35歳を目安に衰えるってホント!? 加齢と精子の意外な関係
35歳を目安に衰えるってホント!? 加齢と精子の意外な関係

2018/09/07

35歳を目安に衰えるってホント!? 加齢と精子の意外な関係

記事配信:Seem

監修:獨協医科大学越谷病院 泌尿器科主任教授 リプロダクションセンター長 岡田 弘先生

「卵子の老化」と同じように、精子も老化する

  • 女性の社会進出や晩婚化の影響によって、日本女性の初産年齢は年々上昇しています。1980年は25.2歳だったのが、2000年には27.0歳に。そして、2012年にはかつて「高齢出産」と言われた30歳(現在は35歳以上)を突破しました。いまや、30歳以上で初産を迎えるのが当たり前の時代となっています。

  • 子どもを産める年齢に限界がある女性と違って、夫である男性の第一子出産時の年齢が、話題にのぼることはほとんどありません。けれども実は、女性と同じように上昇傾向にあるのです。1980年は27.8歳だったのが、2000年には28.8歳に。そして、女性同様にその後30歳を突破し、2014年には32.6歳となっています。

  • 女性の妊娠する力は年齢を重ねるごとに衰えていく、というのは周知の事実。さらに、医学の進歩によってその原因は「卵子の老化」によるものであることが明らかになりました。数年前にマスコミを賑わしたこともあって、「卵子の老化」は一般的に広く知られるようになってきています。

  • ところが実は、老化するのは卵子だけではありません。男性のカラダでつくられる精子も、年齢を重ねるごとに衰えていくのです。驚いた人も少なくないと思いますが、精子も老化することを覚えておきましょう。

  • 【父親・母親の第一子出産時の平均年齢推移】

35歳ころを目安に、精子の力は衰え始める

  • では、何歳ころから「精子の老化」は始まるのでしょうか。「男性不妊」で悩む人とたくさん向き合ってきた岡田弘先生によると、精子の力は35歳ころから衰えていくと言います。

  • 岡田弘先生のところでは、マウスから取り出した卵子にさまざまな男性の精子を入れて実験を実施。その結果、加齢によって精子機能が変わらない男性と、精子機能の低下が見られる男性の2つのパターンにわかれたそうです。後者の男性のデータを詳しく分析していくと、35歳を境に機能低下がスタートすることが判明。もちろん個人差はあるものの、35歳という年齢が精子の力が衰え始める目安になるといえるでしょう。

  • 岡田先生が所属する獨協医科大学越谷病院などでは、「精子の妊娠させる力」を調べることができる「精子機能検査」を実施しています。通常の精液検査でわかるのは、精子の数や動き、形態だけですが、この検査によって精子の受精させる力までを検査することが可能なのです。

「男は何歳でも子どもをつくれる」という考え方は捨てること

  • 「射精できる限り、男はいくつになっても子どもをつくることができる」と思っている男性は多いでしょう。けれども、35歳を目安に精子は老化していく危険性があるのです。将来、子どもが欲しいと思っている男性は、「精子の老化」のことも念頭に置いてパートナーと将来計画を立てるようにしましょう。

  • 結婚や出産は、早ければいいというものではありません。けれども、両親が高年齢のカップルの場合、染色体異常のある子どもが産まれる確率が高まってしまいます。また、若いカップルとくらべて養育期間が短くなるため、子どもをじゅうぶんサポートできない可能性も高まるでしょう。さらに、高齢になると体力が低下するため、子どもと一緒に遊べる時間も少なくなってしまいがちです。

  • このように、子どもの幸せを第一に考えると、結婚や出産は先延ばしにしないことが大事。自然妊娠を目指すにしても、不妊治療を行うにしても、行動を起こすのは早ければ早いに越したことはないのです。すでにパートナーがいる人は、自分たちの幸せのことだけでなく、将来産まれてくる子どもの幸せも考えて、ライフプランを描くようにしてください。

  • 岡田 弘先生	獨協医科大学越谷病院 泌尿器科主任教授

    お話を伺ったのはこの方 岡田 弘先生 獨協医科大学越谷病院 泌尿器科主任教授
    男性不妊を専門とする泌尿器科医の第一人者。
    30年にわたり、最前線にて日本で最も多い男性不妊患者の臨床にあたる。
    特に無精子症に対する最先端治療であるMD-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)においては、日本で最も症例数が多い。

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