

【2020年最新】年収400万円の手取り額は?家賃の相場や理想的な貯蓄術も解説
年収400万円といっても税金などが引かれたあとの、実際の手取り額がいくらになるのかご存じでしょうか。年収400万円の人の手取り額および家賃や貯蓄などの生活スタイルについて、さまざまなデータをもとに見ていきましょう。頑張って稼いだお金ですから、有効に使えるよう、手取り額の目安とともに知っておきたい節約と貯蓄術を紹介します。
執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)年収400万円の場合の手取り額は?
年収400万円の場合、手取り額はいくらになるのか、税金や社会保険料の目安を見てみましょう。
税金はいくら引かれる?
まずは年収400万円の場合、税金がどの程度引かれるのか計算してみましょう。
所得税、住民税ともに税額を算出するにはさまざまな所得控除を年収から差し引き計算しますが、受けられる控除の数や金額が多くなるほど課税所得が小さくなって、税額も少なくなります。
ここでは最も税額が高いケースを想定し、扶養親族のいない独身の会社員の場合で見てみましょう。生命保険料控除や住宅ローン控除などの所得控除もないものとします。
所得税の計算上、受けられる控除は次の通りです。
・給与所得控除:124万円
・所得控除:社会保険料控除60万円(※)、基礎控除48万円
(※)社会保険料は年収の15%としています。
ここでは所得税の詳しい計算は省略しますが、上記例の場合、納税すべき所得税額は8万4,000円になります。
次に住民税の計算ですが、住民税には均等割と所得割というのがあります。所得割は所得控除後の課税所得に税率をかけて計算しますが、税率は一律10%。上例のケースでは、所得割額は18万3,000円となります。
一方、均等割は所得等に関係なく一定額が徴収されるもので、自治体ごとに金額が異なります。たとえば東京都の場合、個人都民税の均等割は1,500 円、個人区市町村民税の均等割は3,500 円(2020年6月現在)となっています。上記所得割と合わせて、年間18万8,000円の住民税がかかる計算になります。
月収手取り額はいくら?
月収手取り額はボーナスや給料からの控除額がいくらになるかによって変動するもの。まずは年収の手取り額がいくらになるか見てみましょう。
〈計算条件〉
年収400万円の会社員(東京都在住)
独身、扶養家族なし
社会保険料は年収の15%
雇用保険料の計算上、交通費などの手当はなし
上記、計算条件にもとづき、ざっくり計算すると、手取り年収は次表のようになります。
額面年収 手取り年収 400万円 313万円 410万円 320万円 420万円 326万円 430万円 333万円 440万円 340万円 450万円 347万円 460万円 354万円 470万円 360万円 480万円 367万円 490万円 374万円 仮にボーナスを年2回(月給の2カ月分ずつ)とすると、年収400万円の場合の月収手取り額は約19万5,600円、1回当たりのボーナス額は39万1,200円になる計算です。
ボーナスなしの場合では、月収手取り額は約26万800円となります。ひとくちに年収400万円といっても手取り月収には幅が出るのが実情です。
【家賃・生活費例】単身者年収400万円の場合
総務省の家計調査を参照し、年収400万円台の単身世帯の1カ月の消費支出(住居費を除く)を次表にまとめました。
家計費目 金額 食費(外食含む) 4万2,858円 水道・光熱費 1万19円 通信費 7,491円 家具・家事用品 5,249円 被服・履物代 6,611円 保健医療費 5,922円 理美容費 4,917円 交通・自動車関連費 2万1,651円 教養娯楽費 1万8,106円 交際費 1万648円 その他消費支出 9,054円 合計 14万2,526円 注:元データの端数処理の関係上、参照元の「(再掲) 消費支出(除く住居等) 1)」と誤差があります。
出典:総務省「家計調査・家計収支編/単身世帯/2019年」を元に筆者編集・作表
これに加えて住居費がかかります。家賃の相場は国土交通省「住宅・土地統計調査(2018年)」の年収別家賃データを参考にしてみましょう。
年収300万円~500万円未満の世帯では、1カ月当たり平均家賃額は5万9,971円。他の消費支出と合わせ、家計支出は20万2,497円となります。
年収400万円の平均貯蓄額
年収400万円の場合、貯蓄はいくらくらいできるのでしょうか。
金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」を参照し、年収300万円~500万円未満の単身世帯の貯蓄状況をまとめてみました。
単身世帯 貯蓄額 平均値 669万円 中央値 130万円 手取り年収からの貯蓄割合(A) 16% 年収400万円の年間貯蓄額(手取り年収×A) 50万800円 ちなみに先に見た1カ月当たりの家計消費額に12をかけた年間支出額は約243万円。手取り年収313万円と差引きすると70万円程度残る計算になります。
上記貯蓄額データは年収300万円台の人も含めた金額ですが、ボーナスで10万円ずつ使って残りは貯蓄するというようにも考えられますね。
知っておきたい節約&貯蓄術
今回、年収400万円の独身会社員をモデルに最低限の所得控除しか受けていない前提で計算しました。
しかし、他にも所得控除を受けることができれば、税額がより少なくなって手取り収入は増えることになります。税金を払うことが悪いわけではないですが、頑張って稼いだお金ですから少しでも手元に残るように節税も心がけてみましょう。
たとえば次のような方法があります。
・定年を過ぎ、収入の少ない親がいれば扶養し、扶養控除を受ける
・風邪薬、ビタミン剤などの医薬品はセルフメディケーション税制対象のものを購入する
・ふるさと納税をして寄附金控除を受ける
将来のための資産形成でも節税効果を活かす方法もあります。たとえば、
・iDeCoに加入し、小規模企業共済等掛金控除を受ける
・つみたてNISAを利用することで運用益が非課税になる
税金や社会保険料に関する知識を得ることは、自分のお金を有効に使うためにも大切なことです。今回紹介した年収400万円の人の生活スタイルを参考にしつつ、さらなる節約や貯蓄に役立てることができれば幸いです。
※本ページに記載されている情報は2020年10月12日時点のものです
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執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp)