【2020最新版】扶養控除とは?年収103万円の壁や配偶者控除など基本を解説
【2020最新版】扶養控除とは?年収103万円の壁や配偶者控除など基本を解説
公開日 2020/11/18
更新日 2020/11/18

【2020最新版】扶養控除とは?年収103万円の壁や配偶者控除など基本を解説

扶養控除は家族を扶養している場合に受けられる所得控除のひとつです。配偶者控除とは異なり、扶養親族の年齢によって収入から引かれる控除額が変わります。扶養控除が適用されるための扶養親族の範囲や年収などの条件、控除を受けるための申告書の提出方法などについて見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

扶養者がいる場合に受けられる所得控除とは?

  • 扶養者がいる場合に受けられる所得控除には、「扶養控除」のほか、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」、2020年から新たにできた「ひとり親控除」などがあります。

  • ちなみに対象となる扶養者はそれぞれ次のとおりです。

    ・扶養控除:16歳以上の子どもおよび親・祖父母等

    ・配偶者控除:配偶者(妻または夫)

    ・配偶者特別控除:配偶者(妻または夫)

    ・ひとり親控除:ひとり親に扶養されている子ども

  • それぞれ所得から控除できる金額や適用されるための条件などが異なります。

扶養控除とは

  • 扶養控除とは、扶養親族がいる場合に受けられる所得控除のうち、「16歳以上の子どもおよび親・祖父母等」を扶養している人が受けられる所得控除です。

  • 扶養控除の対象になる人とは

    扶養控除の対象となる人は納税者と生計を一にしている扶養親族のうち、16歳以上かつ配偶者以外の人です。ちなみに16歳以上というのは控除を受ける年の12月31日時点の年齢です。

  • なお、生計を一にするというのは同居している場合に限りません。離れて暮らす両親や親元を離れて高校・大学に通う子どもなどに仕送りしている場合も対象になります。

  • ところで、小さな子どもを扶養しているのになぜ扶養控除を受けられないのかと思う人もいるかもしれません。これは15歳までの子どもには児童手当が支給されるからです。少し古い話になりますが、2011年3月に児童手当法が改正され、児童手当が支給されるようになりました。期を同じくして16歳未満の子どもに対する扶養控除が廃止されたというわけです。

  • なお、配偶者の扶養については配偶者控除や配偶者特別控除で所得控除を受けるようになります。

  • 扶養控除の金額はいくら?38万円って何の金額?

    扶養控除の金額は被扶養者の年齢によって変わります。

  • なお、扶養親族の年齢によって「一般の控除対象扶養親族」、「特定扶養親族」、「老人扶養親族」と扶養親族の呼び方が区分されています。表にまとめましたので参考にしてください。

  • 扶養親族
    の年齢
    16歳~18歳19歳~22歳23歳~69歳70歳~
    扶養親族
    の種類
    一般の控除対象
    扶養親族
    特定扶養親族一般の控除対象
    扶養親族
    老人扶養親族
    控除額38万円63万円38万円48万円
    (別居の場合)
    58万円
    (同居の場合)

    出典:国税庁「No.1180扶養控除」を基に筆者作表

  • そもそも扶養控除は家族を扶養する人の経済的な負担軽減を主目的としています。

  • そのため、子どもが16歳になって児童手当の支給が受けられなくなったあと、扶養控除で納税者の所得から38万円を控除することで所得税の負担を軽減。子どもが19歳~22歳になると大学進学や学費、仕送りなどで出費がかさむことが多いため控除額を63万円にアップして、さらに所得税負担を減らす、ということから控除額が変わるのです。

  • 被扶養者に収入がある場合はどうなる?

    対象となる子どもや親などにアルバイトなどの収入があっても扶養控除は受けられますが、その人の年間所得額が48万円以下でなくてはなりません。アルバイトなど給与収入だけの場合は、年収103万円がボーダーラインとなります。

  • なお、扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。ここまで説明している扶養控除は税法上の扶養のこと。社会保険上の扶養というのは会社で加入している健康保険に扶養被保険者として加入させることをいいます。この場合の扶養は16歳以下の子どもでも構いません。

  • ただし、社会保険上の扶養でも被扶養者の収入条件があります。原則として次のすべてを満たす必要があります。

    ・扶養される人の年収が130万円未満(60歳以上の場合、180万円未満)

    ・被保険者(扶養する人)の年間収入の2分の1未満

基礎控除とは

  • 基礎控除についても確認しておきましょう。基礎控除は他の所得控除とは違い、条件なくすべての納税者が受けられます。

  • ただし、所得控除の金額は納税者の所得によって変わります。2019年までは一律38万円となっていましたが、税制改正により2020年からは次表のようになりました。

  • 納税者本人の合計所得金額控除額
    2,400万円以下48万円
    2,400万円超2,450万円以下32万円
    2,450万円超2,500万円以下16万円
    2,500万円超0円

    出典:国税庁「No.1199基礎控除」を基に筆者作表

  • 先に、扶養控除を受けるための被扶養親族の所得条件を見ましたが、これは基礎控除の最小控除額に応じています。

  • 2020年から基礎控除の最小額が48万円に変わったのに応じ、扶養控除の所得条件も48万円になりました。

配偶者控除・配偶者特別控除とは

  • 前述したように配偶者は扶養控除の対象になりません。配偶者を扶養している人は配偶者控除もしくは配偶者特別控除を受けることができるか確認しておきましょう。

  • 配偶者控除

    配偶者控除とは配偶者を扶養している人が受けられる所得控除です。配偶者は妻でも夫でも構いませんが、民法上の(婚姻関係のある)配偶者であることが条件で、事実婚の場合は対象となりません。

  • 配偶者控除の適用を受けるには、扶養控除同様、扶養される配偶者の年間所得額が48万円以下でなければなりません。また、扶養する納税者本人の年間合計所得額が1,000万円(給与収入だけの場合、年収1,220万円が目安)以下であることも条件です。

  • 控除される額は、扶養する納税者の所得額により13万円~38万円、配偶者の年齢が70歳以上の場合は納税者の所得額により16万円~48万円となっています。

  • 配偶者特別控除

    特別控除とは、配偶者の所得額が48万円を超え、配偶者控除が受けられなくなることによる家計に与える影響を鑑み設けられた所得控除制度です。

  • 配偶者の年間所得条件はこれまでに何度か改正されています。2020年以降は48万円超133万円以下とされています。パートなどによる給与収入だけの場合は年収103万円超201万6,000円以下が目安です。

  • なお、配偶者特別控除も配偶者控除同様、扶養する納税者本人の年間合計所得額が1,000万円(給与収入だけの場合、年収1,220万円が目安)以下でなければ受けることはできません。

扶養控除を受けるためには

  • 扶養控除を受けるための手続きは、会社員なら年末調整で、自営業などの人なら確定申告で行います。

  • 年末調整をする人は、会社から配布される「扶養控除等(異動)申告書」に扶養する人の情報(氏名、続柄、生年月日等)を記載し、会社に提出します。

  • なお、勤務先にもよりますが、年末調整は11月頃に行うのが一般的ですが、扶養控除の対象になる親族はその年の12月31日時点で決まります。

  • たとえば、年末調整で申告書を提出した後、親を扶養することになった場合や、それまで扶養していた子どもが結婚して扶養から外れるといったケースもあります。

  • このような場合には、年末調整のやり直しが必要です。勤務先の締切りに間に合わない場合には確定申告をしましょう。還付あるいは追納が可能になります。

  • 今回、扶養控除にスポットを当て説明しましたが、家族を扶養する場合の所得控除についておわかりいただけたでしょうか。家族を扶養するということは、その分お金もかかります。受けられる所得控除の種類や内容を知り、申告もれのないように気を付けましょう。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年10月7日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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