

新婚夫婦の生活費の平均は?共働きや専業主婦での管理と節約のコツ
新婚生活は大きな期待にあふれてスタートしますが、同時に小さな不安もつきまとうものです。生活費としていくらくらい必要になるのか、心配になりますよね。
そもそも生活費の内訳はどうなっているのか、共働きと専業主婦の場合とではどのくらいの差が生じてくるのか、貯金できる金額にも差が出るのかなど、生活費の基本を解説します。
のちのち「知らなかった!」と後悔することのないように、新婚生活の生活費についておさえておきましょう。
新婚生活での生活費の平均支出額は?
新婚生活をスタートさせるにあたって、やはり気になるのが生活費ですよね。
家計の管理は初めが肝心です。新婚生活がスタートしたときに、夫婦でしっかりと話し合いをして取り決めを作っておくことが大切。
結婚前に同棲していた場合はなおのこと、曖昧なかたちのままで新婚生活が始まってしまう可能性がありますので、意識してお互いに手綱を締め合うような気持ちでいるようにしたいものです。
収入は家庭によってさまざまですが、新婚生活における1ヶ月あたりの平均支出額は、およそ22.0万円です。金額によって細かく分けると、以下のとおり。
1ヶ月あたりの生活費
5万円未満 0.6% 5~10万円未満 1.1% 10~15万円未満 7.6% 15~20万円未満 24.1% 20~25万円未満 34.3% 25~30万円未満 16.9% 30~35万円未満 8.2% 35~40万円未満 1.7% 40~45万円未満 3.1% 50万円以上 0.8% ゼクシィ新生活準備調査 2016
20~25万円未満の層が全体の3割以上ともっとも多く、次いでそれより少し低めの15~20万円未満の家庭が24.1%、少し高めの25~30万円未満の家庭が16.9%となっています。
厚生労働省による「平成30年賃金構造基本統計調査結果」で、大卒者の平均初任給額が206,700円とされていることからすれば、妥当な結果と言えるでしょう。
新婚生活での生活費の内訳
では、新婚生活における生活費の内訳はどのようになっているのでしょうか。結婚情報ゼクシィ、新生活準備完ペキマニュアルで紹介されていた夫婦共働きと夫働き・専業主婦、二つの家計簿の事例をピックアップして解説します。
夫婦共働きによる新婚生活費の例
夫31歳・妻26歳で月収が405,000円(夫の収入は210,000円/妻の収入は195,000円)という共働き夫婦の例から。生活費の内訳は以下のとおりです。
支出項目 夫婦共働き 食費(外食費を含む) 45,000円 水道代 2,800円 電気代 3,000円 ガス代 4,200円 電話代 10,000円 被服代 10,000円 医療費 2,484円 趣味・レジャー代 10,000円 日用雑費 10,000円 住居費 81,090円 保険料 3,743円 夫の小遣い 10,000円 妻の小遣い 20,000円 貯蓄 100,000円 その他 52,000円 支出の合計 364,317円 結婚情報ゼクシィ、新生活準備完ペキマニュアル あなたの家計簿見せて!、2018年2月
共働きの場合は、やはり余裕のある金額になっています。貯蓄も十分ですし、浪費もせずに倹約に努めていることが伝わってくるような内訳です。
夫働き・専業主婦による新婚生活費の例
次に取り上げるのは、夫29歳・妻32歳で月収が380,000円という夫働き・専業主婦の例。生活費の内訳は以下のとおりです。
支出項目 夫働き・専業主婦 食費(外食費含む) 67,000円 水道代 3,600円 電気代 9,000円 ガス代 6,800円 電話代 7,000円 新聞代 4,200円 被服代 4,000円 医療費 15,000円 趣味・レジャー代 3,000円 日用雑費 15,000円 住居費 78,200円 保険料 85,000円 ローン 14,000円 夫の小遣い 15,000円 妻の小遣い 5,000円 貯蓄 30,000円 その他 80,000円 支出の合計 441,800円 結婚情報ゼクシィ、新生活準備完ペキマニュアル あなたの家計簿見せて!、2017年12月
こちらは、貯金ができているようで健全にみえますが、じつは赤字になっていて貯蓄を切り崩しています。保険料やその他として特別支出に充てるため、月割で準備している8万円などの支出項目を見直す必要がありそうです。
夫婦共働きによる新婚生活費の管理方法
夫婦共働きの場合、よほど余裕があれば夫婦どちらかの収入を全額貯金にまわすということもできるのですが、やはり生活費を二人で分担するというスタイルが一般的でしょう。
分担方法は、大きく分けて二つあります。一つは、生活費を二つに分類する方法。もう一つは、二人の収入を一旦まとめて一つのものとみなして使っていく方法です。
生活費を二つに分類する方法
上述したとおり、生活費の中には多くの支出項目が含まれています。例えば、家賃やローン返済、水道光熱費など比較的金額の大きいものから、食費や日用品など細かいものまであります。
この支出項目別に夫と妻の収入を充当する項目を決めるというのが、費用を分類する方法です。
夫と妻がそれぞれどの項目を担当するのか決めるには、実際に即して判断することが望ましいでしょう。
例えば、妻が食事の準備をすることが多いなら食費は妻の担当に、日用品の買い出しは夫がやっているという場合は日用品費は夫の担当にするという具合です。また、家賃などの固定費は夫が担当し、金額が流動的な項目は妻が担当するという分け方でもいいでしょう。
この方法は、分け方が単純で明快なのでわかりやすいというメリットがある一方で、お互いの収支が不鮮明になったり、不公平感が生じたりするというのがデメリットがあります。家計においても、全体の収支が曖昧になりがちです。
二人の収入を一旦まとめる方法
もう一つの方法は、夫婦がそれぞれ稼いできた収入を一旦まとめてしまうやり方です。
こちらの場合、夫婦専用の共同口座を作るのもよいでしょう。お給料が夫婦それぞれの口座に振り込まれたら、この共同口座へ一旦移します。そこで合算された金額が、家計全体の収入総額ということになりますから、全体像が掴みやすいのがメリットです。
また、お互いの収入がはっきりわかるので、公明正大に分担することができるという利点もあります。
デメリットとしては、給与口座から共同口座への移動が面倒という点が挙げられますが、 1ヶ月にたった一度のことですので、メリットを考慮すればそれほど大変な手間とは言えないでしょう。
新婚生活で貯められる貯金額
子どもが出来ると必然的に家計における支出額が大きく膨れ上がり余裕がなくなりますので、結婚してから妊娠・出産までの新婚生活期間こそ、貯金するのに最適な時期だといえるのです。実際、全体の半数以上の新婚夫婦が結婚を機に貯金を始めています。
それでは、一般的に新婚生活ではどのくらいの貯金が可能なのでしょうか。先ほどの家計簿の例の中から夫婦共働きの場合と、夫のみの稼ぎで妻が専業主婦の場合に分けて、それぞれご紹介します。
例:夫婦共働き
例えば、夫39歳・妻35歳で月収210,000円という共働き夫婦の例では、月々の貯金額は0円。買い物を毎日しない、財布にお金を入れないように心がけてはいるものの、奥さんに持病があったりご主人の協力が得られていないなどの理由から、まとまった貯金は難しいようです。
これが夫29歳・妻29歳で月収330,000円という共働き夫婦の場合は、それぞれ50,000円ずつ、合計月々100,000円もの貯金に成功しています。
貯金する分は給料が入ったら真っ先に貯金のための口座に入金する、高価な食材は安売りの際に買いだめして冷凍するなどの工夫が功を奏しているようです。
例:夫働き・専業主婦
夫働き・専業主婦ではどうでしょうか。例えば、夫25歳・妻25歳で月収200,000円という夫働き・専業主婦というある夫婦の例では、月々の貯金額は0円。夫は毎日弁当を持参しているものの、ローンや二人とも奨学金を返済している関係で、貯金どころか赤字が続いていて、結婚前からの貯金を切り崩している状況です。
同じ夫働き・専業主婦の夫婦でも、夫35歳・妻33歳で月収302,000円という夫婦の例では、月々30,000円ずつ貯金できています。結婚前は二人とも実家暮らしで現在は社宅住まいであることに加え、食費はほぼ自炊していることなどの努力が実り、二人の現在の貯金額は1,300万円もあるようです。
夫婦共働きであるほうが生活に余裕が出て、その分貯金はしやすくなると言えます。もちろん、収入が少ない家庭の場合は、より慎重に家計をコントロールする必要があるものの、いずれにせよ家族全員が貯金をするという意識を強くもって、日々の生活を営むことこそが重要だといえるでしょう。
新婚生活で貯金できるようになる節約のコツ
新婚生活はなにかと必要なものが多いですよね。いざ貯金しようとしてもなかなか思うようにお金を貯められないこともあるはずです。そこで出費の多い新婚生活の中でうまく貯金するためのコツをいくつかご紹介しましょう。
給料が出たらすぐに貯金分を差し引く
まずおすすめしたいのが、給料が出たら真っ先に貯金するためのお金を差し引くという方法です。
月収のうち余ったものを貯金にまわそうと考えがちですが、あればあるだけ使ってしまうもの。給料から一番に引き出すことで、確実に貯金する分を確保することが可能です。
できれば貯金用の口座を開設しておくとよいでしょう。貯まっていくのが実感できるので、貯金へのモチベーションを持続しやすくなりますよ。
ボーナスや臨時収入を貯金にまわす
ボーナスなど臨時収入があったときにはそのお金を貯金にまわすのもおすすめです。
まとまった額の臨時収入があると、ずっと欲しかったものに手が出てしまいがち。あるいはクレジットカードを使用する際、便利なボーナス一括払いを利用している方も多いのではないでしょうか。
ボーナスや思いがけない収入を貯金にまわすことが習慣化できれば、いいペースでお金が貯まっていくはずです。
クレジットカードを賢く使ってポイントを貯める
クレジットカードをうまく使用して貯金を増やす方法もあります。
クレジットカードのポイント還元率は0.5%が一般的ですが、中には1.0%以上のものも少なくありません。100円使うと1ポイントになりますから、生活費など必要な出費をカード払いにすることで、かなりの額のポイントを貯めることができます。
例えば、食費や公共料金、保険料、新聞代などをクレジットカード払いにして支払を続ければ、数千ポイントになることも。ポイントが貯まった分、貯金を捻出することができるというわけです。
小銭を貯める習慣
小銭をコツコツ貯める習慣もバカにできません。例えば、その日のお買い物をしたら、小銭をすべて貯金箱に入れてみてください。
毎日続けていれば、気づけばかなりの額になっているものです。50円玉だけ、500円玉だけという具合に、特定のコインを貯めるという手もあります。
家計簿をつけて浪費していないか毎月チェック
家計簿をつけていない方は、つける習慣を身につけましょう。
最近では家計簿アプリや表計算ソフトを使う方法もありますが、できれば手書きがおすすめ。レシートの束を見ながら金額や内訳を書き込んでいくと、現実味が感じられ、無駄遣いに気づきやすくなるはずです。
貯金の状況についても書き出しておくと、将来の不安が突きつけられ、貯金に前向きになれます。
貯蓄型保険に加入する
万が一に備えながら貯蓄ができる、貯蓄型保険に加入するという手もあります。
代表的なものとして終身保険が挙げられますが、死亡時や重い障害が残るような疾患・ケガを負った際に保険金を手にすることができます。
貯蓄型保険では満期になったときや解約したときには満期保険金・解約返戻金を受け取ることが可能。保障内容や加入のタイミング次第では支払った保険料と同等の額になることもあるため、貯金と同じように活用できるというわけです。
新婚生活で貯金できるようになるには、給料から貯金分を差し引いてしまうことやボーナスなどを貯金にまわすことのほか、コツコツ努力することも必要。また、家計簿をつけたり、貯蓄型保険に加入したりするのも有効です。