知っておくべき妊娠中の感染症。予防と対策の基礎知識
知っておくべき妊娠中の感染症。予防と対策の基礎知識

2018/07/31

知っておくべき妊娠中の感染症。予防と対策の基礎知識

以前よりはしかの流行がニュースで取り上げられ、感染症に対する関心が高まっています。
妊娠中の方は、「感染症についてもう一度確認しておかなければ」と思ったかもしれませんね。

本記事では、妊娠中の方にぜひ確認してほしい、感染症の予防や対策についてまとめました。
妊活中・妊娠中にやっておきたい予防策や生活上の注意点など、もう一度確認しておきましょう。

監修者:大塚真紀(医師、医学博士)

はしかと風しんの感染予防・対策

  • はしかは、正式名称を「麻疹(ましん)」といい、麻疹ウイルスが原因となる感染症です。子どもよりも大人の方が重篤化しやすく、妊婦さんは流産、早産、子宮内胎児死亡の危険性があるので、特に注意する必要があります。予防方法はワクチン接種ですが、すでに妊娠している場合はワクチン接種はできません。流行している時期は外出を控えて感染を避け、家族のなかで必要のある人はワクチン接種を受けましょう。

  • また、「三日はしか」と呼ばれる風しんと、はしかを混同している方がいるかもしれませんが、風しんは、風しんウイルスにより罹患する別の病気です。妊婦さんが罹患するとおなかの赤ちゃんが「先天性風しん症候群」にかかる恐れがあります。予防方法は風しん用のワクチン接種ですので、はしかとは別に対応が必要です。

  • この機会に、妊娠中に注意するべき感染症について、再確認していきましょう。

妊娠中に注意するべき感染症

  • 妊娠中に注意するべき感染症については、こちらの記事(妊娠中にかかると怖い! 妊婦が気をつけるべき感染症&病気・症状)でもご紹介しました。今回は、他に気を付けるべき感染症として、「サイトメガロウイルス感染症」「リステリア症」「ジカウイルス感染症」を紹介します。

  • サイトメガロウイルス感染症は、日常的に接触しているサイトメガロウイルスが原因の感染症です。普段は感染しても無症状ですが、何らかの問題で身体の抵抗力が弱まるとさまざまな症状が出ます。妊婦さんが感染すると、まれに胎児に低出生体重や黄疸、肝機能異常などの症状が出る恐れがあります。サイトメガロウイルスは特に乳幼児の唾液や尿に多いため、2人目の子どもを妊娠している場合は、上の子の唾液や尿が体に入らないように注意するのが唯一の予防方法です。

  • リステリア症は、川の水や動物の腸内に多い細菌が原因の感染症です。通常は問題ないのですが、体力が落ちている人がこの細菌を口にすると食中毒になり、重篤な場合は敗血症や髄膜炎の危険性もあります。妊婦さんが感染すると胎児に影響が出る可能性も。これらの細菌を含む可能性のあるナチュラルチーズや生ハム・スモークサーモンなどは、そのまま食べず、加熱してから食べるか、口にするのを避けて感染を予防してください。

  • ジカウイルス感染症は、蚊を媒介して感染するほか、輸血や性交渉でも感染の可能性がある感染症です。ワクチンはなく、感染した場合は対処療法しかありません。妊婦さんが感染すると、胎児が「小頭症」になる可能性があります。現在は海外に流行地域があり、それらの地域には渡航しないこと、パートナーが流行地域から帰国してきたら、半年以上は性交渉を控えることが感染予防法です。

  • これらの感染症はワクチンがないので、日頃の生活で気を付けて予防しましょう。

妊活中にやっておきたい感染症予防策

  • 妊活中にやっておきたい感染症予防策について見ていきましょう。妊娠前に必要なワクチンを打つのは前提で、予防接種後2ヶ月は妊活を控えてください。また、はしかは、世代によって予防接種の受け方が異なっていたことも話題になりました。ワクチンを打つ前に、自分の母子手帳を確認したり家族に聞いたりして、予防接種をしているか、病歴などの現状を把握しましょう。自分では大丈夫と思っていても、不足している予防接種があるかもしれません。

  • すでに妊娠中の方は、基本的にワクチン接種ができないため、感染者との接触を可能な限り避けるなど、日頃の行動で感染を予防しましょう。また、出産後は、次の妊娠までの間に必要なワクチンを打つようにしてください。

  • また、母子感染症の原因となる感染症についても検査しておきましょう。該当する感染症は、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)・B群溶血性レンサ球菌(GBS)・ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)・C型肝炎ウイルスなどです。妊娠すると必要な感染症検査は行われますが、任意のものもありますので、気になる感染症は検査をしておくと安心です。

妊娠中における生活上の注意点

  • 妊娠中は、感染症のリスクを下げるため、生活上で気をつけなければいけない点が多くあります。あまり知られていない注意点も含めて箇条書きで紹介しますので、ぜひ確認してください。

  • ・人混みにはなるべく近づかず、不要不急の外出は控える

    ・外出時には、基本的にマスクを着用する

    ・生もの全般を口にしない(生ハムやローストビーフ、殺菌されていない生乳やそれらから作られた乳製品もNG)

    ・ネコ、げっ歯類などのペットは、糞尿に感染症の原因となるウイルスや細菌が排出されるため、トイレ掃除の後には必ず薬用せっけんで手洗いをする

    ・小さな子どもの唾液や尿には直接触れないように気をつけ、おむつなどを扱った後は薬用せっけんで手洗いをする

  • これらの注意点を守って生活することで、安心して妊活ができるでしょう。

  • 妊娠中に気を付けたい感染症について、感染症予防策、生活上の注意点についてまとめてご紹介しました。妊活中は、予防接種の実施など、積極的な感染症予防策が取れる時期です。できる対策はやっておきましょう。妊娠している方も、感染症のリスクを抑えるために生活上の注意点を守るようにしましょう。

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