【源泉徴収とは?】給料から引かれた「所得税」が戻ってくる仕組みや手続きを解説
【源泉徴収とは?】給料から引かれた「所得税」が戻ってくる仕組みや手続きを解説
公開日 2020/09/28
更新日 2020/09/28

【源泉徴収とは?】給料から引かれた「所得税」が戻ってくる仕組みや手続きを解説

正社員でもパートでも、勤務先から給料をもらう人なら知っておきたい源泉徴収や所得税の仕組み。給料や賞与から引かれている所得税額は実は仮の金額で、多く引かれ過ぎている可能性もあります。とはいえ、きちんと精算する制度があり、手続きすれば引かれすぎた税金が戻ってきます。

今回は、源泉徴収と所得税にまつわる基本知識や計算のしかたなどについて見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

源泉徴収・源泉所得税とは?

  • 正社員でもパートでも、会社から支払われる給料からは所得税が差し引かれています。会社によっては給与明細に「所得税」ではなく「源泉所得税」と書かれている場合もありますが、基本的にはどちらも同じものです。

  • ではなぜ「源泉所得税」というのかというと、それは「源泉徴収した所得税」だから。

  • そもそも所得税は所得を得た人自身がその年の所得金額と税額を計算し、申告、納税するものです。しかし、税法では、人を雇って給与を支払う会社や個人は支払額から所得税額を差し引いて(徴収して)支払い、従業員に代わって納税しなければならないと決められています。

  • このような納税システムを「源泉徴収制度」といい、源泉徴収制度にもとづき納める税金を「源泉所得税」といいます。

  • 給料から徴収される所得税の金額は、国税庁の「給与所得の源泉徴収税額表」によって決まります。源泉徴収税額表は給料の支払いが月給制か日給制(週休制)かによっても異なり、それぞれ扶養親族の人数なども加味して細かく税額が決められています。

  • たとえば月給制で、社会保険料等を控除した後の給与の額が15万円の場合、扶養親族がいない人なら源泉徴収額は2,980円、扶養親族が1人いるなら1,360円(2020年分)という具合です。

  • 原則として、パートやアルバイトでも正社員と同様に源泉徴収されますが、社会保険料等を控除した後の給与の額が一定額未満の場合は源泉徴収されません。一定額というのは月給の場合は8万8,000円未満、日給の場合は2,900円未満となっています。

徴収されすぎている所得税は戻ってくる

  • 実は所得税の納税額は、本来、1年に1度、年単位で計算されるものです。このとき給与額や扶養親族の数以外にも、さまざまな個人ごとの事情を勘案して計算します。

  • ここで言う個人ごとの事情とは、保険や個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)に加入している、住宅ローンを払っている、年間に支払った医療費の額が多くなった場合など。他にも色々ありますが、いわゆる「所得控除」が適用される支出をした場合に、1年間の収入合計額から所得控除合計額を差し引いて、税率をかけてその年の所得税額を計算する仕組みです。

  • つまり、給与から徴収されている所得税はいわゆる仮の所得税額。年末に扶養親族や生命保険、iDeCo加入などの個人ごとの事情を従業員本人が会社を通して申告し、正式な所得税額を計算し直します。この手続きのことを「年末調整」といいます。

  • 年末調整の結果、正式な所得税額が源泉徴収された合計額よりも少なければ、差額が還付されます。反対に正式な所得税額がこれまでの徴収分よりも多い場合は、差額を納めなければなりません。

  • 仮の例で見てみましょう。

    源泉徴収された額:3万5,760円(2,980円×12ヵ月)

    正式な納税金額:3万円

    還付される税金:5,760円(3万5,760円-3万円)

  • 年末調整は正社員に限られず、パートなどで働く人も対象となります。年収103万円以内なら所得税がかからないことになっていますが、源泉所得税は給料の支払いの都度決まり、月給8万8,000円を超える月は源泉徴収されてしまいます。そのような場合にも年末調整することで源泉徴収された分が還付されます。

年末調整と確定申告の違い

  • 確定申告は自営業やフリーランスで働く人など、給料から所得税を源泉徴収されない人が行う申告制度です。年末調整が会社経由で手続きをするのに対し、確定申告は自分自身で年間所得と税額を計算し、税務署に申告をして納税を行います。

  • 具体的な時期は勤める会社によって異なりますが、年末調整は年末に手続きを行います。一方、確定申告は、原則、翌年2月16日~3月15日と決められています。(申告期限が、土曜日、日曜日、祝日等の場合は、その翌日が期限となります。)

必要な手続きは?

  • 年末調整はしたけど必要書類が揃わず会社の締切りに間に合わなかったり、医療費控除のように年末調整では処理できない所得控除がある場合など、年末調整対象者でも確定申告が必要になる場合もあります。それぞれの手続き方法を見ていきましょう。

  • ・年末調整

    年末調整の手続きは、会社から配られた所定の用紙に内容を記載して、「生命保険料控除証明書」、「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」など、所得控除を受けるための必要書類を添付し会社に提出します。そうすることで、還付される税金分が年末の給料とともに支払われます。

  • ・確定申告

    確定申告書を作成し、会社からもらう「給与所得の源泉徴収票」および「生命保険料控除証明書」、「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」、「医療費の領収書やレシート」など、所得控除を受けるための必要書類を添付し、税務署に提出します。

  • 確定申告書の用紙は税務署でもらえますが、国税庁のホームページ上にある「確定申告書作成コーナー」から作成することも可能です。源泉徴収票に記載されている給与の額や所得控除額などを見ながら、画面の案内に従って金額等を入力していけば作成できます。

  • 還付される税金分は、おおむね1ヵ月~1ヵ月半程度で自分の口座に振込みされます。

  • 年末調整も確定申告も、どちらも節税につながる手続きです。聞き慣れない言葉も多々あり面倒に思いがちですが、きちんと手続きをして払いすぎた税金を取り戻したいですね。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年8月22日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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