【医師監修】妊娠中のおりもの、いつもと違うの?心配なおりものは?
【医師監修】妊娠中のおりもの、いつもと違うの?心配なおりものは?

2019/07/12

【医師監修】妊娠中のおりもの、いつもと違うの?心配なおりものは?

妊娠をすると体の変化に戸惑うでしょう。
特に、おりものの変化は妊娠初期の頃から現れることが多く、妊娠に気が付くきっかけになったという人もいます。

おりものは、女性の体を感染症から守るためにとても大切なもの。
おりものの状態を日ごろからチェックすることで、妊娠や感染症、体調の変化にも早く気が付き対応することができるのです。

妊娠中の女性のおりものの変化を知ることで、体の変化に対して心の準備ができます。
また、妊活中の女性であれば、おりものの変化は妊娠や排卵期を知るためにとても重要です。

今回は、そんな女性の体にとって大切なおりものが、妊娠中にどのように変化するのか基礎知識を学びましょう。

監修:成城松村クリニック院長 松村圭子

妊娠中のおりものはいつもと違う

  • 妊娠すると、女性の体はどんどん変化します。

    おりものは、妊娠継続のために大切なホルモンである、エストロゲンという卵胞ホルモンの分泌量で変わります。おりものの量が増えたり、色や臭いの違いが出たり、初めての妊娠の場合はその変化に戸惑いを感じることでしょう。

  • また、妊娠周期によってエストロゲンの分泌量は異なるため、妊娠初期・中期・後期でもおりものは変わります。

    妊娠初期の頃と比べると、中期や後期におりものが変化したということは珍しくないので安心しましょう。

  • まずは、おりものの量の違いから見ていきましょう。

  • 量が増える?減る?

    妊娠中は、卵胞ホルモンであるエストロゲンが活性化することにより、おりものの量が増えます。妊娠初期よりも中期、中期よりも後期と、臨月が近付くにつれておりものの量は増えていくことがほとんど。これは、エストロゲンの分泌量が臨月に向けて増えていくためです。

  • ただし、おりものの量には個人差があり、逆に妊娠前よりも減ったと感じる人もいます。年齢や体調などによっても異なるので、あまり深刻に悩む必要はありません。

  • おりものの色

    妊娠期間中は、普段よりも乳白色やクリーム色、透明に近い色のおりものが分泌されるケースも。妊娠初期から後期にかけて、おりものの色も変化していきます。

    また、色によっては、病院で診てもらった方がいいものも。黄色・茶褐色・緑など、色がいつもとは違うと感じたら病気の可能性もあります。放置せずに、産婦人科を受診しましょう。

  • ちなみに、妊娠に気が付くきっかけとして茶色のおりものが挙げられます。これは、受精卵が子宮に着床したときに現れる着床出血によるものです。普段とは異なり、茶色いおりものが出たら妊娠をしている可能性もあるのでチェックしましょう。

妊娠初期・おりものの状態

  • 妊娠5~15週目あたりの妊娠初期は、おりものが普段と変わらない人もいれば、サラサラしている・粘り気があるといったいつもとの違い妊娠に気が付いたという人もいます。

  • また、おりものの臭いの変化も妊娠初期から始まります。腟内は普段は酸性なので、すっぱい臭いを感じることが多いです。ただ、臭いには気が付かない人も多いでしょう。

  • この時期に感じるおりものの変化で一番多いのは、その量です。多くの妊婦が、普段よりも量が増えたと感じているようです。

  • なぜ、妊娠初期はおりものが増えるのでしょうか?

  • おりものが増える理由

    妊娠初期におりものが増えるのは、卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増えるからです。卵巣から分泌される女性ホルモンはおもに2つあり、1つは、卵胞ホルモンであるエストロゲン、もう1つは黄体ホルモンであるプロゲステロンです。

  • この2つのうち、エストロゲンの分泌量がおりものの量に関係します。妊娠すると、妊娠を継続させるためにエストロゲンの分泌が多くなります。エストロゲンが多く分泌されれば、おりものの量も多くなるという仕組みです。

  • 本来、排卵期を終えて妊娠が成立しないと、エストロゲンの分泌は減少し、おりものの量は少なくなります。このエストロゲンの働きによっておりものの量が増えるのです。

  • 排卵期を過ぎてもおりものの量が多いと感じる場合は、妊娠継続のためにエストロゲンの分泌が続いている状態かもしれません。妊娠している可能性があるということを覚えておきましょうね。

  • おりものの色

    妊娠初期のおりものは、白っぽい色、クリーム色、茶色、ピンク色や赤っぽい色になることも。このおりものの色の変化は、妊娠超初期段階から起きることも多いようです。そのため、妊娠検査薬を使用する前におりものの色の変化で妊娠に気が付いたという人もいます。

  • ただ、妊娠前のおりものと色の変化は見られないという方も少なからずいます。変化がないから妊娠していないということではなく、あくまでもひとつの目安程度だと捉えておきましょう。

妊娠中期・おりものの状態

  • 妊娠16~27週あたりの妊娠中期になると、ホルモンバランスが変わるため、さらにおりものの量が増えます。安定期に入っているので、つわりの時期に比べて体は楽になりつつありますが、おりものが増えることによる疾患の心配があるので注意が必要です。

  • 妊娠中期にかかりやすい疾患としては、カンジダ腟炎が挙げられます。安定期に入ったといっても、妊娠中はいつもに比べて免疫力が低くなっている期間です。おりものシートをこまめに交換するなど清潔にしていても、免疫力の低下からカンジダ腟炎を引き起こしてしまうケースもあります。

  • カンジダ腟炎は、おりものの変化でわりとすぐに気が付きます。カンジダ腟炎のおりものは、白いカッテージチーズに似た形状です。また、非常に強いかゆみを伴います。普段のおりものとは違う、強いかゆみを感じるなどカンジダ腟炎の症状が出たら産婦人科を受診しましょう。

  • おりものの量が極端に多いと破水の可能性も!

    妊娠中期はおりものの量が増えるとお伝えしましたが、極端に多い場合には、ごくまれに破水している可能性もあるので注意してください。特に、水のようなおりものが長時間に渡って出続けているときは臭いを確認しましょう。

  • いつものおりものとは臭いが異なり、生臭さを感じる場合は産婦人科に連絡をしてどのように行動をすればいいのか指示を仰ぎます。アンモニア臭であれば、妊娠中によく見られる尿漏れの可能性が高いでしょう。

  • もしも、破水している場合はバスタオル、尿漏れシート、夜用の生理用ナプキンなどを使用して。タクシーなどで産婦人科に向かう際にもこれらがあると安心ですよ。あらかじめ何が起きても対応できるように備えておきましょう。

  • 妊娠中期を無事に過ごせたら、いよいよ赤ちゃんとの対面も近くなってくる娠後期に突入です。おりものはどのような状態になっていくでしょうか?

妊娠後期・おりものの状態

  • 妊娠後期は28週~出産までの時期を指します。お腹も大きくなり、動くのも大変な時期でしょう。赤ちゃんとの対面を控え、ワクワクする時期でもあります。妊娠後期も体は変化し続け、おりものの量や状態もこれまでとは異なることが少なくありません。

  • 特に妊娠後期の妊婦が気になるのは、おりものの量と臭いの2つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • おりものの量が増えた

    妊娠初期・中期よりもおりものの量が増えたと感じる人も多いかもしれません。これは、エストロゲンの分泌がさらに増加するためで、赤ちゃんが外に出てきやすいように、おりものが産道の潤滑油の役割を担っているのです。

    そのため、妊娠後期におりものの量が増えたということは、出産時期が近付いているということ。出産の1週間前あたりからおりものの量が増えるケースが多いです。

    しかし、こちらも個人差があるので、必ずしも全ての妊婦にあてはまるわけではありません。「おりものの量が増えないから出産までまだ遠い」なんて油断はせずに安静に過ごしましょう。

  • おりものが臭う

    妊娠後期のおりものは、今までよりも臭いがきつく感じるという声も。生臭い・鼻に付く臭い・甘酸っぱいなど普段とは異なる臭いがすることもあります。

  • 臭いがあまりにもきつい場合は、感染症の可能性もあるので産婦人科を受診しましょう。その場合、トリコモナス腟炎や細菌性腟症の可能性が挙げられます。

  • トリコモナス腟炎は、妊娠中の免疫低下などが原因でかかりやすくなる染症です。細菌性腟症は、魚の腐ったような臭いを伴います。これは、ブドウ球菌や大腸菌といった腟内の細菌が異常繁殖したことが原因です。臭いだけではなく、灰色っぽい、量が多くサラサラしているなど、普段とはおりものが異なることから気が付きやすいでしょう。細菌性腟症を放置すると、早産や早期破水といった原因にもなりかねません。早めに産婦人科で治療を行いましょう。

いつもと違う、変わったおかしいおりものだったら病院を受診しよう!

  • 妊娠中は少しの変化でも不安になり、病院に行った方がいいのか、様子を見ればいいのかと悩むでしょう。

  • 妊娠中は、ホルモンバランスが変化し、体調の変化も起きやすくなり、免疫力も低下しています。

    特に、妊娠初期の時期はつわりなどもあり、体がまだ赤ちゃんを受け入れる準備をしている段階。この時期は特に免疫力が低下しやすいので、おりものにも異常が発生しやすくなります。多くの場合は様子を見ることで落ち着きますが、なかには病院を受診した方がいいことも……。

  • さらに、感染症などにもかかりやすくなり、普段と同じように生活していても、カンジダ腟炎などを発症してしまうこともあります。

  • あなたと赤ちゃんの体を守るためにも、妊娠期間中は「いつものおりものと違うな」と感じたら、病院で診てもらうようにしましょう。病院を受診をした方がいいおりものをまとめていますので参考にしてください。

  • 病院を受診した方が良いおりもの

    妊娠初期のおりものには、早めに受診をした方が良いものもあります。おりものは、体の変化をいち早く知らせてくれる女性の体のバロメーターです。以下のような症状が出た場合は注意しましょう。

  • ● ピンクや赤っぽいおりもの:血の混じったおりものです。早めに産婦人科を受診しましょう。少量で済む場合は問題ないことが多いですが、量が多い場合や色が濃い場合には感染症や切迫流産などのトラブルが起きているかもしれません。

  • ● 茶色のおりもの:茶色のおりものは、ピンク色や赤っぽいおりものと同じように血の混じったものです。こちらもトラブルが起きている可能性があるので、早めに産婦人科を受診しましょう。また妊娠初期にも茶色のおりものが出る場合があります。

  • ● 細かい泡状のおりもの:泡状のおりものの場合は色や臭いにも注意しましょう。黄色や黄緑、臭いがきつい、かゆみも伴うなどの症状がある場合は、トリコモナス腟炎の可能性があります。性行為やお風呂、便座、下着、タオルなどから感染することもある感染症です。パートナーも性行為で感染しているかもしれません。ぜひ一緒に受診して治療をしましょう。

  • ● 水っぽいおりもの:クラミジアに感染している可能性が考えられます。水っぽいおりものと共に、下腹部痛もあるようなら早めに受診しましょう。妊娠中にクラミジアに感染していると、流産や早産の恐れがあるので注意が必要です。

  • このように、おりものの変化によっては注意が必要な場合もあります。妊娠初期から安定期までは、あなたにとっても赤ちゃんにとても大切な時期です。何かおりものの異変に気が付いたら、一度産婦人科を受診しましょう。

  • 今回は、妊娠中のおりものの量や色などの変化についてお伝えしました。おりものの量は妊娠すると増える傾向にあります。おりものシートをこまめに替えるなどして清潔を保ちましょう。

    また、妊娠初期という大切な時期にはおりものの状態によっては産婦人科を受診した方がいいケースもあります。異常を感じたら、一度診察をしてもらいましょう。大したことではないだろうと放置しておくと、赤ちゃんに危険が及ぶ可能性もあるので気を付けてくださいね。

  • 妊娠中期には、カンジダ腟炎を発症する妊婦が多くなります。免疫力の低下などで普段よりも発症しやすい状態です。おりものの異常や我慢できないほどのかゆみを感じたら、適切な処置をしてもらいましょう。

  • 出産が近づくと、おりものの量が増え、産道を滑らかにします。最後までおりものはあなたと赤ちゃんのために働いてくれています。

    妊娠期間中はおりものと上手に付き合いながら出産まで過ごしてくださいね。

  • 成城松村クリニック院長 松村圭子

    監修者プロフィール 成城松村クリニック院長 松村圭子
    専門分野は婦人科。日本産科婦人科学会専門医。2010年、成城松村クリニックを開院。婦人科疾患のみならず、女性のトータルケアをサポートする。月経トラブル、性感染症、更年期障害など女性のあらゆる不調に対応するために、西洋医学だけでなく漢方薬やサプリメント、オゾン療法、高濃度ビタミンC点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。また女性の美と健康に関する知見を活かし、さまざまなメディアで活躍。著書に、『「女性ホルモン力」を高める簡単ごはん』(芸文社)、『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』(永岡書店)、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本』(日東書院)など。

campaign注目のキャンペーン

related article関連記事