子育て費用は総額いくら?子どもひとりにかかるお金のすべて
子育て費用は総額いくら?子どもひとりにかかるお金のすべて
公開日 2017/07/26
更新日 2019/08/23

子育て費用は総額いくら?子どもひとりにかかるお金のすべて

子育てにかかるお金は生涯で3000万、などと言われます。本当なのでしょうか?子どものために貯金する場合、いくら貯めればよいのでしょう。子どもひとりを幼稚園から大学まで育てるのに必要なお金から、その費用を貯めるための様々な方法、今すぐにできることまでをご紹介。将来、路頭に迷わない&迷わせないためにも、しっかり知識を吸収しておきましょう!

そもそも子育て費用って、いくらかかるの?

    子育て費用は、「教育費だけではない」ことを知るべし!

  • 出産・育児費用 約91万円
    子どもの食費 約671万円
    子どもの衣料費 約141万円
    子どもの保健医療・
    理美容費
    約193万円
    子どものおこづかい額 約451万円
    子どもの私的所有物代 約93万円
    出産から22年間の養育費
    出典:『AIUの現代子育て経済考2005』(AIU保険)

    子育て費用と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、学校や習い事、学習塾などの費用に代表される教育費のことではないでしょうか。けれども、子どもを育てていくなかでは、教育費のほかにもさまざまな出費が発生します。「食費や衣服費、おもちゃ代、保育代、おこづかいなどが一例で、一般的に養育費と呼ばれているものです。子育て費用について考える際は、教育費だけでなくこの養育費も念頭に置いておく必要があるでしょう」(岩城みずほさん、以下同)。ちなみに、出産から大学卒業までの22年間の養育費は約1640万円。思いのほか、お金がかかることがよくわかります。

  • 0歳 約93万円
    1歳 約88万円
    2歳 約94万円
    3歳 約104万円
    4歳 約120万円
    5歳 約116万円
    6歳 約122万円
    0~6歳までの子育て費用(年間)
    出典:内閣府『平成21年度 インターネットによる子育て費用に関する調査』

    子どもが小さいうちは、教育費がそれほどかかりません。なので、子育て費用はあまりかからないと思っている人も多いでしょう。「けれども、0~6歳までの子ども1人当たりの子育て費用は、年間で平均100万円前後。0歳児で93万円以上、6歳児で約122万円というデータがあります。『子どもが小さいうちは大丈夫!』と油断することなく、出産前からしっかり子育て費用の捻出計画を立てておいたほうがいいでしょう」

国公立と私立とで、学費にどれくらい差が出るの?

  • すべて私立の場合の学費は、すべて国公立の2.5倍以上!

    幼稚園から大学までの学習費総額は、すべて国公立の場合は約986万円、すべて私立の場合は文系で2447万円、理系で2589万円かかることがわかります。国公立と私立とでは、その差は2.5倍以上。さらに、大学進学と同時に下宿をスタートさせた場合、これプラス4年間の仕送り額が必要となります。「つまり、子どもを国公立に行かせるのか私立に行かせるのかを、比較的早い段階でパートナーと話し合って決めておくことが大事だと言えるでしょう」。

  • 幼稚園から大学卒業までにかかる学費の目安

      国公立 私立
    幼稚園
    (3年)
    約67万円 約149万円
    小学校
    (6年)
    約193万円 約921万円
    中学校
    (3年)
    約145万円 約402万円
    高校
    (3年)
    約123万円 約299万円
    大学
    (4年)
    約458万円 約676万円(文系)
    約818万円(理系)
    合計 約986万円 約2447万円(文系)
    約2589万円(理系)
    出典:文部科学省『平成26年度 子供の学習費調査』 日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査(平成27年度)』

    ※文部科学省『平成26年度 子供の学習費調査』の「学校種別学習費総額の推移」と、日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査結果(平成27年度)』の「高校卒業後の入学先別にみた卒業までに必要な入在学費用」から算出

子どもの教育費を考える際に、気をつけるべきポイントは?

  • 大学入学までに、最低でも貯蓄500万円を目指す!

    国税庁の『民間給与実態統計調査』によると、サラリーマンの平均年収は約415万円(2014年)。子どもを大学に4年間通わせると、国公立で約458万円、私立文系で約676万円、私立理系で約818万円かかることを考えると、家計に大きな影響を与えることがわかります。「高校の教育費までは、なんとか日々のやりくりをすれば賄えるかもしれません。けれども、大学の学費は高額なのでそういうわけにはいかないでしょう。できれば、お子さんが大学に入学するまでに、500万円は貯蓄しておきたいものです」。

    また、日本学生支援機構の『平成26年度 学生生活調査』によると、大学に通う学生(国公立私立大学の昼間部)の家庭の平均年収は約824万円。この金額だけを見ると、じゅうぶん大学の費用を捻出できそうな気がするかもしれません。「しかしこれは、一般的に生涯で一番年収が高い頃の金額です。55歳を過ぎると、収入が下がってしまう会社も少なくありません。また、サラリーマンの平均年収が上がらないなか、大学の学費は上昇傾向にあります。そのような状況で教育費にお金をかけすぎてしまうと、貯蓄にお金をまわすことができなくなり、自分たちが『老後貧乏』に陥ってしまう危険性があります。教育への投資を考える際は、自分たちの老後のこともしっかり視野に入れることが重要なのです」。

子どもの教育費を賢く確保する方法は?

  • 「人生設計の基本公式」を使って、必要貯蓄率を導き出す

    「老後貧乏」という言葉を聞くと、将来の子育てに不安を覚える人もいるかもしれません。けれども、「教育費をどこまでかけることができるのか」をしっかり把握していれば大丈夫、と岩城さん。「そのための指標となるのが、年間の所得に対して貯蓄をどのくらいの比率にすべきかを決める必要貯蓄率。算出した貯蓄率を守れるよう支出をコントロールすることこそが、子どもの教育費を賢く確保する一番の方法だと言えるでしょう」。

    では、その必要貯蓄率はどのようにして導き出せばいいのでしょう。将来、自分たちの生活を圧迫することなく教育費を貯めるために、所得の何%を貯蓄すべきかを計算できる便利な公式があります。それが、下の「人生設計の基本公式」(下図)です。

  • 人生設計の基本公式

    人生設計の基本公式人生設計の基本公式

    貯蓄のスタートは早ければ早いほどいいので、皆さんもこの公式を使ってさっそく将来をシミュレートしてみましょう。

  • 【例】

    35歳のサラリーマン
    0歳の子どもをもつ専業主婦
    手取り年収 500万円(生涯年収の平均値)
    目標の教育費 500万円(国公立大学の場合/高校卒業時までの教育費は月々の所得から捻出)
    老後生活費率 0.7%(「老後貧乏」にならないよう現在の7割に設定)
    年金額 270万円(夫婦二人での想定額)
    現在資産額 200万円(貯金)
    ※ここから「目標の教育費」を引いた額が実際の現在資産額になります
    老後年数 30年(夫が65歳定年で、長めに95歳まで生きると設定)
    現役年数 30年(65歳まで夫がこの先30年働くと設定)
  • 「人生設計の基本公式」に当てはめた計算式

    「人生設計の基本公式」に当てはめた計算式「人生設計の基本公式」に当てはめた計算式

    「この夫婦のケースを『人生設計の基本公式』に当てはめると、必要貯蓄率は10.6%。子どもを国公立大学に通わせて、老後を現在の7割くらいの生活費で過ごすことを希望するなら、今から年間53万円の貯蓄が必要になるということがわかります。現在の年収で、月4万4000円の貯蓄は大変かもしれません。けれども、年齢的に夫の年収はまだまだ上がっていくでしょうし、今は専業主婦の妻も今後また仕事を始めると家計の収入を増やすことが可能です。増えた分は貯蓄にまわして、教育費をしっかり貯めていきましょう」。

  • 貯蓄のほかにも、教育費の捻出方法はさまざま

    食費や医療費など、教育費以外にもお金がかかるのに、その中から将来のための教育費を日々捻出するのはなかなか大変ですよね。捻出方法としてもっとも手っ取り早い貯蓄のほか、教育費に特化して手を打つ方法はいろいろあります。大学入学など節目にお金が戻ってくる「学資保険」、安全性の高い金融商品「個人向け国債」や、一部リスクをとりながらも運用によって貯蓄を増やす「投資信託」を活用するという方法もあります。詳しく見ていきましょう。

    「学資保険」

    子育てにおける節目までは貯蓄同様に手をつけず、高校や大学入学などのタイミングで満期保険金や祝い金を受け取る保険商品です。一般的には子育てでは、年齢が小さい頃よりも、大学の入学金や下宿の費用など、10代の後半にお金がかかってきます。その時にタイミングよくお金を受け取ることができます。保険商品を決める際には「返戻率」(支払う保険料の総額に対して、受け取れる保険金と祝い金の割合)をチェックして選びましょう。

    「個人向け国債」

    個人向け国債とは、国が発行する、個人向けの債券です。「国債を購入する=国にお金を貸して、その証拠に債券(借用証書)を受け取る」ことを意味します。

    国にお金を貸しているわけなので、購入すると利子が支払われます。メリットは、銀行預金よりも金利が高い点、また、お金を貸す相手が国なので、破綻して元本割れ(お金が戻ってこなくなったり、元の金額より減ってしまう)がないという点です。

    「投資信託」

    投資信託とは、投資家から集めたお金を、専門家が運用することで、その運用の成果が投資家に分配される金融商品です。投資信託は、うまく行って利益が出ることもあれば、運用結果によって元本を割ることもある、リスクが伴うことを知っておきましょう。

    2016年から、子どもの将来のために資産形成を行うサポート制度として、ジュニアNISA」がはじまりました。0~18歳の未成年者が利用でき、年間80万円までの投資が「非課税」になります。このジュニアNISAは、特定の口座をつくり親権者が代理で運用を行います。18歳まで払い出せない仕組みなので、大学の入学費用などに適していますが、投資商品なので「これ一本」に頼るのはリスクがあります。

    「また、学費の負担をアテにできる祖父母がいるのなら、『教育資金の一括贈与制度』の利用を検討してみるといいでしょう。1500万円までなら非課税となり、贈与税なしで教育費を確保することが可能です」。

    「教育資金の一括贈与制度」

    2013年から、「教育資金をまとめて贈与」する場合に限り、相続税が非課税になる制度がはじまりました。祖父母から、孫へ教育資金を贈与した場合は、孫ひとりにつき1500万円を上限に、贈与税が非課税になります。(一般の贈与で1,500万円を贈与した場合、400万円前後の贈与税がかかりますが、この制度を利用すれば贈与税がかかりません)

独身の今からできる、家計の見直し方法は?

  • 貯蓄額さえ決めれば、あとは自由に使ってOK!

    将来の結婚や出産で焦らないためにも、今からできるだけお金を貯めておきたいもの。お付き合いしているパートナーがいる場合は、前出の「人生設計の基本公式」を使って必要貯蓄率を算出し、ふたりでコツコツ貯金を始めるのもいいかもしれません。「必要貯蓄率をもとに貯蓄額を決めれば、そのほかのお金は自由に使って大丈夫。それほど家計を細かく気にする必要はありませんよ」。

    現在パートナーがいなかったり、恋人と将来やお金の話がしづらかったりする人は、理想的な家計支出の目安をチェックしてみて。下の表をヒントに、将来を見据えてのお金の使い方を、ぜひ一度見直してみましょう。

  • 理想的な家計支出の目安 手取り25万円の場合
    預貯金 10%以上 2.5万円以上
    住居費 14~34% 3.5~8.5万円
    食費 15~19% 3.75~4.75万円
    水道・光熱費 4.5~5% 1.13万円~1.25万円
    交通・通信費 6~8% 1.5~2万円
    生命保険料 1〜3% 0.25万円~0.5万円
    被服費 4~5% 1~1.25万円
    美容費 4~5% 1~1.25万円
    健康・衛生・医療費 4~5% 1~1.25万円
    交際費・おこづかい 13~15% 3.25~3.75万円
    自己投資費 4~5% 1~1.25万円
    その他 4~5% 1~1.25万円
  • ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさん

    お話を伺ったのはこの方 ファイナンシャルプランナー 岩城みずほさん
    アナウンサーやリポーターなどを経て、ファイナンシャルプランナーに。セミナーや執筆、個人相談などを通して、お金にまつわるさまざまな情報を発信している。
    http://www.officebenefit.com/

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