もしものときの心強い味方! 知っておきたい!不妊治療の基礎知識
もしものときの心強い味方! 知っておきたい!不妊治療の基礎知識

もしものときの心強い味方! 知っておきたい!不妊治療の基礎知識

女性の社会進出や晩婚化により、出産年齢が上がっている昨今。それにともない、「赤ちゃんができない」と悩むカップルも増えています。人気産婦人科医に、不妊治療の現状を教えてもらいました。

監修 産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生

不妊治療の第一段階「一般不妊治療」って?

  • 不妊とは、カップルが避妊せずに性交渉をしても、1年間子どもができない状態をさします。不妊治療の第一歩は、なぜ妊娠しないのか原因を調べるところからスタート。どちらかに原因があれば治療に進むと同時に、タイミング法や人工授精の「一般不妊治療」を行います。これらの治療はどちらも、排卵に合わせて精子を子宮に送り込む方法です。

    けれども、男女ともに問題がないケースも少なくないと桜井先生。「原因がわかれば対処法もわかるのですが、そうでないカップルもたくさんいます。私のクリニックでは、不妊治療の患者さんの約半数が30代後半。平均年齢が37歳で、40代は約2割です。治療期間は長い方で3~4年ほど。ほとんどの人がタイミング法からスタートし、人工授精にステップアップしますが、年齢が高めの場合、早いうちから体外受精を希望するケースもあります」(桜井明弘先生、以下同)。

  • タイミング法

    排卵日を特定し、そのタイミングに合わせて性行為をする方法。

    治療の流れ 基礎体温表をもとに、超音波検査やホルモン検査を参考にして排卵日を予測します。
    費用の目安 2000円~2万円/1回
    メリット

    気軽にチャレンジできる

    カップルのコミュニケーションが活発になる

    デメリット

    妊娠確率が低め

    意思疎通がうまくできないと挑戦できない

  • 人工授精

    排卵期の子宮の内部に、元気な精子を注入して受精を補助する方法。

    治療の流れ 超音波検査などで排卵日を予測、採精した精子を洗浄濃縮処理して子宮に注入。
    費用の目安 1万円~5万円/1回
    メリット

    精子量が少なくても妊娠可能に

    痛みなどもなく、気軽に行える

    デメリット

    ピンポイントで通院する必要がある

    5回以降になると妊娠確率が低下する

「一般不妊治療」で授からなければ「生殖補助医療」へ

  • タイミング法や人工授精で授からなかった場合、「生殖補助医療」と呼ばれる治療にステップアップすることになります。「とはいえ非常に費用がかかるため、生殖補助医療を受ける患者さんは一般不妊治療の患者さんの1/10程度なのが現状です」。

    「生殖補助医療」には3つの方法がありますが、ベースとなるのは『体外受精・胚移植』。そのオプションとして『顕微授精』、『凍結胚・融解胚移植』があります。体外受精・胚移植は、卵管に異常があって詰まっている場合など、精子と卵子が出会えていないカップルにとても有効。また、精子量が少なかったり運動率が低かったりするケースや、受精障害がある場合は、顕微授精にトライすることになります」。

    顕微授精とは、採卵・採精した卵子と精子を自然に受精させる体外受精から一歩進んで、状態のいい精子を選んで人為的に受精させる方法。凍結胚とは、体外受精や顕微授精を行った受精卵を凍結して、子宮の準備が整ったところであらためて移植することをいいます。採卵した当時の卵の状態を保てるため、1人目の不妊治療が成功して出産した後などに、再び子宮に移植する治療ができるというメリットがあります。

  • 体外受精・胚移植

    卵子と精子をカラダの外で受精させ、分割した卵(胚)を子宮内に移植する方法。

    治療の流れ 排卵した卵子を採卵し、精子を採取。精子を卵に振りかけて受精させ、子宮内に移植する。
    費用の目安 30万円~100万円/1回
    メリット

    卵管に問題があっても妊娠が可能に

    人工授精よりも妊娠率が高い

    デメリット

    採卵時に苦痛をともなう

    費用がかかる

  • 顕微授精

    顕微鏡で見ながら卵子の中に精子を注入、受精させた卵(胚)を子宮内に移植する方法。

    治療の流れ 排卵した卵子を採卵し、精子を採取。顕微授精を行った胚を子宮内に移植する。
    費用の目安 30万円~100万円/1回
    メリット

    重度の男性不妊でも受精が可能に

    人工授精よりも妊娠率が高い

    デメリット

    採卵時に苦痛をともなう

    高額な費用がかかる

  • 凍結胚・融解胚移植

    採卵した卵子と精子を受精させた胚を、いったん凍結して次回以降の周期に子宮に入れる方法。

    治療の流れ 採卵した卵子に精子を受精させ、凍結する。子宮の自然周期に合わせて、胚を移植する。
    費用の目安 30万円~100万円/1回
    メリット

    一度の採卵で複数回の移植が可能に

    2人目、3人目の妊娠・出産が目指せる

    デメリット

    高額な費用がかかる

    まれに凍結胚が損なわれ移植できなくなることがある

  • 産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生

    お話を伺ったのはこの方産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生
    順天堂大学卒。同大学産婦人科学教室、賛育会病院の産婦人科管理医長などを経てクリニックを設立する。2015年、女性のQOL向上を目指し、一般社団法人美人化計画設立。著書は「あなたが33歳を過ぎても妊娠できない44の理由(幻冬舎)」など。
    http://www.cl-sacra.com/

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