妻のサポートが大切!30~40代、働き盛り男性の病気リスクとその対策
妻のサポートが大切!30~40代、働き盛り男性の病気リスクとその対策

2018/03/27

妻のサポートが大切!30~40代、働き盛り男性の病気リスクとその対策

仕事の責任も増し、まだまだ若いと無理をしがちな30~40代の男性。
ですが実は急激な体質の変化が起き、病気リスクが大きくなる年代でもあります。
この世代の男性を夫に持つ女性は、パートナーとしてサポートしてあげることが重要に。
注意したい代表的な病気と、その対策を紹介します。

取材・文:江尻亜由子、監修:伊藤まゆ先生(M'sクリニック南麻布)

30代から始まる男性の更年期が、様々な病気の遠因に

  • 「女性の更年期については年代も症状も広く知られていますが、男性更年期についてはまだ認知度が低いですよね。実は男性の更年期は男性ホルモン・テストステロン分泌量の低下により、30代から始まります。それにより、代謝の低下が起きて太りやすくなり、生活習慣病の要因となるのです」(伊藤まゆ先生・以下同)

  • 男性更年期障害

  • 女性と同じように40代後半からと思われがちな男性更年期ですが、テストステロンの低下は30代から始まります。

  • 「最も特徴的なのは、集中力が落ちた、気力が低下した、という程度の認識で、更年期だという本人の自覚がないこと。周りからみると落ち込みやすくネガティブになったり、イライラして怒りっぽくなったり、偏屈になるなどの状態に」

  • この時期の男性は仕事上での地位が上がり、20代とは違う責任やストレスも増えるため、妻がその状態に気づいてあげることが大切です。

  • 「この時期の男性は性格的に扱いづらくなったり、落ち込みがちな状態を解消しようと帰宅が遅くなったり。それに対し、家で妻が怒ったり愚痴ったり、子育て問題で泣いていたり…、とさらにストレスを与えるケースは少なくありません。女性も大変な年代ではありますが、女性の場合は友人と愚痴を言い合って解消することもできますよね。一方の男性は1人で抱え込みやすいので、話を聞いてあげたり、適度に放っておいてガス抜きさせてあげましょう」

  • ここでストレスを増幅させると、鬱などのメンタル系疾患へ進行するきっかけにも。一家の大黒柱が働けない、という事態を防ぐためには、妻の上手なコントロールが必要です。

  • 「男女共に、ホルモン分泌量の低下による更年期は避けられないこと。まずはその状態を自覚しつつ、無理をしすぎずストレス解消しながら過ごすことを心がけましょう」

  • 生活習慣病(脂質異常症、高尿酸血症、耐糖能異常)

  • 「男性ホルモン量の低下により、脂質代謝や糖質代謝など全身の代謝が落ちてくることも、この年代の特徴。外見的には太っていなくても、代謝の低下は年齢と共に起きること。それが以下に挙げる生活習慣病全体の要因となります」

  • 脂質異常症

  • 悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールや中性脂肪が血液中に含まれる割合が、基準より多い状態。一般的に「血液がドロドロ」といわれる状態で、高血圧症になりやすくなります。さらに進行すると動脈硬化が起きやすくなり、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、動脈解離などの病気につながる可能性が。

  • 高尿酸血症

  • 血液中に存在する尿酸の数値が、基準より多い状態。体質と食事・アルコールによる原因が大きく、肉や魚介類、アルコール、砂糖の摂取量が多いことが要因です。一般的には、同じ飲食内容でも女性より男性のほうが尿酸値が高くなりやすいので、より注意が必要。

  • 高尿酸血症の段階だと症状はありませんが、進行して結節ができると痛風に。そうすると、ある日突然足指の付け根などに激しい痛みが出て、文字通り「風が吹くだけで痛い」というつらい症状となります。

  • 耐糖能異常

  • 食事で増加した血液中の糖分(血糖値)を正常に戻す働きが不良になった状態。通常は、食事の後に血液中のブドウ糖が増えても、すい臓からインスリンが分泌されて細胞へと取り込まれるため、血糖値はゆるやかに低下します。しかしこの機能が上手く働かないと、血糖値は空腹時も高い状態に。これが進行すると現代医学では完治しない糖尿病となり、一生、厳しい食事制限などが必要に。生活に大きな制限がかかることになります。

  • 「上記の3つはどれもホルモン低下、血管状態の悪化、ストレスが原因の症状なので、どれか1つの症状が出たら、他の症状も出る可能性が大。どれも、心筋梗塞、痛風、糖尿病のように進行した病気になる前の段階では、全く自覚症状が出ないことが共通しています。

    そのため大切なのは、健康診断の数値。通常は3年間の数値が出ますので、単純に『Aの正常値内だから大丈夫』と考えず数値の推移を比較して、Bの数値範囲近くへと悪化したものがどれだけあるかを、必ずチェックしてください。そして悪化した数値があるなら、食生活や運動について、できる範囲で見直しを。数値がBになってから生活を変えようとしても、人間そうは変わりません。本当は、医師が数値の見方や生活習慣までしっかり指導をすべきですが、Aの範囲内ならOK、という医師がいるのも事実です。ですので受け身で検診を受けずに、きちんと説明してくれる医師の下で検診を受け直すくらいの気持ちで重要視してほしいですね」

  • また、肥満はすべてに悪影響。生活習慣病対策として、食事と運動は大切です。

  • 「食事では、血糖値が上がりづらいといわれる食べ方を。まず野菜や海藻から食べ始め、肉や魚などのたんぱく質、最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べるよう習慣づけて。

    夜食の場合も、いきなりお茶漬けなどの炭水化物を食べさせないで、減塩の漬け物や味噌汁、だしや胡椒で味をつける野菜スープなどを先に出し、炭水化物には玄米などの繊維が豊富なものを選ぶなどしましょう。

    また悪玉コレステロール対策としては、代謝を促進するといわれるオメガ3を含む食品を摂りましょう。オメガ3は青魚に豊富ですが、簡単に摂れるのは亜麻仁油。しょうゆと1:1で混ぜ、安価な赤身まぐろを漬けにして食べると中トロ丼のようになるし、豆腐や野菜にかけても美味しく食べられます。繊維類もしっかり摂りたいので、キノコ類の味噌汁などもおすすめです」

  • 運動は、週に1度しっかりというより、毎日歩く、自転車に乗るなどが大切。男性ホルモンの低下は血液循環も低下させ不要物の排出もしづらくなるため、体を動かして物理的に血流を促すことが重要に。

  • 「意外に効果大なのが深呼吸です。肺を広げて横隔膜を上下させることで内臓が動いて正しいポジションへ収まったり、ポンプを働かせることで心臓や胃の血流を促し、代謝をサポートすることに。座り仕事の人は内臓に血が溜まりやすいので、気づいた時にこまめに深呼吸し、朝晩は深呼吸しながらストレッチするだけで、かなり違います」

消化器系のがんは、自覚症状なく進行するので要注意

  • 胃がん・大腸がん

  • ホルモン低下や生活習慣病とはまた別に、30代男性に多い病気が消化器系のがん。

  • 「胃がん、大腸がんの怖いところは、全く症状が出ず静かに進行するところ。早期癌やステージ1くらいの状況でも、全く自覚症状はありません。逆に、症状が出たときにはかなり進んでいます。進行を発見するためには健康診断しかないので、会社の検診などは必ず受けましょう。胃がんについてはバリウムより胃カメラのほうが精度は高いのですが、ハードルが高いならまずはバリウムで、定期的に検診を。

    大腸がんは便検査か大腸内視鏡。便検査の場合は便鮮血反応を見ますが、普段のお通じでは見た目上はみえない潜血を調べるものなので、大腸内視鏡がつらいなら便検査で良いので必ず受けましょう。ただどちらの場合も、近い親族にがんの方がいる場合は体質的に可能性が高くなりますので、精密な検査をすることをおすすめします」

  • そんながんの対策として大切なのが、ストレス解消。

  • 「ストレスは免疫力を低下させるため、がん細胞ができた際に体内での対処が遅れます。ビタミンA,C,Eは、イライラした時に発生する活性酸素対策として大切な栄養素ですが、食物からの補給で蓄積できるビタミンA,Eと異なりCは数時間で排出されてしまうため、こまめに摂る必要があるので、サプリメントで摂る方が効率が良いですね」

  • 夫の健康は、妻である女性にとっても大切なこと。

  • 「男性は、健康のためであっても頭ごなしに指示されたり禁止されたりすることが苦手。『これはダメ』ではなく『こうなると素敵』とおだて、できたことを褒めてあげるようにして、上手にのせて健康管理してあげてください。ばかばかしいと思っても、それが結果的には女性のためにもなると思います」

  • M'sクリニック南麻布院長 伊藤まゆ先生

    お話を伺ったのはこの方 M'sクリニック南麻布院長 伊藤まゆ先生
    聖マリアンナ医科大学卒。同大学病院、関連病院にて一般消化器外科に勤務し、メディアージュ青山通りクリニック院長を経てM'sクリニック南麻布を開院。消化器外科医療をベースにした内科、皮膚科、美容皮膚科、メディカルエステまで幅広く診察。他院での健康診断や人間ドックの結果を持参してアドバイスをもらうという受診も受け付けている。雑誌記事の監修なども多数。

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