悩む夫婦も少なくない!?「二人目不妊」の原因と対策
悩む夫婦も少なくない!?「二人目不妊」の原因と対策

2019/01/25

悩む夫婦も少なくない!?「二人目不妊」の原因と対策

晩婚・晩産化にともない、最近悩む人も多いと言われる「二人目不妊」。一人目は自然に授かっている場合はどうなのか?など、今回は、二人目不妊に関する要因を産婦人科医の堀量博先生に伺いました。

取材・文:伊藤律子(京田クリエーション)

「二人目不妊」の背景にあるのは晩婚化・晩産化

  • 最近、「二人目不妊」という言葉を耳にしますが、まずはその背景について、産婦人科医の堀量博先生に伺ってみると「初婚年齢が上がってきており、やはり二人目の不妊はそれに関係しているでしょう。やっと一人目を産んで終わり、という現状もあると思います」とのこと。実際に初婚年齢と初産年齢について調べてみると、ともに上昇が続いており、晩婚化・晩産化は進行しています。

  • 【平均初婚年齢】

    2016年(平成28年)男性:31.1歳 女性:29.4歳

    1985年(昭和60年)と比較すると、男性は2.9歳、女性は3.9歳上昇

  • 【出産時の母親の平均年齢】

    2016年(平成28年)

    第1子:30.7歳  第2子:32.6歳  第3子:33.6歳

    1985年(昭和60年)と比較すると、第1子は4歳、第2子では3.5歳、第3子では2.2歳それぞれ上昇しており、いまや「30歳を超えての初産がスタンダード」になってきています。(平成30年度版 内閣府 少子化社会対策白書より)

  • 2015年(平成27年)、夫婦に「理想的な子供の数」をたずねた内閣府のデータ( ※1)では2.32人、「夫婦が実際に持つつもりの子供の数」は2.01人と、過去最低となっています。

  • さらに、妻の年齢別に「理想の子供の人数を持たない理由(2015年)」を聞いている調査(※2)では、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が56.3%ともっとも多い理由ではあるものの、この理由は2010年(平成22年)の調査に比べると減少。一方で、「高齢出産で産むのはいやだから」(39.8%)、「欲しいけれどもできないから」(23.5%)の2つは、前回調査より上昇しています。世の中的にも、「理想の人数は2人だけれど、自分の体を考えると諦めてしまう」という人が増えていると考えられそうです。

  • ※1 資料:国立社会保障・人口問題研究所「第 15 回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2015 年) 注:対象は妻の年齢 50 歳未満の初婚どうしの夫婦。

    ※2資料:国立社会保障・人口問題研究所「第 15 回出生動向基本調査(夫婦調査)」(2015 年)  注:対象は予定子供数が理想子供数を下回る初婚どうしの夫婦。予定子供数が理想子供数を下回る夫婦の割合は 30.3%。

「二人目不妊」は加齢による卵子の質の低下、数の減少が要因

  • 「二人目が欲しいけれどできない」、その要因で一番大きいのは、加齢による卵子の質や数の低下です。

    「人の卵子は、生まれるときには200万個程度、生理が始まる思春期の頃には20~30万個。そして、1000個を切ると閉経すると言われています。毎月生理のたびにたくさんの卵子が減り続けます。そして、35歳を過ぎると抗ミュラー菅ホルモン(AMH)が、がくんと減るのがひとつの目安。35歳を境に妊娠率は大きく落ち、体外受精の場合でも確率が減ります。また、40歳になれば“乳がん年齢”。自分の健康もきちんと考えなくてはいけません」。(堀先生・以下同)

  • 男性側の精索静脈瘤なども原因に

  • 「一方、男性サイドでは、精子があまりできない精索静脈瘤が悪化して、二人目不妊に、ということもあります。精巣のとなりに静脈瘤というものがありますが、温まると精子の数が少なくなり、年を経て精子の状態が下がってしまう。1人目は偶然、自然妊娠できるレベルだったけれど、二人目は難しいというケースです。ただ、これは調べてみないとわからず、個人差も大きいです」。

  • 「二人目不妊」の治療開始は「年齢に合わせて考える」が基本

  • とくに女性は加齢が大きく影響していますが、二人目不妊をどのタイミングで相談すればよいのか迷います。

    「不妊症というのは、子作りを1年間努力していてもできない場合を言いますが、これもいまは年齢が上がってきているので、20代の1年と40歳の1年は違います。40歳近いなら、もちろん、早めに調べたほうがいいですね。一方、一人目を自然に授かった人、1回のタイミングでできた人などは、二人目を作ろうと努力して半年くらいできないと『二人目不妊!?』と思い込んでしまう。20代なら、あまりに焦りすぎて不妊治療のステップをどんどん進めてしまうのも、個人的にはどうかと思います。つまり、年齢に応じて相談が必要ということです」。

一人目が自然妊娠だった人こそ、意識を

  • 一人目が自然妊娠だった場合、なんとなく「私は大丈夫」と思いがち。でも、二人目不妊を意識しておいたほうがよいのは、どちらかというと一人目で不妊治療をした人よりも、自然妊娠だった人なのだとか。

    「一人目で不妊治療をしていると、二人目も早くしようと意識する。一度、不妊治療を経験していると、時間のかかり方などもわかっているので、『ここまでに欲しかったら、そろそろかな…』と意識して病院に行きます。でも、一人目が自然だと、なかなか通院のタイミングがわからない。でも、一人目が自然妊娠だったからといっても、35歳を過ぎたら妊娠しにくくなるのは同じですから。『二人目不妊』という言葉に踊らされすぎるのもよくないですが、気にするのはよいこと。年齢に応じて、早めにクリニックにいってチェックしましょう」。

  • お話を伺ったのはこの方 堀産婦人科 院長 堀 量博先生
    日本産婦人科学会認定医、日本臨床細胞学会指導医、母体保護法指定医
    かかりつけ医としての役割を担いながら、先端医療施設と連携して高度な医療を提供している。

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