【FP解説】手取り15万円で一人暮らしはできる?家賃の相場や生活費の内訳は?
【FP解説】手取り15万円で一人暮らしはできる?家賃の相場や生活費の内訳は?
公開日 2020/12/18
更新日 2020/12/18

【FP解説】手取り15万円で一人暮らしはできる?家賃の相場や生活費の内訳は?

一人暮らしをしたいけれど、手取り月収が15万円でどんな生活ができるのか?そもそも一人暮らしができるのだろうかと不安に思う人も少なくないようです。一人暮らしできないわけではありませんが、月15万円で生活費と貯金をやりくりするには家計管理をきちんと行うことが大切です。そこで、手取り15万円の人の理想的な家賃の上限や生活費の内訳、やりくりのコツなどについて説明します。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

手取り月収15万円なら年収はいくら?

  • 手取り月収とは、いわゆる額面給与から税金や社会保険料などを差し引いた給料のことを言います。

  • 税金や社会保険料がいくら引かれるかは個人ごとに異なりますが、ざっくりいうと額面給与の約8割が手取りです。逆算すると、手取り月収が15万円なら額面給与は月18万7,500円です。

  • 年収に換算すると225万円。ボーナスが支給されるならもう少し多くなりますね。

  • 厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査・2020年夏季賞与の結果」では、2020年の夏のボーナス支給状況は業種全体の平均が1.01カ月分ですから、夏・冬に1カ月分ずつのボーナスが出ると仮定すると、年収総額は262万5,000円となる計算です。

  • 給与から引かれる税金や社会保険料、雇用保険料の決まり方についてもう少し詳しく見てみましょう。

  • 社会保険料と雇用保険料は保険料率が決められており、個人負担分は次のとおりです。

    ・厚生年金保険料:9.15%

    ・健康保険料:4.935%(※)

    ・介護保険料(40歳以上の人):0.895%(※)

    ・雇用保険料:0.3%

  • (※)協会けんぽ(東京都)の場合。会社の健康保険組合や他道府県の協会けんぽの場合は異なることがあります。

  • これらを合計すると、約14~15%になります。社会保険は標準報酬月額、雇用保険は賃金総額にそれぞれ料率をかけて保険料を算出しますが、おおよその金額は額面年収に14~15%を乗じることで算出できます。

  • 税金には所得税と住民税があります。所得税率は課税所得の金額に応じて5%~45%の間で決まり、住民税は一律10%です。

  • 税金の場合、年収にそのまま税率をかけるのではなく、基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引いた「課税所得」が計算ベースになります。

  • たとえば額面年収が262万5,000円、所得控除が基礎控除と社会保険料控除のみの場合、所得税は次のように計算します。

  • 262万5,000円-86万7,500円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-36万7,500円(社会保険料控除※)=91万円(課税所得)

    ※社会保険料は年収の14%として計算。

  • 課税所得が91万円の場合、所得税率は5%ですから、91万円に5%を乗じた額の4万5,500円が年間の所得税額になります。

性別・年代別の平均月収

  • 参考までに、性別や年代が変わると平均月収がどのように違うか見てみましょう。ボーナスが夏・冬それぞれ月給の1カ月分が支給されるものとして、平均年収を14カ月で割って算出したものが次の金額です。

  • 男性女性
    額面手取り額面手取り
    20~24歳190,714円152,571円177,857円142,286円
    25~29歳264,286円211,429円232,857円186,286円
    30~34歳292,857円234,286円225,000円180,000円
    35~39歳320,000円256,000円224,286円179,429円
    40~44歳340,000円272,000円227,857円182,286円
    45~49歳358,571円286,857円223,571円178,857円

    出典:国税庁の「民間給与実態統計調査(2018年)」をもとに筆者編集・作表

    注:手取りは額面の8割として計算。円未満四捨五入。

手取り15万円で一人暮らしの家賃の相場

  • 家賃は手取り月収の30%以内とよく言いますが、住むところによっては管理費や共益費もかかります。これらも合わせて30%以内に収めるのが理想です。手取りが15万円の場合は4万5,000円が目安です。

  • 地域によっては難しいかもしれません。交通の便が良く、通勤しやすい隣接市・区にするなど、通勤やライフスタイルに合わせながら物件を探してみましょう。

【生活費例】月収手取り15万円・一人暮らしの場合

  • 月々15万円でやりくりするための参考として、総務省の家計調査(単身世帯)から、年収100万円~200万円(1カ月の経常収入15万8,762円)の消費支出(住居費を除く)の状況を紹介します。

  • 家計費目金額
    食費(外食含む)30,218円
    水道・光熱費10,151円
    通信費8,135円
    家具・家事用品3,817円
    被服・履物代4,287円
    保健医療費4,975円
    理美容費3,172円
    交通・自動車関連費9,661円
    教養娯楽費12,237円
    交際費3,770円
    その他消費支出8,805円
    合計99,228円

    注:元データの端数処理の関係上、参照元の「(再掲) 消費支出(除く住居等) 1)」と誤差があります。

    出典:総務省「家計調査・家計収支編/単身世帯/2019年」をもとに筆者編集・作表

  • 家賃を4万5,000円として、生活費に加えると、合計14万4,228円になる計算です。

一人暮らしでも貯金はできる?

  • 上で見た生活費の状況を手取り15万円でやりくりできれば、毎月6,000円程度貯金できることになります。

  • しかし理想は手取り月収の10~15%は貯金に回すことです。節約に努めるとともに、先取り貯蓄で最低でも毎月6,000円は必ず貯金できるようにしておきましょう。

  • なお、一人暮らしの人が手取り年収から貯蓄に回す割合の平均は、20代、30代ともに16%というデータがあります。

  • ボーナスを含めた手取り年収が210万円だとすると、年間貯金額は33万6,000円。毎月の貯金額が6,000円ずつだとすると、ボーナスはほぼ全額を貯金することになりそうです。

FPが伝授!手元にお金を残す方法

  • ボーナスの有無や金額は景気の影響も受ける場合がありますから、次のようなことを実行しながらできるだけ月給からの貯金を増やすことを心がけましょう。

  • ・格安スマホを利用し、通信費を削減する

    ・自炊を心がけ、食費を膨らませない

    ・マイボトルでコーヒーやお茶を持ち歩き、市販のものを買わない

    ・キャッシュレスを利用し、ATMは使わない

    ・副業をして収入を増やす

    ・昇給を目指して資格取得する

    ・収入アップを目指して転職する

  • 手取り15万円でも一人暮らしも貯金もできることがわかってもらえたでしょうか。ただし、食費や交際費など、気を緩めると出費が増えがちな費目もあります。キャリアアップで収入を増やすことにチャレンジするのもおすすめです。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年11月14日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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