年収1000万円の手取り額は?1ヶ月の手取りや引かれる税金などFPが詳しく解説
年収1000万円の手取り額は?1ヶ月の手取りや引かれる税金などFPが詳しく解説
公開日 2020/12/17
更新日 2020/12/17

年収1000万円の手取り額は?1ヶ月の手取りや引かれる税金などFPが詳しく解説

年収1000万円。稼ぐ額は高い一方で、支払う税金も増えていきます。実は、あまり裕福という実感が持てないという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。そこで年収1000万円の人がどれだけの税金を引かれ、手取りでいくらもらっているか見てみましょう。もうすぐ1000万円に近づけるという人が、どのような生活を送れるのかイメージできるよう、税金の計算方法や月の手取り額の見積もり方について説明します。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

年収1000万円の手取り額

  • 独身か家族を扶養しているかなどによっても異なりますが、額面年収が1,000万円の場合、手取り年収は700万円~730万円程度になります。

  • 手取り月収額に換算すると、ボーナスなしで月給のみなら58万円~60万円程度になる計算です。

  • ボーナスがある場合には、ボーナスの金額によっても変動しますが、仮にボーナスが年2回(月給の2カ月分ずつ)なら手取り月収額は44万円~46万円程度、1回当たりのボーナス額は88万円~92万円程度になる計算です。

  • この後の部分から、給料から引かれる社会保険や税金について具体例を見ていきましょう。

年収から差し引かれる税金・保険料は?

  • いわゆる額面年収から引かれる税金や保険料には次のような項目があります。

    ・所得税

    ・住民税

    ・健康保険料

    ・介護保険料 (40歳以上の場合)

    ・厚生年金保険料

    ・雇用保険料

  • このうち、健康保険料と介護保険料、厚生年金保険料を合わせた社会保険料は、おおよそ年収の15%です。

  • 少し細かく言うと、加入している健康保険が会社(または業界)の健康保険組合か協会けんぽか、協会けんぽの場合は都道府県どこかによって健康保険の料率が異なります。

  • また、厚生年金保険料も厚生年金基金に加入しているかどうかで厚生年金保険の料率が変わります。介護保険は40歳以上の人のみ引かれ、39歳までの人は引かれません。

  • 雇用保険料率は賃金の3/1000と決まっていますが、賃金には残業代や交通費などの手当も含まれます。

  • ここでは計算をシンプルにするために、社会保険料を額面給与の15%、雇用保険料は残業代ほか手当がないものとして、手取り月収が60万円のケースで見てみましょう。

  • ・社会保険料:9万円(60万円×15%=9万円)

    ・雇用保険料:1,800円(60万円×3/1000=1,800円)

所得税の税率は?

  • 所得税率は「課税所得」の金額によって変わります。

  • 課税所得とは、ざっくり言うと、年収から様々な所得控除を差し引いた金額のこと。年収と課税所得は同じではありません。

  • 下に示した所得税の速算表で、「900万円~1,799万9,000円」は税率33%となっていますが、年収1,000万円の人すべてに33%の所得税がかかるというわけではないのです。

  • というのも、扶養家族の有無や生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの加入状況、住宅ローンの有無などによって、適用される所得控除が人それぞれに異なりますから、課税所得も人それぞれに異なるのです。

  • 所得税の速算表

    課税所得金額税率控除額
    1,000円~1,949,000円5%0円
    1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
    3,300,000円~6,949,000円20%427,500円
    6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
    9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
    18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
    40,000,000円 以上45%4,796,000円

    出典:国税庁「No.2260所得税の税率」をもとに筆者作表

  • ここで、配偶者と子ども(16歳)1人を扶養している年収1,000万円の会社員のケースで実際に計算してみましょう。計算するための諸条件は下記の通りとします。

  • 〈ケース例:扶養家族あり会社員〉

    ・家族:専業主婦の妻と子ども1人(16歳)/他の所得控除なし

    ・年収1,000万円(給与以外の他の収入なし)

    ・給与所得控除:195万円

    ・所得金額調整控除額:15万円

    ・所得控除:社会保険料控除150万円(※1)、基礎控除48万円、配偶者控除38万円、扶養控除38万円

    (※1)社会保険料は年収の15%としています。

  • まず、給与所得の金額を計算します。

    1,000万円-195万円=805万円

  • 次にここから、各所得控除を差引き、課税所得額を計算します。

    805万円-15万円-150万円-48万円-38万円-38万円=516万円

  • この516万円(課税所得)を上の所得税の速算表にあてはめ、所得税額を計算します。

    516万円×20%-42万7,500円=60万4,500円

  • つまり、このケースでは、年間の所得税額は60万4,500円になります。

  • ちなみに同じ年収1000万円でも扶養家族がいない人の場合、課税所得は607万円となり、年間の所得税額は78万6,500円(※2)になる計算です。

    (※2)所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみと仮定しています。

  • 住民税(所得割)も同様に計算します。ここでは詳しい計算例は省略しますが、例のケースでは、住民税の所得割分の額は55万6,000円(※3)となります。

    (※3)住民税は本来、前年の収入にもとづき計算する仕組みですが、ここでは前年の年収および所得控除は今年と変わらないものとします。

  • 実はこれに加えて一定額が徴収される均等割というのもあります。

  • 均等割は自治体ごとに金額が異なりますが、たとえば東京都の場合、個人都民税の均等割は1,500 円、個人区市町村民税の均等割は3,500 円(2020年現在)となっています。

  • つまり、例のケースでは、年間の住民税額は所得割と均等割を合わせた56万1,000円になります。

  • 所得税と住民税を合わせた税負担は、年間116万5,500円になる計算です。

受けられる扶養控除は?

  • 家族を扶養しているかどうかで適用される所得控除が異なることは前述しましたが、配偶者を扶養している場合には少し注意が必要です。

  • 103万円の壁や150万円の壁といって、配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには扶養される配偶者の所得要件があることを知っている人は多いと思います。

  • しかし、扶養する納税者本人の所得要件もあり、所得が900万円を越えると配偶者控除および配偶者特別控除の額が減っていき、1,000万円を越えると受けられなくなってしまいます。

  • 年収ベースで言うと、給与収入だけの人は1,195万円(23歳未満の子を扶養している場合は1,210万円)が受けられなくなるラインです。

  • 高年収を得ている人は所得控除がカットされることがありますが、2020年からの税制改正で「所得金額調整控除額」というのが創設されました。

  • これは、年収が850万円を超える給与所得者を対象としたもので、23歳未満の子どもを扶養しているなど一定の要件を満たした人が15万円を限度に所得から控除できるというものです。

年収別手取り額一覧

  • 先に見た、配偶者と子どもを扶養している会社員の例で、年収別の手取り額をざっくりと計算しました。

  • 額面年収手取り年収所得税額住民税額社会保険料・年金額
    800万円609.1万円29.5万円39.1万円120万円
    900万円671.3万円43.5万円47.6万円135万円
    1,000万円730.5万円60.5万円56.1万円150万円
    1,100万円786.2万円79.9万円65.7万円165万円
    1,200万円841.2万円99.9万円75.3万円180万円
    1,300万円893.7万円122.5万円84.9万円195万円
    1,400万円951万円141.4万円93.4万円210万円
    1,500万円999.1万円169.5万円101.9万円225万円
    1,600万円1047.3万円197.5万円110.4万円240万円
    1,700万円1095.4万円225.6万円118.9万円255万円
    1,800万円1143.6万円253.6万円127.4万円270万円
    1,900万円1191.7万円281.7万円135.9万円285万円

    筆者作表

    注:各金額とも、1,000円未満四捨五入して記載しています。

  • 年収1,000万円を境にして、税金の上がり方が加速されていることがわかるでしょうか。

  • これは、年収が高くなることで、配偶者控除(配偶者特別控除)が受けられなくなることで課税所得が増えることや、課税所得が高くなって税率がアップすることが主な理由です。

  • 少しでも税負担を抑えるためには、生命保険やiDeCoへの加入、ふるさと納税なども有効です。さまざまな知恵と工夫で手元に残るお金を増やしていくようにしたいですね。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年11月10日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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