手取り月収20万円の生活費。家賃の相場や貯金、結婚・子育て費用をFPが解説
手取り月収20万円の生活費。家賃の相場や貯金、結婚・子育て費用をFPが解説
公開日 2020/12/21
更新日 2020/12/21

手取り月収20万円の生活費。家賃の相場や貯金、結婚・子育て費用をFPが解説

月収20万円といっても額面給与と手取り給与のどちらを指すかで手元に残るお金が異なります。
それぞれの違いについて知っておきましょう。
また、手取り月収20万円でどんな生活ができるのかイメージしやすいように、家賃の相場や生活費の状況を紹介します。
また、手取り20万円で結婚・子育てはできるのか、貯蓄をしていくためにはどうすればいいかなどについても説明します。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

手取り月収20万円の年収金額

  • 手取り月収20万円ある場合、額面給与は約25万円

  • ざっくりとですが、税金や社会保険料などで毎月約5万円が差し引かれていることになります。実際に税金や社会保険料がいくら引かれるかは個人ごとに異なりますが、手取り月収は額面給与の約8割と考えておくといいでしょう。額面20万円なら手取りは約8割の16万円ということになります。

  • 手取り月収20万円の人の年収は、ボーナスがない場合で300万円、ボーナスが支給されるならもう少し多くなります。

  • たとえば、夏・冬の各ボーナスが月給1カ月相当分ずつであれば、年収は350万円、夏1カ月分、冬2カ月分なら375万円となる計算です。

  • ひとくちに手取り月収20万円といっても年収ベースでみると勤務先によって異なることがわかります。

  • 給与から引かれる税金や社会保険料、雇用保険料の決まり方についてもう少し詳しく見てみましょう。

  • 社会保険料と雇用保険料は保険料率が決められており、個人負担分は次のとおりです。

    ・厚生年金保険料:9.15%

    ・健康保険料:4.935%(※)

    ・介護保険料(40歳以上の人):0.895%(※)

    ・雇用保険料:0.3%

  • (※)協会けんぽ(東京都)の場合。会社の健康保険組合や他道府県の協会けんぽの場合は異なることがあります。

  • これらを合計すると、約14~15%になります。39歳までの人は14%、40歳以上の人は15%を額面収入に乗じることで、給料から引かれる社会保険料(雇用保険料を含む)の大まかな金額がわかります。

  • たとえば、額面給与が25万円の39歳以下の人は、社会保険料と雇用保険料を合わせて約3万5,000円になる計算です。

  • これに加え、額面給与からは所得税と住民税も引かれます。所得税率は額面年収から基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引いた「課税所得」がいくらになるかによって、税率が決まり、住民税は一律10%と決まっています。

  • たとえば額面年収が300万円、所得控除が基礎控除と社会保険料控除のみの場合、所得税は次のように計算します。

    300万円-98万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-42万円(社会保険料控除※)=112万円(課税所得)

    ※社会保険料は年収の14%として計算。

  • 課税所得が112万円の場合、所得税率は5%ですから、112万円に5%を乗じた額の5万6,000円が年間の所得税額、1カ月当たり約4,700円となる計算です。

  • 住民税は、所得に対してかかる所得割と、所得にかかわらず一定額が徴収される均等割が合わせて給料から引かれます。

  • 詳しい計算例は省略しますが、上記例では、住民税の年額は13万2,000円(※)、1カ月当たり1万1,000円になる計算です。

    (※)住民税は本来、前年の収入にもとづき計算する仕組みですが、ここでは前年の年収および所得控除は今年と変わらないものとします。また、均等割は東京都の場合です。

  • ここまで計算した社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税を合わせると、5万700円。冒頭で説明した金額に相当することがわかったでしょうか。

手取り20万円の家賃の相場は?

  • 家賃は手取り月収の30%以内が目安と言われますが、家計に無理をかけないためには25%に抑えるのが理想です。

  • 手取りが20万円の場合は5万円~6万円、額面20万円の場合は4万円~4万8,000円を上限に探してみましょう。住むところによっては管理費や共益費もかかりますから、これらの費用も含めて考えておきましょう。

  • 理想の物件を探すときには、交通費や住民税(均等割)、上下水道代など、地域によって変わる費用も合わせて検討するのもおすすめです。

【生活費例】月収手取り20万円の場合

  • 現在手取り月収が20万円程度の人がどのような生活をしているのか、総務省の家計調査(単身・勤労者世帯)を参考に見てみましょう。

  • 家計費目金額
    食費(外食含む)38,454円
    水道・光熱費9,921円
    通信費6,889円
    家具・家事用品3,525円
    被服・履物代5,953円
    保健医療費5,719円
    理美容費5,175円
    交通・自動車関連費12,200円
    教養娯楽費15,305円
    交際費6,724円
    その他消費支出7,465円
    合計117,330円

    注:元データの端数処理の関係上、参照元の「(再掲) 消費支出(除く住居等) 1)」と誤差があります。

    出典:総務省「家計調査・家計収支編/単身世帯/2019年」をもとに筆者編集・作表

  • これは、年収200万円~300万円(1カ月の勤務先収入20万7,526円)の人たちの消費支出(住居費を除く)の平均額です。これに家賃を加えた1カ月の生活費は次のようになります。

  • ・家賃5万円の場合:16万7,330円

    ・家賃6万円の場合:17万7,330円

  • 手取り20万円でも充分一人暮らしができそうですが、現在実家暮らしをしている人は、今の支出状況と比べてみましょう。美容代や被服代など、節約しなければならない費目があるかどうか見つけておきたいですね。

貯金はどれくらいできる?

  • 手取り20万円の範囲で、上で見た生活費の状況どおりやりくりできれば、毎月2万3,000円~3万3,000円程度は貯金できることになります。

  • 一人暮らしでも手取り月収の15%は毎月貯金するのが理想ですが、毎月3万円ずつ貯金できれば理想はクリアできそうですね。

  • しかし、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2019年)」によると、一人暮らしの20代、30代の人は平均して手取り年収の16%を貯蓄に回すというデータがあります。

  • 手取り月収からの貯金に加え、ボーナスが支給される人はボーナスからも貯金に回すように心がけましょう。

手取り20万円で結婚・子育てはできる?

  • 今後、結婚や妊娠・出産をすることを考えると、できるだけ貯金を増やしておきたいものです。結婚や子育て費用の目安額を知り、節約に努めながら頑張って貯蓄に励みましょう。

  • 挙式や披露宴(披露パーティ)にかかる費用の総額は、平均354万9,000円。このうち、ご祝儀などの収入を差引き、実際に新郎・新婦が負担する金額は、平均149万5,000円というデータがあります(「ゼクシィ結婚トレンド調査2019 調べ」)。

  • 出産にかかる費用は、分娩施設の種類や設備、サービス、分娩方法などによってかかる費用は異なるものの、正常分娩では30万円~70万円程度が目安とされています。

  • 健康保険から支給される出産一時金(42万円)を差し引くと、本人負担は多くて30万円程度ですが、その後の育児費用がかかることを考えると、今から少しずつ貯蓄していくことが大切です。

  • 毎月3万円ずつ貯金できれば1年間で36万円になります。

  • たとえば、上で見た生活費のうち、通信費を格安スマホに変えるなどで5,000円削減できれば42万円に増えます。

  • さまざまな工夫をしながら支出を削減していきましょう。

FPが伝授!手元にお金を残す方法

  • ほかにも支出を減らすためのコツを紹介します。

    ・自炊を心がけ、食費を膨らませない

    ・マイボトルでコーヒーやお茶を持ち歩き、市販のものを買わない

    ・キャッシュレスを利用し、ATMは使わない

  • 収入を増やすことにもトライしましょう。

    ・副業をして収入を増やす

    ・昇給を目指して資格取得する

    ・収入アップを目指して転職する

    ・貯蓄の一部を投資信託などの積立投資に回す

  • 貯金の目標額をきめていても、一人暮らしをしていると生活費がかかる分、毎月の貯金額が変動しやすくなります。

  • あらかじめ決めた金額を必ず貯金できるように、給与天引きや自動振替できる貯蓄制度に申込み、生活費を使う前に先取り貯蓄をしていくのがおすすめです。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年11月17日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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