【産婦人科医監修】「子どもがほしい」妊活を始める前に知ってほしいこと
【産婦人科医監修】「子どもがほしい」妊活を始める前に知ってほしいこと
公開日 2017/08/26
更新日 2019/10/17

【産婦人科医監修】「子どもがほしい」妊活を始める前に知ってほしいこと

「早く子どもがほしい」「今は独身だけど、将来の妊娠に備えて妊活したい」「40代から妊活を始めたい」…妊活にもさまざまな気持ちがあります。手始めに、何をしたらいいのでしょう?産婦人科医に、妊娠についての基礎知識と、妊娠力を高める方法について伺いました。

監修:産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生
執筆:高橋知寿(ライター)

妊娠しやすい時期は22歳前後!?

  • 女性の妊娠のしやすさの年齢による変化

    女性の妊娠のしやすさの年齢による変化女性の妊娠のしやすさの年齢による変化
  • 「避妊しなければ、すぐにでも妊娠できる」と思っている人もいるでしょう。けれども基本的には、排卵日前後のタイミングで性行為をしなければ、膣内射精をしても子どもはできません。排卵の2日前から排卵1日後が、妊娠できるタイミングです。

    さらに、女性がもっとも妊娠しやすいのは、22歳前後。このときの妊娠のしやすさを1.0とすると、30歳では0.6、40歳になると0.2ほどに低下。年齢を重ねれば重ねるほど妊娠できる可能性はどんどん低くなります。いつでも「今より歳をとれば、今よりも妊娠しにくくなる」という感覚をもっておくことが大切です。

妊娠率が高い人の条件とは

  • 上記で妊娠しやすい時期と年齢がわかったと思いますが、妊娠はさまざまな要素が組み合わさって成立します。なかでも大切な要素を解説していきます。

  • 残された卵子の数

    まず大切なのは、「卵子の数」です。女性の卵子は、自分のお母さんのおなかの中にいる時に作られます。この時、一番卵子の数が多く、世の中に生まれるタイミングまでにガタンと減り、それ以降もどんどん減り続けます。もともとの数や減るスピードには個人差がありますが、卵子がなくなってしまうと、妊娠することができないので、数はできるだけ多く合った方が可能性は高くなると考えられます。

    ただし、「多い=妊娠しやすい」という訳ではないので、注意しましょう。

  • 卵子の数は、AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査という採血検査でわかります。AMH値が低い人で、将来子どもを持ちたいと考えている人は、できるだけ早めの妊活を。

    関連記事:【専門家に聞く】卵子の数が人より少ないと、どうなる?「AMH検査」でわかること

  • 卵巣機能が良く、卵子の質がいい人

    上記で「卵子が多い=妊娠しやすい」という訳ではないと述べましたが、妊娠率を高めるためにとても大切なのが、「卵子の質」です。卵子の質が悪いと妊娠しづらいだけでなく、流産や染色体異常を引き起こすケースも高くなります。

  • また、卵子はお母さんのおなかの中にいる時に作られ、その後ずっと卵巣の中で保管されます。加齢とともに卵子の質も劣化しますが、その卵子を保管している卵巣の機能が良いことも妊娠するために重要な条件となります。

    現在のところ、卵子の状態を確認する方法は、体外受精などで顕微鏡を用いて観察する以外にありません。

  • ちなみに、妊娠のしやすさを、「年齢と卵巣機能」のかけあわせで表示すると以下のようになります。卵巣機能や卵子の質の良さよりも、年齢が若いことが妊娠を成立させるためには大切なのです。

  • 《妊娠のしやすさ※数字が若い順に妊娠しやすい》

  • 1)年齢が若い×卵巣機能が良く、卵子の質が良い

    2)年齢が若い×卵巣機能が悪く、卵子の質が悪い

  • 3)高齢×卵巣機能が良く、卵子の質が良い

    4)高齢×卵巣機能が悪く、卵子の質が悪い

  • 精子の状態や排卵状況も大切

    その他にも精子の量や元気度(運動率)、きちんと排卵されているかも妊娠するためには欠かせないポイントとなります。

  • それでは、「将来、子どもを産みたい」と考えているとき、今、できることはどんなことがあるのでしょうか。

今すぐではないが「いつか子どもがほしい」と考えている人のための妊活とは

  • 不規則な生活やストレスが多い環境は、卵子の質を低下させる可能性があります。以下のことに注意をして健康的な体づくりをしましょう。

  • 規則正しい生活を心がける

    とくに睡眠の確保が大切です。勤務時間が不規則の場合は、できるだけ起きる時間を揃えるように心がけるといいでしょう。寝る前にスマホをいじる、休日の寝だめは生活リズムが狂う原因になることもあるので注意を。

  • バランスのとれた食事を心がける

    カラダをつくるタンパク質、鉄分を多く含む肉類など、バランス良く食べてください。外食やコンビニ食が多いようなら主食の他にサラダや野菜のおかずをプラスしましょう。お菓子やジャンクフードはスパッとやめるくらいの気持ちを持ちましょう。

  • 体を冷やさない

    冷えると血流が減り、卵子が育ちにくい子宮や卵巣環境になってしまいます。朝起きたら白湯を一杯飲むだけでも、じんわり身体が温まりホカホカに。エアコンが良く効いた場所に出かける時は、靴下や羽織るものを持っていくなどの工夫をしてください。

  • 定期的な運動を習慣づける

    運動をすると血行が促進されるだけでなく、ホルモンバランスも整います。いきなり「マラソン10km」やるのはハードルが高いので、1つ手前の駅で下車してウォーキングする、お風呂上りにストレッチするなど、無理のない範囲から始めると長続きします。

  • 喫煙や飲酒はNG

    喫煙は血流を妨げ、臓器の老化の原因にもなります。美容のためにも今すぐやめて、違うリフレッシュ法を見つけましょう。また、適度と思われる飲酒も妊娠率を低下させるためおすすめできません。

「今すぐ子どもがほしい」と思っている人にやってほしい妊活とは

  • 「今すぐ子どもが欲しい」そう思ったら、上記で述べた「いつか子どもがほしいと考えている人のための妊活」に加えて、医療機関で下記のことを行いましょう。

  • 基礎体温を付けて排卵の有無、生理周期をチェック

    排卵しているかを確認するために基礎体温を測りましょう。毎朝目が覚めたら身体を動かす前に計るため、体温計は枕元にセットすると便利です。今は、スマホのアプリと連動して測定結果を記録し、グラフ化してくれるものもあります。

  • 子宮と卵巣の超音波検査

    医療機関で子宮や卵巣に筋腫やその他のトラブルがないかを確認します。妊娠できる体か、赤ちゃんを迎えられる状態かチェックしてもらいましょう。所要時間は数分程度です。

  • 子宮頸がん、性感染症検査

    せっかく妊娠できてもその後に頸がんが発覚した場合、妊娠を継続することができません。妊娠前に頸がん検査を受診しておきましょう。また、感染すると赤ちゃんに影響が出てしまうクラミジアなどの性感染症にかかっていないかの検査も一緒に受けてください。

  • 必要な予防接種を接種しているか、風疹の抗体を確認

    風疹やはしか、おたふくかぜ、みずぼうそう(水痘)は妊娠中に妊婦さんがかかってしまうと、流産や赤ちゃんが先天性疾患になる可能性が高くなります。パートナーを含め、きちんと抗体を持っているかを確認しましょう。

    抗体が無い場合は予防接種を受けてください。予防接種後、2カ月は妊娠することができないので、できるだけ早めに接種を。

33歳以上で6カ月、もしくは32歳で1年妊娠しない場合に受けたい検査

  • 普通に性交渉しても、33歳以上なら6カ月、32歳以下なら1年間妊娠しない場合は、不妊スクリーニング検査を受けるといいでしょう。詳しい検査内容を解説していきます。

  • ホルモン検査

    血液検査を行い、卵胞(卵子を包んでいる袋)を育てて排卵を促すホルモンなどがきちんと分泌されているかを確認します。生理期間中に検査を行います。

  • 卵管造影検査

    排卵された卵子と、精子の通り道である卵管という器官が詰まっていると、いくら性交渉をしても妊娠できません。そこで子宮口から造影剤を流し、超音波で卵管が詰まっていないかを確認します。検査時期は生理直後がいいでしょう。

    造影剤を流すことで詰まりが解消されるため、検査後に妊娠したという例も多く見られます。

  • 精液検査

    妊娠するには精子の状態も大きくかかわってきます。自宅や医療機関で精子を採取し、量、運動率、奇形率などを確認してもらい自然妊娠できる状態かをチェックします。検査時期はいつでもOKです。

    ちなみに卵子ほど顕著ではないですが、男性も年齢とともに精巣機能が低下し、精子の状態も悪くなります。不妊治療を行う産婦人科か、男性不妊を扱っている泌尿器科で検査できます。

40歳以上になってから妊活する場合にやっておきたいこと

  • もちろん自然に妊娠できる人もいますが、40歳以上で妊活した場合は、高い確率で体外受精をすることになります。子どもがほしいと思った時点で、すぐに産婦人科を受診し、不妊スクリーニング検査など各種検査を受けるようにしましょう。

「子どもが欲しい」と思うならかかりつけの産婦人科を見つけよう

  • できるだけスムーズに妊娠するためには、かかりつけの産婦人科医をもっておくことが大切です。

    独身の頃から子宮や卵巣などにトラブルがある人はすでにかかりつけ医がいるかもしれませんが、そうでない場合も自分の体を定期的にチェックしてもらうことができます。不妊につながりそうなトラブルにもいち早く気づくことができ、早めに対応することができるので、時間を無駄にせず妊娠しやすくなります。

    ぜひ、産婦人科のかかりつけ医を見つけておきましょう。

  • 1カ月のうちで女性が妊娠できるのは、排卵日排卵の2日前から排卵1日後。その間に性交渉することが必要です。さらに、女性がもっとも妊娠しやすいのは、22歳前後。それ以降はだんだんと妊娠しやすさは低下していきます。「妊活について考え始めた『今』の年齢が最も若く、一番妊娠しやすい」と思っておきましょう。

    将来子どもを産みたいと考えるなら、規則正しい生活を心がける、体を冷やさないなど、今は「健康的な体づくり」を心がけ、将来に備えましょう。

    パートナーがいて「そろそろ子どもが欲しい」と考えているなら健康的な体づくりのほか、医療機関で子宮や卵巣の超音波検査、風疹ウイルスなどの抗体を持っているかの確認などをしましょう。

  • さらに、普通に性交渉して33歳以上で6カ月妊娠しない場合、32歳以下で1年妊娠しない場合は、医療機関で不妊スクリーニング検査の受診を。

    いずれの年代もかかりつけの産婦人科医を見つけておくと、いざ妊活をしようとした時にサポートしてもらうことができます。

  • 産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生

    お話を伺ったのはこの方 産婦人科クリニックさくら院長 桜井明弘先生
    順天堂大学卒。同大学産婦人科学教室、賛育会病院の産婦人科管理医長などを経てクリニックを設立する。2015年、女性のQOL向上を目指し、一般社団法人美人化計画設立。著書は「あなたが33歳を過ぎても妊娠できない44の理由(幻冬舎)」など。
    http://www.cl-sacra.com/

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