【FP解説】住民税免除の条件は?退職後に税金を払うのが厳しい場合、減免は可能?
【FP解説】住民税免除の条件は?退職後に税金を払うのが厳しい場合、減免は可能?
公開日 2020/11/20
更新日 2020/11/20

【FP解説】住民税免除の条件は?退職後に税金を払うのが厳しい場合、減免は可能?

住民税の全額免除や減額免除(減免)を受けられる場合があるということを聞いたことはありますか?

退職後や失業などの理由から前年より所得が減少し、住民税を払うのが厳しい場合、住民税の免除や減額の対象となるのか、また免除が受けられない場合どのような対策があるのかお伝えします。

執筆:安部智香(ファイナンシャルプランナー)

住民税の仕組み

  • まずは、住民税の仕組みについて確認していきましょう。

  • 住民税は、毎年1月1日の時点に住民票がある都道府県・市区町村に対して納める税金で、都道府県民税と市区町村民税のことをいいます。東京都の場合は、都道府県民税は「都民税」、市町村民税は23区では「特別区民税」となります。

  • 住民税は、前年の所得金額に応じて支払う「所得割」と一定額で課税される「均等割」の2つを合計したもので、6月から翌年5月まで分けて納付します。

  • 個人事業主は年4回に分けて支払う普通徴収、会社員や公務員は給与から住民税を差し引く特別徴収という方法で支払います。

  • 住民税は前年の1月1日~12月31日の所得に応じて支払います。つまり、2021年に支払う住民税は2020年1月1日~12月31日に得た所得が適用になります。退職後や失業中でも、前年の所得に応じて住民税を収める必要があるというわけです。

  • なお、税制改正により2020年からは、2019年までの所得に比べて非課税を判定する所得に10万円を加算して計算をします。

住民税免除の条件は?

  • 住民税が免除となる状況のことを「住民税が非課税である」とも言います。

  • 住民税は、さまざまな条件によって課税・非課税が決められています。

  • 住民税免除(住民税が非課税)が該当する人は

    (1)その年の1月1日現在、生活保護法による生活扶助を受けている人。

    (2)未成年、障がい者、寡婦またはひとり親は前年の所得が125万円+10万円以下。

  • また、前年の所得が一定金額以下の人などの場合非課税となる「非課税限度額」が自治体によって決められています。

  • 東京23区の場合でみていきましょう。

  • <控除対象配偶者や扶養親族がいる>

    35万円×(本人+被扶養者の人数)+21万円+10万円以下

  • <控除対象配偶者や扶養親族がいない>

    35万円+10万円以下

  • なお、下記の人は「所得割」のみ非課税です。

    <控除対象配偶者や扶養親族がいる>

    35万円×(本人+被扶養者の人数)+32万円+10万円以下

  • <控除対象配偶者や扶養親族がいない>

    35万円+10万円以下

  • ※下線部分は2020年より適応。

  • 退職して無職などの理由から住民税免除は受けられる?

    失業などの理由で現在無職の場合、収入がないのに住民税を支払うのは厳しいという人もいるでしょう。住民税は退職後免除を受けることはできるのでしょうか。

  • 一般的には、自己都合退職や定年退職による失業は住民税免除の対象にはなりません。

  • 先ほどからお伝えしているように、住民税は前年の1月1日~12月31日の所得に応じて支払います。ですから、退職する時は翌年住民税を支払う時になってお金がないということがないよう、考えておきましょう。

免除対象ではないが税金を払うのが厳しい場合どうする?

  • 住民税の免除対象ではないけれど、税金を支払うのが厳しい場合には、住民税減額の対象になるのか、住民税の分納が可能なのかを確認しましょう。

  • ケースによっては住民税が減額となる

    会社員や公務員の場合、住民税は給与から天引きされています。でも、退職した後は、自宅に納税通知が送られてきます。

  • その時に無職だった場合、住民税を支払うのが厳しい場合もあるでしょう。そのような場合に、住民税減額の対象になる場合があります。

  • 自己都合退職や定年退職による失業は対象にはなりません。ただし、失業手当を受けている人や病気や妊娠・出産により退職した人、医療費の支払いや災害による被災者で住民税の支払いが困難になった人は、住民税の減額対象になる場合があるので、「当てはまるかも」と思う人はまず自分の住んでいる自治体に問い合わせてみるといいでしょう。

  • 住民税を分納する方法もある

    住民税の減免を受けられなかった場合、住民税を分納するという方法があります。

  • 個人事業主や無職の人は4期に分けて支払いますが、1期は6月末、2期は8月末、3期は10月末、4期は翌年1月末と、期限が決められています。

  • しかし、失業などで納付期限までに支払うことが難しい場合、支払わずにいると督促状が送られてきます。そして、督促状が届いてもさらに放置していると、財産などが差し押さえられる場合があります。

  • もし、失業などで期限までに支払うのが厳しいという場合は、支払いの期日までに住んでいる自治体に相談をすることで、分割納付(分納)が認められる場合があります。

  • また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で住民税の支払いが困難になった場合は、最大1年間納税の猶予が認められる場合があります。住んでいる都道府県・市区町村によって制度が異なっているので、自分の住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。

  • 住民税は翌年支払う税金だということをしっかり認識して、退職する時などは直前になって慌てないで済むように準備をしておきましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年10月4日時点のものです

  • 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)

    執筆者プロフィール 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)
    女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター
    安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表、
    ファイナンシャル・プランニング技能士2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格
    短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げ、個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。

    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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