【FP監修】妊活や不妊治療はいくらかかる?助成金の条件や家計を助ける方法とは
【FP監修】妊活や不妊治療はいくらかかる?助成金の条件や家計を助ける方法とは
公開日 2018/01/10
更新日 2019/10/11

【FP監修】妊活や不妊治療はいくらかかる?助成金の条件や家計を助ける方法とは

赤ちゃんが欲しいと思ったら始めるのが「妊活」です。
すぐにでも授かりたいという人は、不妊治療も選択肢にあがってくることでしょう。
妊活や不妊治療を始めるときには、費用の目安を知っておきたいものです。
特に不妊治療は高額になることがあるため、しっかり情報集めをして資金計画を立てることが大切です。

そこでこの記事では、妊活や不妊治療のお金について、助成金や家計対策などとあわせて紹介します。

監修:株式会社プラチナ・コンシェルジュ 執筆:張替 愛

妊活はどのくらいお金がかかるの?

  • 「良いコンディションで妊娠したい」「早く妊娠したい」と思ったら、妊活は何かとお金がかかってきます。妊活に長く熱心に取り組む人ほど総額は膨らみやすいので、妊活による出費がどのくらいなのかをしっかり把握するようにしましょう。

  • <妊活でかかる費用の例>

    妊娠検査薬…数百円ほど(1回分)

    基礎体温計…数千円ほど

    排卵検査薬…数千円ほど(複数回分)

    妊活用のサプリや漢方…数百円~数千円ほど

    冷え性対策グッズの購入…数千円ほど

    はり治療・ヨガ・整体など…1回数千円ほど など

  • 病院に行く目安は?

    赤ちゃんが欲しいと思っても、すぐに妊娠するとは限りません。一般的には妊活を始めて1年たっても赤ちゃんを授からなければ「不妊」と定義されています。病院で不妊治療を受けることを考えてみてもよいでしょう。

    「早く子どもが欲しい」「年齢が高めだから心配」などの理由があれば、1年を待たずに数カ月で受診するのもひとつの手です。

  • 不妊治療は高額とは限らない

    不妊治療というと、100万円や200万円などの高いお金がかかると耳にしたことがあるかもしれません。実際には、ひと口に不妊治療といっても不妊原因や状況により治療法は異なるため、かかる費用も大きく違ってきます。特に、健康保険がきく治療ときかない治療では費用に大きく差があります。

保険がきく不妊治療でかかるお金は?

  • 不妊治療は健康保険がきく検査や治療から行うのが一般的です。保険がきく検査や治療だけなら、それほど高額な金額にはなりません。ただ、何回も通院が必要だったり、薬による副作用で体調が悪くなることもあるので気にかけておきましょう。

  • 不妊検査

    費用の目安:1つの検査につき数百円から1万円ほど(保険適用後の自己負担金額)

  • 不妊治療のために病院に行くと、まずは不妊検査で原因を探るのが一般的です。女性ホルモンの量を調べる血液検査、子宮や卵巣の状態を見る超音波検査、卵管が正常に疎通しているかどうかを確認する卵管造影検査、男性の精子検査などがあります。

    月経周期に合わせて検査を行うため、何回か通院が必要となります。

  • タイミング法

    費用の目安:1回数千円ほど(保険適用後の自己負担金額)

  • 基礎体温や不妊検査の結果などを参考にしながら排卵日を予測し、最も妊娠しやすい時期に合わせて性行為をする治療法です。排卵誘発剤を使って排卵をうながすこともあります。

    排卵日を予測するための超音波検査などを、月に2回受けたり排卵誘発剤を使ったりすると、保険適用外になり、1~2万円かかることもあります。

保険がきかない不妊治療にかかるお金は?

  • 保険がきく治療でうまくいかないときは、保険がきかない不妊治療をすることができます。ただし治療費が全額自己負担となるため、高額になりやすいのです。

    受診する病院や治療状況によってもかかる費用は変わってくるので、ゆとりをもって準備しておくと安心です。

  • 人工受精

    費用の目安:1回1万円~3万円ほど(保険適用外)

  • 通常、タイミング法の次のステップとして位置づけられています。排卵の時期に合わせて、精子を子宮内に注入器で直接注入する治療法です。ひと月に2日~6日ほどの通院が必要となります。

  • 体外受精

    費用の目安:1回20万円~60万円ほど(保険適用外)

  • 人工授精を5回~6回続けても妊娠しない場合、体外受精などの次の治療法を提案されます。

    排卵前に手術で卵子を体内から取り出し、精子との受精を体外で行ってから受精卵を子宮に戻す治療法です。確実に受精をさせてから体内に戻すため、一般的には人工授精に比べ妊娠する率があがります。

    ただし術後の痛みや薬の副作用のため連日の通院などが必要になることもあり、お金以外の負担も大きくなりやすい治療法です。

  • 顕微授精

    費用の目安:1回30万円~70万円ほど(保険適用外)

  • 体外受精の方法のひとつです。体外で卵子と精子を受精させる際、ガラスの針に一つの精子を入れ、受精するのを顕微鏡で観察します。男性で精液濃度や運動率が低い方に向いている治療法です。

国や自治体から不妊治療の助成金はいくらもらえる?

  • 高額な費用がかかる不妊治療については、国や自治体から助成金を受け取れることがあります。

  • 国の特定不妊治療助成制度とは?

    国の助成金は「特定不妊治療」である体外受精や顕微授精などが対象です。初回は最高30万円まで受け取ることができます。2019年4月からは、男性不妊治療でも助成金が出るようになりました。

  •  

     

     

     

    <国の特定不妊治療助成制度の概要>
    対象となる治療体外受精・顕微授精
    特定不妊治療の一環として行われた男性不妊治療
    対象者特定不妊治療を実施した法律上の夫婦
    (指定医療機関で医師の診断が必要)
    年齢制限治療初日に妻の年齢が43歳未満
    所得制限730万円(夫婦合算の所得を基準とする)
    給付内容(※1)・体外受精や顕微授精の治療1回につき最高15万円(初回は最高30万円)
    ・精子を精巣や精巣上体から採取するための手術などの治療1回につき最高15万円(初回は最高30万円)
    助成回数(※2)最高6回(治療初日に妻の年齢が40歳以上の場合は最高3回)

    ※1 凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等については給付制限あり

    ※2 2013年度以前から2015年度までに通算5年間助成を受けている夫婦は対象外

  • (資料:厚生労働省

    不妊に悩む方への特定治療支援事業」を元に作成)

  • 助成を受けるためには、お住まいの都道府県や市に申請するため、医師の証明書などを含めた申請書類をそろえる必要があります。申請期限は「1回の治療が終了した日の年度末」までが一般的なので、治療終了後は早めに申請しましょう。

  • 自治体独自の補助制度もチェック!

    国の助成制度のほかにも、都道府県や市区町村などで独自の助成制度があることがあります。自治体の助成制度は、「助成金をもらえる条件が緩和されている」「助成金の金額や助成回数が多い」など、国の制度をより充実させていることが多いです。

  • 例えば、東京都では事実婚の夫婦や所得の高い家庭も助成対象としていますし、埼玉県では妻が35歳未満の場合は初回のみ10万円を上乗せしています。まずはお住まいの都道府県や市区町村のホームページなどで確認してみてくださいね。

妊活・不妊治療にかかるお金の備え方

  • 不妊治療には助成制度があるものの、妊活費用の多くは自分たちの収入や貯蓄からまかなうことになります。そこで、妊活中の家計を楽にする案をいくつか紹介します。

  • 民間の医療保険で備える

    女性向けの保険のなかには、不妊治療を受けると給付金がもらえる保険があります。例えば、体外受精や顕微授精などを受けると1回数万円~10万円ほどの保険金をもらえるものなどです。

  • ただしこれらは妊活専用の保険というわけではないので、妊活のためというより、妊活を含めた妊娠や出産による入院(ただし通常分娩の場合は保障の対象外となるのが一般的)や、子育て中の病気リスクに備えるものと考えてくださいね。

  • また、不妊治療を始めてからでは、医療保険に加入することが難しくなる点にも注意してください。民間の保険で不妊治療や出産などに備えるためには、早めに検討し始めるとよいでしょう。

  • 「医療費控除」で不妊治療費の負担を減らす

    医療費控除とは、1年間に一定以上の医療費を支払った場合に、医療費の金額に応じて所得税や住民税が安くなるという制度です。

    不妊治療で医療費控除の対象となるのは、検査代や治療費、薬代、不妊治療のためのはり治療やマッサージ代などです。病院に行くときの往復の交通費も対象です。

  • 医療費控除を利用するためには医療費を支払った証拠が必要です。そのため、医療費のレシートは取っておき、病院までの交通手段や料金などはメモしておきましょう。申請は過去5年までさかのぼることができるので、妊活や出産が落ち着いてからでも大丈夫です。

  • 医療費控除は、妊娠や出産、家族分の医療費や歯医者代など、家族全体で医療費が高額になったときにはいつでも使える制度です。妊活をきっかけに制度の内容を調べて申請方法を覚えておけば、今後も家計を楽にする役に立つことでしょう。

  • 妊活後の家計も視野に入れて

    妊活が成功した先には、教育費・マイホーム・老後費用など、お金が必要となるイベントが待っています。そのため、妊活と仕事はうまく両立させて収入を減らさないようにすることも大切です。

  • 両立のためには、勤務時間の前や後、昼休みなどに行ける病院を選ぶと通院しやすいです。また、勤務先に半日単位の年次有給休暇制度などがあれば積極的に活用していきましょう。不妊治療のための費用補助や休暇制度を整えている企業もあるので、会社規定を確認してみてください。

  • 妊活や不妊治療の費用は、妊活の取り組み方や不妊治療の方法などによって千差万別です。不妊治療のなかでも、健康保険がきく検査や治療法だけであれば比較的安くすみます。

  • 健康保険がきかない体外受精などを行うと高くなりますが、国や自治体から助成金をもらえることがあります。ほかにも、民間の医療保険や医療費控除制度、会社の制度などを活用することで家計の負担を軽くできます。

  • 赤ちゃんを迎えるためにも、役立つ制度は漏れなく使って上手に妊活に取り組んでいきましょう。

  • ※ 本ページに記載されている情報は2019年9月24日時点のものです

  • 張替 愛(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 張替 愛(ファイナンシャルプランナー)
    大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に就職。夫の海外赴任を機に退職して独立。教育費・老後資金・女性の働き方・資産運用・海外赴任など、ひとつひとつの家庭の状況とその想いを大切にした家計相談を行う。同時に、マネー講座や執筆など、幅広く活動する。

    監修:株式会社プラチナ・コンシェルジュ

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