保育園の費用・料金ってどう計算するの?年収・自治体によって変わる?
保育園の費用・料金ってどう計算するの?年収・自治体によって変わる?

2019/02/19

保育園の費用・料金ってどう計算するの?年収・自治体によって変わる?

これから子どもを保育園へ預けようと考えたときに気になるのは、保育料のことですよね。「保護者の所得によって違う」程度の知識しかない方も多いのでは?実際にはさまざまな基準が設けられていて、所得だけでは計算することができません。毎月の出費となる保育料は生活費に少なからず影響するので、おおよその金額を把握しておくと将来の計画が立てやすくなります。ここでは基準や計算方法についてわかりやすく説明しますので、参考にしてください。

保育園の費用はどう決まる?

  • 保育料を算出するためにまず把握しておくべきなのが、子どもの年齢や保育の必要性に応じて分けられる認定区分です。

  • ・1号認定

     子どもの年齢が満3歳以上で、「保育を必要とする事由」に該当しない。

    ・2号認定

     子どもの年齢が満3歳以上で、「保育を必要とする事由」に該当する。

    ・3号認定

     子どもの年齢が満3歳未満で、「保育を必要とする事由」に該当する。

  • 保育を必要とする事由は下記の通りで、2・3号認定を受けるにはこれらのいずれかに該当することが必要です。

    ・就労(フルタイムのほか、パートタイム、夜間、居宅内の労働など)

    ・妊娠、出産

    ・保護者の疾病、障がい

    ・同居又は長期入院等している親族の介護、看護

    ・災害復旧

    ・求職活動(起業準備を含む)

    ・就学(職業訓練校などにおける職業訓練を含む)

    ・虐待やDVのおそれがあること

    ・育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること

    ・その他、上記に類する状態として市町村が認める場合

  • また、保育料の決め方は自治体によって異なり、国が定める所得上限額の範囲内でそれぞれ定められています。基本的には保護者の所得(市町村民税所得割課税額等)を基に算出されますが、子どもの人数や年齢、保育時間でも変動します。これらの基準についてひとつずつ見ていきましょう。

  • 各自治体の金額設定

    保育料について国では所得に応じた上限額を下記の通り設定しています。

  • この範囲内であれば各自治体が自由に金額を定めることができ、階層や年齢の区分を国の基準よりも細かく分けることも可能です。そのため保育料は住んでいるところによって大きな違いが出ることもあります。参考までに都内や政令指定都市の自治体が定めている階層数や金額を比較してみましょう。

  • ・東京都江戸川区

     階層数:26

     0~2歳児:~58,500円

     3歳児:~22,900円

     4~5歳児:~18,300円

  • ・東京都世田谷区

     階層数:33

     0~2歳児:~79,000円

     3歳児:~43,900円

     4~5歳児:~38,500円

     

    ・東京都府中市

     階層数:33

     0歳児:~73,600円

     1~2歳児:~64,000円

     3歳児:~37,000円

     4~5歳児:34,000円

     

    ・大阪府大阪市

     階層数:23

     0~2歳児:~70,600円

     3歳児:~36,800円

     4~5歳児:~13,700円

  • ・福岡県福岡市

     階層数:15

     0~2歳児:~83,200円

     3~5歳児:~30,200円

  • このように、階層数や年齢の区分、料金の幅について各自治体で大きく違いがあります。料金表は各自治体の公式サイトに掲載されていることがほとんどなので一度確認してみると良いでしょう。

  • 世帯所得

    保育料を決める要素のひとつとなるのが世帯所得です。同じ世帯の所得(収入から各種控除額を差し引いたもの)を合算した金額を指しています。保育料の階層区分は、住民税の一部である所得割課税額をもとに決定します。控除額は人によって違うため、年収が同じ世帯であっても所得割課税額は異なることもあるので、注意が必要です。さらに保育料の算定において、保護者の負担能力の判定に不要となるものは控除対象外とされ、調整控除後の所得割課税額が適用されます。控除対象外とされるのは以下の税額控除です。

  • ・寄附金税額控除(ふるさと納税など)

    ・配当割・株式譲渡所得割控除額

    ・外国税額控除

    ・配当控除

    ・住宅借入金等特別税額控除

  • 自分の世帯の所得割課税額や調整控除額については、自治体や会社からもらう住民税額決定通知書から確認しましょう。なお、政令指定都市に住んでいる方は平成30年度から住民税の税率が6%から8%に変更されていますが、保育料の算定では旧税額もしくは新税率により計算された額に6/8を乗じた額をもとにしています。

    また、保育料は4~8月分は前年度、9月から翌年3月はその年度の所得割課税額が基準となるため、年度途中に保育料が上下することも。所得に変動があった場合は注意してくださいね。

  • 子どもの人数

    保育料の算定においては、世帯所得以外に子どもの人数も影響します。保育園を利用する保育認定(2号・3号)の場合は小学校就学前の範囲で第2子となる子どもの保育料は半額、第3子は無料です。最年長の子どもが小学校へ入学すると、2番目の子が第1子となるので注意しましょう。なお、教育標準時間(1号)認定の場合はその範囲が3歳から小学校3年生までとなります。

  • 子どもの年齢

    国が定める保育料上限の表や、各自治体の料金比較でも記載している通り、子どもの年齢によっても保育料は変動します。これは国が子どもの年齢によって保育士の配置目安を定めているからです。子どもが小さいほど保育士の人数が必要となるため、それに比例して保育料が高くなっています。年齢の区分も自治体によって異なるので、事前に確認すると良いでしょう。

  • 保育時間

    保育料は保育時間でも大きく変わります。子どもに保育が必要と認められた保育認定(2号・3号)は、保育を必要とする事由や保護者の状況に応じて“保育標準時間(最長11時間)”と“保育短時間(最長8時間)”の2つに区分されます。どちらになるかで保育料が変わりますし、最長時間を超えて利用する場合には延長保育料が必要です。また、この時間はあくまでも「通常保育を行っている時間帯」に限られるため、夜間利用などは含まれず延長保育とみなされます。なお、保育標準時間の認定であっても必ずしも11時間利用できるというわけではなく保護者の就労状況等に応じて必要な範囲で保育時間が定められます。詳しくは各自治体に問い合わせてください。

保育園の費用の計算方法

  • さまざまな要素に基づいて決まる保育料は一見複雑なように見えます。しかし住んでいる自治体の料金設定とそれぞれの要素についてわかっていれば、自分でおおよその金額を把握することも可能です。思いがけず多額の保育料が発生して生活費を逼迫するといった事態を避けるために、あらかじめ計算しておくと良いでしょう。初めて保育園を利用する場合、その金額が高いのか安いのか見当がつきませんよね。そんなときは平均費用や他の自治体と比べてみても良いでしょう。

  • 保育園の平均費用

    おおよその保育料がわかっても、その金額が妥当なものかどうかは判断しづらいもの。平均費用はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が平成27年に行った地域児童福祉事業等調査では、1世帯における児童1人あたりの保育料平均額が下記の通り発表されています。

  • 児童が1人の世帯:22,970円

    児童が2人の世帯:17,555円

    児童が3人の世帯:10,406円

    平均:21,138円

  • 費用の計算方法

    では、実際に自分が支払うことになる保育料を計算するにはどうすればよいのでしょうか?

  • まずは世帯の所得割課税額を計算します。一番簡単なのは、世帯所得の項目でも説明したように「住民税額決定通知書」で確認する方法です。「住民税額決定通知書」は、毎年5~6月頃に自治体もしくは会社からもらうことができ、住民税を決定するうえでの所得割課税額が記載されています。保育料の算定においては控除対象外となるものがあるので、あてはまる分があれば加算しましょう。保育料の基準となるのは世帯所得なので、共働きであれば夫婦ふたりの所得割課税額を足して考えてくださいね。計算方法がわからない方は自治体に尋ねてみましょう。

  • 自治体ごとに世帯の所得割課税額に応じた階層区分が設けられているので、自治体が作成している料金表などでどの区分に該当するか確認しましょう。さらに子どもの年齢と保育時間をあてはめれば、保育料がわかります。

  • 保育園の費用の減免制度って?

    多子世帯・要保護世帯には、保育料の負担軽減制度が設けられています。例えば東京都江戸川区の場合、所得割課税額が57,700円未満で在園児に兄弟がいる世帯は、年齢制限なく生計を共にしている兄弟から数えて第2子は保育料半額、第3子以降は保育料無料です。また、ひとり親世帯・同一世帯に障がい児(者)のいる世帯においては、所得割課税額が48,600円未満の場合は第1子の保育料が1,000円減額後に半額、第2子が無料、48,600円以上77,101円未満の場合は第1子が半額、第2子が無料です。制度の詳細は住んでいる自治体に問い合わせてください。

認可外保育園の費用・料金はどのくらい?

  • さまざまな事情で保育認定が受けられなかったり、待機児童の問題で認可保育園に入園できなかったりした場合、認可外保育園を利用するという選択肢もあるでしょう。また最近では事業所内に保育施設を設ける企業も増えています。こうした保育施設を利用する場合、実際の費用はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が平成27年に行った地域児童福祉事業等調査で認可外保育施設の類型別月額利用料の平均が発表されています。

  • 【事業所内保育施設】

    0歳児:36,331円

    1歳児:32,266円

    2歳児:31,479円

    3歳児:27,752円

    4歳児:26,559円

    5歳児:26,641円

    6歳児(就学前):25,377円

  • 【ベビーホテル】

    0歳児:53,590円

    1歳児:51,299円

    2歳児:48,908円

    3歳児:44,680円

    4歳児:42,455円

    5歳児:41,099円

    6歳児(就学前):39,991円

  • 【ベビーシッター事業者】

    0歳児:50,219円

    1歳児:47,120円

    2歳児:45,897円

    3歳児:41,115円

    4歳児:38,968円

    5歳児:39,911円

    6歳児(就学前):33,772円

  • 【その他の認可外保育施設】

    0歳児:49,142円

    1歳児:46,302円

    2歳児:44,540円

    3歳児:40,888円

    4歳児:38,189円

    5歳児:38,012円

    6歳児(就学前):37,486円

  • 保育園の平均費用と比較するとやや高額となっていることがわかります。認可外保育施設の利用料は各事業者が設定していますので、詳細を知りたい方は施設に直接問い合わせてみると良いでしょう。

  • 毎月の出費となる保育料、事前におおよその金額を把握しておかないと思いがけず生活費を逼迫することにもなりかねません。一見すると複雑なように見えますが、保育料を決定する4つの要素“認定区分”、“世帯所得”、“子どもの年齢”、“保育時間”をもとに、各自治体が定めている料金表と照らし合わせてみると目安の金額がわかるでしょう。ひとり親世帯や要保護世帯には保育料の軽減制度もあります。料金や計算方法、受けられる減免制度などを詳しく知りたい方は、住んでいる自治体に問い合わせてみてくださいね。

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