【産婦人科医監修】妊娠から出産までの母体と胎児の変化、赤ちゃん出産までの注意点
【産婦人科医監修】妊娠から出産までの母体と胎児の変化、赤ちゃん出産までの注意点
公開日 2018/04/27
更新日 2021/04/22

【産婦人科医監修】妊娠から出産までの母体と胎児の変化、赤ちゃん出産までの注意点

妊娠から出産までに胎児や母体はどのように変化していくのかを解説します。
妊娠がわかったときの喜びから一転、これからの生活や今後の赤ちゃんの成長、体調の変化、トラブルの防止方法など、いろいろな心配事が頭に浮かび、不安を感じる人もいるでしょう。
この記事では、医師監修のもと、妊娠初期から出産まで、妊娠週ごとの胎児の成長や母体の変化、生活するうえで気をつけたいこと、産前・産後休業(産休)や育児休業(育休)を取るタイミングなどについて紹介します。

監修:小川クリニック院長 小川隆吉先生
執筆:友永由紀(ライター)

胎児の成長と母体の変化10ヶ月間

  • 母体に命が宿った瞬間から、赤ちゃんはすごいスピードで成長します。胎児や母体に起こる変化を妊娠週ごとにみていきましょう。

  • 妊娠0~3週【1ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    受精卵が子宮に着床。その後細胞分裂を繰り返して胎芽となります。

  • 【母体の様子】

    基礎体温は高温のまま。妊娠の自覚はありません。人によっては吐き気を感じることもあります。

  • 妊娠4~7週【2ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    脳や脊髄など大事な中枢器官ができ始めます。身長は2~3cmで、しっぽがあり、まだヒトの形ではありません。

  • 【母体の様子】

    月経が来ないことに気づきます。熱っぽさやだるさ、吐き気のほか、ホルモンの影響で身体がかゆくなることもあります。

  • 妊娠8~11週【3ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    3頭身になって爪や唇ができ、胎児と呼ばれるようになります。胎盤ができ、へその緒を通して母体から栄養をもらいます。身長は8~9cmです。

  • 【母体の様子】

    つわりのピークです。子宮が大きくなり、直腸や膀胱が圧迫されるので、便秘や頻尿に悩む人もいます。そろそろ母子手帳をもらいに行きましょう。

  • 妊娠12~15週【4ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    内臓が完成し、骨や筋肉が発達します。羊水を飲み込んでおしっこをしたり、手足を動かしたり、指しゃぶりをする姿を超音波検査のモニタで見ることができます。身長は約15cmです。

  • 【母体の様子】

    胎盤が完成して安定期に入り、つわりが落ち着きます。お腹のふくらみがわかるようになります。大きくなった子宮に押されて脚の付け根が痛んだり、頻尿や便秘などのトラブルが起こったりします。

  • 女性ホルモンの増加などにより妊娠中は口内環境のトラブルが起こりやすい傾向にあります。歯科検診や虫歯や歯周病の治療は、母体が安定するこの時期の受診がおすすめです。

  • 妊娠16~19週【5ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    身長は約25cmになり、羊水のなかでよく動くようになります。眉毛や体毛が全身に生え始めます。皮膚が赤くなり、ふっくらします。

  • 【母体の様子】

    妊婦体型になり、乳房の大きさや乳首の色が変わります。皮下脂肪が付きやすくなり、食欲も旺盛になるので、体重の増加に気をつけます。体調に応じて積極的に身体を動かしましょう。早い人は胎動を感じるかもしれません。

  • 妊娠20~23週【6ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    胎脂というクリーム状の脂肪で皮膚が保護されます。しっかりした骨格になり、動きがますます活発になります。超音波検査のモニタで性器が確認でき、男女どちらかがわかるのもこの時期です。まぶたやまつげ、脳細胞ができます。身長は約30cmです。

  • 【母体の様子】

    胎動がはっきりしてきます。身体が後ろに反り返った姿勢になり、腰痛に悩まされる人が多くなります。足に下肢静脈瘤ができる人もいます。乳腺が発達するため、乳汁がにじむこともあります。病院によっては出産後、母乳をスムーズに出すために、乳房の手入れを始めます。

  • 妊娠24~27週【7ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    約35cmまで成長します。ママの声に反応したり、自分で動きをコントロールしたりするようになります。顔立ちがはっきりしてきます。

  • 【母体の様子】

    お腹がますます大きくなり、張りを感じることが増えます。少し休んでも張りが治まらなかったり、1時間に何度も張ったりする場合には、主治医に相談しましょう。急激な皮膚の伸びに皮下脂肪がついていけず、妊娠線ができることもあります。専用のクリームでマッサージをしましょう。また、体重増加にも注意が必要です。

  • 妊娠28~31週【8ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    皮下脂肪が増えて、シワシワな肌にはりが見られるようになります。感覚器や内臓、骨格、神経系も完成し、最低限自力で生きていけるだけの準備が整います。肺呼吸の練習をするような運動もみられるようになります。

  • 【母体の様子】

    お腹が大きくなり、足元が見えにくくなるので転倒に注意します。子宮が心臓や胃を押し上げるため、胃もたれや動悸、息切れなどを感じます。妊娠高血圧症候群に気をつけたい時期です。いつ出産になってもいいように、入院の準備を始めましょう。

  • 妊娠32~35週【9ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    胎脂も消えて、新生児らしくなります。身長は約43cmです。

  • 【母体の様子】

    動くのが大変になり、こむら返りや恥骨の痛み、尿もれ、むくみなどの悩みを訴える人もいます。

  • 妊娠36~40週【10ヶ月】

    【赤ちゃんの様子】

    胎盤を通して母体から免疫が移行します。いつ生まれてもいい状態です。

  • 【母体の様子】

    赤ちゃんが骨盤のなかに移動するので、胃の圧迫感が減り、食欲が出るので食べ過ぎに注意しましょう。

妊娠初期(0~15週)の注意点

  • お酒、タバコは避ける

    タバコは血液中の酸素濃度を低下させ、赤ちゃんの成長を妨げます。アルコールは胎児に脳障害や奇形を起こす可能性があります。お酒、タバコの摂取は控えましょう。

  • 妊娠悪阻(つわり)はすぐ受診を

    水分も取れないほどのつわりは、治療が必要になります。すぐに受診しましょう。

  • 感染症に注意

    赤ちゃんの脳や神経が作られる大事な時期です。風疹の抗体価が低い人は、人混みを避けるなどして、かからないように注意しましょう。

  • 感染症(とくに風疹)にかかって薬を飲む必要に迫られないように、体調管理に気をつけます。

妊娠中期(妊娠16~27週)の注意点

  • セックス時にも身体を気遣って

    経過が順調で妊婦の体調がよければ、セックスをすることは問題ありません。ただし、お腹を圧迫するような体位は避けましょう。コンドームを使用し、激しい動きは控えます。

  • 適度な運動で肥満予防

    安定期に積極的に身体を動かすことは、太り過ぎを防止し、ストレス発散にも役立ちます。マタニティビクス、マタニティスイミング、マタニティヨガなどの妊婦向けのプログラムは診断書が必要となります。医師に相談したうえで行いましょう。バスケットボールやバレーボールなど、上下に飛び跳ねることが多いスポーツは控えます。

妊娠後期(妊娠28週~40週)の注意点

  • 疲れは早めにケア

    身体が重くなり、動くだけでも大変な時期です。精神的に不安定になったり、身体に痛みやしびれなどを感じたり、疲れやすくなります。疲れを感じたら横になるなど、積極的に身体を休めます。

  • 食事で体調管理

    母子の生命に重大な危険を及ぼす妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などを引き起こさないよう、食べ過ぎや偏った食事に注意します。

産休・育休の準備に適した時期は?

  • 働く女性が妊娠した場合は、産前・産後休業(産休)や育児休業(育休)を取るタイミングも気になりますね。

  • 労働基準法では、産前休業は出産予定日の6週間前から、産後休業は出産日の翌日から8週間取得できます1)。会社への申請などの関係もあり、よほど体調が悪くなければ、ほとんどの人は予定日の6週間前からお休みを取るようです。

  • 例えば、5月1日が出産予定日、生後1年で保育園に入れて復帰というスケジュールなら、以下のようになります。

    産前・産後休業:3月21日~6月26日

    育児休業:6月27日~翌年4月30日

  • 上記を参考に、会社への申請方法などを早めに確認しておきましょう。産前・産後休業、育児休業に入る場合には、周囲のフォローは欠かせません。母体の健康を守るためにも、仕事の引き継ぎ等、無理のないスケジュールで進めたいものです。

  • ※本ページに記載されている情報は2021年3月31日時点のものです。

  • 小川隆吉先生(小川クリニック 院長)

    監修者プロフィール 小川隆吉先生(小川クリニック 院長)
    医学博士、日本産婦人科学会専門医。1975年日本医科大学を卒業後、医局を経て1995年4月まで都立築地産院産婦人科医長として勤務。元日本医科大学産婦人科講師、日本産科麻酔科学会会員、日本胎児心臓病学会員、日本不妊学会会員。『HAPPY妊娠・出産ガイドBOOK』(ベネッセコーポレーション)の総監修を務めるほか、著書に『いちばんためになる はじめての妊娠・出産』(成美堂出版)などがある。
    https://www.ogawaclinic.or.jp

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