年収150万円の壁とは?パート主婦が知っておくべき配偶者控除について
年収150万円の壁とは?パート主婦が知っておくべき配偶者控除について

2019/05/30

年収150万円の壁とは?パート主婦が知っておくべき配偶者控除について

2018年1月から配偶者控除(配偶者特別控除)制度が改正されました。共働き世帯としてパートをしている人は「103万円の壁」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。それが改正後は「150万円の壁」に変更になったのですが、「今までよりたくさん働いても税金が安く済む」と思っていると、意外なところで税金がかかってくるかもしれません。

今回は、所得税の配偶者控除(配偶者特別控除)における「150万円の壁」について詳しくご紹介していきます。

配偶者控除とは?

  • 配偶者控除の具体的な説明の前に、まず所得と所得税について知っておきましょう。

  • 所得と所得税とは

    「所得」というのは毎月の給料以外のボーナスなども全て含んだ「収入」から「給与所得控除」を引いた額のこと。「給与所得控除」は給料を受け取っている全ての人に適用される控除制度のことで、年間収入によって控除額が異なります。

  • 「所得税」とは、この所得に対してかかる税金のことです。

    税金を納める人の負担能力に配慮するため、所得金額から、基礎控除や配偶者控除などの所得控除額を差し引いて、その残額(課税額)に対して、超過累進税率を適用して算出します。

  • この課税額の控除が配偶者控除

    配偶者控除とは、配偶者(妻または夫)がいる場合に配偶者の所得に応じて納税者が所得税を算出する元となる課税額に対して、控除を受けられるという制度のことです。

  • ここで言う配偶者とは、婚姻届けを提出した法律上の配偶者でなければいけないため、事実婚の場合の内縁の妻(夫)は配偶者控除を受けられません。

  • 夫が妻を配偶者とするのはもちろん、妻が夫を配偶者にして配偶者控除を受けることも可能です。また、休職中の場合でも年収が一定額以下であれば所得に応じた配偶者控除を受けることができます。

  • 配偶者控除を受けるためには、その年の12月31日の現況で以下の条件の全てに当てはまっている必要があります。

  • 1)民法の規定による配偶者であること

    2)納税者と生計を一にしていること

    3)年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

    4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

    5)納税者本人の合計所得額が1,000万円以下であること

  • 1)については先述した通りです。

  • 2)は、簡単に言うと同じ財布で生活をしていることという意味です。同居していることは条件ではないので違う場所で暮らしている人(単身赴任など)も対象となります。

  • 3)は、配偶者控除を受けるには配偶者自身に所得制限があるということを意味します。これについてはのちほど詳しくご紹介していきます。

  • 4)は、納税者が自営業の場合の話です。事業専従者とは自身の夫(妻)が自営業で、年間6か月以上仕事を手伝っている人のことを言います。自営業の人は自分で確定申告を行うのですが、青色申告と白色申告を選べるようになっています。その内、青色申告をしている納税者から給料をもらうと、配偶者控除は受けられなくなります。白色申告をしている場合は事業専従者となっていないことが条件というわけです。

  • 5)は2018年から新しく導入された条件で、納税者自身にも所得制限が設けられたということを意味しています。これについてものちほど詳しくご紹介します。

  • また、所得の意味についても触れておきましょう。「所得」というのは毎月の給料以外のボーナスなども全て含んだ「収入」から「給与所得控除」を引いた額のこと。給与所得控除は給料を受け取っている全ての人に適用される控除制度のことで、年間収入によって控除額が異なります。

  • 2018年1月に改正されたポイント

    先ほども少し触れましたが、2018年1月から、配偶者控除(配偶者特別控除)制度が改正されました。変更となったポイントは大きく2つです。

  • 1)納税者本人(夫)の所得も控除額に影響するようになった

    今まで配偶者控除の控除額は配偶者のみの所得で決まっていましたが、今回の改正によって配偶者控除を受けられるかどうか、いくら控除されるのかという点において納税者本人にも制限が設けられたのです。そのため、納税者の所得が1,000万円を超えると配偶者の所得に関係なく配偶者控除が受けられなくなりました。

  • 2)「配偶者特別控除」の配偶者の年収の上限が引き上げられた

    その代わり、「配偶者特別控除」を受けられる配偶者の年収の上限が引き上げられました。

  • 「配偶者特別控除」とは、配偶者の年間所得が38万円を超えたとしても特別に控除しましょうという制度です。控除額には制限があり、配偶者の合計所得額が多くなるにつれ控除額は少なくなります。今までは配偶者特別控除が受けられる所得上限額は76万円でしたが、2018年からは123万円に増額されました。

  • また、配偶者特別控除の満額である38万円を受けるための配偶者の所得上限額もアップしました。今までは65万円以上で控除額がだんだん少なくなっていましたが、改正後は85万円まで満額控除されることになりました。配偶者特別控除も配偶者控除と同様に夫の所得に応じて控除額は異なります。

パート主婦の年収「150万円」の壁とは?

  • 先程までは所得で説明していましたが、ここからは分かりやすいように基礎控除や給与所得控除を差し引かない「年収」で説明していきます(パートで実際に稼ぐ給料が年収です)。また、夫は自営業ではなくサラリーマンの場合の話とします。

  • 2018年に配偶者控除(配偶者特別控除)が改正されたことで、パート主婦の人は「103万円の壁」ではなく、新しく「150万円の壁」ができました。「150万円の壁」ができたと言っても「103万円の壁」がなくなったわけではありません。

  • 次は、150万円の壁について詳しくご紹介していきます。

  • 150万円の壁とは所得税のライン

    150万円の壁とは所得税のボーダーラインのことを意味しており、これまでパート主婦は、夫が所得控除を受けるためには103万円までしか働けなかったのですが、今は150万円まで働けるようになったということです。

  • そもそも「103万円の壁」とは、パート主婦がパートで稼いだ年収に所得税がかからず、さらに配偶者控除が受けられるため、所得税が軽減されるボーダーラインのことでした。

  • 所得税の課税対象となるのはその年に得た「所得」が対象となります。所得とは、給料として得た金額(年収)のことではありません。年収から「給与所得控除」を引いた金額が所得です。給与所得控除は最低65万円なので、所得税の基礎控除(所得税を計算するときに全員が控除される制度)である38万円を足して年収が103万円であれば所得税がかからず、夫も配偶者控除が受けられるというというわけです。これが「103万円の壁」と言われる理由です。

  • 2018年に配偶者控除(配偶者特別控除)が改正されたことで所得税のかからない年収のボーダーラインも変更されました。年収103万円を超えても150万円までなら夫に配偶者特別控除の満額である38万円が控除されるようになりました。これが「150万円の壁」です。

  • もし150万円の壁を越えてしまったらどうなるの?

    では、150万円の壁を越えてしまったらどうなるのでしょうか。

    もし、150万円を超えてしまっても201万円までであれば配偶者特別控除を受けることは可能です。夫の合計所得額によって控除額が異なりますので、下記でいくら控除されるのか確認してみて下さい。(給与所得のみの場合、夫の年収が1,220万円を超えると配偶者控除(配偶者特別控除)はありません。)

  • 夫の年収が1,120万円以下の場合
    妻の年収控除額
    155万円以下36万円
    160万円以下31万円
    167万円以下26万円
    175万円以下21万円
    183万円以下16万円
    190万円以下11万円
    197万円以下6万円
    201万円以下3万円
    201万円超え0円

  • 夫の年収が1,170万円以下の場合
    妻の年収控除額
    155万円以下24万円
    160万円以下21万円
    167万円以下18万円
    175万円以下14万円
    183万円以下11万円
    190万円以下8万円
    197万円以下4万円
    201万円以下2万円
    201万円超え0円

  • 夫の年収が1,220万円以下の場合
    妻の年収控除額
    155万円以下12万円
    160万円以下11万円
    167万円以下9万円
    175万円以下7万円
    183万円以下6万円
    190万円以下4万円
    197万円以下2万円
    201万円以下1万円
    201万円超え0円

パート主婦はいくら稼ぐのが損しない?

  • 103万円の壁と150万円の壁についてご紹介してきましたが、パート主婦の人が注意する壁はもうひとつあります。それは「130万円の壁」です。

  • 妻の年収が130万円を超えると夫の扶養から外れることになります。そのため、103万円の壁と150万円の壁の間には130万円の壁があると言われています。

  • ここで3つの壁のメリットをまとめてみます。

    103万円の壁のメリットは、「配偶者控除の対象で妻の所得税が0円になること」と「夫の節税になること」と「妻の社会保険料の負担が0円になること」です。

  • 130万円の壁のメリットは「配偶者特別控除の適用で夫の節税になること」と「妻の社会保険料の負担が0円になること」です。

  • 150万円の壁のメリットは「配偶者特別控除の対象で夫の節税になること」です。3つの壁を1つずつ上がるとメリットが1つずつなくなっていくということ。

  • では、パート主婦が損をしない年収はいくらなのでしょうか?

    例えば、夫の年収が1,000万円以内で、パートで年収130万円~160万円稼ぎ、パート先で社会保険に加入した場合、保険料は約20万円かかります。年収150万円とすると、保険料20万円が引かれるので結局のところ130万円となって働き損に。130万円を超えて働くのなら160万円以上を狙わなければ損をしてしまうということです。

  • つまり、パート主婦が損をしないためには、年収130万円以内か160万円以上を目安にするといいでしょう。

  • 2018年に配偶者控除(配偶者特別控除)が改正されたことで、パート主婦の働き方も今までとは違ってくるでしょう。所得税を安く抑えるためには配偶者控除(配偶者特別控除)についてきちんと理解しておく必要があります。今までは関係なかった夫の収入も改正後は控除額を左右することになったので、ここもしっかり押さえておきましょう。

  • また、頑張って働いたのに損をすることのないよう150万円の壁だけではなく130万円の壁や103万円の壁についても知っておいてくださいね。

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