「排卵痛」の原因と対処法は?妊娠しやすさとの関係も
「排卵痛」の原因と対処法は?妊娠しやすさとの関係も
公開日 2019/08/30
更新日 2019/08/30

「排卵痛」の原因と対処法は?妊娠しやすさとの関係も

生理が始まる2週間ぐらい前に、下腹部の鈍い痛みや不快感を覚えた経験はありませんか?実はその症状は「排卵痛」と呼ばれるものかもしれません。生理中でもないのにお腹が痛くなると、「もしかして何かの病気では?」と心配になる人もいるでしょう。

そこで今回は排卵痛の原因や症状、対処法について詳しく説明します。併せて「排卵痛と妊娠しやすい日の関係」についてもご紹介しますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。

監修:成城松村クリニック院長 松村圭子

排卵痛ってどんな症状?いつ起こるものなの?

  • 排卵痛は下腹部の痛みですが、どんな症状なのか知らない人もいるでしょう。まずは排卵痛の症状や起こるタイミングから説明していきます。

  • 排卵痛の症状

    排卵痛とは、その名前の通り排卵が原因で起こる痛みのこと。排卵がある女性の全員に起こるものではなく、10代後半~40代半ばの女性の2人に1人が経験していると言われる症状です。つまり、排卵のある女性のうち2人に1人が排卵痛に悩まされていることになります。

  • 排卵痛は下腹部に針を刺されているようなチクチクとした痛みが特徴です。痛みの強さには個人差があり、痛み止めが必要なほど強い人もいれば「なんとなく気になるかな?」という程度の人もいます。痛みが強い人だと痛み止めを飲んでも日常生活が辛い場合もあるので、決して「たかが排卵痛」とあなどれません。痛みが続く期間は人によって異なりますが、だいたい1〜3日程度でおさまる場合がほとんどです。

  • 排卵痛はいつ起こる?

    生理周期が28日前後の人は、生理がスタートしてから14日目頃に排卵が起こります。そのため、生理から2週間経ったぐらいの時期に感じる下腹部の痛みは、排卵痛である可能性が高いと言えます。

    とはいえ排卵日はそのときの体調によって多少は前後するものです。本当に排卵痛かどうかを見極めるためには、日頃から基礎体温を測っておくとよいでしょう。生理開始日からしばらくは低温期で低めの体温が続きますが、排卵を境に高温期に入り、基礎体温はグッと上昇します。基礎体温が上がるのと同じ時期に起こる下腹部の痛みは、排卵痛であると思われるので安心しましょう。ただし、あまりにも痛みが強かったり、1週間以上続いたりするときは念のため産婦人科で診察をしてください。

排卵痛の原因は何?そのまま放置しても大丈夫?

  • なぜ下腹部に痛みが出るのでしょう。排卵痛の原因、そのまま放置しても良いのかについて説明します。

  • 排卵日前後の不調はなぜ起こる?

    排卵日前後の不調は排卵痛のような痛みだけではありません。

    ・体のだるさ

    ・眠気

    ・むくみ

    ・冷え

    など、体のあらゆる部分に不調が出てくることがあります。排卵は女性が妊娠するために必要なものですが、一体なぜ痛みなどの不調が現れてしまうのでしょうか。

  • 排卵痛を含めた体の不調は、女性ホルモンのバランスが影響しています。生理が始まると女性の体は妊娠に備えて準備を始め、子宮内膜を厚くするために「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンを分泌。そして排卵が起こると、今度は厚くなった子宮内膜を赤ちゃんのベッドとしてふかふかにするために「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンが活発に分泌されます。このように排卵を境にエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が急激に変動するので、体に負担がかかって体調不良を引き起こすのです。

  • そして痛みは排卵時に卵胞が破れてしまうことが主な原因です。卵胞が破れることで流れ出る卵胞液が腹膜を刺激することで、痛みを感じるという仕組みです。

  • また、排卵のときの女性ホルモンの急変動の影響で、出血を伴ったりもします。生理以外のときに出血すると驚く人が多いでしょうが、排卵が原因であれば問題ない場合がほとんどです。

  • 下腹部の痛みは病気の可能性も

    では、排卵痛が起こったときはそのまま放置しておいても良いのでしょうか?はっきりと排卵痛だと分かっていれば自分で対処してもかまいませんが、下腹部の痛みには病気が隠れているケースもあるので注意が必要です。例えば「子宮内膜症」という病気では、激しい生理痛のほか、生理時以外でも下腹部痛や腹部の違和感などの症状が出ます。

  • そのため、タイミング的に排卵痛かなと思っても、症状が重い・不安がある場合は病気が隠れていないか一度は産婦人科で相談するのが安心です。どの病気も早期発見・早期治療が大切なので、健康な妊娠・出産のためにも、定期的に産婦人科を受診しておくとよいでしょう。

排卵痛の対処法をご紹介!

  • 妊娠するために必要とはいえ、毎月排卵痛に悩まされるのは辛いものです。生理痛を抱えている人は「排卵痛だけでも何とかできたら」と思うでしょう。そこで排卵痛が起きたときの対処法をいくつかご紹介します。症状が強く出る前に試してみてください。

  • 1生活習慣を整える

    生活習慣が乱れていると、排卵痛や排卵による体調不良が出やすくなります。栄養バランスの取れた食事を摂取し、ウォーキングなど軽い運動を週に2〜3回行うのがおすすめです。また、睡眠に関しては質が重要になります。長い時間寝るのを目標にするのではなく、毎日決まった時間に寝起きしたり、寝る1〜2時間前にはスマホやパソコンなど脳を覚醒させるものを見るのを控えたり、ぐっすり眠れるような対策を行いましょう。

  • 2体を内側と外側から温める

    排卵痛を和らげるには体を温めるのも効果的。体を温める方法は下記の通りです。

    ・カイロや湯たんぽなどで下腹部を温める

    ・入浴はシャワーではなく湯船に浸かる

    ・冬場はマフラーや手袋、レッグウォーマーなどを使って防寒対策をする

    ・生姜、唐辛子、冬が旬の食材を使った料理で体の内側から温める

    ・飲み物は常温かホットで飲む

  • 入浴するときのお湯の温度は、高すぎると体に余計な負担がかかってしまいますので、ぬるめのお湯で長めに入浴しましょう。また、キツい下着やデニムなど体を締め付ける衣服は、血行が悪くなるので体の冷えに繋がります。排卵痛があるときはできるだけゆったりした服装で過ごすのがおすすめです。

  • 3適度にストレスを発散する

    ストレスが溜まっていることも排卵痛の悪化に繋がるので注意しましょう。「そろそろ排卵日かな」と感じたら、軽い運動をしたり趣味の時間を多めに取ったりして、ストレスを溜め込まないように注意しましょう。過度なストレスは生理痛の悪化にも関係するので、できれば日頃から溜めないように努力をしておくのがおすすめです。

  • 4薬を飲む

    生活を改善しても痛みが辛いときは、我慢せずに鎮痛剤を飲みましょう。鎮痛剤は痛みがひどくなる前に飲むようにすると効果的です。また、ピルを飲むと、排卵自体が抑えられるので、痛みも起こりません。ただしピルを飲んでいる間は妊娠ができません。妊娠を希望している人は、期間やタイミングを医師と相談してから飲みましょう。

排卵痛と妊娠しやすい日の関係は?

  • 排卵日に起きるのが排卵痛です。妊娠を望む方は、ご自分の排卵日をできるだけ正確に予測したい、と思われるかもしれません。排卵痛があると「きょうが排卵日だ!」というサインを受け取れますよね。

    ただし排卵日を前もって予測することは困難です。基礎体温をつけている方は、低温期から高温期に変わった時を「排卵があった」と推定することができます。ただ、それはあくまで「排卵があった日」を事後に測定すること。事前に予測して妊娠にそなえたい方は、「排卵検査薬」を使ってみましょう。排卵に伴うホルモンの変化で排卵日を予測することができます。

    ちなみに「排卵日」と「妊娠」に関しては、卵子の生存期間が24時間程度であるのに対し精子が2~3日と言われていることから、「排卵日より1~2日ほど前」に性交渉をし、排卵に備えるのが良いとされています。

  • 排卵痛は、人によっては鎮痛剤を使用しても鈍い痛みが残ることもあり、「もしかして病気なのでは」と不安に感じている人もいるでしょう。しかし排卵痛自体は病気ではなく、ホルモンバランスや、卵胞が破れて流れ出た卵胞液が腹膜を刺激することが原因です。痛みが出たときは適切な対処をすることである程度は症状を和らげられるので、ぜひ試してみてください。

  • ただし先ほども説明した通り、痛みや不調の原因は必ずしも排卵が原因だけとは限りません。重大な病気の前兆の可能性もあるので、不調が続いている方は一度産婦人科で検査してもらいましょう。

  • 排卵痛は辛いものですが、女性の体が妊娠するために排卵は必要な現象です。痛みを和らげるよう対処し、上手に付き合っていく方法を見つけていきましょう。

  • 成城松村クリニック院長 松村圭子

    監修者プロフィール 成城松村クリニック院長 松村圭子
    専門分野は婦人科。日本産科婦人科学会専門医。2010年、成城松村クリニックを開院。婦人科疾患のみならず、女性のトータルケアをサポートする。月経トラブル、性感染症、更年期障害など女性のあらゆる不調に対応するために、西洋医学だけでなく漢方薬やサプリメント、オゾン療法、高濃度ビタミンC点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。また女性の美と健康に関する知見を活かし、さまざまなメディアで活躍。著書に『「女性ホルモン力」を高める簡単ごはん』(芸文社)、『女性ホルモンがつくる、キレイの秘密』(永岡書店)、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本』(日東書院)など。

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