妊娠~出産準備~出産まで、いくらくらいかかるの?
妊娠~出産準備~出産まで、いくらくらいかかるの?
公開日 2018/06/18
更新日 2019/10/10

妊娠~出産準備~出産まで、いくらくらいかかるの?

はじめての妊娠では、お金がどのくらいかかるのかわからず、不安になる人が多いものです。妊娠から出産までにはかかるお金もありますが、もらえるお金も色々あります。もらいそびれのないように、制度を確認するとともに、一体どのくらいお金が必要なのかを知って、計画的にお金の準備をしておきましょう。

執筆:鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナー)

妊娠中にかかるお金

  • 妊婦健診にかかるお金

    病院にて妊娠が判明したあと、出産までには14回程度の妊婦健診を受けることになります。この妊婦健診、健康保険が適用されず実費の支払となるのですが、自治体から受けられる「妊婦健診助成制度」を利用すれば、大きな負担はかかりません。

  • この制度を利用すると、妊婦健診1回にかかるお金を0~8,000円程度に抑えられます。1回あたり8,000円かかるとした場合、14回合計で11万2,000円の負担となります(助成の内容は自治体によって異なります)。病院を選ぶときに健診費用を訊いておくと目安がわかりますね。

  • また初診では補助は利用できません。初診後、妊娠の届け出をして母子健康手帳を受け取る際に、妊婦健診受診票を受け取る手続きを忘れないようにしましょう。別途、出生前診断といった検査を希望する場合は、その分の費用はかかりますので注意してください。

  • 医療費が多くかかったら高額療養費制度を使おう

    妊娠中に切迫早産などトラブルが生じ長期入院を余儀なくされることも。このように健康保険が適用される医療費が一定額以上かかった場合は、「高額療養費」をもらえるので覚えておきましょう。

  • もらえるお金は「同じ月にかかった医療費のうち、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分」となり、自己負担限度額は一般的な所得の会社員なら約9万円(年齢と所得によって異なります)。申請先は、加入している健康保険組合(夫の扶養に入っている場合は、夫が加入する健康保険)です。

  • また、事前に申請をして「限度額適用認定証」を入手しておけば、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。妊娠中に入院が決まるなど医療費が高くなりそうなときは、事前に健康保険組合に申請して手に入れると良いでしょう。

  • 出産手当金は産休中の休業補償

    会社員や公務員などで勤め先の健康保険や共済組合に加入している場合、「出産手当金」が支払われます。出産手当金は、出産にあたり会社を休むことになる期間について、休業補償として支払われるものです。ちなみに会社員の夫に扶養されている妻はもらうことはできません。あくまで本人が会社員など勤めている場合にかぎり、支払われます。

  • 出産手当金の支払は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの98日間で、給与の支払いを受けていない日が対象です。一般的には産前産後休業を取っている期間が対象となる場合が多いでしょう。金額は人によって異なり、次の計算式で算出される金額がもらえます。

  • 支給開始した以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額÷30日×2/3

  • たとえば、平均した標準報酬月額が30万円の場合、出産手当金の1日分は、30万円÷30日×2/3≒6,667円となり、98日間分で約65万円もらえます。支給は、1回でもらっても複数回に分けてもらうことも可能ですが、休んだ分についてあとからお金をもらうことになるため、産休中に受け取ることはできません。必要に応じてその間にかかる生活費等のお金は準備しておきましょう。

出産準備にかかるお金

  • マタニティウエアとベビーグッズにかかるお金

    妊娠中と産後しばらく活躍するのが、マタニティウエアです。使う期間が限られているものですので、むやみに高価なものは避け、着心地が良く使いやすいモノを選びましょう。妊娠前に着ていたワンピースや大き目のシャツ、チュニックなどを上手に活用して、どうしても足りないボトムスや下着などを買うなどがおすすめ。友達と貸し借りしてもよいですね。

  • また、新生児服や哺乳瓶、ベビーベッドやベビーカーなど、出産後に使うベビーグッズにもお金がかかります。雑誌などメディアに載っているグッズをすべて買うと、結果的に使わないモノや使い切れないモノも多く無駄遣いになるかもしれません。

  • 出産後は買い物に行けないと不安になり多めに買いがちですが、今はネット通販で買っても数日で届く時代です。最低限準備しておき、必要に応じて買い足していくのが吉でしょう。

  • また、A型ベビーカーやベビーベッド、柵などレンタルができるベビーグッズは、一時的に借りることも選択肢のひとつに入れると、かかるお金を抑えられます。

    特に、実際に使うかわからないようなベビーベッドなどは、レンタルでお試ししてみるのも手。筆者の子どもはベビーベッドでは寝てくれず、借りてすぐに返却、親と添い寝となりました。新生児服も友達のお下がりなどを積極的に活用しましょう。

  • マタニティウエアやベビーグッズはトータルで、数万円から20万円ほどかかりますが、節約ができる項目ですので、貯金具合に合わせて予算をたてて使いましょう。

  • 里帰り出産にかかるお金

    里帰り出産をする人は、往復の交通費などがかかります。生まれた後には、パパが行き来する交通費もかかりますね。かかるお金を多めに見積もって準備しておきましょう。

  • また、自治体からもらう妊婦健診の受診票は、住んでいる自治体と異なる里帰り先では使えないことが多いですが、あとから、未使用の受診票と領収書を自治体に持参して助成を受けられる場合も。里帰り前に自治体に相談しておくと安心です。

出産にかかるお金

  • 分娩・入院にかかるお金

    出産時には分娩費と入院費がかかり、両方を合わせた全国平均金額は約51万円です(※)。しかしこの金額は正常分娩における平均金額。もし無痛分娩を希望すると、病院によって異なりますが、プラス5万円~10万円などさらにお金がかかります。

    正常分娩や無痛分娩の場合は健康保険が適用されず全額かかりますが、帝王切開になると保険適用となり、入院は長引くもののそんなに高額にはなりません。

  • とはいえ、もらえるお金があるので大きな心配はいりません。働いている人も扶養に入っている場合でも、健康保険・国民健康保険から、「出産育児一時金」として1児当たり42万円(産科医療保障制度加入の産院の場合)が支給されます。そのため、実際にかかる費用は分娩・入院費用と出産育児一時金との差額分になり、人によっては、出産育児一時金で全額賄えたという場合もあります。

    (※)出典「出産費用の全国平均値、中央値」(平成28年度)/公益社団法人 国民健康保険中央会  

    https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/lib/h28nendo_syussan1-4.pdf

  • 出産育児一時金には、立て替えの必要がなく、直接健保から産院に42万円支払われる「直接支払制度」があります。この制度を利用できる産院を選べば、大きな支払をしなくて済むので便利ですね。

  • 産院を選ぶ時は、直接支払制度が対象かチェックを。もし対象の産院が近くにない場合でも、事前申請をすれば直接産院に支払ってもらえる受取代理制度も使えます。

  • 内祝いにかかるお金

    お祝いを下さった方には内祝いとして、いただいたお祝いの3割から半額(半返し)に相当する品をお返しするのが一般的です。もし1万円のお祝いを10人からいただいた場合、3万円から5万円のお金がかかる計算となります。

妊娠から出産までのお金の例

  • 以上、妊娠から出産までのお金についてお伝えしてきましたが、全体でどのくらいのお金がかかるのか一例を見てみましょう。

  • <妊娠から出産までにかかるお金の一例>

  • かかるお金の例
    妊娠中妊婦健診妊婦健診受診票を使い自己負担が1回8,000円とした場合、8,000円×14回=11万2,000円
    トラブルがあった場合の医療費(一般所得者として試算)※長期入院し、健康保険適用前の医療費が月60万円かかったと仮定支払った医療費(3割):18万円
    高額療養費として戻ってきた金額:9万6,570円
    かかった金額:8万3,430円
    出産準備マタニティウエア
    ベビーグッズ 等

    一部レンタルなどを活用
    かかった金額:10万円

    出産分娩・出産分娩・出産費用:51万円
    出産育児一時金として支払われた金額:42万円
    かかった金額:9万円
    内祝い
    ※1万円のお祝いを10名からもらったと仮定

    半返しをした場合
    1万円×50%×10名=5万円

  • 妊娠中にかかる健診費用は、日頃の生活費から出せる範囲ですが、大きな金額がかかるかもしれないトラブル時の医療費や出産準備にかかるお金、里帰りにかかる交通費については貯金が必要でしょう。

    もし貯金がない場合は妊娠中に準備を。たとえば、貯めておきたい金額が30万円であれば、月3万7,500円貯金すれば8ヶ月間で貯まります。出産後にも何かとお金はかかります。妊娠中に貯金力もアップできると良いですね。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2019年9月23日時点のものです

  • 鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナーCFPⓇ・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント)

    監修者プロフィール 鈴木 さや子(ファイナンシャルプランナーCFPⓇ・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント)
    家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。専門は教育費・保険・マネー&キャリア教育、確定拠出年金。企業講演・研修の他、学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行う。
    監修:株式会社プラチナ・コンシェルジュ

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