解約返戻金って何?保険の契約や解約前に知っておきたいお金のこと【FP解説】
解約返戻金って何?保険の契約や解約前に知っておきたいお金のこと【FP解説】
公開日 2020/09/25
更新日 2020/09/25

解約返戻金って何?保険の契約や解約前に知っておきたいお金のこと【FP解説】

解約することを意識して保険に加入するのはおすすめできませんが、保険に加入する前に解約返戻金の有無を理解しておくことは大切です。保険は万一の死亡や病気、失業などに備えて加入するもので貯金とは異なるものです。それでも払った保険料分は返ってくると思う人も少なくないようです。

今回は、契約または解約前に知っておきたい解約や解約返戻金について見ていきましょう。

執筆:續 恵美子(ファイナンシャルプランナー)

解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは

  • 「解約返戻金」とは、保険契約を解約した後に保険契約者に対して払い戻されるお金のことです。

  • そもそも保険は、死亡や入院、生存して満期を迎える場合など、契約で定めた事由が発生すれば保険金や給付金が支払われるものですが、そのために保険会社は契約者が払い込んだ保険料の一部を「責任準備金」として積み立てていきます。

  • 契約が解約されると契約で定めていた保険金や給付金の支払いは不要になりますから、保険会社は責任準備金のうち所定の金額を契約者に返すことになります。これが解約返戻金ですが、どんな保険でも解約すれば解約返戻金を受け取れるかと言えば、そうではありません。

  • 保険には大きく分けて「貯蓄型」と「掛け捨て型」の保険があり、責任準備金はどちらのタイプかによって貯まり方が異なります。

  • 通常、責任準備金は保険料の払込みと期間の経過に応じて右肩上がりに増えていきます。しかし、掛け捨て型の保険では責任準備金は途中までは増えますが、保険期間満了が近づくにつれて減っていく仕組みです。

  • 保険期間中に死亡や入院などがないと保険金や給付金を受け取れないのが掛け捨て型の保険の特徴ですが、責任準備金の貯まり方も少なく解約返戻金はないか、あってもごくわずかになってしまいます。

  • 通常、解約返戻金が戻ってくるのは主に終身保険や養老保険、学資保険などの貯蓄型の保険です。ただし、契約をして期間が短い場合には貯蓄型の保険であっても解約返戻金はないか、あってもごくわずかということもあります。

  • 契約検討時には、保険会社からもらう設計書で解約返戻金の有無や目安額をきちんと確認しておきましょう。

  • また、契約が成立した後に保険会社から届く保険証券には解約返戻金の目安が記載されていますが、契約期間中に契約内容を変更することがあれば記載されている額と変わる場合もあります。年に1回保険会社から送られてくる「契約内容のお知らせ」などで定期的に確認するようにしましょう。

解約返戻金の種類

  • 解約払戻金には3つのタイプがあります。それぞれの違いを知っておくと解約払戻金の有無や増え方をイメージしやすくなります。保険のパンフレットや設計書には保険の正式名称とともに解約返戻金のタイプも記載されていますので、保険を検討する際にきちんと確認してください。

  • 従来型

    保険商品ごとにあらかじめ決められている返戻率の計算によって算出されるタイプです。返戻率とは「支払った保険料に対し、いくらの解約払戻金を受け取ることができるか」ということを表したものです。

  • 低解約返戻金型

    保険の種類にもよりますが、保険料払込期間中の解約返戻金が通常の解約払戻金の70%程度とされているタイプです。通常より低く抑えている分、保険料は割安です。また、保険料払込期間満了後は解約返戻金の返戻率は良くなるのが一般的です。

  • 無解約返戻金型

    解約返戻金を払わない代わりに、保険料が安くなるタイプです。いわゆる「掛け捨て」の保険はこのタイプです。

保険を途中解約することのメリット・デメリット

  • 先に見た解約返戻金のタイプの違いを知り、将来解約返戻金を活用することを予定して保険に加入する方法もあります。

  • たとえば、低解約返戻金型の終身保険を保険料払込期間満了後に解約し、解約返戻金を教育資金として活用するのもいいでしょう。払込期間中に親に万一のことがあれば死亡保険金を教育費として充てることも可能です。

  • しかし解約することを前提に加入するのでなければ、保険を解約することのメリットとデメリットをきちんと理解し、納得した上で解約を検討することが大切です。

  • メリットは、家計改善に繋がることです。加入時とニーズが変わり、必要な保障額が減ったり、不要になった場合などには解約することで無駄な保険料の支払いがなくなります。

  • 一方、デメリットとしては、払い込んだ保険料の額すべてを取り戻せない可能性があることです。保険の種類や加入してからの経過期間などにより解約返戻金の額は異なりますが、低金利の経済下では解約返戻金が既払保険料より少なくなるケースも多いため注意が必要です。

  • また、もうひとつのデメリットとして、大切な保障がなくなることも忘れてはいけません。そもそも保険は万が一の事態に遭遇したときに経済的に困らないよう加入するもの。解約の損得を考えるのも家計的には大切ですが、解約返戻金のタイプを知ることで「必要な保障を割安な保険料で備える」ことを重視するよう心がけたいですね。

  • ※本ページに記載されている情報は2020年8月21日時点のものです

  • 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)

    執筆者プロフィール 續 恵美子(女性のためのお金の総合クリニック認定ライター。ファイナンシャルプランナー〈CFP(R)〉)
    生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
    エフピーウーマン(https://www.fpwoman.co.jp/

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