

【結婚式】ご祝儀は「袱紗(ふくさ)」に包むのがマナー!包み方・使い方を紹介
結婚式などでご祝儀袋を持参する際に使われる、袱紗(ふくさ)。当たり前のように使っている人もいれば、使っていない人もいると思います。そして、そもそも袱紗は必ず使うべきものなのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、袱紗とはどんなもので、なんのためにあるのか、袱紗を使わないとマナー違反になってしまうのかなど、袱紗にまつわる疑問を解説していきます。袱紗の選び方や包み方も合わせてご紹介しますので、ポイントをおさえて社会人としてのマナーをしっかり身につけましょう。
袱紗(ふくさ)とは何?
袱紗(ふくさ)とは、四角形の布のことです。普通は素材に絹が使われていて、もともとは、進物を贈り届ける際に道中の日除け・汚れ防止のために箱に掛けられていたことに端を発しています。はじめは一枚布だったのですが、美的な要素が加わって裏地を付けた二枚合わせになりました。
袱紗は慶事にも弔事にも用いられ、それぞれで包み方などが異なりますので注意が必要です。結婚式では、主に袱紗の中でも「包み袱紗」と呼ばれる、一辺が45cm程度のものを金封を包む際に使います。以下で、袱紗の必要性や代替品、袱紗の種類について解説しますのでポイントをおさえておきましょう。
袱紗(ふくさ)は必ず必要なのか?
結婚式に持参する金封はご祝儀袋に入れられていて、お金がむきだしになっているわけではありません。そのため、ご祝儀袋のまま手渡しても問題はないのではと思う方も多いでしょう。
たしかに、袱紗を使わなくても金封を渡すことはできます。しかし、ご祝儀袋は白の紙が使われていたり、水引の装飾がついていたりと汚れが目立ちやすいものです。できるかぎり汚れないように美しい状態で金封を届けるためには、やはり袱紗があるほうが好ましいと考えられています。また、ご祝儀袋を袱紗に入れることで、大切なものが包まれているという印象を先方に与えることもできます。
また、年配の方の中には袱紗を使っていないと失礼だと感じる方もおられます。結婚式はさまざまな年齢の方が一堂に会する場ですので、周囲に不快な印象を与えないためにも、袱紗は使うことがマナーと捉えておきましょう。
袱紗(ふくさ)がない時はハンカチでも大丈夫?
袱紗がないのはマナー違反だとしても、袱紗を持っていない場合は必ず用意しなければならないというわけではありません。上述したとおり、袱紗はもともと一枚の正方形の布にすぎず、二重でもなくシンプルな一枚布でした。袱紗の形状に厳密なルールはありませんので、もし袱紗を用意することができなかったり、つい忘れてしまったりした場合は、他のもので代用しても問題ありません。
一番おすすめなのは、大判のハンカチです。ある程度の大きさがあり、金封を十分に包めるようであれば、こちらで代用しましょう。できれば、美しい色柄で、ほどよい厚みのあるハンカチが好ましいです。次に使えるのは小さめの風呂敷です。こちらは薄手のほうが見映えするでしょう。
ハンカチを袱紗の代わりに使う場合の包み方は、後述の“結婚式の袱紗(ふくさ)の包み方”を参照してください。
どんなタイプの袱紗(ふくさ)があるの?
袱紗は昔ながらのタイプから、使い勝手を良くするために実用性を高めたタイプまでさまざまなものが存在します。大きく分けると、金封を包むタイプと挟むタイプの2つです。
・包むタイプ(正方形タイプ、爪付きタイプ、台付きタイプ)
包むタイプには、正方形のシンプルなタイプや爪付きのタイプ、台付きのタイプがあります。爪付きは金封をしっかりと包むことができるので安心です。台付きのタイプは、袱紗から金封を取り出して、台に乗せて先方に差し出すことができるので重宝します。
・挟むタイプ(金封袱紗)
挟むタイプは金封袱紗と呼ばれるもので、ポケット状のデザインになっています。ご祝儀袋をちょうど収納できるサイズになっていて、バッグに入れて持ち運ぶ際にも便利です。ただし、あくまでも簡易的なもので、場合によっては正式ではないという印象を与えてしまうこともあります。
結婚式の袱紗(ふくさ)のマナー
袱紗の扱い方にはマナーがあります。せっかくの晴れの日をマナー違反で台無しにしてしまうことのないように、袱紗の選び方や色柄のマナー、包み方や渡し方などおさえておきたいポイントをご紹介します。
選び方
袱紗を選ぶ際は、まずどんなタイプにするかを決めましょう。
より正式な袱紗にするなら、シンプルな正方形のタイプを選びましょう。ただし、バッグに入れて持ち歩いているうちに包みが乱れてしまうので、それが気になる場合は爪付きを選ぶと良いでしょう。
先方に差し出すときにスマートな印象を与えられて、便利に使えるのが台付きのタイプです。台がついているぶんかさばるので、小さなバッグには入らないため、注意して選んでください。
携帯性が高く、手軽に持ち運びができて実用的なのが金封袱紗です。正式な印象がなくてもいいという場合は、挟むタイプのこちらが便利。このタイプは包むタイプと違って入れられる金封のサイズが固定されてしまい、大きなご祝儀袋は入らないことがありますので注意しましょう。
色柄マナー
慶事に使う際に適している色はベージュ、ピンク、赤、朱、オレンジ、黄色、薄紫などの暖色系です。慶事にも弔事にも使えるのは、紫、グレー、紺など。緑や青、藍、茶などの寒色系は弔事のみに使われるので、十分に注意しましょう。
柄ものを選ぶなら、縁起の良いおめでたい柄にするのが基本です。具体的には松竹梅や寿、翁、高砂などがおすすめです。逆に避けるべきなのは、ろうけつ染め、縞柄、格子柄など普段使いする柄です。
結婚式の袱紗(ふくさ)の包み方
次に、ぞれぞれのタイプごとに金封を袱紗で包む手順は次のとおりです。
・包むタイプ(正方形)
1. 正方形の対角線が自分から見て十字になるように広げて置きます。
2. 正方形の中心位置から少し左にずれたところに、ご祝儀袋を乗せます。
3. 左の角を持ち、ご祝儀袋の側面に沿って折ります。
4. 上の角を持ち、下側へ折ります。
5. 下の角を上側へおります。
6. 左から右へ、パタンとご祝儀袋を包みます。
7. 最後に、右端に来た角を中央に向けて折り、先端は裏側へ巻き入れるようにして仕上げます。弔事の場合はこの向きが逆になります。
・包むタイプ(爪付き)
こちらも正方形タイプと同様に包みますが、最後は右端に付いている爪をループに引っ掛けて固定します。包みが崩れにくくなるので、持ち運びしやすいのが特徴です。
・包むタイプ(台付き)
台付きの場合は、袱紗に台を固定するための糸が4本付いていますので、そこへ付属の台をはめ込みます。台の上にご祝儀袋を置きます。あとは他と同様に包み、最後に上下位置はそのままに裏返しにします。
・挟むタイプ
金封袱紗はポケット状になっているので、扱いはとても簡単です。袱紗を開き、ポケット部分にご祝儀袋を入れ込むだけで完了。そのままバッグに入れても乱れることもありません。
ご祝儀を渡す時のマナー
先方に金封を渡すときには、必ず金封を袱紗から取り出してから渡します。袱紗はあくまでも、ご祝儀袋が汚れないように包んでおくものですので、そのまま袱紗ごと先方に渡さないようにしてください。
差し出す向きは、先方にとって金封が正面になるように。台付き袱紗の場合は、袱紗から金封を取り出してから、袱紗の上に乗せて差し出すようにしましょう。
あとご祝儀袋の中袋にお金を入れますが、その際は封筒の表側とお札の表側を揃えて封入しましょう。中袋からお金を出したときに、お札の表側が見えるようにするためです。また、ご祝儀袋の裏側の折り返しは、下側が上にくるようにします。不祝儀の場合はこれが逆となるので注意してください。
ご祝儀袋に入れるお札は新札を用意することも忘れないようにしましょう。新札を用意できなかった場合は、式場で両替してくれる場合もあります。
結婚式にご祝儀を持参する際には、ご祝儀袋を袱紗に包むのがマナーです。袱紗はご祝儀袋に汚れがついたり形が崩れたりするのを防止する役割があり、ご祝儀をスマートに差し出すためにとても役立ちます。
袱紗には、ご祝儀袋を包むタイプと挟むタイプがあり、結婚式の式場には、包み袱紗か台付き袱紗で金封を包むか、金封袱紗に金封を入れるかして持参するのがマナーです。ご祝儀袋そのままや、ビニール袋などに入れて持っていくのはマナー違反ととられることがあるので注意してください。ただし、選ぶときには慶事にふさわしい色や柄をチョイスするように気をつけましょう。