時間は増える傾向にあります。しかも、核家族化により実質的な子育ての負担はママに一極集中しがち。パパサイドの意識改革が進んで「イクメン」も増えてきたことは確かですが、まだまだ不十分です。「私一人で頑張らなきゃ」というプレッシャーの中で未熟な子どもの言動に常にさらされるわけですから、イライラしないはずがありません。

イライラしたときのおススメ対処法

  • それでは、どうすればイライラを緩和することができるのでしょうか。すぐに試せる5つの実践的な方法をご紹介します。いくつかの方法を組み合わせるなどして、オリジナルの対処法を考案できればベストです!

  • 「6秒間ルール」で気持ちをコントロール

    怒りの衝動は、それがわき起こった最初の6秒間に最も強く表れると考えられています。どれだけカッとなっても、その6秒間をやり過ごすことができれば、ひどい言葉を口にしたり物に当たったりする可能性をかなり低くすることができます。そのためには、深呼吸しながら6秒間ゆっくりと数を数えてみましょう(口に出さず、頭の中だけでかまいません)。単に1から6まで数えるだけでなく、「好きなアイドルの名前を6人挙げる」など、自分なりにアレンジしてもOKです。

  • 物理的に身体や頭を冷やす

    とても単純な方法ですが、怒りで火照った身体を物理的にクールダウンするというのも、意外に効果的です。気分転換も兼ねて、冷たい水で手や顔を洗ってみましょう。保冷剤や保冷シートを使って、おでこを冷やすのもいいですね。もちろん、身体を冷やしすぎるのはNGですから、あくまでも「気持ちいい」と感じるくらいを目安に行いましょう。

  • 怒りを数値化してみる

    一口に「イライラする」といっても、その程度は様々であるはず。自分の気持ちをあえて数値化することで、客観的にとらえやすくなります。0~100%と細かい数値にする、あるいは10段階で評価するなど、基準はお好みで設定OK。「○○なときに50%のイライラがあった」といったことを記録しておくと、自分のイライラの傾向を理解し、心の準備をしておくなど前向きな対応がしやすくなります。

  • 一人の時間を確保する

    育児中のイライラの背景には、「自分の時間が取れない」ことからくる余裕のなさが隠れていることも。パパや親戚、友人などに頼れる人は、ぜひ一人の時間を確保するために協力してもらいましょう。それが難しい場合は、近年身近な存在になりつつあるベビーシッターを依頼したり、地域の保健師さんなどに相談したりすることをおススメします。決して問題を一人で抱え込まないことが大切です。

  • SNSから一時的に距離を置く

    SNSには、「友人と子連れバーベキュー!」「手作りのケーキで誕生日をお祝い♪」など、キラキラした投稿がいっぱい。それを自分の生活の様子と比べてしまい、「みんな自分より立派に、しかも楽しそうに子育てしている……」と劣等感を覚えたことはありませんか? 多くの場合、SNSでは投稿者の生活の中で「見栄えが良い側面」「他人に見せたい側面」だけが“演出”されているということを理解し、イライラしているときや落ち込んでいるときは無理にチェックしないほうがよいでしょう。

それでもイライラが止まらないときはどうすればいい?

  • うまく感情コントロールできなかったことを素直に謝る

    上記のような対処法を試してみても、即座に効果が得られないケースもあるかもしれません。もしもイライラが募って子どもに強く当たってしまうようなことがあったら、お互いに気持ちが落ち着いた後、「さっきはごめんね」と素直に伝えてみてください。子どもたちは、一見そうとは思えなくても、大人のことをよく観察しています。ママが悩みながらも一生懸命に自分のことを受け止めようとしてくれたことは、必ず子どもの心に残るはず。身近な大人が試行錯誤している姿を見せることは、ある意味でとても教育的なことでもあるのです。

  • 「完璧なママ」の呪縛から逃れよう!

    一生懸命に育児に取り組もうとすればするほど、「完璧な子育てをしている完璧なママ」を目指して苦しくなってしまうもの。しかし、育児書通りの「正解」を子どもに期待したり、他の人の子育てと比較したりして、「ママなんだからもっと頑張らなくちゃ」と自分を追い込む必要はないのです。子どもにとって何より大切なのは、日々を一緒に過ごす家族がハッピーでいること。どうせ目指すなら、「完璧な育児ができるママ」ではなく、「自分らしくご機嫌なママ」を目標にしてみませんか?

  • まったく感情的にならず子育てをするなんて、誰にも不可能なことです。イライラするのは真剣に子どもに向き合っている証拠と考えて、まずは頑張っている自分自身を認めてあげることからスタートしましょう。また、イライラする瞬間をゼロにすることは難しいからこそ、家族で笑い合えるような時間を大切にしたいもの。もし、子どもと笑顔で過ごせる時間がまったくないとしたら、かなり心が疲れてしまっている可能性があります。つらいときは、ためらわず周囲にSOSを出してくださいね。

  • 成田亜希子

    監修者プロフィール 成田亜希子
    2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事