【産婦人科医監修】二人目不妊の原因は?一人目が自然妊娠でも受診や不妊治療が必要?
【産婦人科医監修】二人目不妊の原因は?一人目が自然妊娠でも受診や不妊治療が必要?
公開日 2021/04/21
更新日 2021/04/21

【産婦人科医監修】二人目不妊の原因は?一人目が自然妊娠でも受診や不妊治療が必要?

二人目の子どもが欲しいと思って努力しているにもかかわらず、妊娠しないケースを「二人目不妊」と呼ぶことがあります。これは、年齢などのさまざまな原因によって、一人目よりも妊娠しにくい状況になっていることが考えられます。なかなか妊娠できないのは単なる偶然なのか、不妊治療を考えたほうがよいのか……、受診や治療開始のタイミングなど、いま二人目が欲しい人も、将来的に欲しいと考えている人も知っておきましょう。

監修:小川クリニック院長 小川隆吉先生
執筆:友永由紀(ライター)

二人目不妊とは?

  • 二人目不妊に明確な定義はありませんが、一般的には「一人目の授乳が終わってから、避妊をせずに性交渉をしているのに、1年妊娠しない状態」をいいます。

  • 「一人目ができたのに二人目がなかなかできない」「きょうだいを早くつくってあげたい」など、二人目不妊の悩みをもつ人もいるといわれています。また、「一人目の子どもができずに悩んでいる人のことを思うと、誰にも相談できない」と一人で悩む人もいます。

  • しかし、二人目不妊の場合も「子どもが欲しいのにできない」という点では同じで、一人目の不妊も二人目の不妊も治療の考え方は同じです。

二人目不妊の原因

  • 二人目不妊になる原因はいくつかあげられます。もともと不妊の原因は不明であることが多く、男女どちらか一方に原因があるとは言えません。二人目不妊も同様に、複数の要因が重なり合っていると考えられます。

  • 決して「一人目ができたのだから、二人目もできないのはおかしい」というわけではありません。

  • 加齢による妊娠のしにくさ

    二人目を望むころは、一人目を妊娠するころよりも夫婦ともに年齢を重ねています。その分、母体や卵子、精子が老化しているため、そもそも妊娠しにくくなります。

  • 令和元年(2019年)の厚生労働省人口動態統計によれば、「第1子出生時の母の平均年齢」は30.7歳となっています1)。

  • 2017年の日本産科婦人科学会の報告では、30歳を超えると妊娠率が下がることがわかっています2)。二人目を望むタイミングが遅くなるほど、必然的に妊娠の確率は低くなってしまいます。

  • 一人目出産後の身体の変化

    一人目の際の帝王切開による子宮の傷が原因で受精卵の着床が困難になることがあります。また、子宮内膜症・子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因で妊娠率が低下することもあります。

  • パートナー側の要因

    一人目の妊娠時とはパートナーの状況が変化しているために、妊娠が難しくなるケースもあります。ストレスや生活環境の変化、加齢により男性側の精子の数や活動率が低下した、仕事が忙しくなり性交渉の機会が少ない、性交ができないなどの理由があげられます。

二人目不妊の対策

  • 二人目不妊も一人目の不妊も不妊症の対策はほぼ同じです。まずは自分やパートナーの状態が不妊にあたるのかをチェックしましょう。そのうえで医師に相談し、検査を受けることが大切です。

  • 不妊治療のタイミングを見極める

    医師の不妊治療の方針や母体の年齢によって異なりますが、一般的には妊娠を望んで定期的に性交渉をしているにもかかわらず、1年間妊娠兆候がなければ不妊治療を検討します。

  • 母体の年齢が35歳を過ぎている場合、半年程度で治療を決断してもよいでしょう。

  • 不妊治療が必要かをチェックしましょう

    授乳をしていると、脳下垂体からプロラクチンというホルモンが分泌されるため、排卵が抑制されます。授乳が終了して月経が始まってから1年以上(母体の年齢が35歳以上なら半年)妊娠を目指していて、次のようなことが思い当たる人は産婦人科医に相談してみましょう。

  • ●女性側

    月経の量が多すぎたり少なすぎたりする

    月経痛が強い

    月経周期が不規則

    第一子の出産時に帝王切開、子宮外妊娠などがあった

    第一子出産後に性病に感染した

    第一子出産後に大きな手術をした

  • ●男性側

    性機能に問題がある(勃起不全、射精できないなど)

    精巣の手術をしたことがある

    第一子出産後におたふくかぜにかかった

    他のパートナーとの間に不妊の経験がある(再婚の場合など)

不妊治療を決断する前に考えたいこと

  • 不妊治療を始める前に、パートナーと二人で実行できることのチェック、不妊治療によって今後の生活がどうなるかなどのライフプランを立てておきましょう。

  • どちらか片方が負担になったり、心理的なプレッシャーが大きくなったりすると妊娠しにくくなるうえ、一人目の子どもへの精神的な影響も懸念されます。

  • 肥満や喫煙、生活習慣病などの問題をクリアしているか

    年齢が高くなるにつれて妊娠しにくくなります。それらを放置せず積極的に治療をし、生活習慣などを見直して少しでも妊娠しやすい状況に近づけます。

  • 睡眠や食事など健康的な生活を心がけているか

    日々、心身を健康に保つことを心がけます。ストレスや不眠などを避けるのはもちろん、男性なら睾丸を温めすぎない工夫(膝の上でノートパソコンを使わない、長風呂やサウナを控えるなど)や、女性は身体を冷やさないといった日常生活の配慮も大切です。

  • 不妊治療にかかる経済的な問題について納得しているか

    受診の結果、どのような治療法を選ぶにせよ不妊治療には高額の医療費がかかります。公的な補助金、家族からの援助なども含め、どれだけの金額までなら生活に影響がないかなどを考えます。経済的な負担が大きくなると、長期的な治療は難しくなります。

  • 一人目の子どもの世話や家事などの負担や分担について理解しているか

    パートナー同士が家事や育児を協力して行うことをきちんと理解しているでしょうか。不妊治療は女性の身体に大きな負担がかかる場合が多いため、家事や育児の負担がかからないような調整、特にパートナーの意識改革が重要です。

  • 二人目の妊娠をあきらめるタイミングと条件について話し合っているか

    二人目をほしがり続けることは、一人目の子どもの精神的な負担にもなりかねません。経済的にも心身の負担のためにも、いつまで不妊治療を続けるのかを決めておくとよいでしょう。

  • 【医師監修】はじめての妊活、必ず知っておきたい基本の知識

  • ※本ページに記載されている情報は2021年3月31日時点のものです。

  • 小川隆吉先生(小川クリニック 院長)

    小川隆吉先生(小川クリニック 院長)
    医学博士、日本産婦人科学会専門医。1975年日本医科大学を卒業後、医局を経て1995年4月まで都立築地産院産婦人科医長として勤務。元日本医科大学産婦人科講師、日本産科麻酔科学会会員、日本胎児心臓病学会員、日本不妊学会会員。『HAPPY妊娠・出産ガイドBOOK』(ベネッセコーポレーション)の総監修を務めるほか、著書に『いちばんためになる はじめての妊娠・出産』(成美堂出版)などがある。
    https://www.ogawaclinic.or.jp

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