

入籍前後に必要な手続きをわかりやすく解説!印鑑・免許証・パスポートの名義変更など
結婚には、入籍や転居にまつわる様々な変更手続きが必要になります。
役所での戸籍謄本や住民票の取得、転入届の提出、印鑑登録、さらに免許証やパスポートの名義変更など、一般的なものだけでも多岐にわたります。
本記事では、入籍前後の負担が少しでも軽くなるように、効率の良い手続きの順番や必要な書類を時系列ごとに分かりやすく説明します。
わずらわしい手続きが、スムーズになるコツを事前に確認しておきましょう。
入籍前後に必要な手続きリスト
まずは、入籍前・後でやるべきことをリストで確認しましょう。リスト項目の上から順に行うとよりスムーズに手続きできるのでおすすめです。
【入籍前】 【入籍後】 ・婚姻届の取得
・新姓印鑑の取得
・戸籍謄本の取得
・転出届の提出
・婚姻届の提出・転入届の提出
・住民票の取得
・受理証明書の取得
・印鑑登録
・運転免許証の変更
・パスポートの変更
・銀行口座の名義変更
・クレジットカードの名義変更※筆者作成
【入籍前】事前に準備すべきもの
婚姻届(1~3部)
婚姻届は、全国の市区町村の役所や出張所の戸籍課(市民課)で入手できます。また、市区町村によってはホームページからのダウンロードも可能です。書き間違えた時のために2・3部準備しておきましょう。
新姓印鑑
銀行口座の変更など様々な場面で新姓の印鑑が必要となります。実印・銀行印・認印など種類は様々ですが、新しく作る場合やオーダーの場合、納品まで2週間程度かかることもあります。
戸籍謄本(1部)
戸籍謄本は、戸籍に記載されている全員分の情報を記載したものです。
住民登録をしていない役所に婚姻届を提出する場合に必要となります。取得方法は本籍地のある役所での直接請求、または郵送での取り寄せもできます。
取り寄せは1週間程度かかりますが、市区町村によっては速達で郵送してもらうこともできます。
転出届(転出証明書1部)
入籍をきっかけに引っ越す人は、引っ越し前に住民登録があった役所で転出届を行い、転出証明書を入手する必要があります。転居先の役所で転入届と一緒に提出するため、きちんと保管しておきましょう。
なお、転出手続きと転入手続きの間の期間は14日以内と決まっているので要注意です。
【入籍当日】入籍の手続に必要なもの
記載済みの婚姻届
ふたりの記載はもちろん、証人の署名や押印欄もあるので事前に記入をお願いしておきましょう。
戸籍謄本
ふたりの本籍地に婚姻届を提出する場合は必要ありません。どちらか一方、もしくはふたりともの本籍地と異なる場所に提出する場合のみ必要となります。
身分証明書
氏名や住所、生年月日などが記載された証明書が必要です。運転免許証やパスポートは1点で証明書として有効ですが、健康保険証や年金手帳は2点以上組合せないと有効となりませんので注意しましょう。
旧姓の印鑑
婚姻届に押印するふたりの旧姓印鑑です。あらかじめ押印していたとしても、手続きに不備がある場合、訂正するために使用するのでお忘れなく。※シャチハタやゴム印は不可
【入籍後】名義変更などの手続きが必要なもの
婚姻届を役所に提出すると新しい戸籍が作成されるため、手続きなしで下記事項が住民票に自動反映されます。反映には早くて1日、たいていは数日から数週間かかります。
・婚姻後の苗字
・新しい本籍
・筆頭者(戸籍の最初に記載される人)の氏名
・世帯主との続柄
入籍の手続き以外に、自分たちで書類を準備し行う手続きがたくさんあります。
転入届
転出届提出後に、新住所の市区町村役所で婚姻届を提出してから転入届を出すと、速やかに新しい戸籍が作成されます。転出・転入届の手続きを経て、住民票の変更手続きが完了します。
届け出先 新住所の市区町村の役所 手続き方法 新住所に住み始めた日から14日以内に転入届を提出(転入届が終わると同時に、住民票の交付申請や印鑑登録申請もできる) 必要な持ち物 ・印鑑
・マイナンバーカードまたは住民基本台帳(交付を受けている場合必要)
・転出証明書
・身分証明書
・手数料
・委任状(本人の場合不要)届け出る人 本人、同一世帯人、代理人も可
住民票の取得
住民票は免許証やパスポートの名義変更などに使用されます。
届け出先 住民票の住所地を管轄する市区町村の役所 手続き方法 身分証明書を持参し窓口で申請。マイナンバーカードを利用して、コンビニでの交付も可 必要な持ち物 ・身分証明書
・手数料
・委任状(本人の場合不要)届け出る人 本人または同一世帯人、代理人も可
受理証明書の取得
住民票は上記の通り反映に時間がかかることがあり、その間代わりに婚姻届を提出したことを証明するのが受理証明書です。
届け出先 婚姻届を提出した市区町村の役所 手続き方法 婚姻届が受理された後に、交付申請書に届け出の種類・届け出日を記入し申請 必要な持ち物 ・交付請求書
・手数料届け出る人 本人
印鑑登録
不動産取引や自動車の購入には実印が必要になります。新姓となり改めて登録する人はもちろん、結婚を機に登録する人も早めに行うのがおすすめです。登録する印鑑の姓が変わらない場合や名のみの場合は、引き続き同じ印鑑を使用できます。
届け出先 新住所の市区町村の役所 手続き方法 登録する印鑑と身分証明書を持参し申請 必要な持ち物 ・登録する印鑑(=実印)
・身分証明書
・委任状(本人の場合不要)
・代理人の本人確認書類(本人の場合不要)届け出る人 本人または代理人
運転免許証の変更
入籍によって住所や氏名、本籍が変更された場合、運転免許証の変更手続きを行う必要があります。
届け出先 新住所を管轄する警察署、運転免許センター、運転免許試験場 手続き方法 届出先に置いてある運転免許証記載事項変更届を記入し、必要書類と共に窓口に提出 必要な持ち物 ・運転免許証
・住民票
・申請者と代理人が併記されている住民票(本人の場合不要)
・代理人の身分証明書(本人の場合不要)届け出る人 本人または同一世帯人
パスポートの変更
氏名や住所が変更になった場合は、パスポートの切替申請または記載事項変更申請を行う必要があります。入籍後、ハネムーンで海外に行くという人は早めの手続きをしましょう。
届け出先 新住所に該当する都道府県のパスポート窓口 手続き方法 切替申請または記載事項変更旅券の申請どちらかを選択し、パスポートの氏名、本籍を変更。後日、受け取りの際に手数料を支払う 必要な持ち物 ・一般旅券発給申請書(役所やパスポート窓口で入手可)
・有効なパスポート
・申請前6カ月以内に撮影したパスポート用写真
・申請前6カ月以内に取得した戸籍謄本または戸籍妙本(婚姻後戸籍謄本ができていない場合は、届受理証明書で代用可)
・手数料
・代理人身分証明書(本人の場合不要)届け出る人 本人または代理人
銀行口座の名義変更
口座の名義を旧姓のままにしているとローンが組めなかったり、キャッシュカードが盗難・紛失した場合の本人確認に時間がかかったりします。速やかに変更するのがおすすめです。
届け出先 口座を登録した金融機関の支店窓口 手続き方法 必要な持ち物を持参し、窓口にて名義変更を申請 必要な持ち物 ・通帳、証書、キャッシュカード
・届出印(これまで使用していた印鑑)
・新姓の印鑑(シャチハタは不可)
・身分証明書
・変更届、印鑑届、カード暗証届(窓口で入手可)届け出る人 本人
クレジットカードの名義変更
支払いに指定している金融機関とクレジットカード会社に届け出ている名義が異なると、支払いの引き落としがうまく行われない可能性があります。銀行口座の名義変更と同じタイミングで行うと良いでしょう。
届け出先 カードセンターや支店窓口、インターネットの会員サイト 手続き方法 基本情報の氏名・住所引き落とし口座を変更 必要な持ち物 ・対象のクレジットカード
・身分証明書
・新姓の引き落とし銀行口座
・新姓の印鑑(シャチハタ不可)届け出る人 本人
入籍前後の手続きを効率的に行うコツ
事前に準備できる書類は入籍前に準備する
必要書類は申請すると手元に届くまで時間がかかるもの、そうでないものとまちまちです。あらかじめ取得するまでの時間を考慮し計画的に準備することで、焦らずに手続きをすることができます。
入籍当日にできる手続きはまとめて行う
いつ・どこで・誰が行うのか事前にリストアップし優先順位をつければ、入籍当日にやっておくべき手続きをうっかり忘れる心配もありません。平日、役所窓口に何度も足を運ぶという手間を最小限にすることができます。
インターネットを活用すれば自宅で手続きを
市区町村のホームページでは、インターネットでの手続きや書類取得を紹介しています。自宅に居ながら利用できるので、窓口混雑の心配もありません。
入籍によって必要な手続きは、人によって様々です。入籍前に余裕を持ってリサーチを進め、スムーズな手続きを実践しましょう。
※本ページに記載されている情報は2021年1月28日時点のものです
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執筆者プロフィール 株式会社ケイズ
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