

出産手当金や給付金とは?支給日はいつ?計算や申請方法について一覧で解説!
子どもを産み育てていくにはどうしてもお金がかかるもの。
出産の時にもらえる「出産手当金」があることを知っていますか?
出産手当金とは何か?妊娠から出産までにいつどのような手当金が給付されるのか?支給日や申請方法は?など、妊娠したという人、またこれから妊娠を考えている人に知っておいてほしい出産時にもらえる手当についてお伝えします。
出産時にもらえる手当や給付金とは?
出産手当金とは
会社員など給与所得者は労働基準法65条により、出産前と出産後は産前産後休業を取得することが認められています。産前産後休業は、出産前42日間(多胎妊娠の場合は98日間)と出産後56日となっています。出産日は前後することが多いですが、予定日から数えて計算します。
産前産後休業の間、有給休暇が使えない場合は勤務先からの給与は支給されません。これから出産でお金がかかるのに収入がなくなると不安ですよね。
もし産前産後休業中に収入がなくなっても、健康保険に加入していることで受け取ることができるお金が「出産手当金」です。もらえる金額は出産する人によって違っており、給与や出産日をもとに計算されます。
出産育児一時金とは
病気をしたりケガをしたりした時は、病院で健康保険証を見せることで、3割負担の医療費で診察を受けることができます。でも、妊娠・出産は病気ではないので全額自己負担で受診しなければなりません。
出産にかかる費用は、医療機関にもよりますが、2017年6月に発表された国民健康保険中央会の調査によると平均で50万5,759円。自己負担となるとまとまった出費が予想され大きな負担となってしまいます。
しかし、健康保険に加入していることで、「出産育児一時金」として、出産後子ども1人につき42万円もらえます。なお、「直接支払制度」や「受取代理制度」を利用すれば、医療機関には42万円を超えた金額だけ支払えばいいので、出産の際にまとまったお金を準備しなくて済みます。
いつもらえる?申請方法は?
では、「出産手当金」と「出産育児一時金」はどのように申請していつ給付されるのでしょうか。わかりやすいように一覧表にまとめてみました。
勤務先を通じて手続きをしてもらえるところもあるので、妊娠がわかったら早めに勤務先に確認しておきましょう。
「出産手当金」と「出産育児一時金」申請方法 出産手当金 出産育児一時金 対象者 (1)出産のため会社を休んだ健康保険の被保険者
(2)退職した場合は退職日まで継続して1年以上健康保険組合に加入していた人
(3)出産手当金支給期間内に退職した人健康保険被保険者
※被扶養者の場合は「家族出産育児一時金」として対象になる
妊娠85日(4ヵ月)以後の出産
死産(流産)
人工妊娠中絶対象期間 出産前42日(多胎妊娠の場合は98日)と出産翌日以後56日の中で無休の期間
※出産予定日より遅れた場合は出産予定日前42日+遅れた出産日までの日数+出産後56日なし 支払われるタイミング 対象期間終了後に申請 出産後に申請
※「直接支払制度」を利用することで立替不要計算方法 1日につき
直近の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30(10円未満の端数を四捨五入)×2/3に相当する額1児につき42万円
※産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合または在胎週数22週未満の分娩の場合は40万4,000円(2014年12月31日以前の出産の場合は39万円)必要な書類 ・健康保険出産手当金支給申請書
・健康保険証の写し
・母子手帳の写し
・印鑑
・事業主の証明書類【直接支払制度利用】
・健康保険出産育児一時金等内払金支払請求書
・差額申請書(出産費用が出産育児一時金支給額未満の場合)
【直接支払制度利用なし】
健康保険出産育児一時金支給申請書申請方法 健康保険組合に書類を提出 健康保険組合に書類を提出 出典:「全国健康保険協会(協会けんぽ))」より筆者作表
まとめ
産前産後休業中は、働くことができない分収入が減ってしまうことが懸念点ではありますが、このような制度を利用することで金銭面の負担を軽くすることができます。
また、産前産後休業だけではなく、育児休業の期間にも、育児休業給付金、社会保険料免除など、生活を支援するための様々な手当の制度があります。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
妊娠や出産の前にお金の心配を少しでも減らしておくことで、安心して出産と育児に専念できるといいですね。
※本ページに記載されている情報は2020年7月28日時点のものです
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執筆者プロフィール 安部 智香(ファイナンシャルプランナー)
女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表
ファイナンシャル・プランニング技能士<国>2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格
短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げ、個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。著書は『幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪』 (パブラボ)
エフピーウーマン( https://www.fpwoman.co.jp/ )