

幼稚園の費用はいくらかかるの?私立・公立での相場費用をチェック!
子どもが成長して幼稚園に通わせようと考えたときに気になるのが幼稚園の費用のこと。
私立と公立ではどれくらい費用に差があるのか、「子ども・子育て支援新制度」や「幼児教育無償化」は自分に当てはまるのか、またどれくらい費用が安くなるのかなど、知りたいことはたくさんありますよね?
幼稚園に通わせる前に、かかる費用を計算しておくと将来設計も立てやすく安心です。
そこで、今回は幼稚園に通わせるときにかかる費用について詳しくご紹介していきます。
幼稚園にかかる費用はどのくらい?
まずは、幼稚園に通わせるのにかかる費用から詳しく見ていきましょう。
幼稚園には公立と私立があり、それぞれ認可元や運営者が違います。どちらも基本的には幼稚園教育要領に基づいて教育や保育がされていますが、私立幼稚園では園独自の教育方針や取り組みがあるため、公立幼稚園に比べると費用が高くなる傾向があります。
文部科学省が調査した「子供の学習費調査」をもとに、公立幼稚園と私立幼稚園にかかる費用をご紹介していきましょう。
公立幼稚園
公立幼稚園とは、都道府県が認可を行い、自治体が運営している幼稚園のことです。自治体によっては公立幼稚園を設置していないところもあるため私立幼稚園に比べると数は少なくなります。
「公立幼稚園の学習費総額」
・平成18年・・・約251,000円
・平成20年・・・約230,000円
・平成22年・・・約232,000円
・平成24年・・・約230,000円
・平成26年・・・約222,000円
・平成28年・・・約234,000円
※学習費総額とは、学校教育費・学校外活動費・学校給食費を全て合計した総額です。
平成18年から比べるとわずかに減額されてはいますが、10年間ほぼ横ばいといった感じです。支援制度の適用を除外して考えると今後も学習費総額が大きく減額されることはあまりないと予想されます。
私立幼稚園
私立幼稚園は、都道府県知事が認可を行い、社会福祉法人や学校法人などが運営している幼稚園のことを言います。公立幼稚園に比べて数が多く、園によって独自の教育方針や取り組みがあるため、自分の理想とする子育て方法に応じて幼稚園を選ぶということも可能です。
「私立幼稚園の学習費総額」
・平成18年・・・約538,000円
・平成20年・・・約541,000円
・平成22年・・・約538,000円
・平成24年・・・約487,000円
・平成26年・・・約498,000円
・平成28年・・・約482,000円
私立幼稚園は公立幼稚園と比べると2倍以上の費用がかかることが分かります。しかし、この10年間で5万円以上減額されており、支援制度の適用を除外して考えると今後も学習費総額は少しずつ減額していくことが予想されます。
幼稚園の費用の内訳は?
先程ご紹介した幼稚園の学習費総額は学校教育費・学校外活動費・学校給食費を全て合計した総額です。平成28年度の調査結果を基にその内訳を詳しくご紹介していきます。
学校教育費
幼稚園の学習費総額の内訳の中で最も多いのが学校教育費です。学校教育費とは、「授業料・遠足や見学費・学校納付金・学用品や実習材料費、図書など・教科外活動費・通学関係費・その他」にかかる費用のことを言います。
「幼稚園の学校教育費の支出構成」
公立幼稚園の場合
・学校教育費の総額:120,546円
・授業料・・・62,049円(51.5%)
・遠足、見学費・・・2,031円(1.7%)
・学校納付金等・・・13,825円(11.5%)
・図書・学用品・実習材料費等・・・8,576円(7.1%)
・教科外活動費・・・641円(0.5%)
・通学関係費・・・23,400円(19.4%)
・その他・・・10,024円(8.3%)
私立幼稚園の場合
・学校教育費の総額:318,763円
・授業料・・・215,933円(67.7%)
・遠足、見学費・・・3,895円(1.2%)
・学校納付金等・・・43,000円(13.5%)
・図書・学用品・実習材料費等・・・10,606円(3.3%)
・教科外活動費・・・1,910円(0.6%)
・通学関係費・・・33,791円(10.6%)
・その他・・・9,628円(3.0%)
公立、私立幼稚園共に最も大きな割合を占めるのが授業料です。次いで割合を占めるのが公立幼稚園では通学関係費ですが、私立幼稚園では入園料が含まれる学校納付金となっています。
学校外活動費
学校外活動費とは、習い事など学校外での活動に対して保護者が支払う費用のことを言います。
公立幼稚園の学校外活動費の平均は92,983円で、男児が86,209円、女児が100,057円と女児の方が高くなっています。対して、私立幼稚園の学校外活動費の平均は133,705円で、男児が137,553円、女児が129,771円と男児の方が高いという違いがあります。全体の平均から見ると、私立幼稚園に通わせる保護者の方が学校外活動を熱心に行っている傾向があるようです。
学校給食費
学校給食費とは、保護者が給食費として園に納付した費用のこと。
公立幼稚園は20,418円、私立幼稚園は29,924円となっています。給食費は決まった金額を毎月支払う園や食べた日数分のみを支払う園、基本的にはお弁当を持参するが週に数回は給食の日がある園などさまざまです。
「子ども・子育て支援新制度」で幼稚園の費用が変わる
平成27年4月から「子ども・子育て支援新制度」が開始されました。子ども・子育て支援新制度とは、必要とされる全ての家庭が利用でき、子どもたちが豊かに育っていける支援を目指し、支援の量の拡充と質の向上の両面からさまざまな支援を行っている制度です。
幼稚園の費用の面でいうと、保護者の所得や多子世帯によって保育料が安くなるようになりました。
保護者の所得によって保育料が決まる
保育料は、国が定める上限額の範囲内でそれぞれの市町村が定め、保護者の所得をもとに算出されます。
「所得による幼稚園の保育料上限額」
・生活保護世帯・・・0円
・市町村民税非課税世帯・・・3,000円
・市町村民税所得割課税額77,100円以下・・・16,100円
・市町村民税所得割課税額211,200円以下・・・20,500円
・市町村民税所得割課税額211,201円以上・・・25,700円
基本となる保育料の他にスクールバス代や園独自の取り組み費用が実費として追加されることが多いです。その費用は幼稚園によって異なるので、きちんと確認しておきましょう。
また、新制度では所得によって保育料が決まるため、毎年9月が保育料の切り替え時期となりました。8月までは前年度の所得に応じた保育料、9月からは当年度の所得に応じた保育料となります。
多子世帯は保育料の負担軽減がある
きょうだいで幼稚園を利用する場合、最年長の子どもから順に保育料が2人目は半額、3人目は無料になります。
幼稚園の場合は、年少から小学校3年生までの範囲内に子どもがいる場合に上記の保育料減額が適用されるため、2歳以下と小学校4年生以上の子どもについてはカウントされません。例えば、最年長の子どもが成長して小学4年生になった場合はそれまで第2子としてカウントされていた子どもが第1子としてカウントされるということになります。
ただし、年収が360万円未満世帯の場合は軽減処置が拡充されるため、第1子は第1子としてカウントされます。第1子が小学校4年生以上でも第2子の保育料は半額に、第3子は無料となります。(生活保護世帯や市町村民税非課税世帯は第1子から無料です)
幼児教育無償化が始まる
「人材への投資」として幼児教育無償化が進められており、平成31年10月から3~5歳児の保育料が無料になる予定です。(通園送迎費、食材料費、行事費などは無償化の対象外)
幼稚園の一時預かりを利用するときは、保育の必要があると認定を受けた場合に幼稚園保育料の無償化(最大月25,700円)に加え、利用実態に応じて最大月11,300円までの範囲で預かり保育の利用料が無料となります。
住んでいる地域によって補助・減額もある
私立幼稚園に比べ、公立幼稚園の方がかかる費用は安いですが、全体的な園の数は私立幼稚園の方が多いため、多くの人は子どもを私立幼稚園に通わせることになるでしょう。
そのため、私立幼稚園に通わせる家庭には「私立幼稚園就園奨励費補助金」「入園料補助金」「幼稚園園児補助金」といった補助金制度が用意されています。
これらの制度は、国だけではなく各市区町村が行なっているものもあるため、住んでいる地域によって補助金額や支給条件、申請方法や支給方法が異なります。条件に当てはまっていれば全ての補助金を受けることが可能なので、住んでいる地域の役所で相談してみて下さい。
幼稚園にかかる費用は公立か私立かによって異なります。公立幼稚園の数はまだまだ少なく、多くの保護者が私立幼稚園を選ぶことになりますが、公立に比べて費用は高いようです。しかし、国や市町村ではさまざまな費用補助対策が設けられています。ぜひ積極的に活用していきましょう。
今回は幼稚園のみをご紹介しましたが、小学校から大学までの進学に伴う費用が気になる人も多いはず。
別の記事で幼稚園から大学までの学習費も紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。