【FP解説】妊娠・出産「かかる費用」と「もらえるお金」おしえます
【FP解説】妊娠・出産「かかる費用」と「もらえるお金」おしえます
公開日 2018/06/18
更新日 2020/02/10

【FP解説】妊娠・出産「かかる費用」と「もらえるお金」おしえます

はじめての妊娠、「お金がない!」と不安な方は多いのでは?一体、妊娠、出産にはどんな費用がいくらかかるのでしょう。また、もらえるお金や、費用を抑えるコツはないのでしょうか。そして、最低限準備しておきたい貯金はどのくらい?実際にかかる費用を知って、計画的にお金の準備をしておくことが大事です。また、自治体や健康保険のもらえる制度は、もらいそびれのないように、しっかりチェックしておきましょう。

執筆:鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナー)

妊娠中にかかる費用はいくら?もらえるお金ってどのくらいあるの?

  • 妊婦健診にかかる費用

    病院にて妊娠が判明したあと、出産までの約9カ月間で14回程度の妊婦健診を受けることになります。この妊婦健診は、健康保険が適用されず実費の支払となってしまうので、かなり高額になります。たとえば、1回あたり1万円の健診費用がかかる病院であれば、全部で14万円かかる見込みに。

  • 妊婦健診でもらえるお金

    自治体には「妊婦健診助成制度」があり、健診受診票を14回分もらうことができます。ただし助成上限額が設定されていますので、病院によっては自己負担が発生することも。それでも多くの場合で、妊婦健診1回にかかる費用を0~8,000円程度に抑えられるでしょう。病院を選ぶ際は、健診費用を必ずチェックしましょう。

  • また初診では補助は利用できません。初診後、妊娠の届け出をして母子健康手帳を受け取る際に、妊婦健診受診票を受け取る手続きを忘れないようにしましょう。ほかにも検査を希望する場合は、その分の費用はかかりますので注意してください。

  • 妊娠中のトラブルでかかる費用ともらえるお金

    妊娠中には、思わぬ体調不良が生じ、長期入院を余儀なくされることもあり得ます。健診と異なり健康保険が適用される治療ではあるものの、医療費はかかります。もし一定額以上医療費がかかった場合は、「高額療養費」をもらえるので覚えておきましょう。

  • もらえるお金は、「同じ月にかかった医療費のうち、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分」となり、自己負担限度額は一般的な所得の会社員なら約8~9万円(年齢と所得によって異なります)。申請先は、加入している健康保険(夫の扶養に入っている場合は、夫が加入する健康保険)です。

  • ※限度額の算出方法については、厚生労働省の下記「年収約370万円~約770万円の場合」グラフをご覧ください

    https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02d-37.html

  • また、事前に申請をして「限度額適用認定証」を入手しておけば、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。妊娠中に入院が決まるなど医療費が高くなりそうなときは、事前に健康保険に申請して手に入れると良いでしょう。

  • 出産準備にかかる費用

    妊娠中と産後しばらく活躍するマタニティウエアやベビー用品にかかる出産準備費用は、工夫次第で抑えられます。マタニティウエアは、妊娠前に着ていたワンピースや大き目のシャツ、チュニックなどで代用がききますし、友達と貸し借りしてもよいですね。

  • 気になる出産準備品や入院準備品は、こちらにまとまっているので、ぜひチェックしておきましょう。

  • プレママ必見!これだけは揃えておきたい『出産準備品』

    出産の入院準備はコレだけあればOK!陣痛時に使えるグッズを紹介

  • またベビー用品は、雑誌などに載っているグッズをすべて買うと、結果的に使わないモノや使い切れないモノも多く無駄遣いになる可能性が高いため、最低限準備しておき、必要に応じて買い足していくのが良いでしょう。その他、レンタルできるベビーグッズは、お試ししてから買うのがおすすめ。筆者の子どもはベビーベッドでは寝てくれず、借りてすぐに返却、親と添い寝となりました。新生児服も友達のお下がりなどを積極的に活用しましょう。

  • マタニティウエアやベビー用品はトータルで、数万円から20万円ほどかかりますが、節約ができる項目ですので、貯金具合に合わせて予算をたてて使いましょう。

  • 里帰り出産にかかる費用

    里帰り出産をする人は、往復の交通費などがかかります。生まれた後には、パパが行き来する交通費もかかりますね。かかる費用を多めに見積もって準備しておきましょう。

  • また、自治体からもらう妊婦健診の受診票は、住んでいる自治体と異なる里帰り先では使えないことが多いですが、あとから、未使用の受診票と領収書を自治体に持参して助成を受けられる場合も。里帰り前に自治体に相談しておくと安心です。

出産にかかる費用はいくら?もらえるお金はいくらあるの?

  • 出産にかかる費用は平均約51万円

    出産時には分娩費と入院費がかかり、両方を合わせた正常分娩の全国平均金額は約51万円です(※1)。もし無痛分娩を希望すると、病院によって異なりますが、プラス5万円~10万円などさらにお金がかかります。ちなみに自然分娩では健康保険は適用されず全額負担となります。

    帝王切開の場合、手術や薬、処置、検査代は健康保険の対象で3割負担となりますが、入院日数が長引くため、出産費用の総額は自然分娩よりやや高額に。

  • 帝王切開の出産費用の目安とは?自然分娩との違いを説明

  • ただし帝王切開は保険が適用されるので、妊娠中にかかる費用のところでお伝えした「高額療養費制度」の対象になりますし、民間の医療保険に加入していれば給付金も受け取れます。

  • 出産でもらえるお金「出産育児一時金」

    こんなに費用が高くて不安になった方!ご安心を。働いているママも夫の扶養に入っているママも、健康保険・国民健康保険から、「出産育児一時金」として1児当たり42万円(※)がもらえます。そのため、実際にかかる費用は分娩・入院等費用と出産育児一時金との差額分になり、人によっては、出産育児一時金で全額まかなえる場合もあるんです。

    (※1)出典「出産費用の全国平均値、中央値」(平成28年度)/公益社団法人 国民健康保険中央会

    (※2)産科医療保障制度加入の産院の場合

  • 出産育児一時金には、立て替えの必要がなく、直接健保から産院に42万円支払われる「直接支払制度」があります。この制度を利用できる産院を選べば、大きな支払をしなくて済むので便利ですね。

  • 産院を選ぶ時は、直接支払制度が対象かチェックを。もし対象の産院が近くにない場合でも、事前申請をすれば直接産院に支払ってもらえる受取代理制度も使えます。

  • 出産でもらえるお金 産休中の「出産手当金」

    こんなに費用が高くて不安になった方!ご安心を。働いているママも夫の扶養に入っているママも、健康保険・国民健康保険から、「出産育児一時金」として1児当たり42万円(※)がもらえます。そのため、実際にかかる費用は分娩・入院等費用と出産育児一時金との差額分になり、人によっては、出産育児一時金で全額まかなえる場合もあるんです。

    (※1)出典「出産費用の全国平均値、中央値」(平成28年度)/公益社団法人 国民健康保険中央会

    (※2)産科医療保障制度加入の産院の場合

  • 出産育児一時金には、立て替えの必要がなく、直接健保から産院に42万円支払われる「直接支払制度」があります。この制度を利用できる産院を選べば、大きな支払をしなくて済むので便利ですね。

  • 産院を選ぶ時は、直接支払制度が対象かチェックを。もし対象の産院が近くにない場合でも、事前申請をすれば直接産院に支払ってもらえる受取代理制度も使えます。

  • 出産後の育休中にもらえるお金「育児休業給付」

    出産後の育休中は、会社員や公務員等雇用保険の被保険者であれば、「育児休業給付」をもらえます。出産する本人しかもらえない出産手当金とは異なり、育児休業給付は、育休をとるパパももらうことができます。

  • 育児休業給付の支払は、産休から引き続いて育休を取得した場合は、出産日から起算して58日目から、原則として子どもが1歳の誕生日の前々日までもらえます(パパの場合は出産日当日から対象)。もらえる金額は次の計算式で算出されます。

  • 「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業の開始から6ヵ月経過後は50%)」

  • たとえば、休業開始時賃金日額(育休開始前半年の総支給額(ボーナスを除く)を180で割った金額)が8,000円とした場合、育休開始後6ヵ月間(※)でもらえるお金は96万4,800円。その後の6ヶ月間でもらえるお金は72万円となります。出産手当金と同様に、実際にもらえるのは、育休開始数ヵ月後となることに注意が必要です。なお、保育園が見つからないといった場合は、最大2歳の誕生日の前々日まで支給の対象となります。

    (※)180日間として計算

  • 内祝いにかかる費用

    お祝いを下さった方には内祝いとして、いただいたお祝いの3割から半額(半返し)に相当する品をお返しするのが一般的です。もし1万円のお祝いを5人からいただいた場合、1万5,000円から2万5,000円の費用がかかる計算となります。お返しなのでなかなか節約は難しいものですが、まとめ買い割ができる内祝いショップや、ポイントが貯まる通販を使うなど、費用を抑える工夫はあるので妊娠中にチェックしておきましょう。

結局いくら準備すればよいの?

  • 以上、妊娠から出産までの費用にはもらえるお金もあることをお伝えしました!それでは、結局いくら準備しておけばよいのか考えてみましょう。

  • <妊娠から出産までにかかる費用ともらえるお金の一例>

    妊娠・出産のトラブルで医療費がかかるケースを想定

    項目かかる費用
    妊婦健診妊婦健診受診票を使い自己負担が1回8,000円とした場合、8,000円×14回=11万2,000円
    トラブルがあった場合の医療費
    ※長期入院し、健康保険適用前の医療費が月60万円かかったと仮定
    支払った医療費(3割):18万円
    出産準備一部レンタルなどを活用した場合:10万円
    出産分娩・出産費用:51万円
    内祝い半返しをした場合
    1万円×50%×5名=2万5,000円
    かかる費用の合計92万7,000円

  • 項目もらえるお金
    高額療養費(一般所得者として試算)9万6,570円
    出産育児一時金42万円
    もらえるお金の合計51万6,570円

  • 実際にかかる費用92万7,000円‐51万6,570円=41万430円

  • 働いているママであれば、このほかに休業中の手当として、出産手当金や育児休業給付ももらえます。

  • 上記の例では合計で41万430円かかるとしましたが、妊娠中にかかる健診費用は、1回あたり数千円と毎月の収入から出せる範囲であり、事前に貯金しておく必要はありません。ですので貯金しておきたい金額は、41万430円から妊婦検診費用の11万2,000円を引いた29万8,430円となります。最低でも約30万円あれば、トラブルによる医療費や出産準備等にかかるお金に備えられるでしょう。さらに里帰りの予定がある場合は、その交通費も準備が必要です。

  • もし貯金が心もとない場合は、妊娠中に節約をしてみては。たとえば、旅行を今年は控えてみる、自炊を増やしてみる、などはいかがでしょうか。妊娠中の旅行は、ふだんと違う体調面や、旅先により医療環境が異なることから考えても、不安が多くなるはずです。無理のない範囲で自炊をするのは、お母さんにも赤ちゃんの体調にも良いことだと思います。

  • かかる費用ともらえるお金を正しく知って、安心した心持ちで赤ちゃんを迎えたいですね。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2020年1月14日時点のものです

  • 鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナーCFPⓇ・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント)

    執筆者プロフィール 鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナーCFPⓇ・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント)
    家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。専門は教育費・保険・マネー&キャリア教育、確定拠出年金。企業講演・研修の他、学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行う。
    監修:株式会社プラチナ・コンシェルジュ

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