

式の費用、住居問題やお互いの貯金…。結婚が決まったら考えたい、お金のこと
結婚式にはお金がかかる、というのは誰もがイメージできるけど、それ以外にはどんな準備が必要!?
結婚報告のための交際費、新居まわりの費用から、いざという場合のための婚前資産の証明まで。
結婚に際して考えたい、お金の問題をリストアップしてみましょう。
結納式や報告費まで。結婚関連イベントにかかるお金
両家の顔合わせ費用
最初にかかるのは、両家の顔合わせでの食事代。
「どちらかの家で行うこともありますが、今はホテルやレストランで行われるのが主流。その場合は、5万円以上かかることも多いようです」(加倉井慎さん・以下同)
婚約・結納費用
大きい出費のひとつが、婚約関連のもの。男性から女性へダイヤモンドの婚約指輪を贈り、女性側が時計やスーツなどを結納返しにするのが代表的ですが、地域によってはそれを含めた結納セットがあったり、ホテルなどでの結納式を行うのが普通なエリアも。
「結納をどのレベルで行うかでかかる金額はかなり変わるので、しっかり話し合いを」
結婚報告費用
意外にかかるお金が、報告関連の交際費。目上の方を式や披露宴へ招待する場合は、事前に食事会などで報告を。きちんと感のある装いが望ましいので、食事代以外に服やヘアサロン、ネイルなどの出費が必要になることも。
また親しい友人であれば女子会などで直接報告したい、ということも多いはず。
「披露宴でスピーチや余興を依頼する方や二次会などで幹事をお願いする友人には、打ち合わせで食事やお茶をごちそうするのがスマートです。その交際費も考えておきましょう」
式の準備期間にお正月やお盆が重なると、親戚の集まりへ参加したりあいさつ回りをしたりで手土産代がかかることも。
挙式・披露宴費用
最もわかりやすい出費が、挙式・披露宴費用。
「結婚式場での披露宴の場合、費用は80名で約430万円ほどだといわれます。ただ、見積もりで出た予算全額を新郎・新婦で用意する必要はありません。親御さんからの援助や招待客のご祝儀で半額以上はカバーされるのが一般的です。またレストランウエディングなどの場合は会費制なので、負担はさらに軽くなります」
新婚旅行・お土産代
海外挙式の場合は旅行代金も一部そちらに含まれますが、別に新婚旅行を考えているなら、その交通費、宿泊費、現地での食費などがかかります。さらに親や親戚、結婚を祝ってくれた方々、職場全体などへのお土産代も大きくなりがち。
「旅費は平均約60万円、お土産代は10万円ほどかかることが多いようです」
内祝い代
披露宴に招いた方へのご祝儀返しは、披露宴での食事や引き出物で良いとされます。しかし披露宴に出席いただいていない方からお祝いをいただいたら、「内祝い」として半額程度のお返しを。
長期的なお金の問題も、結婚前にしっかり話し合いを
新居・引越し関連費用
結婚後の新居をどうするか、も早めに考えておきたい問題。
「いつか家を持ちたい、と考えるカップルにはこのタイミングでの購入をおすすめしています。今は低金利なので、頭金なしでローンを組むのもアリ。家の購入に当面で必要な金額は、登記費用や団信などの保険料、手付金など100万円程度。賃貸で新居を構える場合にも敷金・礼金・引越し費用などがかかることを考えると、それほど変わらない金額です」
新築の場合には仮住まいへの引越し費用が二重にかからないよう、早めの準備を。
「新築にする場合は、エアコンやカーテンレールなどの細かい部分から家電や家具が必要になるので、それらのお金がかかることを考えておきましょう」
賃貸にする場合も、引越し費用や新たな家具などにかかるお金の用意を。
お互いの貯蓄金額・金銭感覚の確認
新居の相談で長期的なお金の相談をする際などに確認しておきたいのが、お互いの貯蓄額や収入、金銭感覚。お見合いや婚活で知り合った場合はそのような条件面を先に聞くこともありますが、通常のカップルの場合、意外に相手の経済状況を知らないことも多いはず。
「直接聞くのが難しい場合は、私たちのようなFP(ファイナンシャルプランナー)にお二人で相談に来るのも一案。話の流れでお互いの財政状況がわかると思います」
婚前資産の記録・お金の取り決め
そして、万が一結婚生活が上手くいかなかった場合のことも考えて、結婚前の自分の資産がどれだけあるのか、記録を残しておくことも大切です。
「結婚後の財産は、片方が稼いで片方が主婦をしていても、共同で作った財産とみなされます。そして離婚時は、基本的には二等分されます。結婚前から自分が持っている資産も『特有財産』と認められなければ、結婚後に取得したものとみなされて分割されてしまいます」
「特有財産」と認められるための方法としては、通帳に結婚前の日付での貯蓄額をきちんと記録しておくことが助けに。また婚前契約書を作成して自分の資産額を記載し、その取り扱いを明記する、という方法も。
「婚前契約書の作成は、行政書士などに依頼できます。生活全般について取り決めができますが、共働きの場合に生活費の負担をどうするのか、お互いのお小遣いをどうするか、など特にもめやすいお金についてのルールを作っておくのは、結婚後のトラブルを減らすことにもつながるかもしれません」
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プロフィール ファイナンシャルプランナー 加倉井 慎さん
医療用医薬品商社での営業職を経て、外資系金融機関へ転職しファイナンシャルプランナーに転身。家計の見直し、保険相談、不動産売買のアドバイス、住宅ローンなどの相談を受け、年間400世帯以上、累計2000世帯以上にアドバイス。大手金融機関の年間表彰式に、3年連続入賞中。お客様に寄り添うアドバイスで、「一家に一人、加倉井を」という存在を目指して活動中。