自治体独自の制度もチェック!不妊治療の助成金
自治体独自の制度もチェック!不妊治療の助成金

2018/09/20

自治体独自の制度もチェック!不妊治療の助成金

晩婚化にともない、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦は約5.5組に1組(※)と言われています。
なかでも悩みの種となるのが、ステップアップしていくほど高額になる不妊治療費ですが、受給資格を満たしていれば、国や自治体からの助成金を受け取ることができます。
そのしくみと、自治体の取り組み例をご紹介します。
※国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年6月)

監修:山口京子(ファイナンシャルプランナー ) 文:伊藤律子(京田クリエーション)

助成金は、初回30万円/2回目以降は15万円

  • 助成金が受けられる「特定不妊治療助成制度」は主に、保険適用外である「体外受精」「顕微授精」が対象。「人工授精」や、保険適用となる「タイミング法」は対象になりません。助成金の支給を受けるには、所得や年齢といった制限がありますが、通常、初回の治療は30万円まで、2回目以降は15万円までの助成金が受け取れます。助成金は、実際にかかったお金があとからキャッシュバックされる仕組み。不妊治療はステップが進むと治療費が高額になるため、複数回の助成で治療がバックアップされています。

  • また、特定不妊治療のなかで、男性の精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行った場合は、1回の治療につき15万円まで助成があります。

  • 【厚生労働省が定める特定不妊治療の条件】

    ・医師から、体外受精あるいは顕微授精以外の方法では妊娠する可能性が極めて少ないと診断されたこと

    ・法的に婚姻した夫婦であること

    ・妻の年齢が43歳未満であること

    ・夫婦の所得額が合わせて730万円未満であること

  • この所得額は、額面でも、手取りでもありません。収入から税法上の必要経費を引いた額ー8万円ー諸控除=所得額です。会社員なら給与所得控除を引いた額から8万円を引き、さらに医療費などの諸控除を引いた残りの額になります。額面とは大きく違いますのでご注意を。わからなければ役所の窓口に聞いてみましょう。

  • 【限度額】

    初回30万円まで、2回目以降は1回15万円

  • 【年齢】

    ・初回が40歳未満の場合:通算6回まで

    ・初回が43歳未満の場合:通算3回まで

  • 厚生労働省によると、特定不妊治療助成制度による助成金を受けている人は、年々増加傾向にあり、平成16年度は助成延件数1万7657件だったのに対し、平成25年には14万8659件にも増えています。

住んでいる所により、助成金制度はもちろん、対象年齢まで異なる!?

  • 上記で紹介した国の助成事業を実際に行うのは、都道府県、指定都市、中核市です。同じ国の制度でも、助成金の上限などはそれぞれに任されているため、上限や回数がアップされたり、独自の上乗せ制度があるところも!

  • まずは、「自分がどこに助成金の申請をするのか」をチェックしましょう。住んでいるのが中核市や大きな指定都市なら「市」、それ以外は「都道府県」です。次に、住んでいる市区町村で上乗せの支援があるか、市区町村のホームページを必ずチェックしましょう。

  • 例えば、東京都に住んでいる場合、八王子市は中核市なので「八王子市」に申請します。それ以外は「東京都」に申請します。市区町村で独自の支援をしている場合は、東京都に申請をしたあとに区や市の申請ができるので、主治医の先生に書いてもらう「特定不妊治療費助成事業等証明書」のコピーを取っておくことをお忘れなく!では、独自の支援例を見てみましょう!

  • ◆高知県は「年齢制限なし」が特徴!

    国の規定では年齢制限がありますが、高知県は年齢制限がないのが特徴。また、2回目以降の限度額も、国で定めている助成金に5万円上乗せした、「上限金額20万円」に設定されています(ただし治療内容によっては、上限12万5000円)。

  • ◆群馬県高崎市は「7回目以降も助成」「交通費も助成」。さらに「一般不妊治療は年齢、所得制限なく支援」と手厚い!

    国の助成が受けられるのは通算6回まで(初回が40歳未満の場合)ですが、高崎市では、7回目以降も助成。さらに嬉しいのが、通院の交通費も助成してくれる点。県内医療機関の場合は申請1回につき2000円、県外医療機関の場合は申請1回につき1万円です。また、タイミング法や人工授精などの「一般不妊治療」も、上限10万円で、年齢、所得制限なく助成があります。

  • ◆新潟県は、「所得が730万円以上でも一定の助成金」がある!

    国の助成対象は、「夫婦合計の所得額が730万円未満」ですが、新潟県ではこれが730万円以上でも助成されます。夫及び妻の所得の合計額が730万円以上の場合、1回の治療につき対象経費の2分の1を助成、7万5000円(一部治療は3万7500円)までとしています。

  • ◆埼玉県は、35歳未満の夫婦に手厚い助成が!

    埼玉県の「早期不妊治療費助成事業」は、35歳未満に手厚い助成がある制度。埼玉県内で行っている特定不妊治療費の初回助成を受けた方のうち、1回目の治療開始時に妻の年齢が35歳未満の夫婦が助成の要件を満たした場合、10万円を上限に上乗せ助成してくれます。また、夫婦そろって受けた不妊検査費用の助成もあります。

  • ◆東京都は2018年4月から、「事実婚夫婦」も助成対象に!

    国の助成条件では「法的に婚姻した夫婦であること」とありますが、東京都では今年4月、事実婚カップルに対する不妊治療の公的助成を認めました。「事実婚の場合は、1回の治療の初日から申請日まで夫婦で継続して東京都(八王子市以外に住民登録をしている方。他に法律上の配偶者がいない方)に住民登録していること」としています。

  • ◆北海道東川町は、なんと「健康保険適用外の不妊治療を全額助成!」

    北海道東川町では、不妊治療で健康保険が適用されない分野の費用を、町が全額助成する制度があります。「不妊治療のうち一般不妊治療の人工授精や、特定不妊治療の体外受精(顕微授精を含む)の治療費全額を助成します。助成は第1子のみ対象です」としています。

  • いかがでしたか?不思議なほど、内容が異なる不妊治療の助成。さらに、これから先、ニーズに合わせてどんどん助成内容が改正されていくことも見込まれます。金銭面でなるべく負担を減らすためにも、しっかりアンテナをはって、住んでいる地域の助成を調べてみてください!

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